著者
岩崎 真樹
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.8, pp.1381-1387, 2016-08-10 (Released:2017-08-10)
参考文献数
6

2剤以上の適切な抗てんかん薬治療によっても発作がコントロールされない患者に対して,てんかんの外科治療が検討される.専門医による術前精査を経て適応を決めるが,①内側側頭葉てんかん(海馬硬化症),②限局する器質病変による難治てんかん,③半球性病変による乳幼児の難治てんかんは,特に外科治療が有効である.てんかん発作は,就労や運転免許など患者の生活の質(quality of life:QOL)に大きく影響するため,外科適応は早期に判断する.
著者
小松 康宏 門田 美和子 福井 次矢
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.12, pp.2353-2357, 2016-12-10 (Released:2017-12-10)
参考文献数
16

エビデンスに基づく標準的な医療を安全,効率的に提供するためには医学的アプローチに加え,産業界で発展した品質管理学の手法を応用することが欠かせなくなってきた.Quality improvement(医療の質改善)と呼ばれる学際領域であり,日本の産業界で発展した各種の手法が用いられている.本稿では,質改善の考え方と主な手法(PDCAサイクル,リーン生産方式,six sigma(シックスシグマ)など)について解説する.
著者
阿南 英明
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.102, no.2, pp.455-460, 2013 (Released:2014-02-10)
参考文献数
5
著者
本村 政勝
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.9, pp.1953-1958, 2015-09-10 (Released:2016-09-10)
参考文献数
10
著者
渡辺 彰
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.11, pp.2297-2300, 2015-11-10 (Released:2016-11-10)
参考文献数
8
被引用文献数
1

1 0 0 0 OA 2.肺癌の病因

著者
長谷川 好規
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.6, pp.1261-1266, 2014-06-10 (Released:2015-06-10)
参考文献数
10
被引用文献数
3

肺癌の病因として最も発癌への寄与が高く重要であるのは,喫煙である.一方で,喫煙と関連のない非喫煙者の肺癌が存在し,職業や環境からの曝露と遺伝的要因が存在する.これまでの研究から,肺癌発症には環境要因と遺伝要因が複雑に絡み合ってリスク因子が形成されると考えられている.喫煙や大気汚染物質,アスベストをはじめとする発癌物質の曝露を社会全体でコントロールするとともに,遺伝要因を含めた病態解明を進める必要がある.
著者
松浦 秀夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.88, no.2, pp.255-261, 1999-02-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
5
被引用文献数
1

高血圧症治療におけるライフスタイルモディフィケーションの意義と実際について,それぞれの問題点,注意点を挙げながら概説した.いずれの項目も患者に理解されやすいものであるが,指導する上でいかに具体的にかつ分かり易く説明するかが重要である.また,生活習慣の改善による降圧効果発現には時間がかかること,効果の程度が薬物療法に比べ小さいことから,患者の努力が中断しないように治療計画を立てることが必要である.
著者
樋口 逸郎
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.96, no.8, pp.1598-1603, 2007 (Released:2012-08-02)
参考文献数
5

薬物によるミオパチーは早期発見により回復しうる筋疾患であり,注意深い病歴の聴取と診察による早期診断が極めて重要であり,また,筋変性の病態を解明するための実験モデルとして病理学的にも重要である.横紋筋融解症は薬物によるミオパチーの中で最も頻度が高く,生命に関わる重篤な病態を呈することがある.また,低カリウム血性ミオパチーやステロイドミオパチーも日常臨床でしばしば遭遇する頻度の高いミオパチーである.
著者
石田 久美子 石田 裕 山縣 邦弘 小山 哲夫 成田 光陽
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.90, no.7, pp.1199-1206, 2001-07-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
10
被引用文献数
1

成人では職域,地域で健診が実施されているが,学童と異なり,暫定診断,結果の集計まで含めたシステム化は行われていない.茨城県の健診結果では,血清クレアチニン(S-Cr)異常者は尿蛋白陽性者に多く,また,年代が高いほど多い.一方, S-Cr異常者の6割以上が尿検査で異常を認めない.腎機能予後は尿蛋白陽性群,高血圧群で悪い.軽度腎機能異常者は腎障害としての治療を受けていない者が多く,成人領域における管理システムの構築が望まれる.
著者
辻岡 貴之 和田 秀穂 矢田 健一郎 末盛 晋一郎 山田 治 杉原 尚 定平 吉都
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.91, no.6, pp.1873-1875, 2002-06-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
8

精巣原発悪性リンパ腫(Primary testicular lymphoma:以下PTL)はstage Iでも精巣摘出術と化学療法のみでは対側精巣と中枢神経系に再発しやすい予後不良の疾患である.今回,我々は初回治療として対側精巣照射及び髄注療法を加えたにもかかわらず, 6年後に中枢神経系に再発した症例を経験したので報告した.
著者
鶴屋 和彦 平方 秀樹
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.7, pp.1414-1424, 2015-07-10 (Released:2016-07-10)
参考文献数
32

