著者
川嶋 稔夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.32, pp.21-28, 2011-07-26

資料をディジタル記録に変換して保存活用する取り組みであるディジタルアーカイブは,資料活用が容易でかつ原資料にダメージを与えないという利点を持っている.筆者らの住む函館は,江戸末期に開港した都市の一つであり,文書に加えて印刷図像や写真で記録された資料が豊富である.われわれは2007年よりこれらの地域資料のディジタル化に取り組み,インターネットを介して公開するプロジェクトを進めてきた.この講演では,われわれの取り組みを紹介するとともに,われわれのプロジェクトの特徴である,文化財の高精細画像の撮影と公開の現状と,記憶を将来に残す試みとしての共同観賞について紹介したい.

1 0 0 0 可視光通信

著者
中川 正雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.1908-1913, 2006-12-01
被引用文献数
6 8

いつでもどこでも情報を受け取ることのできる無線通信の普及にはすごいものがある.電波,特に波長が10cm程度以上の波は,ビルの谷間でも,室内でも,どこからともなく入り込み,いつでもどこでも情報を交換するという我々の要求を満たしてくれる.こうしたモバイル技術の次に来るものとして,ユビキタス技術が期待されている.これはあらゆる物が情報を発する技術であり,物の管理のためだけでなく,街やオフィスなどを,人間にとって便利に,安全に,楽しくするための技術である.こうしたことを可能にする可視光通信技術について述べていく.見える光は電波と同じ波の一種なので,当然ながら,情報を伝えることができる.可視光通信の可能性をユビキタスなインフラとしてのメリットや社会的メリットから探っていく.
著者
生岩 量久 中 尚 宮崎 徹郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.523-527, 1993-04-20
被引用文献数
14 1

ディジタル音声信号から, 直接振幅変調波を得ることのできる出力1kWの新方式(ハイブリッド変調方式)中波ラジオ送信機を開発した.ハイブリッド変調方式とは, 大まかな振幅情報をあらわすスイッチング型電力増幅ユニットと細かい情報をあらわすアナログ型電力増幅ユニットを電力加算して振幅変調波を得るもので.変調増幅器が不要であるため, 信頼性が高く, 高効率(85%以上)で, 高品質であるなど, 多くの利点をもっている.本送信機は, エンコーダ部, 16台のスイッチング型電力増幅ユニットと1台のアナログ型電力増幅ユニットからなる電力増幅部, 電力加算部, およびBPF(帯域ろ波器)部から構成されている.音声信号はA/D変換器により12ビットのディジタル信号に変換されたあと, 大まかな振幅をあらわすMSB側と細かい情報をあらわすLSB側グループに分けられる.MSB側ビット(4ビット)の情報に応じて選択されたスイッチング型電力増幅ユニットと, LSB側ビット(8ビット)の情報に応じて振幅変調されたアナログ電力増幅型ユニット出力を合成することにより, 振幅変調波を得る.このように12ビットのうち下位8ビットをアナログ処理することにより, 数少ないユニット数で構成できる.本変調方式の採用により, 送信機の総合効率は85%以上となり, 従来に比べて25ポイント向上させることができたほか, S/N比は72dB以上, 歪み率は0.4%以下(80%変調時)と良好な特性を得ることができた.
著者
古宮 直明 山田 努 神野 浩
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, no.42, pp.63-64, 2000-07-10

SID00が、2000年5月14日〜19日の間、米国カリフォルニア州ロングビーチで開催された。有機EL関連の発表は、4つのセッションとポスターセッション・セミナーで発表があり、各セッションとも盛況であった。また、オーサーズインタビューや併設された展示会においても各機関より有機ELディスプレイの展示があった。その中では、三洋電機とKodakより展示された2.4インチと5.5インチフルカラーのディスプレイと半導体エネルギー研究所よりオーサーズインタビューで展示されたデジタルドライバ内蔵の0.7インチと4インチのモノカラーVGAパネルが多くの来場者の関心を集めた。
著者
成見 淳 小栗 裕二 深谷 志保 安藤 孝
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.1-6, 1999-01-22
参考文献数
3
被引用文献数
5

In November 1998, the world's first HDTV pictures from space were successfully taken aboard the space shuttle that carried the American hero, Senator John Glenn, and Japanese astronaut, Chiaki Mukai. Various special measures were required to prepare the HDTV camera, with its built-in VCR(HDCAM), for use in the space invironment of the shuttle, in order to satisfy all of the safety standards set by NASA. The HDTV pictures taken in outer space show cliar and detailed images of clouds and geographical reatures of the earth and have been widely acclaimed for their high scientific value. The achievement has expanded the proven possibilities of HDTV as a part of the visual infrastructure of the 21st century space age. We introduce the HDTV images taken in outer space and also present some technological topics related to this achievement.
著者
西村 武 浅山 隆男
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.203-209, 1971-03-01
被引用文献数
3

