著者
柳内 敏靖
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.89, no.1, pp.26-32, 1994-01-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
19

1麹, 2酸, 3造りといわれるように麹の品質は酒質に大きく影響するとされてきた。昔から様々な製造条件と麹品質との関係については多くの研究がなされてきたが, 今だに判然としない部分もある。最近の計測・制御技術の発展により実験機器も精度の高い条件設定が可能になってきた。ここでは, それらの技術を用いた麹品質に及ぼす諸条件の影響についての研究結果について解説していただいた。
著者
菅間 誠之助 岡崎 直人
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.145-151, 1982-03-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
20

溝酒醸造において重要な地位を占めながら, 科学的な管理という面でやや遅れているのが麹づくりである。本稿はその最大の障害とされていた麹菌の増殖を定量的にとらえ, そこでえられた知見を解説したものである。麹づくりの科学的な管理へのよい道しるべとなろう。
著者
伊藤 清
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.17-21, 1992-01-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
3

清酒麹の造り方は万流と言われているが, 造り方によってα-アミラーゼ, ヴルコアミラーゼ, 酸性プロテアーゼなど酒造りにとって重要な酵素の活性バランスが異なると共に麹菌の代謝生産物も異なり, 醪での発酵に大きく影響する。銘柄による酒質の違いはこの麹の違いに依存するところが大と思われる。本稿では, 清酒麹で重要と考えられいる破精込について初めて科学的な解明に取り組まれた著者にその研究成果を解説していただいた。
著者
宮村 直宏
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.102, no.7, pp.520-526, 2007-07-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
7
被引用文献数
1 2

醤油, 味噌など醸造発酵物, チーズ, 天然だしなどが「コク味」を付け,「おいしさ」を向上させることはよく知られている。著者には,「おいしさ」の中にある「コク味」の概念について, その表現方法および「コク味」を付与する調味料などについて長年の試験・研究を基に, 詳細に解説頂いた。適切な「コク味」付与による「おいしい」食品づくりに大いに参考になるものと思われる。
著者
中川原 郁也
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.95, no.1, pp.36-38, 2000-01-15 (Released:2011-09-20)

青森県の代表的なブドウ品種であるスチューベンは現在10月から翌年の2月頃までと, かなり長期間にわたり出荷されている。これは品種の特徴を生かした栽培方法, 貯蔵方法を開発したためである。このあたりの事情に明るい著者に解説していただいた。
著者
田崎 龍一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.2-6, 1982-01-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
4

人の存在に関する基本は食生活である。それがどのような条件によってどのように変っていくかについて解説していただいた。過去をふり返えればそれなりに理解される変化の姿も,-寸先を見透すことはむつかしいといわれるときである。ぜひ, 御一読を-。
著者
佐見 学
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.90, no.7, pp.536-541, 1995-07-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
10

従来, 酵母の活性を測定する場合, 工場などでは簡便な方法としてメチレンブルー染色法が広く用いられてきた。測定の際, 微酸性の緩衝液を使用しているが, 筆者の研究ではアルカリ性のそれが優れており, その機構を分かりやすく解説していただいた。醸造工業の現場で容易に採用できる方法と考える。
著者
今安 聰
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.255-262, 1980-04-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
7
被引用文献数
1 2
著者
秋山 裕一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.94, no.7, pp.542-547, 1999

吟醸酒は, 日本酒の中でも醸造技術を極めた酒であるといっても過言ではない。その中には造り手の吟醸酒に対する思い入れや文化なども伝わってくる。吟醸酒の発展には少なからず, 品評会や鑑評会の果たしてきた役割が大きいと思われる。<BR>本稿では吟醸酒の変遷について, その技術的な進展とともに二回にわたって解脱していただいた。その歴史的価値も極めて大きい。
著者
秋山 裕一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.94, no.7, pp.542-547, 1999-07-15 (Released:2011-09-20)

