著者
CHACE Jr. Fenner A.
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
甲殻類の研究 (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.16, 1987-07
著者
Isaeva Valeria V. Shukalyuk Andrey I. Trofimova Anna V. Korn Olga M. Rybakov Alexey V.
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
Crustacean Research (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.133-146, 2001
参考文献数
39
被引用文献数
1 23

We performed short-term cultivation of alive interna fragments of Sacculina polygenea Liitzen & Takahashi, 1997 isolated from the organism of its host, the coastal crab Hemigrapsus sanguineus (De Haan) and studied the histology of parasitic interna and their relationships with the gut and gonads of the host. It is shown that the colonial interna of S. polygenea comprises an extensive trophic system (roots and trunks) and a reproductive system represented by numerous primordia of externae at different stages of development. We observed asexual reproduction (blastogenesis) in the interna beginning with the development of numerous nuclei, dense aggregations of non-differentiated embryonic cells surrounded by a simple epithelium; later on each nucleus develops a primordium of a trophic module. An ovary with paired colleteric glands, paired male receptacles, and mantle with inner cavity and mantle opening arise in the anlagen of externae prior to their emerging to body surface of the crab, i.e., in the interna. The process of oogenesis begins in the primordium of the ovary; in late primordial externae we have found vitellogenic oocytes. Cells performing functions of ingestion, treatment, and accumulation of nutrients are located in the distal parts (rootlets) of the trophic system; the cells filled with nutrients then release the latter into root lumen, where the nutrients are conveyed toward the primordia and, later on, adult externae. Thus, we have visualized the colonial structure of S. polygenea interim comprising numerous elements of reproductive and trophic systems.
著者
安原 健允
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
Cancer : 会員連絡誌 (ISSN:09181989)
巻号頁・発行日
no.9, pp.45-49, 2000-05-01
被引用文献数
3
著者
Norman Christopher P.
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
Crustacean research (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.24, pp.137-145, 1995-12-15

短尾類の被食防御機構としての有毒化の有効性を確認するため,1990年6月から1992年12月までの間スキューバで採集した有毒なスベスベマンジュウガニAtergatis floridusの自切の程度を調べた.性比はほぼ1:1であった.雌雄ともにかなりの程度自切がみられたが,自切頻度には雌雄差がみられ,雄(41.3%)は雌(18.4%)より高い値を示した.また,部位別の自切頻度も雌雄で異なり,雄では第1,3および4歩脚における自切頻度が鉗脚および第2歩脚のそれより有意に高かったのに対し,雌では鉗脚および各歩脚間に有為な差はみられなかった.本種の自切頻度は既報の他種と同程度であった.このことと,採集地点における本種の行動観察および捕食者との相互関係を考慮すると,主要な被食防御機構としての毒の保有の生態的意義は当初予想されたより低いと思われる.
著者
小林 哲 松浦 修平
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
Crustacean research (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.25, pp.1-6, 1996-12-20

モクズガニEriocheir japonicaの未成体期(甲幅40mm未満)における鉗脚の相対成長を,飼育条件下で明らかにした.甲幅と鉗脚長節高の関係により,雌雄とも甲幅11mm付近の変曲点により分けられる2つのPhaseの存在が示された.回帰直線には雌雄ともphase間に有意差が認められ,また第1Phaseに有意な雌雄差が無いのに対し第2Phaseでは雌雄差が認められた.さらに,より大型個体での結果を加えることで,モクズガニの全サイズにわたる鉗脚の相対成長様式を推定した.雌雄差の無い1つのPhaseのあとに,雌雄差の拡大するPhaseが,さらに雄では3つ,雌では2つのPhaseに分かれて続くことが明らかになった.
著者
伊藤 円 渡邊 精一
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
甲殻類の研究 (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.20, pp.35-42, 1991-12-31
被引用文献数
1

Fighting for a shelter between Palaemon pacificus and P.serrifer were investigated in aquaria. In both interspecific and intraspecific fighting,the smaller individuals were usually eliminated by the larger ones from the shelter. In the case that smaller individual was a winner, P. serrifer won more often than P. pacificus although P. serrifer was smaller. The second pereiopod was longer in P. serrifer than in P. pacificus. P. serrifer made up for smaller body size by larger second pereiopod length than P. pacificus relatively.
著者
安原 健允 青山 基圭 出口 吉昭
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
甲殻類の研究 (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.19, pp.79-82, 1990-12-31
被引用文献数
2

