著者
Hiroshi YAMAGUCHI
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.54-64, 2007 (Released:2021-06-01)

This paper discusses policy issues “in” cyberworlds, rather than “on” them. Many virtual worlds, online games and other online communities, develop their own value and exchange system, and the virtual economies have become increasingly important to our real lives. But since virtual economies have different characteristics from the real ones, we need to think about how to manage these economies ac- cordingly. In this paper the basic structure of these games and propose policy measures to counter important in-game problems are analyzed. In addition, a growing trend toward interaction among virtual worlds is viewed as emergence of “international economy.”
著者
堀内 由樹子 田島 祥 鈴木 佳苗 渋谷 明子 坂元 章
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.13-24, 2016 (Released:2019-10-01)

本研究では、中学生を対象とした 2 時点の縦断調査を実施し、レーティング区分ごとのゲーム ソフト利用による攻撃性および暴力に対する規範意識への影響を検討した。調査は、2008年度末と2009 年度末に実施し、東京、千葉、埼玉の公立中学校12校、1218名の中学生が分析対象となった。分析の結 果、男子学生では、C区分の暴力的ゲームソフト利用によって、1 年後の暴力に対する規範意識が低下 することが示された。B区分の暴力的ゲームソフトや非暴力的ゲームソフト利用ではこのような影響は 見られず、レーティング区分によって影響が異なることが一部で示唆された。
著者
遠藤 雅伸 三上 浩司
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.13-22, 2020 (Released:2021-07-01)

デジタルゲームのプレイは、興味あるタイトルのプレイ環境が存在することではじまる。そして、プレイに対するモチベーションが喪失することで、プレイヤーは継続したプレイから離脱する。本研究で我々は、定性、定量の調査によりゲームの離脱理由を明らかにした。定性調査の結果では、離脱理由は開始したモチベーションとは関係ないことが示唆された。定量調査の結果では、「ブランク」「生活変化」というコンテンツ内容とは無関係の理由が上位となった。また、難易度のパーソナルな調整が、コンテンツ内容で離脱を効果的に防止できる方法として挙げられた。
著者
鈴木 紗弥子 馬場 章
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.25-31, 2016 (Released:2019-10-01)

テレビゲームは技術の進歩に伴って、CGアニメーションによるカットシーン(イベントムービー ) が用いられるようになっている。その後、カットシーン中の画面上にボタン押下指示を表示させる QTE (Quick Time Event)と呼ばれる表現手法が作られた。本研究ではこのQTEを模したプログラムを 用いて実験を行い、ボタン押下の速度、映像内容に関する理解度を調査した。その結果、ゲーム初心者 にとってはボタン押下指示の間隔が大きく開くと、反応に遅れが生じることが分かった他、全体的に映 像内容の理解度に疑問が発生することも示唆された。
著者
宮野 秀市
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.35-43, 2015 (Released:2019-10-01)

本研究の目的は、抑うつ予防を目的とした自助ツールとしてのコンピュータロールプレイングゲームに対する大学生の評価を明らかにすることである。認知行動療法の理論にもとづいて作成された、ワークブック、ウェブサイト、ボードゲーム、コンピュータロールプレイングゲームの四つの自助ツールについての評価を比較検討した。その結果、コンピュータロールプレイングゲームは、他の自助ツールよりも大学生に好まれることがわかった。さらに、各自助ツールに対する自由記述の評価文のテキストマイニングによって、コンピュータロールプレイングゲームは「楽しい」、「面白い」、「やってみたい」などの肯定的な評価をされることがわかった。本研究の結果から、コンピュータロールプレイングゲームの形式で作成された抑うつ予防を目的とした自助ツールは、ユーザーに利用されやすいことが示唆された。
著者
福井 昌則 山下 義史 森山 潤 平嶋 宗
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.9-18, 2021 (Released:2021-06-01)

本研究の目的は,高校生の普段のゲームプレイ時間とプログラミングに対する態度およびコンピュータの重要 度の関連性について検討することである. 公立高等学校 3 校の 1 年生を対象に調査を実施した. 1 日の平均ゲーム プレイ時間が 1 時間より多い群(高プレイ群),1 時間以下の群(低プレイ群),普段ゲームをしない群(非プレイ群)を設定し,ゲームプレイ時間とプログラミングに対する態度およびコンピュータの重要度(全 7 項目)との関連性について検討した. その結果,ゲームプレイ時間とプログラミングに対する態度およびコンピュータの重要度において有意な関連性を有する項目は,男女で異なっていた. また,非プレイ群と低プレイ群もしくは高プレイ群との間で有意差が見られ た項目が多かった. よって,ゲーム要素を取り入れたプログラミングに対する態度やコンピュータの重要度を高める活動や題材設定において,性差を考慮する必要性があること,そしてゲームを普段やっていない生徒にゲームを少しプレイさせるといった活動が有効である可能性が示唆された.
著者
藤原 正仁
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.1-13, 2017 (Released:2019-10-01)

