著者
江谷 友梨 長井 志江 セオフィリス コンスタンティノス 明和 政子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.2D1J1103, 2019 (Released:2019-06-01)

ロボットが人間社会に次々と参入している中、人とロボットが親和的な関係を構築することは非常に重要である。私たちはロボットによるまばたきの模倣と内受容感覚の個人差が人とロボットの親和的な関係構築に影響を与えるかどうかを検証した。その結果、どちらの要因も人とロボットの親和的な関係との間に統計的に有意な関係を見出すことはできなかった。しかしながら、本研究で得られたデータから、人がロボットのまばたきを逆模倣するような場面が観察され、人とロボットのまばたきの同期が多いほど親和的な関係構築への期待も高まる可能性が示された。この発見は今後のHRI研究のデザインに重大な示唆を与えるだろう。
著者
麻生 英樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第25回全国大会(2011)
巻号頁・発行日
pp.3H2OS310, 2011 (Released:2018-07-30)

チョムスキー以来、統語構造が言語の生成性の主たる源であるという前提の下で多くの文法理論が研究されてきた。これに対して、生成意味論のように、意味構造の文法に生成性の中心があり、統語的な構造は意味構造に由来するという考え方も存在する。これは、物質の生成性の源を素粒子に求めることと似ている。本発表では、自然言語の素粒子理論、すなわち、言語の生成性を意味構造に帰着することが可能か否かについて議論したい。
著者
清田 直希 狩野 芳伸
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.4E3OS7b02, 2019 (Released:2019-06-01)

法律文書は専門性が高いうえ、客観的な評価を求められるため、 自然言語処理の分野において非常に期待されている。 しかし、その文章は非常に複雑で多様な解析技術を要する。 そこで本論文では、まず司法試験自動解答を行うコンテスト型 ワークショップCOLIEE(Competition for Legal Information Extraction and Entailment)で配布されるテストデータを 要素ごとに手作業で分類し必要タスクごと(条件文抽出、否定形解釈) の概要をまとめた。そして特に人物関係に注目し、動詞や人物の役割を 基に法律文書の構造化の提案を行う。
著者
Tomoki ITO Hiroki SAKAJI Kiyoshi IZUMI
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.4Rin125, 2019 (Released:2019-06-01)

To extract business contents automatically from financial reports is an important problem in the financial industry. Especially, segment names and their explanations are important contents to be extracted. However, the methods for extracting these types of information from financial reports have not been established. In this study, we aim to develop a practical solution for extracting these types of information. To solve this problem, we developed a manually annotated dataset for the task of extracting the segment names and their explanations of each company from financial reports and then developed a recurrent neural network model to solve this task. Our developed method using the manually annotated dataset outperformed the baseline methods without the dataset in the task of extracting segment names and their explanations of each company. This results demonstrated that our approach is useful for extracting the business contents of each company. This work is the first work for applying a machine learning method to the task of extracting segment names and their explanations. Insights from this work should be useful in the industrial area.
著者
吉信 真之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.3D3OS4a02, 2019

<p>人間の知能の基礎的事項について検討する。知能の構造・原理を理解する為、定義を尋ねる「知能とは何か」という問いを「知能のことを知能というのはどうしてか」という問いに置き換え、これに答えることを試みる。この問いに答えるため、構造、物理的背景、生成過程の副問題に分解、概観し、「複雑系の中で特に複雑になった階層に、ある領域としての人間がまたもう一方の領域を『知能』と見做している構造がある状態」という仮説を提案する。</p>
著者
堀田 大地 成冨 志優 丹野 良介 下田 和 柳井 啓司
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.4Pin110, 2018

<p>本研究では,深層学習技術を用いて,食事の見た目はそのままに,カテゴリのみ を変える食事画像変換を実現する.例えば,牛丼をどんぶりの形状や見た目はそ のままに天丼や親子丼,海鮮丼などに自由に変換することを実現した.本研究で は,CycleGANの手法を拡張し,1つの変換ネット ワークで複数のカテゴリへと変換可能とするconditional CycleGANを用いた食事 画像変換手法を提案する.Twitterから長期間にわたって収集した23万枚の食事 画像を利用することによって,高画質な食事画像変換が実現できることを示す.</p>
著者
坪内 孝太 下坂 正倫 小西 達也 丸山 三喜也 山下 達雄
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.4I14in1, 2017 (Released:2018-07-30)

