著者
中村 武司 来間 健次 嶋崎 孝行 斎藤 国弘 島田 豊明 小武山 温之
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.191-194, 1973-03-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
4

リゾープス属菌, ムコール属菌により製麹試験を行ない, その分析結果,・官能試験結果より, 清酒醸造に応用可能でしかも芳香生産性のRhizopus delemarIAM-6038を選択しだ。この菌を使用して製麹し, その生産する酸を利用して乳酸を使わない清酒の仕込を行なった。生成酒は白ブドウ酒タイプの淡麗な酒質であり, アミノ酸が少なく, 滴定酸度は多かったが酸味が強いという感じはしなかった。
著者
柳田 藤寿 陳 奕伸
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.11, pp.855-861, 2006-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
27
被引用文献数
1

乳酸菌類は広い生活圏を持っており, 普遍性の高い細菌である。 食品に限らず動植物の表面から内部にまで, 至るところに乳酸菌は生活の場を有している。 その種類も大変多く, それだけに幅のある性質を乳酸菌全体として保有している。 多彩な環境に生活している乳酸菌のうち, 分離例としてはきわめて少ない土壌から分離した乳酸菌の特性についてお伺いした。
著者
坂倉 又吉
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.217-221, 1968

共同精米, 共同酒母, 受託びん詰, 共同製造, そして合併と多くの経験を重ねた筆者は,"きれいごとの協業" の非を訴え, 相互信頼の上にたつ合併こそ合理化への道であると述べている。また, 単なる機械化でなく, 真に必要なのは, 無駄のない, 危険のない合理的な作業であると。
著者
杉本 芳範 田中 伸哉 古川 彰久 渡辺 和夫 吉田 敏臣 田口 久治
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.205-210, 1987

ジャケット冷却時の醪温度応答特性の解析結果をもとに, 温度制御方式としてカスケード制御を採用し, 総米1トン仕込みの醪で発酵ガス発生速度をオンライン計測しつつ計算機を利用した適応的自動制御を行ったところプロセスは順調に制御され, 生成酒の品質も目的に近いものが得られた。
著者
辻 謙次
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.609-616, 1985

日本のウヰスキー製造の創始者である竹鶴政孝氏が若くして渡英し, スコットランド・カンベルトン市で本格的ウヰスキー製造を実習されたことは有名であるが, 1920年5月帰国直前にまとめた実習報告書が, このほど南九州在住の旧摂津酒造関係者によって大切に保存されていることがわかった。<BR>日本の洋酒の歴史を語る上で欠かすことのできない貴重な資料なので, あえて全文を公開させていただくこととした。資源の少ないわが国の事情が常に氏の念頭にあったことと, 西洋の美酒を日本で造ろうという強い意欲があってこそ完成された記録である。
著者
金 鳳燮
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.87, no.9, pp.629-634, 1992

中国に味噌があるか。今回全国味噌技術会の招きで, 来日した著者と話しあったところ, 日本の味噌に相当するものとして醤, 鼓が古くからあったことがわかり, それぞれが豊富なバラエティーを持っている。それに, 味噌とは定義上は異なるが, 豆腐乳という豆腐発酵食品も加えて解説していただいた。
著者
菊地 勇次郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.487-492, 1973

塩と米酢の味しかしらなかったわが国の古代人が, 中国大陸から伝えられた豆醤と肉醤を, どのように料理に生かしたか。味つけは, 各人が食繕で行なった平安時代の習慣が, 中世のうちに調理中に味つけしてしまう仕方にかわるとともに, 醤や鼓の姿がどのようにかわって江戸から現代まで伝えられてきたか。これは, われわれの先祖が味わい, 伝えてきた醤油や味噌の物語である。
著者
安平 仁美
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.97-102, 1996-02-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
21

加熱殺菌あるいは保存原料を使用することなく, 密封包装味噌の保存性を向上させる方法として, 残存酵母の凍結損傷効果を最大とする条件についての基礎的研究成果と実用化への展望について解説していただいた◎
著者
田中 利雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.175-181, 1987
被引用文献数
1

