著者
原木 寛司 蓮沼 宏
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.30, no.10, pp.742-744, 1961-10-10 (Released:2009-02-09)

Phase lag of light wave by reflection on Ag thin films is measured from the shift of interference fringes. The results agree with those calculated theoretically. Phase lag of thin films thinner than 300 Å differs from that of bulk metal and the calculated maximum phase difference of 0.41 rad. occurs when the film thickness is 40Å.
著者
蓮井 淳
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.108-110, 1956-03-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
5

Report is made on the propagation of fractures in mild steel plates caused by impact of high speed bullets with observations on twinning of ferrite grains and distortion of twin lines. (1) On the propagation of fracture For as-rolled plates, resistance to fracture is larger in the direction of the rolling than in the direction perpendicular to it. This difference is lost by annealing. In annealed plates, the crack is apt to take its path along pearlite grains. In as-rolled plates, crack with bifurcation is observed. (2) On the deformation after twinning Micro-photographs show that the twinning is completed at the moment of impact followed by intense distortion of twin lines with the flow of ferrite grains. From this fact, it is denied that the twinning would proceed simultaneously with the brittle-type fracture.
著者
栗田 晉
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.18, no.8-9, pp.236-246, 1950-01-20 (Released:2009-02-09)
参考文献数
34
著者
Zheng Hong Reaney Ian M. Muir Duncan Price Tim Iddles David M.
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
Japanese Journal of Applied Physics (ISSN:00214922)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.3087-3090, 2005
被引用文献数
14

BaLa<SUB>4</SUB>Ti<SUB>4</SUB>O<SUB>15</SUB> (BLT) is a hexagonal perovskite-related compound with a temperature coefficient of resonant frequency (τ<SUB>f</SUB>) of −2 ppm/°C, relative permittivity (ε<SUB>r</SUB>)∼44 and figure of merit (<I>Q</I>·<I>f</I>)∼44000 GHz. Ba<SUB>4</SUB>Nd<SUB>9.333</SUB>Ti<SUB>18</SUB>O<SUB>54</SUB> (BNT) has a tungsten-bronze-related structure with ε<SUB>r</SUB>∼78, <I>Q</I>·<I>f</I>≈11000 GHz and τ<SUB>f</SUB> of +47 ppm/°C. The microstructures and microwave dielectric properties of <I>x</I>BNT–(1−<I>x</I>)BLT (0≤<I>x</I>≤1) composite ceramics have been studied. X-ray diffraction analysis and scanning electron microscopy revealed that there was limited inter-reaction between the two phases and that samples were composed largely of BNT and BLT, although some deterioration in measured ε<SUB>r</SUB> with respect to calculated values was observed. The optimum compositions were <I>x</I>=0.55 and 0.75 for which ε<SUB>r</SUB>∼63, τ<SUB>f</SUB>∼−20 ppm/°C and <I>Q</I>·<I>f</I>>10,000 GHz.
著者
辻内 順平
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.69, no.8, pp.923-928, 2000-08-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
28

20世紀における応用光学の歴史を展望した. 20世紀前半は,目の機能を補い,拡張するための可視域の光学機械が主な対象であった. 20世紀の半ばを過ぎて,レーザーの発明,エレクトロニクス・コンピユーターの発展があり,それに支えられて,光エレクトロニクス,コンピューター支援光学技術,さらに光エンジニアリングが発展して,応用光学の近代化が起こり,他の分野の基礎技術となる新しい用途も開拓され.今後の応用光学の方向が定まった.
著者
三尾 典克
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.66, no.9, pp.939-945, 1997-09-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
34
被引用文献数
1 11

現在,東京都三鷹市にある国立天文台の敷地内に,長ざが300mのレーザー干渉計型重力波検出器が建設されている.この計画はTAMA(多摩)という名前で呼ばれており,平成7年度から5年間で干渉計の建設を行い,重力波検出のための技術的な開発と観測に必要な体制作りを目的としている.本稿では,世界の動向をふまえながら,この干渉計(TAMA300)を作り上げるための光技術を中心に解説をする.
著者
武田 俊太郎 古澤 明
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.83, no.6, pp.444-447, 2014-06-10 (Released:2019-09-27)
参考文献数
18
被引用文献数
1

量子情報を離れた場所へ転送する量子テレポーテーションの技術は,光を用いた量子通信や量子コンピューティングの実現に欠かせない.光の量子テレポーテーションには,光の粒子性と波動性を生かした,量子ビットと連続量という2つの独立なアプローチがあるが,いずれも技術的課題に直面していた.本稿では,従来の量子テレポーテーションの課題を取り上げるとともに,2つのアプローチを融合する「ハイブリッド」な手法でその課題を克服するに至った近年の我々の研究の進展を紹介する.
著者
水落 憲和
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.87, no.4, pp.251-261, 2018-04-10 (Released:2019-09-26)
参考文献数
89