吟醸酒は, 日本酒の中でも醸造技術を極めた酒であるといっても過言ではない。その中には造り手の吟醸酒に対する思い入れや文化なども伝わってくる。吟醸酒の発展には少なからず, 品評会や鑑評会の果たしてきた役割が大きいと思われる。本稿では吟醸酒の変遷について, その技術的な進展とともに二回にわたって解脱していただいた。その歴史的価値も極めて大きい。
著者
蓮尾 徹夫 斎藤 和夫 寺内 敬博 蓼沼 誠 佐藤 信
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.12, pp.966-969, 1983-12-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
10
被引用文献数
3

同一樽内に入れたエチルアルコール水溶液を温度15℃ 湿度を46%, 61%, 93%の3つにかえた1年間の貯蔵試験を行った結果, 湿度の低い場合には樽内のアルコール濃度は高くなり, 湿度の高い場合には樽内のアルコール濃度は低くなった。酢酸, 酢酸エチル, アセトアルデヒドは貯蔵中に増加するが湿度による影響は少なかった。フェノール化合物, 紫外部吸収, 着色度は時間とともに増加するが, 揮散量を補正した条件では, 湿度の低いところで最も少なかった。官能検査では条件Aが最も良く次いでB, Cの順となった。特にCは良好とはいえなかった。このことより熟成によるウイスキーの良化にはある程度の揮散を伴う条件が必要であることがわかった。最後にMOラクトンの合成をはじめとし, 本研究遂行に当り種々御教示いただきました大阪国税局鑑定官室吉沢淑室長に深謝いたします。
著者
一島 英治
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.97, no.1, pp.7-16, 2002-01-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
50
被引用文献数
1
著者
水品 圭司 高島 邦夫 高橋 利郎 戸塚 昭
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.120-126, 1990-02-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
23
被引用文献数
1 1

(1) ワイン中の中高沸点硫黄系化合物の抽出・同定を試み7個の化合物を同定した。このうち, 2-メチルーメルヵプトエタノール (MME) とジメチルースルホン (DM) はワイン中に初めて同定された。(2) 2-メチルーメルカプトエタノール (MME), ジメチルースルホン (DM), 3-メチルチオプロパノール (MTP), デヒドロー2-メチルー3-(2H)-チオフェン (DMTP) 及び3-メチルチオプロピオン酸エチル (EMTP) について品種を異にするワインにおける含有量を求めたところ, 香味の正常なワイン中にもこれらの化合物が広く存在していることが明らかとなった。(3) 中高沸点硫黄系化合物は, ヌカミソやタクアン, ゴム, タマネギ様の匂いを有した。官能検査からこれらの化合物のワインにおけるF. U. 値を求めたところ3-メチルチオプロピオン酸エチル (EMTP) と赤ワインにおけるジメチルースルホン (DM) を除いて, いずれの化台物もF. U. 値が1以上を示し, これらの化合物が供試ワインの香気特性に対して寄与しているものと考察された。
著者
田中 秀夫 千葉 秀雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.11, pp.767-771, 1982-11-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
14
被引用文献数
2

しょう油の減塩の現状とその方法について沢山の資料データをもとに解説していただいた。減塩しょう油は業界にとって大きな問題である。塩分過多の責任はすべてしょう油と味噌にあるように人々から錯覚されない努力もまた大切であろう。
著者
小崎 道雄 飯野 久和 岡田 早苗 関 達治
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.95, no.3, pp.193-198, 2000

ラオスは周辺諸国のタイやインドネシアなどに比べて, まだ近代化の波にそれぽど洗われてなく, 古くからの生活文化を残している。今回は, そのラオスにおける酒と麹について解説していただいた。
著者
藤井 史子 尾関 健二 神田 晃敬 浜地 正昭 布川 弥太郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.87, no.10, pp.757-759, 1992-10-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
5
被引用文献数
24 28

麹の酵素を失活させるため熱風乾燥した麹 (水分含量10%以下) を粉砕し, 糖化酵素剤ででんぷん等を消化除去せず, そのまま50mM燐酸緩衝液 (pH7.0) にて洗浄後, Yatalaseを作用させ, 生成したG1cNAc量をReissigらの方法により定量し菌体量を算出することで, 簡便に麹中の菌体量の定量が可能となった。また, 製麹時間毎の麹中の菌体量の推定も, 酸分解で生じるグルコサミン量と良好に一致した。