著者
細江 守紀
出版者
九州大学
巻号頁・発行日
1988

博士論文
著者
笹田 一郎
出版者
九州大学
巻号頁・発行日
1986

博士論文
著者
村田 勝昭
出版者
九州大学
巻号頁・発行日
1989

博士論文
著者
塚原 博
出版者
九州大学
雑誌
九州大學農學部學藝雜誌 (ISSN:03686264)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.225-238, 1952-03
被引用文献数
9

In this paper the writer deals with the life history and habits of the sculpin, Trachidermus fasciatus Heckel, vernacular name: "Yama-no-kami"(MountainWitch).Most of the data were obtained in the Rivers Chikugo and Yabe as well as in Ariake Sound, Kyushu. The distribution of this fish in Japan is very restricted, namely to Chikugo River and several adjoining streams which empty into the innermost part of Ariake Sound. It occurs in West Corea and North China. (1) It inhabits usually the upper and middle part of the stream and is often found under rocks or stones which provide shelter. It prefers crustaceans throughout the life. (2) In the winter, when the spawning season approaches, the nuptial coloration appears in the adult fish, both in male and female, the gill-membranes and the base of the anal fin becoming brightly scarlet. The spawning migration takes place from November to December, when it runs down the stream at night. The spawning season is from January to March, and the spawning takes place on the sandy tidal flat of the innermost part of Ariake Sound. The masses of the eggs are laid in the empty shell of a large bivalve, Atrina japonica(Reeve), and are guarded by a male parent during the incubation period. The majority of the spawning fish are those of two years, a few spawning at the end of one year. Most parent fish seem to die after spawning. (3) The egg is orange-red in color, demersal and adherent, 2.0~2.2mm in diameter. The number of eggs in a mass ranged from 5,110 to 6,120. The number of the eggs carried a by an adult female varied from about 5,000 to 11,000. The larva carries pelagic life in the estuary for several months and later ascends the stream in a shoal. The young fish sets in a solitary bottom life. In one month it attains about 20mm in total length; in thre months 40~60mm; in full one year100~120mm; in full two years about 160mm long. It attains a length of about 170mm, and the male is a little larger than the female. (4) It is said by the fishermen of this destrict that the descending migration of this fish denotes the end of the freshwater fishery in the year. Its flesh is firm and sweet, though it is not so highly valued as food fish in Japan as in China.ヤマノカミ Trachidermus fasciaius Heckel はカジカ科 Cottidae の淡水魚で,日本においでは福岡・佐賀両県の有明海湾興部にそそぐ河川にのみ棲息し,その局限された分布が動物地理学上興味をもたれている. しかしわが国における本種の生態及び生活史については,木下盛枝氏(1931,1941)の断片的報告があるにすぎない. また本種は,すでに知られている通り, 中国の有名な"松江の鱸魚"で一名"四鰓鱸"とも言われ,古来その味を賞美するとともに,詩などにも表われているが, その生態・生活史については,中国においでもいまだ明らかにされているところは少ない.日本産の他のカジカ科の魚についても,淡水産のカジカ Cottus pollux 及びカマキリ Cottus kazikaについての二三の報告があるにすぎない.筆者は最近5,6年間,筑後川,矢部川及び有明海の魚類の生態的研究を行っているが,その間に蓄積された資料と,木下盛枝氏より提供された標本とによつて,本種の生態・生活史の概要を報告する.カジカ科の魚で,形態及び生態がよく似たものにカマキリ Cottus kazika (各地の方言:アユカケ, アイキリ, アイカギ, アラレガコ, タキタロウ)があつて,本種と混同されることが?々あるが,カマキリは日本における分布が広く,南日本の河川に棲息するが,日本海側はかなり北方まで分布し,ヤマノカミよりも大形になる.この研究にあたり,終始御指導を賜わり本稿の御校閲をいただいた内田恵太郎教授に厚くお礼申しあげるとともに,貴重な標本をいただき且つ採集の援助を賜わつた福岡県柳川町在住の木下盛枝氏に深謝する.叉標本の整理・測定をしていただいた教室員:柴田チヅ子嬢,高木多恵子壊,描画の助力をしていただいた坂本秀子嬢,採集に協力下さつた漁業者:高椋校伊左男,垣三郎,宮崎雅広,-江崎藤蔵の諸氏に感謝の意を表する.なおこの報告の測定値はすべて固定標本によつた.卵及び稚仔は10%ホルマリン固定後, 70%アルコール中に保存したもの,成魚は10%ホルマリンに固定保存したものを用いた.
著者
藤 智亮 綿貫 茂喜
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

