著者
藤原 幸一
出版者
名古屋大学
雑誌
戦略的な研究開発の推進 ムーンショット型研究開発事業
巻号頁・発行日
2020

人と機械を融合させるサイボーグ技術の進化は、私たちの身体を強化し新たな能力を獲得できる未来をもたらします。このような社会の実現には、技術開発のみならず倫理的な課題についても社会的な議論が必要です。本研究調査では、サイボーグ技術開発に係る諸課題について、文献および有識者へのインタビュー、多様なステークホルダーとのワークショップを通じて調査し、サイボーグ技術の社会実装の可能性について議論します。
著者
吉田 久美 尾山 公一
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

花色素アントシアニンの機能性研究、および生合成・膜輸送研究のさらなる展開を目指し、柔軟かつ効率的なアントシアニンの化学合成法の研究を行った。アントシアニンの生合成における鍵酵素であるアントシアニジン合成酵素(ANS)が酸化酵素であることにヒントを得て、配糖化フラボノールの金属還元によるアントシアニン合成を試みた。本反応が、フラボノール体からフラベノール体への還元と次のアントシアニンへの空気酸化の二段階の反応であることを明らかにした。さらに、種々の母核および配糖化様式のフラボノール体へ本反応を適用し、汎用性の高い反応であることを確認できた。
著者
丸山 豊
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学教育学部附属中高等学校紀要 (ISSN:03874761)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.146-160, 2005-11-30

1976(昭和51)年に本校に赴任して以来30年の長きにわたり私の母校でもある附属にお世話になったが、いよいよ本年度(2006年3月)で退職となった。振り返ると、この30年のうちの中後半の17年は附属の激動期であったと思う。1988(昭和63)年最初に運営委員に選出され時、私は42歳だった。その後現在に至るまで、運営委員3年、研究部1年(運営委員歴任後1年は役職に就かない内規による)、つづいて研究部長6年、運営委員3年、高校副校長5年と学校改革(大学本部、教授会、研究開発、後援会問題、中高一貫校たち上げ、附属のあり方懇、文部省折衝、大学附属問題小委員会、法人化問題、定員削減問題等)の渦中にいた私は、ただ、がむしゃらに全力で駆け抜けてきた想いがする。今退職するにあたり改めてこうした私を支えてくれた附属の環境、先生方、生徒諸君にすばらしさを感じている。退職にあたり研究部より執筆の機会をいただいてからなかなか筆が進まなかった。不十分ではあるが在職30年を振り返ってみたい。第1部では附属に赴任して以来の私の喜びを現附属の先生方にも味わってもらいたいと思い「もう一つの視点からみた附属と教師像」と題して勝手に書かせていただいた。第2部では附属の学校改革取り組み10年目の評価と中高一貫校への転換にあたる論議を紹介し、現在の附属の歩みへと今後の課題を提示した。第3部は、附属のあり方に対する確固たる自信を持ち今後を切り開いていって欲しいとの願いをまとめた。
著者
山中 章弘
出版者
名古屋大学
雑誌
戦略的な研究開発の推進 戦略的創造研究推進事業 CREST
巻号頁・発行日
2016

睡眠覚醒などの本能機能は、記憶や意志決定などの高次脳機能にも影響を及ぼしています。従来の光遺伝学では、侵襲や行動制限のために、この機能連関の研究には不十分でした。新開発するファイバーレス光遺伝学では、光ファイバーを刺入せずに脳深部の神経活動を体外から照射した近赤外光で操作可能になります。これを応用することで睡眠覚醒と記憶との関係の解明に迫れるだけでなく、様々な生体機能の解明に大幅な進展が期待されます。
著者
西川智之
出版者
名古屋大学
雑誌
言語文化論集
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, 2000-10-31
著者
曹 栄梅
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
2015

identifier:http://hdl.handle.net/2237/22383
著者
野口 裕之 島田 めぐみ 熊谷 龍一
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

