著者
坪井 秀人
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、日本の短詩型文学、特に和歌が西欧語に翻訳され、その翻訳テクスト歌曲として作曲された過程をドイツ語・東欧諸語・フランス語の翻訳テクストによる歌曲作品を対象に調査し、20世紀初頭、1930年代まで独墺仏および東欧・北欧地域の作曲家による歌曲作品のリストを作成し、その波及の実態を考察した。資料調査は日本国内の図書館、海外ではウィーンのオーストリア国立図書館、ベルリン州立図書館およびプラハのチェコ国立図書館などの海外の図書館と国内の大学図書館を中心に行い、その研究成果として日本語版論考を学術雑誌に発表し、そのドイツ語版を、本年中にスイスの出版社から刊行される論集に発表する予定である。
著者
杉浦 正利
出版者
名古屋大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1996

本研究では、日本人英語学習者がインターネット上の英語を読む際に、どのような情報を必要しているかを調査し、オンライン辞書を試作し、オンライン語学学習ツール開発のための基礎的な研究を行った。●研究実績(1)英語WWWページの収集:名古屋大学及び国内の大学の大学生が各自のホームページからリンクを張っている英語のページを調査し,1,000ページを収集しファイルして保存した(約2MB)。57,106行、326,849単語、2,153,141文字であった。(2)語彙頻度分析:上記ファイルを頻度分析し、アルファベット順、頻度順のリストを作成した。異なり語数は24,107語であった。(3)辞書ファイルの作成:語彙頻度の多い単語上位1万語に日本語訳をつけた。これは、総単語数中の93%に該当し、頻度が一回の単語(その多くは固有名詞)10,781語(3.3%)を除くと、事実上約96.4%の単語に日本語訳をつけたことになる。(4)辞書検索プログラムの作成:本研究専用WWWサーバをたちあげ、CGIを使い、Per1により辞書検索プログラムを作成した。(5)使用実験:実際に学生に利用させ、日本語訳の不十分さと、例文の必要性が判明した。日本語訳の充実は、試作開発である本研究の範囲を越えるので今後の課題とする。(6)例文検索プログラムの作成:(1)で作成したファイルの中から例文を検索表示するプログラムをCGIを使い、Perlで作成した。(7)インターネット用日本人英語学習者向けオンライン辞書の試作完成●研究結果日本人英語学習者が読みたいと思う英語のWWWページ中の96.4%の単語の日本語訳が出る辞書検索プログラム、及び、その単語が実際に使用されている例文を表示する例文検索プログラムを統合し、目的とするオンライン辞書の試作を完成させた。本プログラムは研究代表者のホームページよりインターネット上に公開されている。
著者
大島 義和 宮地 朝子 佐野 真一郎
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2022-04-01

名詞述語文は,一般に「aとbは同一である」または「aはAに包摂される」という関係をあらわす(例:「平塚らいてうは {『青鞜』の創刊者 / 作家} だ」)が,その一方で,「ユミはウナギだ (= ユミはウナギを注文した,ユミはウナギの専門家だ,等)」「ヒロシはスーツだった (= ヒロシはスーツを着ていた)」「ナオミは東京に行く予定だ (= ナオミには東京に行く予定がある)」といった,非典型的な意味を持つ有標的な名詞述語文も存在する。本研究では,このような有標的名詞述語文の分類と,形式意味論,歴史言語学,対照言語学,語彙論といった諸観点からの分析に取り組む。
著者
事務局総務企画部総務広報課
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
no.(394), 2005
著者
田邊 靖博 赤津 隆 宮内 博之
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

実用衝撃負荷速度域において、建物が衝突による衝撃負荷を受けることを想定した研究を行い、繊維の荷重保持力(強度×断面積の大きな繊維)が大きいほど耐衝撃抵抗性が高いこと、マトリックスが延性であるほど破片が大きくなること、破壊靱性値が大きいほど欠損体積が小さくなること、を明らかにした。さらに、繊維の機械的特性によっても破壊現象が大きく変わることを明らかにした。高強度コンクリート、繊維とモルタルの密着性制御、ならびに高強度繊維を組み合わせることで、飛翔体の衝突で材料中に大きな欠損が生じさせない、あるいは、飛翔体の運動エネルギー吸収能が高い、新たな繊維強化モルタルあるいはセメントの作製に有効な設計指針を明らかにした。
著者
渡辺 武志 竹内 史央 中野 和之
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学教育学部附属中高等学校紀要 (ISSN:03874761)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.62-64, 2008-01

