著者
山﨑 健一 坂 知樹 鎌田 洋
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.135-140, 2023 (Released:2023-01-01)
参考文献数
10

近年デスクトップミュージックが普及してきたが,音楽未経験者にとって作曲は未だ難しく自動音楽生成による支援が重要となる.自動音楽生成の問題の一つとして和音生成が挙げられる.和音は音楽の三大要素の一つで,楽曲の印象や雰囲気を決定する重要な役割であるためさまざまな和音生成手法が提案されてきた.しかし従来手法で生成される和音は表現の幅が狭く単調であった.そこで本研究では,画像生成技術を用いてメロディから「単調ではない和音を自動で生成」する手法を提案する.まず,MIDIをメロディ画像と和音画像に変換する.それらをデータセットとし,pix2pixでメロディ画像と和音画像の関係性を学習させる.学習済みモデルに未知のメロディ画像を入力し,和音画像を生成する.その結果,メロディ画像に対応した単調ではない和音画像の生成に成功した.また,提案手法は類似モデルと比べて主旋律に基づく和音生成ができることが示唆された.
著者
小林 智美 篠田 一馬 石川 智治 長谷川 まどか 加藤 茂夫
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 39.31 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.5-8, 2015-08-24 (Released:2017-09-22)

輪郭形状を定量的に評価する際に,フーリエ記述子を用いたいくつかの方法がある.その中でも,特に輪郭形状の解析に適した手法のひとつとして,楕円フーリエ記述子がある.楕円フーリエ記述子は,物体の輪郭などの二次元閉曲線を解析する手法であり,これまで生物の形態学的解析などに用いられている.本稿では,楕円フーリエ記述子を衣服の輪郭形状に対して行い,形状による衣服の分類を行う手法を提案する.2値化した衣服画像に対して楕円フーリエ記述子を適用し,フーリエ係数に主成分分析を行うことで,係数に含まれている情報をより少ない次元の情報に縮約する.そして,得られた主成分スコアを特徴量として,Support Vector Machine (SVM)で衣服画像の分類を行った.衣服を3種類の形状に分類を行い,Scale-Invariant Feature Transform (SIFT)のBag of Feature (BoF)特徴ベクトルと分類精度を比較した結果,楕円フーリエ記述子のほうが正解率が高く,楕円フーリエ記述子の有効性を確認した.また,楕円フーリエ記述子で得られた多変量のフーリエ係数を用いて輪郭を構成することで,衣服の輪郭形状を視覚的に表現することができた.
著者
織茂 裕介 玉國 祐司 高橋 大介 岡本 教佳
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 38.9 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.31-32, 2014-02-15 (Released:2017-09-22)

本研究では奥行情報とカラー画像を取得できるセンサとしてKinectを用いて手話の指文字を認識する手法を検討する.手話および指文字の認識に関する研究はこれまで静止画像やビデオ映像を対象として数多く行われてきたが,オクルージョン判定や奥行きの位置情報を正確に把握することは困難であった.Kinectを用いれば比較的安価で奥行情報を取得できるため,手軽に指文字認識が可能なシステムを提案する.
著者
山口 耀 茂木 龍太 鶴田 直也 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 41.12 映像表現&コンピュータグラフィックス (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.237-240, 2021 (Released:2021-07-07)
参考文献数
5

ロボットアニメを制作する3DCGアニメーターはどのような動きをすればロボットらしく動くのかを考え,アニメーションを制作する.そのため,アニメーターの経験,ノウハウ,技能に大きく依存すると共に時間を要する作業である.ロボットにはロボットらしい魅力的な動きの特徴が存在していると仮定し,ロボットを魅力的な動きに見える共通の特徴があると考えた.本研究では,ロボットとしての動きの特徴を調査及び分析を行うことにより,ロボットの動きを制作する参考資料となるスクラップブック,共通する動作を当てはめるシステムの2つを制作し,ロボットアニメ制作におけるモーション作業の支援を行った.
著者
大久保 柚希 村岡 丈一郎 佐藤 美恵 橋本 直己
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.394-400, 2023 (Released:2023-05-01)
参考文献数
21

