著者
藤川 和俊 長 篤志
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, no.10, pp.21-24, 2014-02-25

礼服等に用いられる黒色織物の見えの高級感を表す指標の一つに,L*値という黒さを表わす値がある。見えの高級感を表現している要因は他にも存在すると考えられるが,明らかになっていない.本研究では,織物の光沢特性と見えの高級感の関連性について研究した.ドレープ構造をもつ織物の輝度分布を計測し,画像処理と主成分分析によって見えの高級感と関連性の高い光沢特性を発見した.結果として,その光沢特性とL*値の組み合わせによって高級感を表せることがわかり,定量化の可能性を示せた.
著者
山田 功
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.1088-1093, 2009-08-01
被引用文献数
1

現代の信号処理工学では複数の最適化基準を効果的に活用できるかどうかが成否の岐れ目になることが多い.非可微分凸最適化問題や階層構造を持つ凸最適化問題は,複数の最適化基準を柔軟に反映するための自然な問題設定になっている.本稿の前編では,凸最適化問題の古典的なアルゴリズム(射影勾配法)を非拡大写像の不動点理論の視点でとらえ直すことにより,非自明な一般化が可能となり,非可微分凸最適化問題や階層構造を持つ凸最適化問題を解決する二つの基本的な最適化アルゴリズムが導かれることを紹介する.
著者
山田 功
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.1207-1212, 2009-09-01

後編では,筆者らが解決に成功した数少ない非凸最適化問題の例として「低階数最小分散擬似不偏推定問題」を紹介する.この問題は,最小二乗推定法(最小分散不偏推定法)やWienerフィルタが抱えている本質的な弱点の解消を狙いとしており,信号処理工学の視点では,極めて自然な定式化になっている.ところが,最適化問題として眺めたとき,非凸制約条件が課せられる「階層構造を持つ非凸最適化問題」に分類され,最適化問題の標準的な解法を適用することはできない.実際にこの問題の解決には数多くの非自明なアイディアを要し,非凸最適化問題の手強わさを垣間見ることもできる.低階数最小分散擬似不偏推定問題の大域的最適解(MV-PURE/確率的MV-PURE)は最小分散不偏推定法やウィーナフィルタの非自然な一般化となっており,今後,新世代のロバストパラメータ推定法として重要な役割を演じていくことが予想される.
著者
石井 勢津子 Gavilan Ruiz David 高橋 裕樹 中嶋 正之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.69, pp.29-32, 2002-10-31

ホログラフィはレーザー光による3次元記録技術である.技術の向上に伴い,対象物体の瞬間的な状態から仮想的なイメージまでホログラムとして記録が可能となってきている.一方,自然環境下のシャボン玉は,自在に変化する形と表面の複雑な干渉色,反射が特徴であり,ホログラフィの対象として非常に魅力的である.しかし,現状のホログラム技術を用いてこのようなシャボン玉を直接ホログラムに撮影することは,まだ不可能である.そこで,本研究では,シャボン玉の複雑な振る舞いと色彩の魅力をホログラムで表現することを最終目標とし,現実感あるシャボン玉の3次元モデルを作成することでシャボン玉をホログラムに記録する手法について検討を行う.リアルなシャボン玉の3次元モデルを得る方法として,物理モデルを作成するアプローチと実写映像を用いるアプローチがあるが,物理モデルを用いて自然環境下におけるシャボン玉の微妙な形状変化や表面の色の変化の表現は,非常に困難である.本研究では,IBMR(Image Based Modeling & Renderling)のアプローチに基づき,実写映像からのシャボン玉の3次元モデルの生成を試みる.しかしながら,シャボン玉は透明の薄膜によってできているため,自然環境下においては背景との区別が非常に困難である.そこで本稿では,シャボン玉の3次元モデル生成の第一段階として,自然画像中に存在するシャボン玉の抽出を行う手法について検討を行う.自然画像中におけるシャボン玉の特徴について調べ,シャボン玉の輪郭線の抽出snakesを一般化したg-snakeを利用した輪郭抽出手法の検討を行なった.
著者
塚谷 基文 宮嶋 信清 山上 順一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.259-264, 1990-03-20

民生用DATの技術をベースとして, 放送局の制作業務用に必要な機能を開発したDATシステムについて解説する.このDATは, タイムコードの記録や電子編集機能, チェイスシンクロナイズ (同期運転) 機能, 録音同時再生モニタなどを備えている.
著者
吉田 佳司 篠原 茂信 池田 弘明 吉田 博文 宮田 正史 西出 健一 角 正雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会年次大会講演予稿集 (ISSN:09191879)
巻号頁・発行日
no.26, pp.25-26, 1990-07-25

Described is a new compact range-finding speedometer using a self-mixing semiconductor laser for video camera autofocusing. Obtained is a control signal for driving camera lens in accordance with measured range.
著者
塩山 雅昭
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.1560-1565, 2006-10-01

本放送開始に向けてカウントダウンが開始された"地上デジタル音声放送(デジタルラジオ)".デジタルラジオは,テレビと異なり,ディジタル化によって"モアチャネル"を目指している.これは,従来のアナログ放送では実現し得ないコンテンツやサービスを提供できる,まったく新しいメディアを創り出すことを意味している.真の放送と通信連携を目指す,デジタルラジオの現状や特色をまとめ,今後リスナーにもたらす可能性などの理解を深めていただければ幸いである.
著者
高橋 信雄 茂登山 清文 安田 孝美
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 = ITE technical report (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, no.16, pp.71-74, 2014-03

CG画像と実写画像を合成する際,両者をシームレスにつなぎ合わせるには,CG画像の二次元フィルター処理が不可欠となる.通常CG制作の現場では,この処理を作業者の感覚に依存するため,CG実写合成の水準にはばらつきを生じている.本論文では,実写画像から撮像系の解像特性を取得し,それをCG画像の二次元フィルター処理に応用する手法を提案する.これにより,CG実写合成の際,簡便で正確な二次元フィルタリングが可能となる.
著者
岡谷 貴之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:18816908)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.466-471, 2014-06-01
被引用文献数
4

多層ニューラルネットを用いる機械学習の方法(ディープラーニング)が最近注目を集めており,画像や音声の認識などの難問を解決し得る有力な方法として期待されている.本解説では,ニューラルネットの基礎から始め,過学習の克服を可能にし今の研究ブームのきっかけを作ったプレトレーニングと,さらには画像認識で本命視される畳込みネットワークについて述べる.
著者
前園 研一 中島 達朗 中山 弘幸
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.77-82, 1996-01-26
被引用文献数
2

A New analysis method of a transformer for a high frequency band is presented. In a high frequency band, the primary coil and secondary coil of the transformer are a transmission line and this transmission line is a distoributed LC line. We introduced the equivalent circuit of this transforner from the concept of the distributed LC line.
著者
新美 孔基 横井 宏明 都竹 愛一郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.9, pp.1-4, 2013-02-13

地上デジタル放送の13chは使用周波数帯域内で一番低い周波数であり,タクシー無線の周波数帯域と隣接している.したがって,地上デジタル放送用受信アンテナの近くでタクシー無線が使用されると,13chの周波数帯域に影響を与え,正しく受信できない障害が発生する.我々はこれまでにマルチパス環境におけるタクシー無線が与える影響について報告している.本研究では,室内での実験とタクシーの多い都市部で地上デジタル放送の受信測定を行い,タクシー無線対策フィルターの改善効果について検討した.その結果,フィルターの効果を確認したので報告する.