科学リテラシーの育成を目標に、17世紀近代科学成立期の科学と哲学を中心的題材とする授業を行った。そこでは、「楕円の性質」や「ノストラダムスの預言」などの具体的な題材を通じて、じっくりと科学的な思考の経験を積むよう計画した。また、今回から取り入れた新規の題材である「偽(似非)科学」は、現代的な話題も含み、生徒が実生活の中で科学リテラシーを生かせるようになることを目指したものである。
著者
大名力
出版者
名古屋大学
雑誌
国際開発研究フォーラム
巻号頁・発行日
no.38, 2009-03
著者
隠岐 さや香
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究の目的は18世紀フランスにおける科学研究への投資の実態とその思想史的背景について、パリ王立科学アカデミーの財務会計記録資料を中心に調査するこ とである。 令和二年度は研究補助者も雇用しつつ、これまで調査した史料の解読と整理を行った。パリ王立科学アカデミー財務会計資料は非常に散逸が激しく、年度ごとの支出や予算総額を知るだけでも複数の文書館の史料を突き合わせることが必要であることがわかった。また、財政史において王政期というのは一般的に「パトロネージから官僚制へ」などと要約されるが、それは王侯貴族が気に入った存在に報奨金を与えるという私と公の切れ目がなかった状態が、近代的な職業的・専門的組織における金銭のやり取りへと制度化されていく過程にあたる。科学アカデミーの財政においても同様の特徴が窺えることがわかった。これらの成果を取りまとめ、2020年11月にはフランス語による国際研究集会での発表を行った。現在はその内容をフランス語の論文にまとめているところである。この他、一般向けの新書で終身書記コンドルセの評伝を執筆したが、その中で本研究の成果を一部使用した。また、やはり一般向けの公開講演や媒体において学問の「自律」「自由」に関連する文書を発表し、本研究プロジェクトの内容を一部使用した。2021年3月に本研究成果を用いた公開セミナーと講義のため、フランスのパリ第一大学(パンテオン・ソルボンヌ)から招聘されていたが、コロナ禍により延期となった。
著者
前島 正義 小鹿 一
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

マラリアは、マラリア病原虫プラスモディウム属がハマダラカを媒体として伝染し、ヒトの肝細胞・赤血球に寄生することによる疾患である。本研究は、マラリア原虫がもつH^+輸送性ピロホスファーターゼ(H^+-PPase)に焦点をあて、この酵素に対する特異的阻害剤の探索を通して、抗マラリア特効薬を見出し開発することを目的とした。1.阻害剤に関する研究成果(新規阻害剤の発見)沖縄の海洋に生息する生物のうち,軟サンゴから得られた成分がもっとも強い阻害活性示した。その成分の化学構造を決定したところ分岐したアシル基をもつアシルスペルミジン類縁化合物であることが判明した。基質加水分解・プロトン輸送活性を強く阻害した(50%阻害濃度1μM)。さらに生きた植物細胞においてもH^+-PPaseを阻害し,その生理機能を強く抑制することが証明された。2.H+-PPaseに闘する研究成果・新知見(1)植物H^+-PPaseの遺伝子破壊株の解析により遺伝子欠損は生育の著しい抑制をもたらすこと,すなわち本酵素が植物体の正常な生育に不可欠であることを明らかにした。(2)ヤエナリH^+-PPaseの構造・機能協関の解析により,少なくとも2つの細胞質側親水性ループが基質結合・触媒部位を形成し,その中の保存性の高いアミノ酸残基が基質加水分解を司っていることを明らかにした。(3)変異導入とそれに引き続く機能検定のやりやすい大腸菌発現系の確立を目的に,放線菌H^+-PPaseを対象に解析を進めた。実験系の確立に成功し,放線菌H^+-PPaseの固有の性質を明らかにした。(4)H^+-PPase機能の直接測定のためのパッチクランプ法を世界に先駆けて開発し,H^+-PPaseの特質,分子活性をもっとも精度の高い方法で明らかにした。
著者
飯島 正博 祖父江 元 川頭 祐一 小池 春樹
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

