著者
松本 忠夫
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

野外調査:昭和62年6月15日から6月21にかけて, 沖縄県の西表島・石垣島・沖縄本島に出かけ, クチキゴキブリ及びオオゴキブリの生息状況調査を行った. 調査項目は, コロニー組成, 天敵相, 巣構造, 生息地の環境条件などであった. この調査には研究補助者として大学院生1名を同行させた. クチキゴキブリのコロニーについては約100ユニット, オオゴキブリのコロニーについては約20コロニーを採取し, その組成を詳細に調べることができた.飼育実験: 現地より採取して実験室に持ち帰った昆虫に関して下記のような行動実験を行った.(1)成虫と子虫の間の行動上の関係:クチキゴキブリの初齢幼虫は自分の親の回りに集まるが, オオゴキブリではそのような傾向を持たない事が分った.(2)成虫の防〓行動/捕食者のムカデに対拠させたところ, クチゴキブリの成虫は積極的に子虫をまもる行動に出るが, オオゴキブリにはそのような性質を持たない事が分った.(3)雌雄の配偶行動/クチキゴキブリ類の〓成虫の雌と雄がペアーを作ったところ, 相互に翅を食い合うという大変特異な行動様式が観察された.(4)子虫の成長/両種とも成虫に至るまで7齢を経る事が分った. また, クチキゴキブリの初齢幼虫は親より隔離すると充分成長できない事が分った
著者
菊池 大麓
出版者
東京大学
雑誌
震災豫防調査會報告
巻号頁・発行日
vol.2, pp.8-69, 1894-08-25
著者
守山 雅也
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003

水素結合による分子の自己集合・自己組織化を利用した材料では、ミクロな分子間相互作用によって形成される周期構造や階層構造、つまり集合・組織化構造が材料の多機能・高機能を発現させることが期待できる。本研究ではこの自己集合、自己組織化材料として物理ゲルに着目し、その機能(分子間相互作用)を制御する外的刺激として「光」を用いた。まず、前年度に開発したアゾベンゼン部位を有する光応答性ゲル化剤とディスコチック液晶であるトリフェニレン誘導体を複合化して、光刺激による液晶ゲルの複合構造変化を検討した。その結果、紫外線照射によるアゾベンゼン部位の光異性化反応により、ディスコチック液晶の自発的な配向を誘起し、光刺激を与えない場合と異なる複合構造の作成に成功した。また、局所的な紫外線照射を行うことで、この複合構造変化を利用したマイクロメートルレベルの光パターニングにも成功した。さらに、水素結合部位と光応答性部位のアゾベンゼンの距離が近いゲル化剤(イソロイシン誘導体)をあらたに開発し、ネマチック液晶と複合化した際の光誘起複合構造変化について調べた。その結果、非偏光の平行紫外光を照射することで、ゲル化剤が形成する繊維状集合体上のアゾベンゼンの光配向が起こり、周りのネマチック液晶分子もそれに応じて配向することが分かった。基板に対する紫外光の照射角度を制御することで、液晶配向の角度もコントロールできた。低分子液晶の光配向制御に関しては、これまで基板表面の2次元平面に展開した光応答性分子で制御することが主であったが、今回3次元空間に展開した自己組織性集合体により液晶配向を光制御できたことは、液晶の3次元空間的制御を行う観点から非常に興味深い結果である。

1 0 0 0 OA 大日本史料

著者
東京大学史料編纂所 編
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
vol.第6編之4,
著者
市山 雅美
出版者
東京大学
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.1-13, 2004-03-10

I attempt to examine self-government by students in koyukai (student-teacher association in schools in prewar Japan) by analyzing the rules of koyukai in junior high school. Self-government by students in koyukai has not fully examined. Surely, teachers had powers over students in koyukai. The chairman was a principal, and the club managers were teachers. Student officers had to follow the teachers. The chairman had great power over the meeting. In these points, the system of koyukai was contrary to self-government by students. But self-government by students was seen in several points. Students participated in enacting rules of koyukai, and deciding the budget. They elected their own officers. But these self-government activities did not fully develop, because the word of "jichi" (self-government in Japanese) meant mainly order or discipline, and koyukai was functioned as an organization to control students.
著者
中村 拓
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1961

博士論文
著者
木下 聡
出版者
東京大学
雑誌
東京大学史料編纂所研究紀要 (ISSN:09172416)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.29-44, 2009-03
著者
木村 武二 堂前 雅史
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

