著者
石田 雄
出版者
東京大学
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.112-145, 1970-10-20
著者
大瀧 雅之
出版者
東京大学
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.141-159, 2006-01-31

本稿では日本政策投資銀行(以下政投銀と略)を例として公的金融の役割と民営化問題について考察した.特に政投銀の情報生産能力に注目した.これについては,多くの実証研究が.政投銀が民間銀行の融資を引出すという,いわゆる「カウベル効果」の存在を認めている.すなわち政投銀の審査情報を利用し民間銀行も協調融資すると考えられている.政投銀の情報生産能力の淵源は日本政策投資銀行法にある「中立性」と「公共性」にあると考えられる.どの企業グループにも属さないという「中立性」は,借り手に安心感を与え,融資に当たっての情報収集を容易にする.ところで協調融資は,「クラブ財」と見なせる.融資に関する情報を生産提供するのが政投銀(クラブ)であってこれを共有し使用するのが民間銀行であると考えるわけである.そして政投銀の利潤を「クラブ」の使用料と捉える.このとき利潤極大化ではなく収支相償を前提とする「公共性」は,情報生産の本来の目的である民間銀行(「クラブ員」)の共同利潤を最大化できるという意味で優れている.

1 0 0 0 OA 大日本史料

著者
東京大学史料編纂所 編
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
vol.第6編之21, 1924
著者
佐藤 俊樹
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

(1)ウェーバーの因果分析の方法は「適合的因果」として知られているが、これは19世紀後半のドイツ語圏で最も重要な統計学者の一人であるヨハネス・v・クリースの方法論的研究を社会科学に導入したものである。(2)v・クリースはすでに因果を反事実的に定義しており、かつそれを確率論の枠組みを用いて同定している。したがって、彼の「適合的因果」は現在の統計的因果推論の原型にあたるものである。それゆえ、ウェーバーの因果分析もその枠組みも共有している。(3)ウェーバーのもう一つの、より有名な方法論である「理解社会学」もまた、他のやはり有名な統計的推論の理論であるベイズ統計学の枠組みを用いて再構成できる。
著者
豊川 裕之 草間 朋子 板井 悠二
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

体脂肪量を超音波皮脂厚計によって、被計測者に侵襲を与えることなく、推定する方法の確立を図っている。その推定値の誤差を規定するために、【^(40)K】計測法(ヒューマン・カウンタ法)とNMR診断法の人体断面像から脂肪量を推定する方法を基準として、超音波皮脂厚計法の推定誤差が約5%以内であることを明らかにした。NMR画像はまだイメージスキャナーで面積計算ができないので、目下、PC98型コンピュータで処理するソフト・ウェアの開発中である。したがって、【^(40)K】計測値だけを較正値として超音波皮脂厚法の誤差を算定した。その算定に用いた資料は、【^(40)K】法の68名(男34名,女34名)、超音波皮脂厚法の68名(【^(40)K】と同じ対象)の7ケ処の計測値である。なお、NMR画像は7名分の資料が得られている。体脂肪量;F(kg)=【α_1】・【X_1】+【α_2】・【X_2】+【α_3】・【X_3】+……+βただし、【α_1】,【α_2】,【α_3】・・・:性・・年齢別に推定される定数β:【α_1】・【α_2】・・に同じ【X_1】,【X_2】・【X_3】・・・:各部位C1,2,3,・・・)の皮脂厚値である。これに、性・年齢別に実測値を用い、(1)【^(40)K】計測値に近似させる、(2)変量(X)の数をなるべく少くすることを条件として検討した結果男性:F(kg)=0.556(上腕部皮脂厚)+0.094(腹部皮脂厚)-7.961(推定誤差:4.4%)であることがわかった。女性(30歳以下,30歳より上にわけた)についても2変量で約5%の推定誤差で推定できることがわかった。今後は、例数をふやし、性・年齢別の体型の変化にも注意を払った推定式を目標に改善を続けたい。
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
2014