2019年度は、以下の調査を実施した。1)「話す(表現)」「書く」および「やりとり」の自己評価調査、2)「漢字運用力」を表わす能力記述文を開発試行調査、3)日本語教育機関のカリキュラムに対応する Can-do statements 自己評価調査( 1)2)と同時実施、中国のみ)。1)では、CEFRから学習者による自己評価が難しい言語能力記述文を除いて、調査票を構成した。回答には4段階評定尺度を用いた。調査協力者は、中国(漢字圏)、インド、ベトナム(非漢字圏アジア)、豪州、米国(非漢字圏非アジア)および日本国内の日本語学習者724名であった。難易度を表す尺度構成にはIRTの段階応答モデルを適用した。その結果、「産出的能力」では、難易度の順序が元のCEFRの順序と一致する部分が少なくないが、「やりとり」では、元のA2項目群とB1項目群に難易度の重なりが見られるなど項目の順序性に関してCEFRと緩やかな一致傾向が見られるに留まった。CEFRの日本語への適用は、単に翻訳するのではなく、日本語に合わせた調整の必要性が示唆された。2)に関しては、現在詳細な分析を継続している。3)に関しては、2018年度に実施した「聞く」「読む」に関する中国A大学のCan-do statements自己評価データと,CEFR言語能力記述文の自己評価データを合わせて同時に分析した結果を比較検討した。すなわち、IRTの段階応答モデルを用いて,グローバルなCEFRとローカルなA-Cdsを同一尺度に乗せて,両者の項目困難度を比較するという試みを行なったが,この手法の有効性が確認できた。CEFRを日本語教育場面で活用するためには、言語能力記述文をそのまま日本語に翻訳するだけではなく、日本語に合わせたレベルの調整・変更や、日本語の独自性を反映する言語能力記述文を加えることなどが必要であることが明らかにされた。
著者
宇都木 昭 キム ミンス 神長 伸幸
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

韓国語(朝鮮語)は日本の多くの大学で第二外国語科目となっており,多くの学習者によって学ばれている。韓国語学習の特徴の一つは,「ハングル」という新たな文字を学ぶ点にある。韓国語教員の視点からみると,経験的にいってハングルの習得には個人差がある。しかし,どのような個人差があるのか,なぜ個人差が生じるのか,習得の困難さが他の能力と関係しているのか,といった点は明らかにされていない。本研究課題では,これらの疑問に挑む。
著者
仁科 浩二郎 小林 岩夫 山根 義宏 KOBAYASHI Iwao
出版者
名古屋大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1985

本研究の目的は, 原子炉燃料臨界安全モニターの開発にあり, 昭和57〜59年度の3年間に引き続き, Cf-252利用の3検出器雑音法を実際的方法を目指して改善, 確立することである. この方法では, Cf内蔵の検出器1個と, 中性子検出器2個を体系周辺に配置し, これらの検出器出力の相互, または自己パワースペクトルを信号処理によって得る. これらの量から作った比(スペクトル比)を確率過程論によって体系の中性子増倍率に関係付ける.本研究3年間の主な成果を以下に列記する(1)上述のスペクトル比が, 見かけ上, 如何に検出器配置に依存するか予測する理論式を導き, 実験における検出器配置に対して指針を得た.(2)この式を, 原研のTCA装置で実験的に検証することを試み, 一部のデータで理論式と一致する傾向を得た.(3)モデル化円柱体系に対するモンテカルロ法シミュレーションコードを作成し, スペクトル比の検出器位置依存性に関し, 上記(1)の理論式の妥当性を明らかにした.(4)同じモンテカルロ法コードにより, Cf中性子源強度に対する, スペクトル比の依存性を調べ, この依存性が少いという結論を得た.(5)相互干渉系(2コニツト体系)への本方法の適用を考え, 2点炉近似に基ずく理論式の導出を行った.(6)遅発中性子がスペクトル比に及ぼす効果を定量的に調べ, 10Hz以上の周波数域では, この効果は考慮する必要がないと結論できた.今後は, a.上記(2)の実験の続行, b.再処理燃料中に必ず存在するプルトニウムの核分裂が, 結果に及ぼす影響の検討, c.測定統計改善のための検出器改善, d.同じく統計改善のためのCf以外の外部中性子源使用の効用検討 などの課題がある.
著者
グェン スアン ティ NGUYEN Xuan Thi
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
2016-03-25
著者
大屋 雄裕
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

情報化が国家の統治システムと個人の主体性に及ぼす影響について理論的検討を行なった。特に、監視システムの社会への浸透と相互結合が自己決定的な個人のあり方にどう影響するかを分析した。国家による監視の量を個人の自由と直結させる従来の一次元的モデルを批判し、国家・個人と中間団体の相克関係が監視社会論について持つ意義を明らかにするとともに、個人の自律性に対して重要な分析枠組としての事前規制/事後規制という区分を確立した。