平成29年度の研究実績の概要は以下の通りである。(1)揺動刺激と音刺激が児に及ぼす鎮静効果の検証前年度までに、被験児を、月齢3~4ヶ月、5~6ヶ月および7~8ヶ月の3区分に分け、各区分最低6名を目標に実験を行ってきた。本年度は前年度までに遂行できなかった月齢5~6ヶ月の被験児に対する実験を行い、すべての実験を完了した。実験は、九州大学大学院芸術工学研究院内の実験室で、気温・湿度などを適切に設定管理して行った。実験条件は、被験児1名につき、揺動3条件(母親の抱っこ・機械的な単振動・揺れ無し)×音2条件(ブラウンノイズ・音無し)の計6条件とした。児が1時間以上覚醒しており、且つ授乳後1時間以内のときにぐずりだしたときに4分間刺激を与え、児の鎮静効果を記録した。具体的な測定項目は、児の表情・泣き声(ビデオ映像)および児と母親の心電図とした。これらのデータを分析することにより、各条件における児の鎮静効果・児と母親のストレス反応を明らかにしていく。(2)子育てをサポートするためのプロダクトに必要なデザイン要件のまとめ前年度までに、児の輸送反応(母に抱かれて移動するときに鎮静する反応)をプロダクトに活かせる可能性を見出した。このことついて、母に抱かれて移動するときに児が感じる加速度データを得たところ、鉛直方向運動が支配的であることが知られ、このデータを基にした児の鎮静化に有効なプロダクトの設計・試作を行った。
著者
松下 智子
出版者
九州大学
雑誌
九州大学心理学研究 (ISSN:13453904)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.101-110, 2008

It is said that even if people have negative experience, they can overcome it and also find a positive meaning in it. But, this changing process and details of positive meaning have not been proved. This study had interview with 23 undergraduates, who interpreted their negative experience positively. Results were led from qualitative analysis about coping with negative experience, chance of overcoming, present state, details of positive meaning. In practical, people coped with their situation by themselves or with help of other people, and considering negative experience to mental food is typical. In overcoming process, later positive experiences were important, and positive meaning became bigger relatively little by little. The coping process led to details of positive meaning including their own growth and new human relations.
著者
Tokunaga Mikio
出版者
九州大学
雑誌
健康科学 (ISSN:03877175)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.107-117, 1999
被引用文献数
1