学位の種別:課程博士
著者
川村 邦夫
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1967

博士論文
著者
平塚 忠之助
出版者
東京大学
雑誌
震災豫防調査會報告
巻号頁・発行日
vol.56, pp."24-17"-"27-7", 1907-01-18

付録7頁
著者
吉田 幸司
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2014-04-25

本年度は、前年度までの、F.H.ブラドリー、W.ジェイムズ、A.N.ホワイトヘッドの形而上学研究、およびそれらと現代英米哲学の主潮との比較研究を継続しつつ、価値経験や宗教的経験のような個別的経験と科学知を統合的に論じた形而上学としてホワイトヘッド哲学を評価し直す研究を遂行した。1.現代英米哲学の主潮、特にクワインの自然主義と、ホワイトヘッド哲学の方法を比較研究した。その結果、両者とも科学と形而上学の境界は曖昧だと考える一方、ホワイトヘッドは「よりよい理解」を通じて「よりよい生」へ冒険する働きを「思弁」に見出す点で自然主義と一線を画すことが明らかになった。2.むしろ、ホワイトヘッドにとって哲学が例証を見出す事実は、科学が扱う経験的事実だけでなく、情感的経験や宗教的経験の事実でもあった。本研究は、ホワイトヘッドが、科学史や哲学史を解体しロマン主義的自然観を取り入れる中で独自の術語群を作り出し、世界に関する「よりよい理解」を獲得するとともに、科学・哲学・芸術を有機的に結びつけたことを明らかにした。3.彼の形而上学における神の記述も、本研究では、神学ではなく、S.アレグザンダーらの創発的進化論や哲学的人間学の脈絡のうちで展開した。これにより、生の意義や神的経験に関する形而上学的記述を我々の具体的経験に即して論じ直すことに成功した。4.さらに、ジェイムズの『宗教的経験の諸相』やブラドリーの方法論、現代スピリチュアリティ思想や脳科学研究を参照しながら、宗教的経験の意味に対する科学・哲学・宗教のアプローチの違いを研究した。その際にプラグマティズムを発展的に応用し、意味の世界を支えているがそれに先立つ基準の転換として宗教的経験の宗教性を捉える新たな提案を行った。5.また、科学者やアーティストとの学際的な研究活動・報告も積極的に行い、哲学を実践において活かす様々な提言をすることができた。
著者
宇佐美 こすも
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2015-04-24

今年度は学会発表1件、論文掲載2件の成果を得た。学会発表は今年も東大比較文学比較文化研究室主催の大澤コロキアムにて、英語で口頭発表を行った。同研究会には修士進学以来5度目の参加で、毎年刀剣に関する研究発表を行っている。日々の研究活動で英語を必要としない一方で、留学生や海外研究者の関心が高い分野であるので、毎年この機会を活用して外国語でも研究発表ができるよう意識的に練習ができたと思う。本年の大澤コロキアムの発表内容をもとに体裁を整えたものが、本年受理された論文の1つである。英語で日本史の論を展開するにあたって、課題としては古記録の扱い方や古文書等の出典の書き方、専門語に対し適切な翻訳を施すなどいくつかあるが、引き続き練習してゆきたい。本年度に掲載決定したもう一つの論文は、日本美術刀剣保存協会の『刀剣美術』に投稿した。内容は、室町時代の上流階級で贈答されていた刀剣の拵とその使い分けを、日記をもとに明らかにし、それをもとに室町将軍と天皇家・公家との関係を考察したものだ。当初は文献史学系の雑誌に投稿しようと計画していたものの、用語解説や補足説明に紙幅をとられ十分な議論展開ができないと考え日本刀専門誌に投稿した。幸いなことに、既に多くの反響をいただいている。とりわけ刀身の鑑定・鑑賞が主だった刀剣研究を、政治史・文化史に結び付けようとする拙稿の視点を高く評価してくださり、調査協力を申し出ていただいている。