スマートフォンの普及により大量に収集されるようになってきた位置履歴データを用いて人口異常を検知する既存研究は多いが、数日前の時点から人口異常を「予測」する研究はなされていない。 本研究はユーザの路線検索結果に着目することでユーザの予定情報を考慮しつつ、異常時の人口予測を可能にする手法を構築した.大規模なイヘントであれば 1 週間前の時点からでも異常を予測できることを実験により確認した。
著者
神嶌 敏弘 赤穂 昭太郎 麻生 英樹 佐久間 淳
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第26回全国大会(2012)
巻号頁・発行日
pp.3E1R61, 2012 (Released:2018-07-30)

推薦システムは,大量の情報の中から関心のある情報を抽出するための手段として普及している.しかし,関心がないものとしてフィルタリングされてしまい,多様な情報に触れる機会を奪っているとするフィルタバブル問題が指摘されている.この問題に対し,ある観点・情報について中立性を保証する推薦システムを提案する.
著者
濱脇 諒 和泉 潔 坂地 泰紀 米納 弘渡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.2P202, 2018

<p>ある企業の倒産が原因となり、その他の企業まで倒産し、ドミノ倒しのように倒産が続くことを連鎖倒産と呼ぶ。本研究では、エージェントシミュレーションを用いて、「銀行の保有する市場性資産の価格変動」と「銀行間の貸借ネットワーク形状」を変化させた時の銀行の連鎖倒産への影響を調査した。得られた結果は以下の通りである: (1)市場性資産の価格の変動率が高いほど最終的な倒産数も増加する; (2)リンク密度が高いほど最終的な倒産数は減少する。これらの結果は、銀行の連鎖倒産の原因が、資産市場の価格変動と銀行間の貸借のどちらか一方ではなく、両方であることを示唆している。</p>
著者
岩崎 絢子 仲山 千佳夫 藤原 幸一 角 幸頼 松尾 雅博 加納 学 角谷 寛
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.1H4J1303, 2019 (Released:2019-06-01)

睡眠時無呼吸症候群 (SAS) は, 睡眠中に呼吸の停止あるいは呼吸量の減少が頻回に起こる疾患であり, 日中の眠気などの症状を引き起こすほか, 心血管系の合併症のリスクを高める. しかし, 自覚症状に乏しいケースも存在することから, 診断および治療に至っていない患者が多く存在すると考えられている. SAS の診断には終夜睡眠ポリグラフ検査 (PSG) が用いられるが, PSG を実施できる施設が少ないことが問題となっていた. そこで本研究では, 心拍変動解析と長期短期記憶を組み合わせた簡便なスクリーニング手法を提案する. SAS 患者および健常者計 59 名のデータに対して提案法を適用したところ, 感度 100%, 特異度 100% で SAS のスクリーニングが可能であることが判明した.
著者
新屋 勝啓 長 隆之 山岡 成光 西 和彦 中尾 政之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.3Rin218, 2019 (Released:2019-06-01)

近年、深層学習を利用したIoT技術は様々な目的に利用されている.IoTにおいてエッジコンピューティングとデータ転送量、クラウドへのデータ蓄積のバランスが重要である.本研究では、深層学習を用いた画像認識技術に寄って、自動販売機から購入された飲料を自動で認識することを提案する.
著者
藁谷 敏晴
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.448-460, 2005 (Released:2005-10-12)
参考文献数
27
被引用文献数
2 2

