著者
稲岡 輝彦
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.8-10, 1977-01-15 (Released:2011-11-04)

昨今, 酒類における清酒の地位は, 年々地盤沈下の様相を呈している。伝統ある国民酒としての清酒が, このような傾向にあることは, 業界の-員として, 誠に遺憾なことである。なぜこうなったのか, その対策はいかにあるべきか。筆者とともに業界の体質強化, 品質多様化のあり方等の観点から, 今一度この問題について考えてみたい。
著者
宗田 喜八郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.10, pp.694-696, 1977-10-15 (Released:2011-11-04)

清酒業者は利害の相反する大手と小メーカーが同一組織内にある。そのため極めて業界運営が難かしいところである。真面目に自己の事業を営んでいる企業は生き残れるように, 組合として救わなければならないというのは一致した意見であろうがなかなか難しい。ここでは清酒業界に対する筆者の要望をじっくりと聞こう。
著者
竹内 直一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.292-295, 1975-05-15 (Released:2011-11-04)
被引用文献数
1

日進月歩の技術革新の世にあっては, 食品もその製造技術の改良進歩により品質は益々向上し, 本来の製法が必らずしも良品を生むとは限らなくなる。ともあれ, 消費文明の高揚は昔のものへのノスタルジアにかられる。それもかけがえのない消費者の要求とあれば業界も十分に傾聴しなければなるまい。業界にとっては当然の事でも消費者の納得し得ない何物かがあるとすれば, 消費者への説得が不十分なのかも知れない。内ゲバから脱却し業界一丸となって消費者教育に乗り出す上にも, 一見身勝手と思える消費者の声を冷静に聞きとる寛容さが必要であろう。
著者
五味 勝也
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.95, no.7, pp.494-502, 2000-07-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
21
被引用文献数
2 2
著者
岡崎 直人 木谷 光伸 田中 利雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.133-136, 1984-02-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
8

蒸米上における麹菌の増殖におよぼす温度の影響について検討し, 増殖の限界温度が45℃ であること, 再び40℃ にすれば増殖が再開されることを見い出したっこのことは製麹管理上重要なことと思われる。また, 気中の炭酸ガス濃度を一定に保って麹菌の増殖に伴う酸素吸収を得定する方法を考案し, 炭酸ガスの影響を調べた。その結果, 0.1~1.0%の範囲で発芽の誘導期間を短縮する効果があること, 1%以上存在すると増殖を幾分阻害し, それに伴って酵素生産も低下することを認めた。
著者
黒沢 尋 樋口 直美 中村 和夫 天野 義文
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.155-157, 1992

種々のワイン中に含まれる総亜硫酸を<I>Thiobacillus thiooxidans</I> JCM 7814 と酸素電極からなるバイオセンサーで測定した。バイオセンサー法は赤・白ワイン, ロゼワイン及び貴腐ワインに対して良好な定量性を示した。亜硫酸回収率は低くとも84%以上, 変動率は平均5.0%であった。これに対し, 酒精強化ワインやオレンジワインなどの特殊なワインについては, 現段階では良好な測定値が得られなかった。以上の結果より, 結合型亜硫酸を予め遊離型に分解することによって, バイオセンサーによるワイン (ブドウを原料にしたもの) 中の総亜硫酸の定量が可能となることが明らかになった。
著者
山下 勝
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.92, no.5, pp.310-321, 1997-05-15 (Released:2011-09-20)

清酒及びビール等の穀物を原料とした酒が, どのように発生・発展して現在の姿となったかについて, 著者が自称される「実験考古学」により明らかとなった興味ある種々の事実に基づいて, 本号と次号で解説していただくことにした。
著者
坂口 健二
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.6, pp.408-411, 1983-06-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
3

酵母ではなく細菌がアルコールを生産する。20世紀の初め, パウル・リントナー教授がメキシコの酒「プルケ」から分離した細菌が, 遺伝子工学の台頭とともに脚光をあびた。Zymomonas mobilisと命名されたこの細菌を通して, 遺伝子工学に対する著者の考えを披瀝していただいた。
著者
吉沢 淑 高橋 康次郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.84, no.3, pp.192-194, 1989

A simplified method for the determination of ethyl carbamate (CAE) in sake was devised.Twenty ml sample was adsorbed on Extrelut-20 (Merck Co., Ltd.), left for 20 min., and eluted with 60 ml of chloroform.The eluate was concentrated to 5-7 ml using a Kuderna-Danish (K.D.) evaporator.After washing the evaporator with 3-5 ml of chloroform, the concentrate was again evaporated to 0.5 ml by blowing air at 37&deg;C.CAE was determined by GCusing a capillary column packed with 5% phyney methyl silicone.
著者
志村 保彦
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1, pp.42-51, 1998-01-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
3

醸造技術や技能は, 科学技術の発達と共に少しずつ変化している。わが国の誇る醸造技術や技能は, 正しく伝承されるべきであり, 後世に受け継がれていかなくてはならない。いくら科学技術や設備機器が発達しても微生物の働きによって醸しだされる醸造の基本は, そんなに大きく変化するものではない。しかし後継者不足や人件費の高騰により多くの技術者を確保できない現状を考えると, 醸造技術の伝承はかなり難しいものになってきている。そこで, 2回に亘って原料処理から製品に至るしょうゆの基本技術 (キ下ポイント) を微に入り細に入り披露戴いた。
著者
島田 彰夫
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.103-108, 1986-02-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
3

日本の味噌, 醤油の歴史を顧みるとき, 韓国における大豆発酵食品を無視することはできない。味噌・醤油のような発酵食品の起源は遠く3千年の昔, 中国にあったといわれ, そのプロトタイプが日本に伝来する道として, 朝鮮半島を経由するものと, 直接東支那海を渡来するものがあった。韓国におけるテンジャン, カンジャンのジャンは中国の「醤」に由来するとみられる。そして, 韓国のメジュは日本の味噌玉へと伝わる。今日テンジャン, カンジャンの姿は, 豆味噌地帯の溜り味噌と溜りに見られる。最近韓国における食生活を調査された著者に最近の大豆発酵食品について執筆願った。
著者
奥原 章
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.22-28, 1992

「自動びん詰機のどこが自動なのだ!」これは他産業に部分的オートメ化が導入されて以来, 30年以上にもなる長い間の嘆きの声である。そして今日, 一貫した自動制御方式を駆使した, いわゆるFA化時化に突入した。高短蒸煮, 機械製麹, 大型屋外醸酵タンク, 自動計量とケージ方式による圧搾装置等, 醤油製造装置の革命も一段落を見, ここに新しいFA化時代を迎えようとしている。常に最先端技術に取り組まれて来られた筆者に解説していただいた。
著者
本藤 智
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.90, no.8, pp.612-617, 1995-08-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
56
被引用文献数
1

味噌の前身の醤や鼓に遡る含塩大豆発酵食品の開発以来, 塩は必須の原料であった。当初, 塩の効用は主に調味効果と保蔵効果であったが, 最近になって, 味噌の品質に及ぼす影響についての研究が多くの新しい情報を提供するようになった。それらを総括的に解説していただいた。