- 著者
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任 海
- 出版者
- 公益社団法人 日本地理学会
- 雑誌
- 地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
- 巻号頁・発行日
- vol.89, no.1, pp.22-38, 2016-01-01 (Released:2019-10-05)
- 参考文献数
- 46
中国では,1990年代から上海市をはじめとする大都市で,都市更新の計画が制定されてきた.本研究では,上海市静安区を例として中国の大都市における都市更新が中心市街地内部で引き起こした土地利用の変化を調査し,その実態を詳細に地図化するとともに,小地域レベルで人口分布の変化と土地利用の関係を明らかにすることを試みた.その結果,静安区の都市更新では,スクラップ・アンド・ビルドによって,主に商品住宅と呼ばれる住宅が建設されたことが明らかになった.土地利用の類型化によると,静安区の小地域は6種の土地利用タイプで構成されており,区の北部は住宅地域であり,南部は業務地域と文化財地域である.小地域レベルで分析した結果,静安区においては一部の小地域の人口密度が都市更新前より高くなった.また,旧来の住宅が大規模に取り壊される一方,人口密度が保持されながら,大量の優れた建物が歴史文化財として保存された.