The main aim of this paper is to propose an appropriate logical system that is suitable to describe the notion of IS-A link as well as is-a link. The most important point to be realized is that those relations are not set thoretical ones. They connect two `general names' to construct a proposition, so that what is needed for proper descriptions of the relations in question is a theory of general names. It will be shown that is-a is a logical unit of axiomatically determined behaviour. The axiom concerning is-a relation was established by S. Lesniewski who named his theory of general names ontology. Today `ontology' has also become a common term for AI researchers. I intend to make it clear that there is a close connection between `ontology' used by Lesniewski and by AI researchers, even though they developed quite independently. I wish to stress that ontology created by Lesniewski is a system of syllogistic equipped with singular propositions and the theory of quantification. To make this point clear, I proposed a fragment of syllogism that I called MO(minimal ontology). This paper includes comments and examples articulating the logical power of ontology.
著者
谷田 泰郎 高椋 琴美 齋藤 有紀子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.1F2NFC102, 2019 (Released:2019-06-01)

人間の理解に基づくコミュニケーションは非常に重要である。然しながら、そのメカニズムを理解することは必ずしも重要ではない。本稿では、膨大な情報から情緒的価値(感覚的な感性価値)のみを抽出する「心のモデル」を提示する。
著者
河津 裕貴 丸井 淳己 榊 剛史 森 純一郎 坂田 一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.4I14, 2015

<p>SNS上のユーザーインタラクションから情報を抽出する重要性が認識されて久しい.分析に際しテキスト情報から主観や感情を抽出する技術が多く用いられるが,非自然言語の頻出するSNSの感情分析において話者の感情を司る顔文字の重要性は高い.本研究ではSNSの特徴を考慮した実用性の高い顔文字分類を目的とし, 主に教師なし学習を用いて十分に多数の顔文字を分類し,検証する.</p>
著者
佐倉 統 福住 伸一 中川 裕志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.4Rin138, 2019

<p>この論文の目的は,人とAIが一緒に写っている写真を対象にしてそれらの構図を分析すること(図像分析)が,人−AI関係の文化的相違の解明に資すると示すことである.試行的に得られたインターネット上の画像から,日本由来の写真では人とAI/ロボットは横並びに位置してこちらを見ていることが多く,欧米由来の写真では人とロボットがお互いに向き合っている構図が多いことがわかった.共視論研究(北山,2005)によれば,日本の浮世絵の母子像は何か別の物(第三項)を一緒に注視していることが多く,西洋の絵画ではこのような共視は少ないという.このような"共視"は人では生後9か月から見られるようになる.浮世絵の母子関係と同じパターンが人−AI関係にも見られるのだとすると,それはAIやロボットが人間の子供と同じく何物か(第三項)を共同注視することのできる存在,それだけの認知能力をもった存在として日本では無意識に認知していることを示唆する.欧米ではAI/ロボットはもっと人に従属する存在として位置づけられているのではないか.今後より体系的な図像分析をおこない,東アジア内での国際比較(日韓台)をおこなう必要がある.</p>
著者
鈴木 琢也 井口 圭一 木下 琢也 石川 明洋
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.3Pin101, 2018

<p>建築物の安全性を支える構造に関する技術の理解には,高度な専門的技術・知識を必要とする。そのため,一般の人々から理解されにくいものとなっている。しかし,技術者が構造解析の結果や意味をよりわかりやすく伝えることができれば,一般の人々はより正しく「安全」を理解し,今以上に「安心」を得ることができると考えられる。「いかにわかりやすく伝えるか」は,建築技術者にとって重要な課題といえる。 本報では,新たにタッチで出来る構造最適化アプリケーションの対戦版を提案し,そこで利用する対戦コンピューターの戦略ロジックを決定するために実施した,各種最適化手法の適用性検討結果を報告する。</p>
著者
小方 孝 小野 淳平
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.1F2NFC103, 2019 (Released:2019-06-01)

筆者は物語生成の観点から,特に「統合物語生成システムを持つ芸能情報システ ム」の観点から,歌舞伎における要素と技法を調査・分析して来た.本論文の目 的は,歌舞伎における二つの要素(人及びストーリー)と同じく二つの技法(綯 い交ぜ及び尽し)を選び,その組み合わせ的な,あるいは多重的な使用について 考察することである.結果として,筆者は自動的に生成・編集された,役者の記 述・二つの歌舞伎作品の梗概・綯い交ぜと尽しの技法を利用して編集されたシナ リオを含む例を示す.この例は,「統合物語生成システムを持つ芸能情報システ ム」におけるある反復生成過程におけるある特定の地点におけるストーリーに対 応する.