タカアシガニMacrocheira kaempferiの卵を培養して,ゾエア1・2期,メガロッパを経過し稚ガニまでの完全飼育に成功した。1990年3月19日に駿河湾戸田村沖で漁獲したタカアシガニの抱卵雌1個体を静岡県下田市にある日本大学農獣医学部下田臨海実験所の水槽で飼育し,1990年5月27日にこのカニの腹肢から卵を採取し,腰高シャレー(90×72mm)に400mlの海水を入れ水温15℃で培養した。ゾエア1期は8月15日から18日の間に孵化した。ゾエア2期には8月25日から9月2日の間に,また,最初のメガロッパは9月7日にできた。メガロッパが脱皮をして10月5日に最初の稚ガニができたが,メガロッパの期間は28日であった。タカアシガニでは,今迄に稚ガニを得ることができなかったので,この稚ガニが最初の記録となる。その後,8個体の稚ガニができたので合計9匹の稚ガニを得た。幼生の飼育条件は,アルテミアのノープリウスを餌料として与えた。割合は飼育海水1ml中,3,6,10個体とした区からそれぞれ2,2,5匹の稚ガニが得られた。また,飼育用シャーレーの底には砂の他に貝殻を砕いて0.5mm程度の厚さに敷いた。海水の塩分量は3.2-3.4%,水温は常に15℃を保ち毎日換水した。稚ガニは,甲幅1.9〜2mm,甲長3〜3,3mmでやや丸形をしており,第2歩脚の差渡しの長さは,甲幅の約5倍程度である。体色は薄い茶褐色,脚に赤褐色の小さな斑点がある。体表全体に剛毛が生えており,餌やアルテミアの死殻などを付けている。額棘は成体のカニと同様に左右の額棘と下に向く一つの額棘とで三角を呈して,タカアシガニの特徴を表わしている。
著者
Lemaitre Rafael
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
Crustacean research (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.22, pp.11-20, 1993-11-10

南シナ海からのみ知られているSympagurus sinensis (de Saint Laurent, 1972)は,雌雄とも対の腹肢をもち,前甲,後甲および第1・2腹節の石灰化が明瞭で,尾節と尾肢が相称である.これらの特異な形質によって新属Bivalvopagurusを設立した.本属は今のところ単型属である.Bivalvopagurus sinensisはイソギンチャクをつけた二枚貝の殻(片方)を使う.本種の再記載と進化上の考察も行った.
著者
今福 道夫 中村 幸弘
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
Crustacean research (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.24, pp.19-22, 1995-12-15

巻貝の軟体部が付着したままの貝殻を背負うヤドカリが、新潟県上越市沖の浅海の砂底から見つかった. 3個体はトゲトゲツノヤドカリDiogenes spinifronsで、1個体はトゲツノヤドカリD.edwardsiiであった.そのうちの1個体では、巻貝の蓋にヤドカリの鋏によると思われる傷が多数あったことから、その巻貝は生きている間にヤドカリによって襲われたものと推定される.また、水槽観察から、軟体部がヤドカリによって食べられたようなので、軟体部をもつ殻は、新しい宿と食料の保管という二重の機能をもつものと考えられる.
著者
藤田 喜久
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
Cancer : 会員連絡誌 (ISSN:09181989)
巻号頁・発行日
no.16, pp.11-16, 2007-05-01
参考文献数
30
著者
セレーン ラオール 小田原 アキ子
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
甲殻類の研究 (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.4, pp.71-74, 1971-07

歴史と観察-酒井(1938)は,瀬戸(白浜)産,59×31のオスのnipponesisについて述べている。酒井に依れば,本種は次の点で大西洋産Portunus vocans A.M.E.と異なる。1)甲殻の後部が狭くなっている。2)前側縁歯は基部が幅広く先が尖っていない。3)心域は明確に稜線をなしていない。4)前鋼線は前方に向って強くカーブしている。5)鋏脚の長節には2棘でなく3棘ある。6)鋏脚長節の擦音器の棹は中途で途切れている。現在ある雌の標本は酒井(1938,1939)の観察引例と説明に一致する。鋏脚の長節の僅かな差異は恐らく標本の性差に依るのであろう。即ち(1)前縁において(第三の)後縁歯は酒井(1938)の標本よりも短かく,明かに未発達である。(2)発音器り桿は酒井の図ほど明確ではないが途切れている。前側縁腹面の発音桿が下眼窩の外葉の歯状縁に接して居り,又vocansについてラスバン(1930)が報告しているものと近似していることを記述する。酒井の図(1938)は,この点が相違している。窩眼外角は第一前外歯(酒井の第二,1938)の背面に位置する。即ち発音器の桿(本標本では27ある)の列は末端が下眼窩の外業の縁の5歯になっていることである。異る特徴の1の価値を正確にするために甲殻の後縁幅の長さを前側縁歯端間の最大計測値で比べてみた。この標本では甲殻の最大幅は後縁の幅の3.7倍である。それはnipponensisのType標本とは似ているが一方vocansではたった3.1倍でしかない。測定値はnipponensisのTypeについては酒井(1938)の図により,vocansについてはRathbun(1930)の図によった。ボルネオのPontianakからの標本記録はその地理的分布をかなり拡げた,そして本種は恐らく広くインド洋太平洋に分布しているという酒井(1938)の見解を確証した。私はエドモソソソ(1935)の標本即ちオアフ(ハワイ)採集の6×11の♂はnipponensisの幼型であるとする酒井(1938)の考えと一致している。タイプ標本の棲息環境は報告されていたい。現標本が77mの深さで採集された事は海岸近くにはなく又その記録の珍らしさを示している。
著者
小西 光一 武岡 英雄 帝釈 元
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
Crustacean research (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.24, pp.69-77, 1995-12-15

