著者
上野 浩晶 中里 雅光
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.3, pp.753-759, 2014-03-10 (Released:2015-03-10)
参考文献数
13
被引用文献数
2 2

日本を含めた世界中で肥満者が増加しており,その結果として2型糖尿病,脂質異常症,高血圧,脂肪肝,脳卒中,虚血性心疾患などを合併した肥満症患者が増加している.肥満症患者では3%の体重減少でも糖脂質代謝や血圧などの改善がみられるため減量が重要であるが,現実的には食事運動療法のみでは減量できない場合が多く,抗肥満薬の必要性が出てくる.現在,日本ではマジンドールのみが抗肥満薬として認可されているが,リパーゼ阻害薬であるセチリスタットが最近製造承認を受けた.欧米ではリパーゼ阻害薬のオルリスタット,中枢性食欲抑制薬であるロルカセリンやtopiramateとphentermineの合剤などが使用されおり一定の減量効果を認めている.他にも多数の抗肥満薬が開発または治験中であるが,本稿では世界での抗肥満薬の現状と開発状況について概説する.
著者
白浜 雅司
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.96, no.2, pp.377-380, 2007 (Released:2012-08-02)
参考文献数
6
被引用文献数
2 2
著者
鈴木 克洋
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.4, pp.1058-1066, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
33

非結核性抗酸菌(NTM)は結核菌群以外の培養可能な抗酸菌の総称であり,同菌による肺の感染症が肺NTM症である.肺M. avium complex(MAC)症は同症の80%以上を占め,画像により結節・気管支拡張型と線維空洞型に分類される.近年50代以降の女性の結節・気管支拡張型肺MAC症が顕著に増加している.NTMは環境寄生菌であり,ヒトからヒトへの感染は否定されている.逆に検体からのNTM検出のみでは診断できず,診断基準を満たす必要がある.その概要は肺NTM症に合致する画像所見があり,喀痰から2回同一NTMが培養される事である.肺MAC症の治療はクラリスロマイシンを中心とする化学療法で行うが,その成績は満足できるものではない.従って空洞や気管支拡張などが切除可能範囲に限局している場合,化学療法に外科療法の併用を考慮する.
著者
佐藤 勉 小船 雅義 加藤 淳二
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.99, no.6, pp.1272-1276, 2010 (Released:2013-04-10)
参考文献数
12

アポトーシスのシグナルはカスパーゼファミリーやミトコンドリアを介して伝達されるが,その経路においてreactive oxygen species(ROS)は必須の役割を果たす.一方鉄は,エレクトロンドナーとしてROS産生に関わることで,アポトーシスシグナルを正方向に調節している.アポトーシス細胞死が肝細胞傷害の本態となるC型慢性肝炎では,鉄過剰が病態を増悪させることが明らかとなり,除鉄療法が有効な治療法になることが示されている.
著者
筒井 裕之
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.9, pp.2328-2333, 2014-09-10 (Released:2015-09-10)
参考文献数
14
著者
榊原 博樹
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.98, no.12, pp.3089-3095, 2009 (Released:2012-08-02)
参考文献数
19

アスピリン喘息は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の共通した薬理作用であるアラキドン酸シクロオキシゲナーゼ阻害作用(→プロスタグランディンE2の減少)がトリガーになり,主としてシスティニル・ロイコトリエンの増加が過敏反応を惹起する.アスピリン喘息は他の薬物過敏症と比べて著しく有病率が高く,鼻・副鼻腔疾患の合併が多いなどの特徴的な臨床像をもち,喘息の一つのタイプと考えるべきである.アスピリン喘息はNSAIDsによる突発的な重症発作や死亡リスクを負った存在であり,慎重な対応が必要である.
著者
大島 茂 渡辺 守
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.1, pp.81-85, 2015-01-10 (Released:2016-01-10)
参考文献数
10

腸管は,栄養の消化吸収を行っていると同時に,外来異物に対する生体防御の最前線でもある.腸内細菌は1×1014個にも及び,腸管免疫系の発達に作用するだけでなく,Th17細胞の分化を誘導したり,制御性T細胞の数および機能を高めたりすることで,腸管の生体防御における恒常性を維持している.腸内細菌の構成異常は免疫異常につながり,各種疾患発症に関わっているのみならず,腸管免疫系を介し腫瘍形成にも関与している.
著者
斎藤 清二
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.92, no.10, pp.2053-2058, 2003-10-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
12

近代医学は生物科学的側面を過剰に重視するあまり,患者の心理社会的側面を含む全人的な配慮をおろそかにしてきた.このような近代医学の偏りを補償するムーブメントの一つとして, Narrative Based Medicine (NBM:物語りに基づく医療)が提唱され,注日を集めている. NBMは,ポストモダンなパラダイムである社会構成主義をその理論的背景とし,人類学,社会学,心理学などの関連領域との学際的な連携をその特徴とする.一般医療におけるNBMの特徴は, 1)個々の患者の病いの体験と人生についての物語りの尊重, 2)語り手としての患者の主体性の尊重, 3)医療における多元性の尊重, 4)非因果論的観点の重視, 5)治療としての対話の重視,などにまとめられる.また, NBMとEvidence Based Medicine (EBM)とは,互いに補償しあう,患者中心の医療実践のための車の両輪的方法論であると言える.
著者
佐々木 毅
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.88, no.12, pp.2499-2506, 1999-12-10
参考文献数
30
被引用文献数
1