近年,VR技術の発展により,容易に人の外見を変化させる体験が可能となった.それに伴い,アバタを用いてVR空間に没入することで自己認知が変化し,重さ知覚にも影響を及ぼすことが示されている.しかし,それらの報告の多くは,限定的なアバタを用いた定性的な評価に留まっている.そこで本研究では,ユーザがアバタに抱く力強さの印象を数値で表現するための指標を作成し,多様なアバタを用いてVR空間に没入したときに,ユーザが受ける力強さの印象と重さ知覚の関係を定量的に分析する.実際の室内環境を再現した仮想空間にアバタを用いて没入した状態で,一定の重さの物体を持ち上げる実験を行った結果,アバタの力強さの印象と,同じ物体をより軽く感じる重さ錯覚の間には,特定のアバタに依存しない相関関係が確認できた.
著者
上田 容一郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.1004-1008, 2020 (Released:2020-10-27)
参考文献数
1

編集時にCG合成等で付加するようなフレア状の光彩を,ライブ映像に任意に発生させ,付加することができるフレアプラスレンズを考案し,製作,ライブ音楽番組で活用した.フレア状の光彩をコントロールして付加することで,映像にドキュメンタリーや報道番組のようなリアリティ感を持たせることや,幻想的・抒情的な画作りをすることが可能になった.フレアプラスレンズのピロティ構造の円筒部に反射素材を撮影者が挿入し,任意にフレア状の光彩を発生させる.挿入する素材によって発生する光彩は変化し,また挿入位置を動かすことで,映像上の光彩の発生位置をコントロールすることができる.2018年12月5日に放送された地上波での生放送番組「2018FNS歌謡祭」において活用し,ライブ映像制作において新たな映像表現を創造することができた.
著者
大野 健三 遠藤 博美
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.15, no.14, pp.19-24, 1991-02-21 (Released:2017-10-06)

DECEMBER 2nd, 1990. TBS sent first Japanese COSMONAUT in space. His name is TOYOHIRO AKIYAMA of TBS news division. He was also first journalistic COSMONAUT in the world. He stayed in Soviet [MIR] space station about one week. During his staying in [MIR], he did live feed for TV and Radio. ENG shooting and some kind of experiment. TBS covered every events of TBS COSMONAUT from launch to return as live feed. This report is written about the system for live feed from space and from USSR to JAPAN.
著者
岩澤 昭一郎 Roberto LOPEZ-GULLIVER 河北 真宏 石川 彰夫 奥井 誠人 山本 健詞
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 39.36 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.27-30, 2015-10-08 (Released:2017-09-22)

筆者らのグループでは多視点映像システムの研究開発に取り組んでいる.本稿では,これまで構築してきた撮影・表示装置に伝送装置を加えた統合システムを開発したので報告する.本システムのパフォーマンス評価の予備実験として実施した主観評価実験の結果についても述べる.
著者
加藤 大一郎 石川 秋男 津田 貴生 福島 宏 山田 光穗
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.1315-1324, 1999-09-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
9
被引用文献数
9 6

We are studying an intelligent robot camera system that can automatically shoot images with a powerful sense of reality. To clarify the relationship between the size of a subject, shooting velocity, and position of the subject in the image, a basic experiment was conducted on the shooting of a moving subject. The following points were clarified. The subject's position in the image seems to be more closely related to the size of the subject than its velocity ; the larger the subject and the faster it is moving, the greater the values for the distribution of the subject's position. We also found that if a subject moves outside the best position in the image, its position is not corrected immediately but the shooting continues keeping the maximum velocity of positional change within about 0.20 to 0.35. We also conducted subjective image evaluation experiments using a camera control system. This has revealed that the factors in subjective evaluation of camera work may be divided into four groups representing continuation, vividness, sensitivity, and human-warmth, and that the tested subjects were liable to feel shots, taken with techniques similar to those used by cameramen were more human-like, so they gave them relatively high evaluations.
著者
若林 利和 石村 正昭
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.201-203, 1983-03-20 (Released:2011-03-14)

SHF帯におけるトンネル内伝搬の伝送実験と, その技術を利用した緊急報道番組の概要