慢性腎臓病患者の貧血は腎性貧血以外にも様々な要因で生じ,赤血球造血刺激因子製剤(erythropoiesis-stimulating agent:ESA)治療開始前に原因精査を行うことが重要である.2015年版ガイドラインでは,目標ヘモグロビン値として,血液透析患者で10~12 g/dl,保存期および腹膜透析患者で11~13 g/dlが推奨された.鉄剤については,ESA投与前の患者では血清フェリチン濃度50 ng/ml未満,ESA投与中の患者ではトランスフェリン飽和度(transferrin saturation:TSAT)20%未満かつ血清フェリチン濃度100 ng/ml未満で投与が推奨され,300 ng/ml以上で休薬するよう推奨されている.
著者
下瀬川 徹
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.98, no.12, pp.3162-3167, 2009 (Released:2012-08-02)
参考文献数
5
被引用文献数
1
著者
山作 房之輔
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.558-564, 1967-06-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
13

恙虫病の化学療法に際し,病初から治療を開始し,速やかな下熱をはかるとともに再発を起こさない投与法の改善を試みた. R. orientalis接種マウスを5日目からdemethylchlortetracyclineで治療すると, 5mg/day, 3日間投与群は全例再発して死亡したが,さらに引続き0.5mg/dayずつ3~5日間投与群は再発することなく完全に治癒した.恙虫病患者5例に第1~3病日からtetracyclien, demethylchlortetracyclineおよびmethacyclineを600~1000mg/dayの普通量3日間,引続き60~150mg/dayの少量を7日間経口投与する減量10日間法を行ない,全例円滑に治癒し再発を認めなかつた.本法は従来の少量長期投与法に比べ投薬日数は約1/2で,早期から下熱する点が優れており,再発防止効果も確実であつた.
著者
濱野 高行
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.5, pp.953-959, 2015-05-10 (Released:2016-05-10)
参考文献数
24

2型糖尿病の血糖と慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の血清リン値は相似性がある.血糖値が上昇するまでに血糖低下ホルモンのインスリンが上昇している時期があるように,血清リン値が上昇するまでに,リン利尿ホルモンの線維芽細胞増殖因子23(fibroblast growth factor23:FGF23),副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone:PTH)が上昇している.高インスリン血症が予後を予測するのと同様,高FGF23血症や二次性副甲状腺機能亢進症は予後を予測する.CKD患者では血清リン値が昼食,夕食後に一過性に上昇することが近年判明し,この意味からリン吸着薬は糖尿病におけるαグルコシダーゼ阻害薬に相当するともいえる.
著者
日詰 正樹 水澤 英洋
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.95, no.7, pp.1279-1285, 2006-07-10 (Released:2009-03-27)
参考文献数
5

人獣共通致死性感染症のプリオン病は, ヒトでは特発性, 感染性, 遺伝性に大別される. 中でも変異型Creutzfeldt-Jacob病 (vCJD) は他のプリオン病と異なり, 脳だけでなく末梢組織でも異常プリオン蛋白 (PrPSC) が検出され, 輸血や手術による二次感染が問題となる. 治療としてキナクリンなどの薬剤が試されているが, 十分な効果はない. Protein misfolding cyclic amplification (PMCA) の応用などによる早期診断や画期的な治療法の開発が急務である.
著者
石川 広明 安井 香奈子 桶田 善彦 野村 誠 渡辺 武士 三上 裕嗣 鈴木 仁 尾野 精一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.102, no.4, pp.969-971, 2013 (Released:2014-04-10)
参考文献数
3

60歳,男性が頭痛,嘔吐,意識障害で入院となった.血液検査でTSH 99.099μIU/mlの上昇と,FT3 1.60pg/ml,FT4 0.58ng/dlの低下を認めた.また抗サイログロブリン抗体,抗TPO抗体の上昇を認めた.粘液水腫性昏睡と考え,甲状腺ホルモンの補充療法を実施したが症状の改善はみられなかった.その後血清中抗N末端αエノラーゼ抗体の上昇が認められたことより橋本脳症の合併を考え,ステロイドパルス療法を行ったところ,症状の速やかな改善を認めた.
著者
廣瀬 和俊 乳原 善文 平松 里佳子 澤 直樹 長谷川 詠子 高市 憲明 池田 健次 熊田 博光 村上 元昭
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.6, pp.1388-1390, 2014-06-10 (Released:2015-06-10)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

症例は68歳,女性.ラミブジン耐性慢性B型肝炎に対し核酸アナログ製剤のアデフォビル(ADV)が追加投与された.ADV開始後より低P,低K血症,低尿酸血症,尿糖,汎アミノ酸尿および骨型優位の高ALP血症を認め,全身に骨痛が出現,レントゲンで偽骨折を呈し右腸骨生検で骨軟化症と診断.ADVによる薬剤性Fanconi症候群および低P血症性骨軟化症を疑い,ADVを中止,経口P製剤および活性型ビタミンD製剤を開始したところ骨痛は消失,各種検査所見も改善した.