著者
中井 勇介 遠藤 良輔 小島 昌治 中野 明正 豊田 剛己 Nakai Yusuke Endo Ryosuke Kojima Masaharu Nakano Akimasa Toyota Koki
出版者
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
雑誌
宇宙航空研究開発機構特別資料 = JAXA Special Publication (ISSN:24332232)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-SP-19-001, pp.65-76, 2019-06-19

月面での長期間滞在または居住を可能にするためには、月面での生活で生じる有機性廃棄物の処理や植物生産のための元素資源の欠乏といった問題を解決する必要がある。月面農場ワーキンググループ第3グループでは、持続的な月面農場を確立させるために必要なシステムの一つを構築することを目的として、ISRU(In-Situ Resource Utilization;その場資源利用技術)などを念頭におきながら、月面における効率的な有機性廃棄物の資源循環のあり方について議論を行った。月-地球間の輸送は莫大なコストがかかるため、作物を生産するために必要な炭素や窒素などの元素は、その都度の交換輸送ではなく、月面での生活において生じる作物残渣などの有機性廃棄物から、効率的に回収して循環利用する必要があると考えられる。月面において生じる有機性廃棄物は、非可食部などの作物残渣や養液栽培廃液、尿、糞便などが想定された。それらを効率的に循環させるためには、月面での現地試験が必要であるが、地球上で実用化されている嫌気的処理であるメタン発酵や好気的処理である活性汚泥法、堆肥化などの微生物を利用した処理が有効であり、資源循環の中核を成すと考えられた。本稿では、これまでの第3グループの検討結果を取りまとめ、持続的な月面農場を確立するための資源循環システムや月の鉱物(レゴリス)の資源としての利用について提案を行う。
著者
伊里 友一朗 松下 和樹 塩田 謙人 三宅 淳巳 Izato Yuichiro Matsushita Kazuki Shiota Kento Miyake Atsumi
出版者
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告: 高エネルギー物質研究会: 令和元年度研究成果報告書 = JAXA Research and Development Report: Technical Report of The Research Activity for High Energy Materials (2019) (ISSN:24332216)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RR-19-003, pp.27-33, 2020-02-20

高毒性を有するヒドラジン系化合物を代替する革新的なグリーンプロペラントとして,アンモニウムジニトラミド(ADN)を主剤とするイオン液体推進剤(EILPs)の研究を行ってきた.その研究過程において,当該EILPs実用化に向けた課題についても明確になり,喫緊に着火方法の確立が必要である.EILPsはイオン液体の高い熱安定性が,推進剤としての着火性をトレードオフとして失わせているのである.そこで光や電気化学反応による着火システムに我々は着目した.それらは熱的な化学反応とは反応ルートが全く異なるため,熱的に難着火性のEILPsに関しても着火を誘起することが期待できる.その可能性を検討するため,量子化学計算および詳細反応モデルを用いて,ADNの電解反応経路とADN/硝酸ヒドラジン(HN)混合溶液の熱分解反応を調査した.その結果,ADNは電気的に還元されることによって速やかに,かつ不可逆的に分解することが示唆され,電解過程でNO2等のラジカルを生成する.またADN/HN溶液は,NO2をラジカル担体とする連鎖分岐反応によって瞬間的に熱分解することがわかった.これらはADN系イオン液体に関する電解着火方式の実現性を支持する結果である.
著者
木元 一広 Kimoto Kazuhiro
出版者
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 = JAXA Research and Development Report (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RR-15-003, pp.1-15, 2015-12-15

Redmineはさまざまな業務に利用できる優れたチケット管理システムで,近年注目されているOSSの一つである.JAXA スーパーコンピュータ活用課では,2014年のJSS2 SORAスーパーコンピュータ導入を機にRedmineをベースにしたCODAシステムを構築・運用している.本稿では,Redmineの利用事例としてCODAを紹介する.合わせて,Redmineを一層効果的に活用するため,CODAの構築・運用経験から見いだされた定義や設定,運用の工夫を紹介する.
著者
湯村 翼 勝間 亮 鳥山 美由紀 大日向 大地 河村 聡人 池畑 陽介 河村 耕平 松尾 尚子 YUMURA Tsubasa KATSUMA Ryo TORIYAMA Miyuki OBINATA Daichi KAWAMURA D. Akito IKEHATA Yosuke KAWAMURA Kohei MATSUO Naoko
出版者
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告: 宇宙科学情報解析論文誌: 第10号 = JAXA Research and Development Report: Journal of Space Science Informatics Japan: Volume 10 (ISSN:24332216)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RR-20-010, pp.109-117, 2021-02-22