1.雄マウスの性誘引因子:雄の包皮腺の分泌物中、分泌後に変化を受けて生成される有効物質の候補として50種以上の揮発性物質を同定し、また、その多くが排出尿に混入して排出されることが確認された。これによって、性誘引因子の化学的解析への展望が開かれた。2.休止期(明期)における雌マウスの性的反応:休止期における、雄の匂いへの反応には、他の雌個体の存在と、自身の交尾経験とが必要であり、活動期(暗期)とは反応性が異なることが明かとなった。3.雄マウスの父性行動:雄マウスの育児行動の発現には交尾経験が最重要であり、妊娠雌との同居や雌の出産を目撃することは、雌や新生児との直接的接触を妨げた条件下では効果を持たないことが明かとなった。4.生育環境がマウスの行動発達にもたらす影響:段階的に複雑化した環境に単独または複数のマウスを離乳時から入れ、諸行動の発達を比較した。その結果、環境の複雑化(豊富化)は、複数で生育したマウスにおいては探索行動の発達を促進したが、単独飼育群では豊富化の影響が見られないことが分かり、物的環境と社会環境との相互作用の重要性が明かとなった。5.ヤマネの冬眠開始機構:ヤマネの冬眠開始には低温の他に食物の不足が重要な要因である事が確認された。さらに、高温下でも、餌の制限によって低体温状態が誘起されるという、興味ある事実が明かとなった。6.野生齧歯類のコミュニケ-ション:アカネズミ及びヒメネズミは共に尿マ-キングをコミュニケ-ションに利用しているが、利用の仕方に種差があり、それには生態的な違いが反映されていることを示唆する結果が得られた。
著者
福島 孝治
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、データ駆動型の研究方法を物性物理の分野で展開することである。まず磁化曲線の観測データを入力として、これまでの経験的な理論モデルの構築に機械学習の技法を援用する方法を提案した。複数の候補から適切なモデル選択が可能となった。その結果、スピン構造など実験的に観測が難しい情報へのアクセスが可能となり、その後の実験計画に役立てられるようになった。さらに、扱う系を量子系に展開するためにはベイズ最適化の手法が有力であることがわかった。一方、大規模施設からのデータを想定して、中性子散乱実験のスペクトルから緩和時間分布を推定する問題に着手し、実データ解析も含めた新しい方向性を示すことができた。
著者
平野 博之 佐藤 豊
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2013-06-28

イネの花序は,穂軸,ブランチ,小穂から構成され,小穂は小花(花)と外穎や内穎などいくつかの側生器官から成る.本研究は,この高い階層性を持つイネの花序の構築および花の発生ロジックを解明することを目的としている.fon2変異を昂進する変異体 (fon2 enhancer 2B-424),一次ブランチが偽輪生の表現型を示すpvp1, 小穂の形態異常を示すtol変異体 (wadより改名)やfsp1変異体などを用いて,発生遺伝学的研究を行った.FON2は花メリステムの幹細胞維持の負の制御因子であり,fon2変異体では花メリステムが肥大する結果,花器官数が増加する.2B-424系統はfon2変異を昂進する変異体の一つである.昂進変異の原因遺伝子を同定した結果,クラスC遺伝子のOsMADS3に機能喪失型の変異が起きていることが判明した.この研究により,FON2とOsMADS3が共同して花メリステムの有限性を制御していること,OsMADS3が花メリステムの維持制御にも関わっていることが明らかとなった (Yasui et al. 2017).tol変異体の表現型を詳細に解析し,この変異体では小穂の左右相称性がそこなわれ,対称軸が2つ形成されるようになること,その原因はメリステム増大や部分的な活性低下であることを明らかにした (Sugiyama et al. 2016).fsp1変異体の原因遺伝子の単離を試みたところ,メリステム維持に関わるFON1遺伝子に変異が起きていることが示された.fsp1の小穂には,fon1小穂に見られる異常に加えて他の表現型が現れることから,未知の第2の遺伝子に変異が生じている可能性が示唆された.PVP1に関しては,この遺伝子の近縁パラログであるPVP2と併せて解析を行い,これら2つの遺伝子が穂の構築に冗長的に作用していることを明らかにし,メリステム機能との関連を解析中である.

1 0 0 0 自殺免責論

著者
三宅 新
出版者
東京大学
雑誌
本郷法政紀要
巻号頁・発行日
vol.14, pp.273-310, 2005

東京大学大学院法学政治学研究科の事務処理に不手際があり,著者の掲載許可がとれなかった論文を掲載していたため,本文を削除。2007(平成19)年11月30日
著者
劉 芳伶
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
2014

審査委員会委員 : (主査)東京大学教授 佐伯 仁志, 東京大学教授 橋爪 隆, 東京大学教授 川出 敏裕, 東京大学教授 山川 隆一, 東京大学教授 松原 健太郎
著者
秋元 奈穂子
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
2015

審査委員会委員 : (主査)東京大学教授 浅香 吉幹, 東京大学教授 樋口 範雄, 東京大学教授 宇賀 克也, 東京大学教授 樋渡 展洋, 東京大学教授 寺谷 広司