著者
上原 早苗
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

トマス・ハーディは『日陰者ジュード』の原稿を執筆するにあたり、幾度も修正したが、その生成過程の全容は明らかにされていない。本研究は、ハーディの自筆原稿およびゲラ内部の異同を検証することで、この小説の創作過程を解明しようとするうものである。研究者の間には、ハーディが『日陰者ジュード』執筆時に出版社の検閲を受け、性的な挿話・表現の多くを削除・修正せざるをえなかったとの言説が流布しているが、本研究では、この小説の創作過程を検証することにより、従来の説には解消されえない、出版社への抵抗ともいうべきハーディの改変作業に光をあてる。
著者
矢野 勝也
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2005

植物が野外で遭遇する環境は、実験室レベルの研究で採用されるような均一な環境条件とはほど遠く、むしろ不均一性を特徴としている。このような不均一な環境条件下における植物は、均一な環境条件では想像もできないような振る舞いを示すことがある。その一例が、乾燥地で植物が深い根を発達させて地下水を吸収する一方で、表層の乾いた土壌に根から水を放出する現象(hydraulic lift)である。本研究は、hydraulic lift現象における水の放出経路を解明し、放出能の種間差を評価することを目的とした。まず、植物根からの水放出経路を追跡するための方法論に取り組んだ。すなわち、植物根の導管にあらかじめ取り込ませたトレーサーから、水移動を把握することを試みた。一部の根からトレーサーとしてセシウムやルビジウムを取り込ませた根系を、高浸透圧条件のゲル上に展開することでhydraulic liftを引き起こさせた。蛍光X線解析装置を用いて、ゲルを含めた根系全体の2次元元素マッピング画像を得ることで、非破壊的にトレーサーの動きを捉えることができた。同様に、導管から色素を取り込ませることによっても、導管内の水移動を追跡できた。これらの結果から、根の形態によって水放出能に違いのあることが示唆された。上層・下層に分かれた栽培容器を用いて、深根性植物6種のhydraulic lift能を比較した。供試したいずれの植物種もhydraulic liftによって下層部から上層部へと水を供給したが、その供給能は種間差が大きかった。根量当たりの水放出能を調べると、供試した5種の植物間では有意差が認められず、主に根量の違いが水放出量を規定していたと考えられた。その一方で、供試した植物種の1つは根量当たりの水放出能が著しく高いことが明らかとなった。
著者
南部 保貞
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

現在の宇宙の大規模構造は,宇宙初期のインフレーション膨張期に生成された量子ゆらぎが進化したものであると考えられている.しかしながら,量子ゆらぎが宇宙の構造につながる古典ゆらぎ に転化するメカニズニムについては十分な理解がされているとは言い難い(原始量子ゆらぎの古典化問題).本研究では,インフレーション起源のゆらぎの量子性並びにその古典性の意味を,量子状 態の持つエンタングルメントのモノガミー性に基づいて解明する.また,観測的に初期宇宙の量子性を検証する手法として,強度相関の方法の可能性について検討を行う.
著者
宮崎 杜夫
出版者
名古屋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2019-04-25

記憶には大脳皮質と大脳辺縁系の海馬が重要であることが分かっている。一方、睡眠が記憶の貯蔵や忘却に関わっていると考えられているが、そのメカニズムはよく分かっていない。海馬に投射している主な神経細胞には、前脳基底部の内側中隔や垂直対角帯のコリン作動性神経が含まれる。これまでに、研究代表者は、コリン作動性神経の活動記録に成功し、これらの神経が覚醒とレム睡眠時において活動していることを突き止めているため、レム睡眠時に海馬で何らかの役割を有していることが想定された。そこで、ファイバーレス光遺伝学を用いて、このコリン作動性神経の活動を覚醒時もしくはレム睡眠時特異的に操作し、記憶への関与を明らかにする。
著者
竹谷 裕之
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

1.自動車関連企業の海外進出や部品の海外調達の進展に伴う、雇用・労働市場への影響について、各種統計調査結果の解析を進めた結果、1991年以降は年を経るに従い、雇用指標は悪化し、特に95年から96年にかけ、東海などが有効求人倍率の落ち込み、製造業の労働時間の非自発的圧縮、パート労働者比率の増大、倒産の増大など、深刻であった。2.愛知県の県内2000の事業所アンケート結果等によれば、最近3年間で、非海外シフト企業の余剰人員発生状況は、海外シフト企業より遙かに深刻な事態にあることが判明。農村部に多い非海外シフト企業における雇用環境の悪化は顕著である。3.3次以下の下請を対象にヒヤリングを進めた結果、受注量の減退や単価の押し下げが顕著であり、今後5年間では事業規模の拡大や高付付加値生産への転換を進める下請もあるが、規模を縮小し、或いは転・廃業する企業が1/3を越えそうなことが判明した。4.農村部の下請雇用の再編に伴い、農村労働力の農業回帰という形での就業再編が、新規参入にも刺激され起こっているが、量的には多くない。高齢者の農業就業の増加が目に付く。定年退職者が従来であれば再雇用されるケースが多かったのと対照的である。5.雇用条件悪化の中、終了機会を自ら創出する起業活動の展開は多様である。村興しと結合させ、定年、間近な壮年層、女性を中心に「百年草」、「山紫庵」などの保護・加工販売・文化を結びつけた交流型 施設経営、「荷互奈」などの生産・加工産直施設経営、名古屋市農業文化圏と提携した食材提供の「つくばね」「ひこばえ」グループなど、都市農村交流型のものが多い。経営管理面は概して脆弱であり、地域差も大きく、農村就業の新機軸を担う点からみればまだ補完的である。
著者
山本 敏充 斎藤 成也 打樋 利英子
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

