著者
長 聡子 伊藤 夏希 出口 敦
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.13, no.26, pp.807-810, 2007-12-20

This study focuses on the street name system for supporting and guiding pedestrians, and aims to clarify the effects and to point out the issues by introducing the system through the social experiment at Tenjin District in Fukuoka City. Firstly, through the questionnaire survey of visitors, shop owners and guides, we evaluate the street name system by analysis their impression. Second, we point out the issues how to name the streets and how to place the signposts. Finally, we propose the methods to improve the street name system.
著者
三倉 葉子
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.73, no.629, pp.1651-1656, 2008-07-30
被引用文献数
1

The influence of modern Japanese landowners to their own properties was strengthened by the Land Tax Revision, which had guaranteed the individual landownership. This paper takes up Shinkyogoku as an example. Shinkyogoku is a typical pleasure-resort district in modern Kyoto which had developed at the beginning of the Meiji era. In this district landowners can be divided into two categories; the settled landowners and the absentee ones. Both landowners leased their properties to the small tradesmen and accumulated lots in order to invite theater owners who could attract enormous customers. However, the ways of land accumulation were different according to the landowners category. These managements brought about the formation of a shopping street and the enlargement of theaters in Shinkyogoku.
著者
味岡 健二
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.107, no.1334, pp.11-12, 1992-10-20
著者
三上 秀人 湯 懐鵬 横山 真太郎
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.73, no.626, pp.457-462, 2008-04-30
被引用文献数
1

化学物質過敏症(CS)は化学物質の急性曝露あるいは低濃度の慢性曝露によって過敵性を取得し,その後に極低濃度の化学物質曝露によりアレルギー様の症状を示すようになる健康障害である。症状は様々で,疲労感,頭痛,倦怠感,腹痛やぜんそく,皮膚炎など多岐にわたる。CSを診断・治療するには,空気中の汚染物質を除去した専門の治療施設が必要とされており,その清浄度目標値はVOCで10μg/m^3,非メタン炭化水素(NMHC)で30μg/m^3である。治療施設内の清浄度目標値は外気濃度よりも低いため,導入外気は汚染物質を除去する活性炭フィルターが必要であり,室内で発生した汚染物質を除去するために,循環系統にも活性炭フィルターが必要である。一方,建築部材から発生する汚染物質は室内を汚染すると共に,循環系統の活性炭フィルターのコストを高めるため,極力汚染物質の発生の少ない建築部材を選定する必要がある。本研究の目的は,CSの診断・治療施設の建設に先立ち,汚染物質の濃度を低減する技術を確立することであり,本報はその第1報として,治療施設用に開発した特殊活性炭の性能試験と,治療施設の建築部材の選定についての報告である。粒状炭を充填した充填式の活性炭フィルターは長寿命であることから,大風量を処理する場合に使用されるが,発塵量が大きいため,二次側にHEPAフィルターなどの塵埃除去フィルターが必要である。HEPAフィルターはアウトガスの問題と僅かな特有の臭気の問題があり,治療施設では活性炭フィルターの2次側に設置すべきではない。そこで,筆者らは発塵を抑制するために,活性炭表面を珪酸ナトリウムで被覆した特殊活性炭(SAC)を試作した。SACは,椰子殼活性炭を珪酸ナトリウム溶液に含浸して減圧し,その後乾燥して作成した。このSACと市販の椰子殼活性炭について,寿命と発塵の点について性能評価を行った。寿命試験はFig.1に示す実験装置において行った。試験用ガスにはベンゼンを使用し,ホルムアルデヒドについても同様の試験を行った。濃度を一定に調整した空気を供試活性炭に流通させ,経過時間と除去率の関係を調べた。発塵試験はFig.2に示す実験装置において行った。SUS容器に供試活性炭を入れ,HEPAフィルターでパーティクルを除去した空気を流通させ,発塵量を測定した。ベンゼンの寿命試験結果では,SACと市販の活性炭の寿命は同等であった。除去能力は活性炭単位体積あたりの吸着量で決定されると仮定して,東京都心部の外気を導入した場合の寿命を試算した。東京都心部のTVOC濃度をベンゼン濃度に換算して0.5mg/m^3とすると,6000時間と試算された。ホルムアルデヒドの寿命試験結果では,両者とも寿命が非常に短いことが確認されたが,除去率50%以下に低下した後の除去率は,SACの方が優る結果を得た。発塵試験の結果では,SACの発塵量は椰子殼活性炭の1/6以下であり,珪酸ナトリウムによる表面被覆は発塵の抑制に有効であることを確認した。次に,建築部材の決定を目的として,Fig.3に示す小形チャンバー法によりアウトガス試験を行った。試験方法はASTM D5116-90に則った。試験の結果,SUS304,ガルバリウム鋼板,ホーロー鋼板および御影石からはアウトガスは検出されなかった。アウトガス量および視覚的なストレスの観点から,天井および壁にはホーロー鋼板,床材には御影石を採用することとした。カオリン,ロックウールおよび珪酸ナトリウムを混合して試作した新しい目地材からは,アウトガスは検出されなかった。ガスケットとしては,テフロン製ガスケットを採用することとした。ダクトや空調機,制気口などはSUS304を採用することとした。以上の結果より,今回試作したSACの寿命は市販の活性炭と同等以上であり,発塵量は1/6以下に改善されたことから,化学物質過敏症の診断・治療施設において汚染物質除去用活性炭として使用できることを確認した。また,アウトガス試験により最適な治療施設の建築部材を決定したことにより,基本仕様を確立した。