ヒトパルボウイルスB19 (B19)は,小児の伝染性紅斑(りんご病),成人での急性多発性関節炎,あるいは胎児水腫等を起こす.また,赤芽球障害(Aplastic crisis,赤芽球勞).更には肝障害,急性腎炎,血球貪食症候群発現にも関与しうる.我々は,慢性関節リウマチ(RA)の活動時病変を有する関節滑膜組織において, B19が活性化され,かつB19がTNFα, IL-6らの炎症性サイトカイン産生を惹起することを見出した. B19はRA関節滑膜細胞(SVC)の中でもマクロファージ,芽中心の樹状細胞, T, Bリンパ球に発現し,オートクライン,パラクライン機転で炎症細胞, SVCの活性化と増殖を促すと推定される.この事は自己免疫病(慢性関節リウマチ)発症における免疫系細胞をターゲットとしたB19持続感染の役割を示すものであろう.
著者
徳田 安春
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.3, pp.505-509, 2017-03-10 (Released:2018-03-10)
参考文献数
3
著者
尾内 一信
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.11, pp.2117-2119, 2016-11-10 (Released:2017-11-10)
参考文献数
1

日本人の海外渡航者は毎年1,600万人を超え,その中でもアジアなど発展途上国への渡航者が増えている.また,発展途上国での滞在期間が延び,日本ではあまり経験しない熱帯病などの感染症に感染する機会が増えている.日本人の渡航者は,欧米人に比べて海外渡航時の体調不良には無関心であり,準備不足であるので,海外での感染症に罹患するリスクについてさらなる啓発が必要と思われる.

1 0 0 0 OA 12.筋無力症

著者
松本 英之 宇川 義一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.102, no.8, pp.1994-2000, 2013-08-10 (Released:2014-08-10)
参考文献数
10
被引用文献数
3 3

重症筋無力症では抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体の他に,筋特異的チロシンキナーゼ(MuSK)抗体が発見され,その抗体の種類により臨床像が異なることが判明した.また胸腺摘出術のメタ解析で有効性が証明されず,また治療の選択肢が増加しており,治療方針が大きく変化している.Lambert-Eaton筋無力症候群は,肺小細胞癌などの悪性腫瘍の治療の進歩により,症状の改善が期待されるようになっている.
著者
高後 裕
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.9, pp.2412-2424, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
56
被引用文献数
1
著者
斉藤 喬雄 佐藤 博
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.82, no.11, pp.1797-1801, 1993

重症の高血圧による急速な腎機能の低下は,悪性高血圧の症状の一つとして重要である.重症の本態性高血圧でコントロールがきわめて不良なため悪性腎硬化症を呈する場合,全身性進行性硬化症や結節性多発性動脈炎など膠原病に伴う場合,内分泌性あるいは腎性高血圧などの場合でこのような状態が生じることがあるが,さまざまな降圧薬の開発や基礎疾患に対する早期診断や治療により,その頻度は減少しつつある.
著者
服部 理男
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.608-621, 1959

鉄剤が人体に投與された際の鉄の處理様式殊に鉄剤受容者側の状態が如何なる影響を鉄剤の處理に及ぼすかについて檢討した. 筋注鉄剤を血清に添加し, その前後で血清不飽和鉄結合能 (UIBC) を測定すると, UIBC値は不変で從つて筋注鉄剤は血清それ自体に対しては安定であり, トランスフェリンに鉄が直接移行する事はない. この事実は又濾紙電気泳動による実驗結果からも推定された. 種々の段階にある貧血患者群及び対照群にデキストラン鉄100mgを靜注し, 鉄剤の處理態度を比較すると, 血漿鉄の消失度は各群共ほゞ同一であるが, 注射後におけるUIBCの減少率は, 各群間に差が認められ貧血の強い群では他の群に比較し, 注射後血清鉄結合能の飽和される傾向が著明に少ない. 又他の各群間にもそれぞれ特徴あるIBCの飽和度の推移が觀察された. 又鉄剤投與時の副作用を報告し, 急性鉄中毒により起こつた副作用である事をUIBC値の完全飽和の事実から推定した.
著者
寺嶋 淳
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.11, pp.3154-3161, 2012-11-10
参考文献数
10

イノシシなどの野生動物の肉を生食して寄生虫疾患に罹患することがあるが,近年では,食肉用家畜の食肉を生食することによるカンピロバクター,腸管出血性大腸菌などの細菌感染症が発生している.腸管出血性大腸菌感染症では溶血性尿毒症症候群や脳症で死亡することもある.また,馬肉の住肉胞子虫による食中毒や豚レバー刺しによるアジア条虫症も報告されており,肉の生食による危険性を十分に認識しておかねばならない.<br>