著者
小栗誠治
出版者
滋賀大学
雑誌
彦根論叢
巻号頁・発行日
vol.2015年(秋), no.405, 2015-09-30
著者
芦谷 道子 友田 幸一 土井 直 土井 直
出版者
滋賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

器質的な難聴を伴わない聴こえの問題をもつ聴覚処理問障害(APD: Auditory Processing Disorder)の小児に対し、医師と臨床心理士が心身両面からの評価と支援を試みた。多くの事例で問題は多軸にわたっており、心身にわたる多軸的評価と、多職種協働による支援システムの必要性が考察された。聴覚処理障害事例では補聴システムの利用や学校や家庭との連携による環境調整が有効であった。また多くは二次的に機能性難聴を併発しており、心理療法が有効であった。欧米におけるAPD評価支援システムの標準的確立をモデルに、日本においても特別支援教育への位置づけを踏まえた評価、支援の充実が望まれる。
著者
岩上 はる子
出版者
滋賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究の目的は、日本におけるブロンテ受容の歴史をたどることにある。ブロンテ姉妹が日本でどのように紹介され受容されたかを、明治の紹介の段階から昭和初期に全訳が出版されるまでを、文芸雑誌、学術雑誌、新聞その他の一次資料を基に跡づけ、最後に翻訳の検証を通して日本におけるブロンテ姉妹の受容の分析を試みた。『ジェイン・エア』を中心に取り上げた。明治期については『女学雑誌』におけるブロンテ関連記事を拾い、『ジェイン・エア』が良妻賢母思想を背景として紹介され、受容されてきたことを跡づけた。次に、水谷不倒による最初の抄訳「理想佳人」を検証し、不倒訳の換骨奪胎の視点が当時の日本の読者に馴染みのない個人の意識、自我、恋愛に向けられていたことを明らかにした。大正期については、『英語青年』『英語研究』などの専門誌に掲載された対訳・註釈を検討した。それらは欧・米における主だった批評動向を反映する一方で、日本独自のものとして訓詁学的な研究により、後の翻訳への道筋を開くことになる。なかでも岡田みつによる研究社英文学叢書のJane Eyreは、初めての女性によるもので、全編にわたっての正確で解釈に踏み込んだ註釈によって、後の全訳に大きな影響を与えたことを検証した。最後に十一谷義三郎の全訳『ジェイン・エア』を検討した。新感覚派の小説家として知られる十一谷が、一方で優れた英文学研究者でもあったことを明らかにし、強い自我意識をもつジェインの造形に「孤独」「自我」「生命への礼賛」などの十一谷文学の本質に通底するものがあることを指摘した。受容研究の一つの方法として翻訳の検証も有効であることが立証された。明治期の最初の出会いから昭和初期に全訳が完成するまでのほぼ半世紀のブロンテ受容史をたどることで、日本人がいかに異文化を受け入れ咀嚼し血肉化してきたかを概観でき、有益な研究であったといえる。
著者
滋賀大学
出版者
滋賀大学
雑誌
しがだい : 滋賀大学広報誌
巻号頁・発行日
no.第53号, pp.19-20, 2021-04
著者
阿部 安成
出版者
滋賀大学
雑誌
彦根論叢 (ISSN:03875989)
巻号頁・発行日
vol.373, pp.21-42, 2008-06
著者
小川 功
出版者
滋賀大学
雑誌
滋賀大学経済学部研究年報 (ISSN:13411608)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.39-80, 1996

The Tokyo Watanabe Bank, as a medium metropolitan bank, was the most notorious Kikan Ginko (banks for financial groups) in Japan for its role in triggering the Financial Crisis of 1927. Bank Founder Jiuemon Watanabe, a so called "Land Baron" in Tokyo, concentrated the bank's investments and loans in railways and electric light industries such as Nippon Railway and Tokyo Electric Light. But his sons, especially Katsusaburo Watanabe, famous for holding a record number of offices concurrently, reinvested bank funds in active and speculative stocks during the wartime boom. Katsusaburo Watanabe concurrently held the posts of more than 60 companies and ambitiously tried to make his business group grow into a "Watanabe Zaibatsu". In the post-World War I recession, many subsidiaries of the bank went bankrupt. Then this bank was forced to lend from even loan sharks, such as Inui & Co., due to an extreme cash flow shortage. The Tokyo Watanabe Bank temporarily closed on March 15,1927,and triggered the Financial Crisis of 1927,owing to the inappropriate parliamentary testimony of Finance Minister Naoharu Kataoka, who inadvertently mentioned the bank's closing.
著者
辻 延浩 佐藤 尚武 宮崎 総一郎 大川 匡子
出版者
滋賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