The author had developed the Diagnostic Inventory for Psychological Competitive Ability (DIPCA. 2, for junior high school students - adults) to determine the mental strength of athletes, the Diagnostic Inventory of Psychological State Before Competition (DIPS-B. 1) and the Diagnostic Inventory of Psychological State During Competition (DIPS-D. 2). Questionnaires and diagnostic methods are as follows:心理的競技能力診断検査,試合前の心理状態診断検 査及び試合中の心理状態診断検査の調査表と診断法スポーツ選手の心理的特徴を診断するために「特性」 をみる「心理的競技能力診断検査」を開発した。また,「状態」をみる「試合前の心理状態診断検査」及び「試 合中の心理状態診断検査」も作成した。これらの3つの検査法の調査表と診断法を紹介した。今後,これら の3つの診断検査を状況に応じて有効に利用することにより,スポーツ選手の心理面の強化に役立つものと考えられる。それぞれの特徴は以下のとおりである。 1.心理的競技能力診断検査(DIPCA.2,Diagnositic Inventory of Psychological Competitive Abitity for Athletes) 特色:スポーツ選手の一般的な心理的傾向としての心理的競技能力(通称,精神力)を12の内容(忍耐力,闘争心,自己実現意欲,勝利 意欲,リラックス能力,集中力,自己コントロール能力,自身,決断力,予測力,判断力,協調性)に分けて診断する。スポーツ選手としての心理面の長所・短所を診断できる。メンタル強化の第1歩となる。検査方法:スポーツの試合場面について52個の質問を順々に読み,回答欄に答えを記入する。 検査対象:中学・高校・大学・社会人のスポーツ選手 検査時間:約15分間 2.試合前の心理状態診断検査(DIPS-B.1,Diagnositic Inventory of Psychological State Before Competition) 特色:試合前の心理的な状態を診断することができる。とくに試合に向けて十分な心理的準備(忍耐度,闘争心,勝利意欲,自己実現 欲,リラックス度,集中度,自信,作戦思考度,協調度)が,できているかをチェックし,心理的コンディショニングを指導できる。 検査方法:試合前1か月位から1〜2日前までの期間に,試合についての気持ちを20個の質問でチェックする。 検査対象:中学・高校・大学・社会人のスポーツ選手 検査時間:5〜10分 3.試合中の心理状態診断検査(DIPS-D.2,Diagnositic Inventory of Psychological State During Competition) 特色:望ましい心理状態で試合ができたかどうかを,試合終了後にチェックする。また,目標の達成度,実力発揮度の自己評価を調査 する。常に望ましい心理状態で試合ができ,実力発揮度が高くなり,その確率が安定するように指導できる。 検査方法:試合終了後に試合中の心理状態について10個の質問に答える。検査対象:中学・高校・大学・社会人のスポーツ選手 検査時間:約5分間
著者
有村 洋平
出版者
九州大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2015

【目的】アリピプラゾールは、統合失調症や気分障害に頻用される非定型抗精神病薬であるが、アカシジアや不眠、神経過敏等の副作用の発現により、投薬が途中で中止されることが問題となっている。アリピプラゾールは、血液中で大部分(99.8-99.9%)が血漿蛋白と結合しており、ごく一部の非結合型成分が薬理作用を発揮する。他剤との併用により血漿蛋白への結合が競合すると、非結合型のアリピプラゾール濃度が上昇し、副作用の発現につながる可能性が考えられる。しかし、アリピプラゾールの副作用によってどの程度投薬が中止されるのか、その忍容性における併用薬剤の関連性を検討した報告はほとんどない。そこで本研究では、アリピプラゾールの忍容性に及ぼす血漿蛋白結合率が高い併用薬剤の影響を明らかにすることを目的とした。【方法】2010年4月1日~2014年3月31日の間に、九州大学病院精神科神経科に入院し、アリピプラゾールが新規に開始された患者104名を調査対象として、アリピプラゾール投薬開始から8週間における服薬状況および副作用発現状況について調査を行った。さらに、アリピプラゾールの投薬を8週間継続した患者を投薬継続群、副作用を理由にアリピプラゾールの投薬が途中で中止となった患者を投薬中止群とし、血漿蛋白結合率が高い薬剤の併用率を比較した。【成果】アリピプラゾールの副作用によって投薬が途中で中止された患者は22名(21.2%)であった。また、血漿蛋白結合率が90%以上の薬剤の併用率は、投薬継続群では91.5%で、投薬中止群では77.3%であり、両群間で有意な差は認められなかった。さらに、血漿蛋白結合率が95%以上の薬剤の併用率についても同様に、両群間で有意な差はみられなかった。本研究の結果から、アリピプラゾールの忍容性において血漿蛋白結合率が高い併用薬剤の関与は少ないことが示唆された。