著者
富岡 尚敬
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.154-160, 2011-06-25
被引用文献数
1

コンドライト隕石が経験した衝撃圧力は,衝撃回収実験によるケイ酸塩鉱物の変形,再結晶,溶融,相転移の組織と隕石組織との比較をもとに見積もられてきた.しかし,天然の衝突現象と室内の衝撃実験とでは,衝突体のサイズに起因する圧力タイムスケールの大きな違いという本質的問題を抱えている.最近の静的高圧実験によるケイ酸塩の相転移実験の結果は,衝撃実験に基づく従来の圧力スケールは,コンドライトが実際に経験した圧力を過剰に見積っている可能性を示唆している.
著者
中村 正人
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.68-71, 2011-03-25

2010年12月7日に予定されていた「あかつき」の金星周回軌道への投入は失敗した.「あかつき」は今,太陽の周りを公転する軌道上にあり,約6年後に再び金星と会合する可能性がある.
著者
高木 靖彦 平田 成 橘 省吾 中村 良介 吉川 真 はやぶさ2プリプロジェクトチーム
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.48-55, 2010-03-25
被引用文献数
1

「はやぶさ」に続く小惑星探査計画「はやぶさ2」が最初に提案されてからの約4年間の経緯と,計画の概要をまとめた.その中で,ミッションの目標と,それに基づき選定された搭載機器の仕様についても簡単に述べる.
著者
安部 正真 藤村 彰夫
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.185-190, 2011-06-25
被引用文献数
2

小惑星探査機はやぶさが地球に帰還し,回収されたカプセルの中から発見された粒子がイトカワ起源であると判断された.その全容はまだ明らかではないが,最大100μm超の粒子も確認され,10μm以上の粒子も1000粒以上あると予想される.キュレーション設備では,サンプルの取出しを行い,その一部を初期分析チームに分配し,初期記載を行うための初期分析が開始された.本稿では,サンプルコンテナ開封後の作業と,初期分析開始に至るまでの経緯について報告する.
著者
石元 裕史
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.61-69, 1996-06-25
被引用文献数
1
著者
佐藤 文衛
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.138-146, 2009-09-25

太陽以外の恒星を周回する惑星,すなわち系外惑星はこれまでに約350個発見されているが,そのうちの約8割はドップラー法-惑星との共通重心を周回する恒星の視線速度変化をとらえる方法-によって発見されたものである.近年,ドップラー法の測定精度は1m/sを切るところまで到達し,地球型惑星の検出にも手が届き始めている.我々日本のグループも,短周期巨大惑星の探索や巨星を周回する惑星の探索などで成果を挙げてきた.本稿では,まずドップラー法の基礎となる恒星の視線速度を精密に測定する手法を解説し,続いて,我々の観測から明らかになった新たな系外惑星の姿を紹介する.
著者
古川 善博 関根 利守 大庭 雅寛 掛川 武 中沢 弘基
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.226-237, 2009-12-25
被引用文献数
1

生命の構成物質である,アミノ酸や核酸塩基,糖などの生物有機分子が生命誕生前の地球にどのように誕生したのかということは,生命起源解明の根幹を成す課題である.本稿では初期地球における隕石の海洋衝突による生物有機分子の生成について解説する.地球外物質の初期海洋への重爆撃は,後期重爆撃と呼ばれる38-40億年前に起きたと考えられている.著者らはこの現象を実験室で再現し,鉄,ニッケル,アモルファス炭素,水,窒素から有機物が生成するかどうかを明らかにするための衝突回収実験を行った.実験の結果,多種のカルボン酸,アミンおよびグリシンが生成することが明らかになった.この結果と衝突実験条件および有機物生成過程から隕石の後期重爆撃による生物有機分子の生成という,生命起源物質の新たな生成過程を示唆することとなった.
著者
高橋 幸弘 星野 直哉
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.238-241, 2009-12-25

金星における世界初の雷放電観測専用機能と微弱大気光の検出能力を兼ね備えた雷・大気光カメラLACは,ハードウェアの製作・各種試験が完了し,実地観測に備えたパラメータ設定と詳細シーケンスの検討に入った.LACの科学的背景と目標,設計方針,これまで行った試験などについて紹介する.
著者
浅田 智朗
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, 2005-12-25