近年、デジタルゲームの開発・流通・プレイのありようが変化するなかで、その表現や倫理を めぐる問題は、国際的・文化的・社会的観点から重要になってきている。そこで、本稿は、CERO、 PEGI、IARCにおけるデジタルゲームのレーティングシステムの変遷に着目し、デジタル配信時代にお けるレーティングシステムの在り方について検討することを目的とした。その結果、CEROとPEGIの 審査基準の情報公開の在り方に相違がみられること、ゲームやアプリのデジタル配信などを背景として、 レーティングシステムの在り方が自己申告(Self-regulation systems)へと変化してきていること、新 しいゲーム技術の導入に対するレーティングシステムの適用について検討が求められていることが明ら かにされた。

2 0 0 0 OA 抽象化の水準

著者
Jesper Junl 増田 泰子
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.85-91, 2008 (Released:2021-07-01)

この論文では抽象化の水準を探求する。表象的なゲームはフィクションの世界を表現するが、その世界の中でプレイヤーは一定の行動しか取れない。そのゲームのフィクションの世界を詳細に実行す るには限りがあるからだ。 本論文ではテレビゲームデザインの中心的要素としての抽象化と、プレイ中にプレイヤーが解読する ものとしての抽象化と、プレイヤーが時間をかけて作っていく一種の最適化としての抽象化を区別する。 最後に本論文では、抽象化がゲームのマジックサークルやルールそれ自体と関連し合っていることを論じる。
著者
Tomi Thurlin Tony Manninen Laura Thurlin 富安 晋介
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.115-125, 2008 (Released:2021-07-01)

マルチプレイヤオンラインゲームにおいて、ゲームキャラクタの価値はどのように形成されるのだろうか。プレイヤーの仮想自己全体に影響するような要素は何だろうか。大規模多人数オンラインゲー ム(MMOGs)の歴史を通じて、ゲームキャラクタは全てのゲーム内でのインタラクションと価値認識に おける中心的役割を果たしている。近年では、MMOGは人のアイデンティティの少なくとも一部を売り物にするような段階へと発展してきている。本稿では、仮想自己の具体的な価値構造について分析するために動機づけに関するフレームワークを応用した。その結果、ゲームキャラクタにおける達成、社交性、没入の 3つの要素が、どのようにプレイヤがゲームキャラクタに与える個人的価値を形成してい るのかを明らかにした。また、これらの要素がどのように将来のMMOGにおいて新たなビジネスの可能性を提供するのかについても論じた。
著者
山本 聡 山崎 隆 山形 仁 佐藤 正
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.74-83, 2007 (Released:2021-06-01)

「ゲームの処方箋」プロジェクトは、早稲田大学こどもメディア研究所との産学協同研究である(プロジェクトリーダー:早稲田大学・河合隆史助教授)。本プロジェクトは、科学的手法でゲームの「人間にとっての良い影響(効能)」及び「遊び方・視聴方法等の活用方法(処方)」に関する研究を行い、ゲームが日常生活でサプリメントのような役割を果たすための知見を得ることを目的としている。第一線の科学者及び臨床家がプロジェクトに関わり、205年4月からの1年間を第1期として実験・研究を行ってきた。その結果、きわめて新規性・有効性の高い結果が得られた。206年7月にはシンポジウムを開催し、結果の発表を行っている。
著者
上村 雅之
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.191-203, 2009

テレビ受像機でゲーム遊びが楽しめるテレビゲーム機が米国で誕生して半世紀の歳月が流れた。世界中の人々に親しまれている多くの遊び道具が永い歴史を刻んでいる中で、テレビゲームは最も新しい遊び道具の一つと位置づけることができる。第二次世界大戦後急速に普及した代表的な大衆向け商品、テレビ受像機と電卓(電子式卓上計算機)がテレビゲームの誕生と普及の鍵を握っていた事実 はテレビゲームの歴史を考える上で重要なポイントである。そして多くの大衆向け商品と同様にテレビゲームも又「ブーム」と呼ばれる急速な普及現象に支えられながら現在もなお、技術的な変貌を遂げつつある。本論文では第一部で世界初のテレビゲームブームに至るまでの歴史を概観する。又第二部では、現在のテレビゲーム産業の基礎を築いたとされているファミコン(正式名称ファミリーコンピュータ)の登場までの歴史とその設計思想の概要を紹介する。尚本論文は筆者がファミコンの開発に一技術者として参加した時に体験した様々な出来事を歴史的な流れとして理解する為の調査・研究を 基に執筆されたものである。
著者
井上 明人
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.46-53, 2007 (Released:2021-06-01)

ゲームを成立させている認識を問うことを中心に国内のゲームの先行研究を整理する。