食文化に食事の形態と食器がつきものであるように, 飲酒文化にも飲み方や酒器は切リ離せない。特に清酒は燗という独特の飲酒習慣が培われてきたため, その酒器も時代変遷をたどっている。<BR>本稿は燗に視点をあてて酒器の移リ変リを探リ, 飲酒を通して時代風俗やライ7スタイルを点描している。酒器-つとっても文化の香を感じる一編である。
著者
大谷 惣助
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.9, pp.665-671, 1973-09-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
3

中国のビール, ブドウ酒, 薬味酒についての詳細な紹介である。カメでつくるビールに外来技術の同化結合のための工夫がうかがわれる。また中国における果酒生産の大運動などわれわれからみてうらやましい話である。中国のリキュールは漢方薬の国柄だけあって合成香味料で簡単にわりきっているわが国のそれにたいして将来のための警鐘ともなろう。
著者
井手 敏博
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.86, no.7, pp.512-520, 1991-07-15 (Released:2011-09-20)

ソウルオリンピック直後の韓国の酒事情については, 本誌第83巻第12号において筆者により紹介されているが, その後も筆者は韓国の酒事情について関心を持ち続け, 90年の暮と91年の春に相次いで訪韓し, その著しい変貌振リをつぶさに取材された。今回, その瞠目すべき変身を遂げつつある韓国の酒事情について, 再度寄稿していただいた。
著者
伊藤 恭五郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.10, pp.640-643, 1981-10-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
4

主食である米を主原料とする日本酒の醸造経営者であり技術者である著者は, 酒造米流通の歴史を省み, 酒造業の将来を望んでその制度の改正や対策が急務であることを真剣に訴える。
著者
佐藤 芳伸
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.87, no.10, pp.692-698, 1992

杜氏をはじめとする清酒製造の熟練技術者の確保がますます困難となっている現状は, 小規模の清酒醸造場にとって特に深刻な問題である。そこで, 小規模工場の自動化のコンセプトと製造設備の実例を, これを実現するにいたった過程を交えてご紹介頂いた。
著者
神渡 巧 瀬戸口 眞治 上田 次郎 瀬戸口 智子 緒方 新一郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.6, pp.437-445, 2006-06-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
14
被引用文献数
10 15

8種類のサツマイモを原料として芋焼酎の製造を行い, 種類の違いによる酒質の特性を明らかにするとともに, その酒質に及ぼす特徴香成分の検索を行った。1.サツマイモの種類によりデンプン価は大きく異なり, 最高と最低では約2倍の違いがみられた。またもろみのアルコール濃度もサツマイモのデンプン価と同じ傾向を示した。2.紫系サツマイモを原料とした製品は, 甘酸っぱく, ヨーグルト的な風味を持つ酒質であり, その風味にジアセチルが大きく影響していた。3.橙系サツマイモを用いた製品には加熱処理したニンジンやカボチャの香りが認められ, この香りは, β-イオノンに起因することを明らかにした。4.リナロールは, ジアセチルやβ-イオノンと共存した場合, それらの特徴的な香りに影響を与えなかった。5.ジョイホワイト製品の酒質は, さわやかな果実香を持つ軽快な香気を有し, この香気はモノテルペンアルコールの1種であるリナロールにより形成されていた。6.β-ダマセノンは芋焼酎の特異成分であると共に, 芋焼酎の甘い香りに関与する重要な特徴香成分であることがわかった。
著者
植原 宣紘
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.27-33, 1983-01-15 (Released:2011-11-04)

中国各地の葡萄の品種とそのルーツ並びに栽培情況, ワイン生産などを詳細に解説していただいた。北京周辺のメイクイシャン, 厳寒に強いアムレンシス, 中国随一の葡萄の産地であるトルファンの葡萄, さらに甲州種の親といわれるロンイェン, その親と考えられるホータンハウの話など, 興味深く記載されている。