テナガオオホモラの抱卵雌からのふ化による第1ゾエアを記載し,その幼生形質を既知種および同じ原始短尾亜区の各科と比較検討した.本種はオオホモラ属内ではParomola cuvieriと良く似ているが,Aikawa(1937)によるオオホモラのそれとは異なっている.しかしながら後者の場合では再検討を要する形質があり,これを除くとホモラ科のゾエアは2つのグループに分けられる.一方幼生の比較が可能な原始短尾亜区の4科の中で,アサヒガニ科の幼生は真正カニ類に似ている.ミズヒキガニ科のゾエアはホモラ科のものに酷似するが,第2顎脚内股の剛毛配列で区別出来る.これら2科はカイカムリ科とアサヒガニ科の中間的な存在である.
著者
ライス エー エル
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
甲殻類の研究 (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.4, pp.62-70, 1971-07

ウィリアムソン(1965)はオーストラリアのニュー・サウス・ウェルスのハッキング港沖で,眼上部や甲殻背面側面に非常に長い棘をそなえたホモラ科のメガロパを採集し,このメガロパについて記述し,一応Paromola petterdi(Grant)のメガロパとした。著者はさらに1967年に,このメガロパがHomola orientalis Hendersonに属するのではないか,そして別の亜種か,または酒井(1965, pl.6, Fig.4)によって図示された非常に短かい側棘を有するメガロパと同じ種の変種であることを提案した。疑いなくウィリアムソンのと同じ種に属する第3番目のメガロパとまたHoloma orientalisの幼蟹は両方とも相模湾産で,天皇陛下の御採集品であるが,最近酒井恒博士の好意により私の手元に入った。オーストラリアの標本と異なり日本のメガロパはその付属肢を全て有し,ウィリアムソンが観察できなかった二三の細かな形態を具えている。しかしながらさらに重要なことはそれが相模湾に産するために同定に便宜を提起していることである。
著者
小川 数也 松崎 加奈恵
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
甲殻類の研究 (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.16, pp.39-46, 1987-07

三宅島周辺浅海域に生息するムギワラエビの摂餌生態を実験室内にて観察した。本種には3タイプの摂餌方法がみられる。第1のタイプは鉗脚で歩脚のGroomingやCleaningを行った後,第3顎脚を使って鉗脚指節・掌節剛毛に捕捉された懸濁物質塊を掻き取り,これを摂蝕する方法である。この行動は休みなく,ほぼ規則的に行われる。現場で固定した標本の胃内容物は,デトライタスと砂粒であったことから,この摂餌方法が基本的なものと思われる。第2のタイプは粉末餌料等を投与した直後にみられるもので,第3顎脚を伸ばし,盛んにすき取り運動を行い懸濁餌料を直接捕捉する方法である。また,餌料を投与すると歩脚を順番にゆるやかに伸ばし,タイプIの摂餌も同時に始まる。第3のタイプは狭い容器内でみられた特殊な場合で,海綿類など他の試料と一緒に入れた際,これを鉗脚・第3顎脚で直接捕捉しむさぼり喰うものである。本種はツノサンゴ類やヤギ類に懸着共生するのに都合の良い極めて長い歩脚を有しているが,これを十脚甲殻類に広くみられるGroomngやCleaningの他に,摂餌の機能に利用している。なお,これまでの観察記録から,本種の寿命はほぼ一年,抱卵は年1回と推定される。
著者
本尾 洋
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
Cancer : 会員連絡誌 (ISSN:09181989)
巻号頁・発行日
no.13, pp.25-28, 2004-05-01
被引用文献数
1