末梢神経系の維持には軸索ー髄鞘間の相互作用が重要な役割を担うことが指摘されている。我々はCIDPにおいて、傍ランビエ絞輪部に分布するTAG-1のアミノ酸置換が分子機能を修飾し、再髄鞘化機序にかかわることを過去に指摘した。今回、TAG-1を欠損した動物モデルに髄鞘構成成分より構成される抗原を人為的に導入して自己免疫性神経炎を惹起したところ、脱髄のみならず軸索障害が形態的・電気生理学的に顕在化することを示した。このことからTAG-1をはじめとする分子群は末梢神経の発生はもとより、傷害発生後の髄鞘再生にかかわる重要な要素であり、この破綻は不可逆性の病態をきたしうることが示唆された。
著者
小谷 凱宣 FITZHUGH W.W 新美 倫子 出利葉 浩司 切替 英雄 西本 豊弘 佐々木 利和 FTIZHUGH William W KENDALL L. POSTER A. G KATZ A. H FITZHUGH W. KREINER Jos POSTER A.G. KATZ A.H. OELSCHELEGER エッチ.デー KREINER J.
出版者
名古屋大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

本研究計画に関連するアイヌ・コレクションは、北米と西ヨーロッパに所蔵されている。このほかに、アイヌ資料はロシア各地の博物館に所蔵されていることは広く知られている。平成7年度より、ロシア国内のアイヌ資料調査が千葉大学・荻原眞子教授らのグループにより開始され、その研究成果がまとめられつつある。ロシア資料の調査結果と北米・西欧における研究成果と合わせることにより、海外のアイヌ・コレクションの全体像とアイヌ物質文化に関する新知見が得られよう。この一連の研究はさらに、北方地域の一民俗に関わる博物館資料の悉皆調査という初めての試みであり、現代文明の影響を受けて変容した北方狩猟民文化に関する研究資料の再検討という意味で、優れて現代的意義を有する。本研究計画による研究成果に、とくに北太平洋地域の研究者が一致して注目しているゆえんである。そして、本研究計画は、欧米の北方文化研究者が立案している「ジェサップ2計画」の先駆的役割を果たしつつある。西欧と北米のアイヌ資料との比較の試みを通して、欧米の研究者がアイヌ研究と資料収集に特に関心を抱いた知的背景が明確になってきた。西欧のアイヌ文化の研究者は、広義の自然史学(基礎科学)の枠組みの中で知的訓練を受けていることが指摘できる。このことが、アイヌ文化の伝統が維持されていた時期に調査収集が行われた事実と相まって、学術的に質の高いコレクション収集を可能にした背景である。さらにフランツ・フォン・シ-ボルト以降、「高貴な野蛮人」、「失われたヨーロッパ人」、「消滅しつつある狩猟民」としてのアイヌ民族文化への関心が、アイヌ研究を推進した。19世紀半ば頃から提唱された「アイヌ=コーカソイド仮説」は、欧米諸国民と研究者のアイヌ文化へ関心をいっそう高め、ドイツとアメリカにおけるコレクション収集を加速した。アイヌ文化を含む北方狩猟民文化研究の動きは、第一次大戦勃発とそれにともなう社会変化のために停止した。日本人研究者による本格的なアイヌ文化研究とコレクション収集の努力は、第一次大戦以降にはじまったことが浮き彫りにされてきた。前年までの在米アイヌ資料の調査の遺漏を補うために、シカゴ(シカゴ大学とフィールド自然史博物館)とニューヨーク(アメリカ自然史博物館)で補充調査を実施した。なかでも、シカゴ大学図書館特別資料部所蔵のフレデリック・スターのコレクションにふくまれる映像資料(スライド類)お精査し、さらに、写真類も入手したことにより、スターが収集したアイヌ関係資料の全容がほぼ判明してきた。すなわち、スターは明治末の10年足らずの間に、アイヌ資料を約1,200点、アイヌ関係映像資料を約100点、そのほかに膨大な量の未公表フィールドノートと往復書簡類を残していることが解明できた。スターが収集したアイヌ資料の数は北米の総資料の約40%を占め、世界的にもきわめて大きなアイヌ・コレクションの一つといえる。また、彼の残した未公表資料は貴重な背景資料であり、アイヌ文化研究史においても重要である。スターのアイヌ関係資料の集大成が緊急の課題である。最後に、スミソニアンの極北研究センターにおいて、アイヌ文化に関する特別展覧会の準備が開始されたことは注目に値する。これは本研究計画の成果が展覧会企画の契機になったもので、研究成果の相手国への還元につらなる。また、ジェサップ北太平洋調査開始から百周年を記念する国際学会が1997年秋にアメリカ自然史博物館で開催される予定であり、また、「ジェサップ2計画」(1897-1903に行われたF・ボアズによるジェサップ北太平洋調査時に収集された未公表の諸資料の整理公表の事業)が始まる予定である。新たなる眼で北方諸文化の資料を再整理し、変容しつつある先住民文化の理解の促進とアイデンティティ確立に資するものである。これは、本研究計画、アイヌ資料悉皆調査の目的と一致するものである。
著者
小鹿 一
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
1987