人工衛星等の宇宙のデータを使って地球の課題を解決するハッカソンイベントNASA InternationalSpace Apps Challenge (SpaceApps)が,2012 年より毎年開催されている.2020 年の年初より始まった新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の拡大を背景とし,宇宙データを使ったCOVID-19対策を行うバーチャルハッカソンイベントSpaceApps COVID-19 Challengeが急遽企画され,2020 年5 月に開催された.イベントはオンラインでの開催となり,日本では,日本地域の参加者向けに過去のSpaceAppsのオーガナイザが中心となってイベントのサポートを行った.本稿では,SpaceApps COVID-19 Challengeの開催の背景と概要,オンラインツールを活用した開催支援方法,結果と課題についてまとめる.
著者
井上 遼太 Inoue Ryota
出版者
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
雑誌
宇宙航空研究開発機構特別資料: 環境試験技術報告: 第15回試験技術ワークショップ開催報告 = JAXA Special Publication: Proceedings of the 15th Workshop on Environmental Testing (ISSN:24332232)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-SP-17-008, pp.26-38, 2018-01-22

第15回試験技術ワークショップ (2017年11月22日. 宇宙航空研究開発機構筑波宇宙センター), つくば市, 茨城
著者
槙野 文命 Makino Fumiyoshi
出版者
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
雑誌
宇宙航空研究開発機構特別資料 = JAXA Special Publication (ISSN:1349113X)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-SP-12-007, pp.1-210, 2013-03-29

資料番号: AA0061888000
著者
大津 孝佳 中村 啓輔 Ohtsu Takayoshi Nakamura Keishuke
出版者
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
雑誌
宇宙航空研究開発機構特別資料: 第13回「宇宙環境シンポジウム」講演論文集=JAXA Special Publication: Proceeding of the 13th Spacecraft Environment Symposium (ISSN:1349113X)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-SP-16-010, pp.71-74, 2017-02-15 (Released:2017-02-15)

プラズマと中性粒子の相互作用として、核融合の分野では、中性粒子が炉壁からプラズマ内に侵入し、プラズマ内で衝突を繰り返し、加速される現象が報告されている。この現象は、人工衛星などの宇宙空間放電によって発生するプラズマと、宇宙空間に存在する微細なデブリに於いても生じることが懸念される。そこで、この現象をシミュレーションによ って解析し、下記のことが明らかとなった。①微細なデブリがプラズマによって加速される、②プラズマ温度が高いほど、加速後の速度が速く、加速される粒子数が増加する、③質量が炭素原子の 10 倍以下の微細なデブリに顕著に生じる。 会議情報: 第13回宇宙環境シンポジウム (2016年11月1日-2日. 情報通信研究機構 本部 国際会議室), 小金井市, 東京 形態: カラー図版あり Meeting Information: The 13th Spacecraft Environment Symposium (November 1-2, 2016. National Institute of Information and Communications Technology), Koganei, Tokyo, Japan Physical characteristics: Original contains color illustrations
著者
加藤 明 Kato Akira
出版者
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
雑誌
宇宙航空研究開発機構特別資料: 第6回スペースデブリワークショップ講演資料集=JAXA Special Publication: Proceedings of the 6th Space Debris Workshop (ISSN:1349113X)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-SP-14-013, pp.93-105, 2015-03-27 (Released:2015-03-27)

スペースデブリの発生の防止と衝突被害からの保護のための規格やガイドラインが様々な国際機関、国の政府、宇宙機関などから発行されている。国際標準化機構(ISO)でも種々の規格や技術レポートを発行し、現在も作成作業を続けている。これら規格の全貌を紹介し、他の世界の規格類と比較して紹介する。また、現在日本から提案し、制定作業中の「デブリ対策設計・運用マニュアル」の趣旨を説明する。このアニュアルにてISO のデブリ対策活動の全貌が把握でき、システムレベルからコンポーネントレベルまでのデブリ対策活動の要点が包括的に理解できることを願っている。 Several debris mitigation standards and guidelines have been developed in the international organizations, the administrations of national governments, and national space agencies. The international organization for standardization (ISO) has also developed and being developed various debris related standards and technicalreports. This presentation will introduce them and show the comparison among them. Also the current work to develop the “Space Debris Mitigation Design and Operation Manual” for spacecraft and launch vehicle orbital stages, which were submitted from Japan, will be introduced. This manual will support the space engineers to understand the total concept of the debris mitigation measures in ISO, and present recommendable activities with the hardware oriented manners for design and operation of the spacecraft subsystems and components. 会議情報: 第6回スペースデブリワークショップ (2014年12月17日-19日. 宇宙航空研究開発機構調布航空宇宙センター(JAXA)(CAC)), 調布市, 東京 形態: カラー図版あり Meeting Information: 6th Space Debris Workshop (December 17-19, 2014. Chofu Aerospace Center, Japan Aerospace Exploration Agency (JAXA)(CAC)), Chofu, Tokyo, Japan Physical characteristics: Original contains color illustrations