日本国内の地域集団及び日本周辺諸国の地域集団から採取されたDNA試料について、多数のほぼ均等に常染色上分布する4塩基リピートのSTRs(short tandem repeats)マーカーが型判定された。そのうち、105座位のSTRsが、日本人5地域(秋田・名古屋・大分・沖縄)、中国人(漢民族) 5地域(北京・陝西・湖南・福建・広東)、タイ人(バンコク)、ミャンマー人(ヤンゴン)、モンゴル人2地域(オラーゴン・ダランザドガド)、韓国人(ソウル)及び中国人(朝鮮族)(瀋陽)のDNA試料が型判定され、系統遺伝学的、構造遺伝学的、3次元的分布などの集団遺伝学的解析が行われた。その結果、日本人と中国人とが統計学的に区別できる可能性が示唆された。そこで、各座位のアレルごとの中国人に対する日本人らしさの割合を算出し、その割合を各個人ごとに積算した分布を正規分布に補正したところ、ある程度日本人と中国人とを確率的に区別できる方法が確立できた。また、同様に250以上のSTRs座位を型判定できるマルチプレックスシステムを構築した。このシステムを利用することにより、日本人と韓国人、あるいは日本人国内の地域差を調べることができる可能性が考えられた。
著者
長畑明利
出版者
名古屋大学
雑誌
言語文化論集
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, 2006-03-10
著者
高橋 美知子
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
2008

identifier:http://hdl.handle.net/2237/9684
著者
市村 典久
出版者
名古屋大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2020-09-11

Taurine up-regulated1 (TUG1)は複数の癌種で制御異常を認める長鎖非翻訳RNAであるが、口腔癌における機能は不明な点が多い。研究代表者はTUG1が口腔癌組織で高発現を認めること、TUG1のknock downにより癌細胞の増殖・遊走能が著しく減少することを既に確認しており、TUG1が口腔癌の発生・進展において、ゲノムとエピゲノムを繋ぐKey moleculeであると考えた。本研究は、動物実験や臨床検体による詳細な解析を加えることで、口腔癌に対するTUG1の抗腫瘍効果を明らかにし、新規治療法の開発へと繋げることを目的とする。
著者
祖父江 顕
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究はアルツハイマー病(Alzheimer’s disease; AD)の中核病理の1つであるアミロイドβのクリアランスや神経炎症の調節に寄与し、AD病態に関わるミクログリアというグリア細胞の一種に着目して、神経細胞を取り巻く環境からAD病因・病態関連シグナルを明らかにしていくことを目的としている。AD患者脳およびADマウスから単離したミクログリアの遺伝子発現変化を比較し、疾患ミクログリアにおける炎症関連遺伝子プロファイルの作製および新規治療ターゲットを絞り込み、細胞レベル・動物レベルで炎症発現変化とその制御を解析していく研究である。
著者
吉村正和
出版者
名古屋大学
雑誌
言語文化論集
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, 2008-03-31
著者
片桐 準二
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
2015

identifier:http://hdl.handle.net/2237/22355
著者
堀尾 文彦 村井 篤嗣 小林 美里
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

ビタミンCであるアスコルビン酸(AsA)の欠乏時には肝臓のヘムタンパク質であるシトクロムP-450(CYP)が減少し、薬物代謝能が低下する。しかし、このAsAの作用機構は明らかではなかった。本研究の結果、AsA生合成不能のODSラットのAsA欠乏時には肝臓のヘム分解の律速酵素であるヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)の発現上昇が起こることを見出し、それに続いてCYP量の減少することを証明された。そして、AsA摂取下でもHO-1誘導剤投与が肝CYP量の減少させることを見出した。本研究により、AsA欠乏によりヘム分解が亢進して肝CYP量の減少をもたらすというAsAの新規な生理機能を提唱できた。
著者
松原 隆彦
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

宇宙の大規模構造を理論的に記述し、大規模な観測データから精密に宇宙論モデルを制限するためには、ゆらぎの観測量に関する非線形性の理論的理解が不可欠である。これまでの宇宙論的摂動論を大幅に拡張して一般化し、単なる密度ゆらぎの非線形性だけでなく、実際の観測量に現れる非線形性を系統的に理解する実際的な方法を基礎づけることができた。
著者
益川 敏英
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
1967

identifier:http://hdl.handle.net/2237/11250