identifier:http://hdl.handle.net/2237/6575
著者
高島 亜理沙
出版者
名古屋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2019-04-25

本研究は、エンターテイメントとして消費されるホモフォビックな表現形態に着目し、こういった表現が①どのように発展・継続してきたか、②どのようにポリティカル・コレクトネスの規制を免れてきたのか、そして③なぜ必要とされるのかを明らかにすることを目的としたものである。差別性が問題化されながらも人気を博しているコンテンツに関して、内容分析やインタビュー調査を行うことで、度々論争を呼んでいる「冗談か差別か」「表現の自由かヘイト・スピーチか」といった問いに一定の方向性を示すことを目指す。
著者
中岡 宏行
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30

Yann Palu氏とのextriangulated category(以下、ET圏)を定義した共同研究は改定後論文誌に掲載された。Yu Liu氏とのET圏の余ねじれ対のハート構成を調べた共同研究は改定後論文誌に掲載された。Martin Herschend氏・Yu Liu氏との共同研究で高次数版としてn-exangulated categoryという概念を定義した。現在査読待ち。Osamu Iyama氏・Yann Palu氏との共同研究ではAuslander-Reiten理論をET圏で考察するプレプリントを作成した。他に、gentle多元環の導来不変量に関する単著のプレプリントを作成した。
著者
生田 国大 西田 佳弘 酒井 智久 小池 宏 伊藤 鑑
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

NF1は多発する神経線維腫を特徴とする遺伝性腫瘍症候群である。神経線維腫は疼痛、機能障害、醜状をきたし患者QOLの低下につながるが、保険診療による薬物治療は現状ない。本邦の患者数は4万人であり、神経線維腫に対する薬物治療、予防治療の開発へのニーズは高い。本研究では、NF1患者の神経線維腫に対する実現可能な新規治療法の基盤データの構築を目指す。経年的に増大、増加する全身の神経線維腫に対して、drug repositioning法により既存薬剤から腫瘍抑制効果を有する候補薬剤を同定し、神経線維腫培養細胞における薬効メカニズムの確認とpreclinical modelにおける抗腫瘍効果の評価・検討をおこなう。
著者
山田 孝
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学教育学部附属中高等学校紀要 (ISSN:03874761)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.86-90, 2006-11

2005年夏、ヴェトナムのホーチミン・フエ・ハノイを訪問した。この旅は、平成17年度科学研究費補助金(奨励研究)研究テーマ「現代史の世界史教育における新しいビュジアル教材の研究〜ヴェトナム戦争の教材化の取り組み〜」の一環としての現地調査とビジュアル教材を作成するための取材旅行であった。本報告では、「ヴェトナム戦争の被害の痕跡」の調査と取材、それから「現在のヴェトナム」についての簡単な報告を行うものである。