これまでに開発してきた睡眠学習プログラム(指導案)をデジタルコンテンツ化し、そのWeb学習教材の有効性と活用性を検討した。Web教材については、画像等に関わる5項目と、内容等に関わる5項目で評価した。いずれにおいても高い評価が得られ、睡眠教育に対して有効な活用が期待できると考えられた。また、睡眠教育プログラムを滋賀県下の学校園に広めることを目的に、教員が睡眠の科学的知識を習得し、幼児・児童・生徒の基本的な生活習慣の確立に向けて睡眠の教育を展開させることのできる教員の研修プログラムを考案し実践した。その結果、幼稚園の教師ならびに保護者から高い評価を得ることができた。一連の睡眠教育研修プログラムは教師の研修成果を高めるとともに、子どもたちの生活習慣を改善するのに有効であることが確かめられた。
著者
川嶋 宗継 小西 吉治郎 奥田 久男 黄瀬 金司 板坂 修 堀 太郎
出版者
滋賀大学
雑誌
滋賀大学教育学部紀要. 自然科学 (ISSN:04886291)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.18-25, 1976

We have investigated at regular intervals about the water qualities of Lake Biwa-ko for the purpose of appreciating the present state of eutrophication. In this year 1976, the water qualities at the eight to nine specific stations were studied on February 25, May 8 and July 19, and the following results were obtained;1) The concentrations of total nitrogen are high at the three periods and over the boundary line for eutrophic lake.2)Total phosphorus is abundant in May, but low in February, which is about 50% of the results in May.3)A significant relationship is found to exist between the concentrations ofchlorophyll a, COD and nutrients, wherever the horizontal or vertical (St.4) of the lake water. This marked correlation seems to be due to the production of phytoplankton occurs regularly in Lake Biwa-ko. In addition, the above finding in this lake as probably in many other lakes supported to the esults reported in the previous paper.
著者
阿部 安成 加藤 聖文
出版者
滋賀大学
雑誌
彦根論叢 (ISSN:03875989)
巻号頁・発行日
vol.348, pp.129-154, 2004-05
著者
大山 政光
出版者
滋賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

研究成果の概要(和文):本研究では、教員の指導力を高めるため小型天体望遠鏡の使用に関する教育用デジタル教材と太陽に関する教育用デジタル教材を開発した。天体望遠鏡の教材に関しては、セッティングや観察方法に関して安全面にも配慮したデジタル動画・解説書を作成した。太陽に関する教材では、黒点は変化するものであることを理解・実感できるように、黒点形成・消滅に関する教育用デジタル動画を作成した。
著者
御崎 加代子
出版者
滋賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

一般均衡理論の制度的枠組としてのワルラス応用経済学の意義を、思想史的なアプローチで解明するという研究目的を遂行するために、まずはワルラス応用経済学における競争概念を、ハイエク的な視点から再考することにとりくんだ。ハイエクは、ワルラスの純粋経済学に由来する新古典派的な競争概念を、社会主義経済計算論争の後、「設計主義」に結び付けて批判した。本研究では、そのときに彼が設計主義の源泉とした「フランスの伝統」に着目した。そしてワルラスの純粋経済学ではなく、応用経済学の競争概念「組織された自由競争」に注目し、それを、ハイエクの言う「フランスの伝統」を代表するデカルト主義やサン=シモン主義に照らして、その特徴を再考すると、ワルラスは、ハイエクの定義する設計主義者であるどころか、むしろハイエクと近い主張をしており、ワルラスの競争概念は、一般1的な新古典派の競争概念とも異なる独自性を持っていることが明らかになった。そのことをさらに検証するために、ワルラスの応用経済学を、サン=シモン主義からの影響だけではなく、より広い意味でのフランスの伝統の中で、考察することにとりくんだ。すなわち、ケネー、カナール、J.Bセー、サン=シモン、デュピュイ、クルノーを中心とした18-19世紀フランス経済学史の流れを、ワルラス応用経済学における「組織された自由競争」概念の形成過程として読み込み、同概念の独自性と思想的意義を明らかにした。その際に、マルクスやシュンペーター・が考える「フランスの伝統」とハイエクのそれとを比較検証し、フランス経済学史についての既存の解釈に対しても、異なる見解をうちたてた。すなわち、ワルラス経済学をステレオタイプ的な新古典派的な解釈から解放するためには、フランス経済学史研究そのものに新しい光を投じる必要があるのである。