ダイヤモンド中の窒素‐空孔(NV)中心は,その単一スピンの観測が実現して以来,量子センサや量子情報処理に関する多くの重要な研究が行われ,注目される.ダイヤモンド合成技術の発展などにより,NV中心の電子スピンは,室温下でもコヒーレンスをミリ秒以上保持するようになり,センサの観点では高感度化がもたらされた.単一系に加え集団系でも,NV中心は磁場,電場,温度,圧力などの高感度センサとして幅広い分野での応用が期待される.また,量子情報素子としても魅力的である.核スピン,光子,超伝導量子ビットなどさまざまな量子系との量子ハイブリッド化によるセンサ感度向上や,量子情報素子における多量子ビット化などの特性向上の面でも注目される.
著者
大場 隆之 中村 友二
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.75-81, 2020-02-10 (Released:2020-02-10)
参考文献数
72

多様に進化した3次元集積技術をレビューする.電子情報産業は,半導体デバイスとシステムの機能および市場性を両輪として300兆円規模に発展した.これらを牽引(けんいん)してきたのが微細化と実装技術である.ところが,微細化は物理限界に近づき,また実装性能は頭打ちになりつつある.3次元集積技術は,これら2つの課題に対する新たなブレークスルーとして今後進展することが期待されている.本稿では,さらなる高集積化,高機能化に向け,前工程・後工程それぞれの世界で開発が進められた3次元積層技術を振り返り,筆者らが開発したウェーハレベル3次元集積技術について紹介する.
著者
田中 修平
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.81, no.5, pp.401-405, 2012-05-10 (Released:2019-09-27)
参考文献数
12

ガラス内部の物性,例えば屈折率をフェムト秒レーザー光の照射により変化させ,照射部に機能をもたせる試みがなされている.その一例として,光導波路デバイスが挙げられる.これらの加工には,レンズによる集光点を逐次移動させながら加工する逐次加工法が使用されてきたが作製時間が長く,世の中に普及するに至っていない.本稿では,ホログラムを通してレーザー光を照射し,結像した3次元実像でデバイスを一括で短時間に作製できる加工技術と,本技術により試作した具体的なデバイスの概要を紹介する.
著者
高木 信一
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.74, no.9, pp.1158-1170, 2005-09-10 (Released:2019-09-27)
参考文献数
122
被引用文献数
4

微細化に伴う種々の物理限界要因により,従来のスケーリングのみでは難しくなっているSi MOSFETの性能向上を実現する技術として,近年注目が集まっている,高移動度・高速度チャネルを用いたCMOSデバイス技術について紹介する.微細チャネル下での駆動力向上手法について,反転層中の電子状態,特にサブバンド構造の最適設計の観点から,その物性的背景を総括するとともに,ひずみSi,Ge,超薄膜チャネルなどに関する最近の実験結果を述べることにより,今後のMOSデバイス技術を牽引していくと考えられる,高移動度チャネルMOSトランジスタ技術を展望する.
著者
高田 真太郎 太田 俊輔
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.92, no.12, pp.741-745, 2023-12-01 (Released:2023-12-01)
参考文献数
14

表面弾性波は,電子デバイス産業で重要な位置を占めつつ,最近ではさまざまな領域で基礎研究への応用も進んでいる.これまでの研究では,主に単一周波数の正弦波型の表面弾性波が使われてきたが,生成手法を工夫すると多様な形状の表面弾性波を発生させることが可能である.こうした表面弾性波の利用は,これまで表面弾性波で行われてきた研究の幅をさらに広げる可能性を秘めている.本稿ではその一例として,我々が最近報告した表面弾性波の単一パルス生成技術に焦点を当て,その生成原理の理解から,具体的な単一パルス生成に至るまでの技術を解説する.
著者
片山 晴善
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.92, no.12, pp.723-729, 2023-12-01 (Released:2023-12-01)
参考文献数
15

地球観測衛星に搭載される赤外検出器は優れた性能が要求される.JAXAでは従来の地球観測衛星で広く使用されてきたHgCdTe検出器に代わる,次世代の赤外検出器として,Type II超格子赤外検出器の研究を行っている.本稿ではJAXAで研究中のType II超格子赤外検出器について,その原理と現在の開発状況について解説する.
著者
細井 優
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.92, no.11, pp.679-683, 2023-11-01 (Released:2023-11-01)
参考文献数
14

物質に歪みを印加することにより,物性の解明やその制御が可能である.特に近年では,ピエゾ素子を用いた歪み制御技術の進展が目覚ましく,本稿ではその基本的な原理や実験手法について紹介する.
著者
白田 理一郎 作井 康司
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.92, no.11, pp.644-654, 2023-11-01 (Released:2023-11-01)
参考文献数
24

(株)東芝を代表とする日本がNANDフラッシュメモリの技術革新を牽引(けんいん)した結果,iPhoneなどのスマートフォン,USB,SDカード,SSD(Solid State Drive)と広く応用されている.NANDフラッシュメモリは,小型で軽量,静音性に優れ,衝撃に強く,電源を切ってもデータを保持するという優れた特性を有している.NANDフラッシュメモリが発明されなければ,パソコンやスマートフォンの普及が遅れ,デジタル社会への転換も起こらなかったかもしれない.1980年代に東芝でたった10名のグループで研究開発を始めたNANDフラッシュメモリは,2022年には10兆円のビジネスに到達し,今やNANDフラッシュメモリの無い世界は想像できない.