色票を白色光源で照明した場合と, カラー受像管に一様な色パターンを出した場合とについて, 膚色, 空の色, 草木の緑の記憶色を求める実験を行なった.色票で求めた記憶色は, 自然の物体の色にくらべて一般に彩度が高かったが, 受像管で求めた記憶色は色票で求めた記憶色にくらべてさらに彩度が高かった.この結果とカラーテレビの好ましい色再現との関係を調べることは, 今後の研究課題である.
著者
林 宏三 杉本 昌穂
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.303-313, 1966-05-01

NHKでは, オリンピック用として, イメージオルシコンを2本使用し, 1本の撮像管から輝度信号を, 他の1本の撮像管から3つの色信号を取り出す方式のカラーカメラを開発し, オリンピックの開会式, その後は甲子園の高校野球などの中継番組に使用している.このカメラは, 分離輝度撮像方式と点順次撮像方式の特長をかね備えることを目標にしたものであるが, 技術的には, 新しい高度のものが要求された.ここでは, 本カメラについて概説した後, この撮像方式の理論的解析と, 本カメラの心臓部ともいうべき, 順次-同時変換器について記述する.
著者
米元 聡 有田 大作 谷口 倫一郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.409-416, 2000-03-20
被引用文献数
18 1

A realtime marker-less motion-capture system is described that can easily and seamlessly map objects in the real world into a virtual environment. In general, virtual environment applications, such as man-machine seamless interaction, require the system to estimate the motion parameters for natural objects such as human bodies in realtime. To achieve this, the developed motion-capture system achieves multiple-camera fusion and reconstructs the parameters for complete humanbody motion using real-time inverse kinematics. Implementation of this system demonstrated its ability to work in realtime and online on a pc-cluster.
著者
高村 誠之 八島 由幸
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア = The journal of the Institute of Image Information and Television Engineers (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.873-877, 2003-07-01
被引用文献数
4 1 2

テレビ電話・遠隔会議システムなどにおいて, 符号化の前段として映像シーケンスから高速に背景を除去する方式を開発した.ソフトウェア実装にて実時間の10倍以上の速度を実現し, 入力画像の自動コントラスト調整や自動焦点調整に対しても頑健であることを確認した.
著者
家 正則 高遠 徳尚 市川 伸一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.147-152, 1990-02-20
被引用文献数
2

天文学の世界では量子効率の高いCCDカメラが伝統的な写真乾板に今や取って代わろうとしている.観測天文学で用いるCCDカメラの特徴と性能について, 国立天文台や東京大学理学部木曾観測所での実例をもとに紹介する.
著者
筒口 拳 デュッペンターラー マーク 小島 明
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.23, pp.41-44, 2011-06-13
被引用文献数
1

動画像のベクトル化を実現する手法を提案する.初期フレームを静止画像としてBezierパッチによるベクトル化を行い,Bezierパッチを構成する頂点/制御点を以降のフレームで追跡し,各パッチおよびその時間変化を,空間座標値と時間座標値,および色値を持つ4次元空間上のBezier立体として表現する.隠蔽のない被写体を撮影した動画像に対し本手法を適用した結果を示す.
著者
田口 誠 村山 研一 古田 浩之 高田 政幸 濱住 啓之 澁谷 一彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.32, pp.43-46, 2009-07-30
参考文献数
5
被引用文献数
6

緊急地震速報とは、地震直後の小さな揺れをとらえて大きな揺れの前に震度や震源などを予測して発表する気象庁のサービスである.NHKでは,気象庁からの緊急地震速報を放送番組の中で自動送出している.日本の地上デジタル放送の伝送方式には、映像や音声などの本線信号を送るキャリア以外にAC(Auxiliary Channel)と呼ばれるキャリアがある.このACは、映像符号化やインターリーブの処理を行わないため遅延時間が少なく,DBPSK変調を用いていることから雑音や干渉に強い特長がある.今回、部分受信セグメント(ワンセグ)内のACを利用して緊急地震速報を伝送する方式の検討を行い,雑音やフェージング環境におけるワンセグACの伝送特性をシミュレーションと実験により評価した.
著者
杉本 篤実
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.1379-1380, 2006

去る6月29日, ブラジリアの大統領府において, ブラジルのコスタ通信大臣と日本大使館堀村大使が覚え書きに署名し, ブラジルがISDB-Tをベースにした地上デジタル放送方式を採用することが正式に決定した.<br>ブラジルに対して行ってきた約7年にわたるISDB-T普及活動を振り返る.