著者
門田 暁人 井上 克郎 松本 健一 岡原 聖 真鍋 雄貴 山内 寛己 Yamauchi Hiroki Okahara Satoshi Inoue Katsuro Monden Akito Manabe Yuki Matsumoto Kenichi マツモト ケンイチ モンデン アキト ヤマウチ ヒロキ オカハラ サトシ マナベ ユウキ イノウエ カツロウ
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.362, pp.7-11, 2008-12-11

Generally, if a piece of code clone was found between two different programs, a plagiarism or a code reuse (program piracy) might be made. On the other hand, code clone also occurs accidentally or by code idioms. This paper experimentally derives the probability of program piracy based on length of code clone. In the experiment, we identified code clones among many different programs which we confirmed that program piracy has not been made, and formulated by power approximation the relation between the length of code clone and its derivation probability. By using this formula, we can compute the probability of program piracy from the maximum length of code clone derived from given two programs.一般に, プログラム間で一致するコード列(コードクローン)が見つかった場合, コードの盗用もしくは流用の疑いがある. 一方で, 独立に開発されたプログラム間で偶然(もしくは定型処理など)によりコードクローンが生じることもある. 本稿では, どの程度の長さのクローンであれば, 偶然に生じたものではないと言えるか, その判断基準を実験的に導出する.実験では, 独立に開発された(流用のない)多数のプログラム間で検出されるコードクローンの長さと個数を調査し, 最大クローン長とクローン検出確率の関係を算出した. そして, 偶然に生じうるコードクローンの検出確率を累乗近似により定式化した. 導出した式により, 2つのプログラム間の最大クローン長を計測することにより, 偶然や定型処理ではない, すなわち, 盗用や流用が行われた確率を求めることが可能となった.
著者
稲垣 貴範 塩谷 亮太 安藤 秀樹
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.388, pp.37-45, 2012-01-19

データ・プリフェッチを実現する方法の1つに命令の先行実行がある.過去に我々は,単一スレッド環境で命令の先行実行を実現する手法として仮想リオーダ・バッファ(VROB:virtual reorder buffer)方式を提案した.この手法を用いれば,多くのロード命令のレイテンシが短縮され,大きな性能向上を達成できることを示した.しかし,VROB方式ではプロセッサ内に多くの先行実行命令を保持する必要があるため,素朴な実装では重要な資源(リオーダ・バッファ,レジスタ・ファイル,発行キュー,ロード/ストア・キュー(LSQ:load/store queue))のサイズを大きくする必要があり,クロック・サイクル時間に悪影響を与える.過去の研究では,この問題について,LSQ以外では解決されていたが,LSQだけは解決されていなかった.本論文では,先行実行ロードに対するin-flightストアへの依存を無視することにより,先行実行のために必要であったLSQを削除し,クロック・サイクル時間への悪影響を除去することを提案する.メモリ・インテンシブなプログラムが多いSPECfp2000ベンチマークを用いて評価を行った結果,十分に大きなLSQを持ち,正しく依存を守る場合に比べ,性能低下をわずか1%に抑えられることがわかった.情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC). v.2012-ARC-198, n.9. 2012, p.1-9 (c)情報処理学会
著者
有松 優 塩谷 亮太 安藤 秀樹
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.388, pp.47-53, 2012-01-19

発行キューを拡大することは,命令レベル並列(ILP:instruction-level parallelism)の利用において重要である.しかし,大きな発行キューは電力を多く消費するという問題があり,また,拡大に対する性能向上率はしだいに低減する.よって,単純な拡大は電力効率が悪い.本論文では,大きな発行キューが必要となるL1データ・キャッシュ・ミス時に拡大を行うことでペナルティを隠蔽し,高いIPCを達成しつつ、一方で,そのようなイベントがない定常状態では電力効率を重視し,可能なだけ発行キューの縮小を行う動的リサイジング手法を提案する.SPEC2000ベンチマークを用い本手法の評価を行った結果,128エントリの発行キューを持つプロセッサに対し,SPECint2000では,約0.3〜1.5%の性能低下で,約50〜67%の発行キュー・サイズの削減率を,SPECfp2000では,約3〜7%の性能低下で,約50〜65%の発行キュー・サイズの削減を達成した.情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC). v.2012-ARC-198, n.10. 2012, p.1-7 (c)情報処理学会
著者
西森 健太郎 小松原 祥 北尾 光司郎 今井 哲朗 Nishimori Kentaro Komatsubara Sho Kitao Koshiro Imai Tetsuro
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.95, no.9, pp.1159-1170, 2012-09

LTE-Advancedにおけるヘテロジーニアスネットワークでは,マクロセルのほかに周波数利用効率の向上を目的として,ピコセルやフェムトセルがマクロセル内でオーバレイされる.しかしながら,こういった同一周波数を用いるセルがマクロセル内に存在すると,セル間干渉が問題となる.マクロセル,ピコセル,フェムトセルでは,アンテナの設置形態(屋外/屋内における置局,アンテナ高など)が異なるため,アンテナの設置環境に応じた干渉量評価が必要となる.この評価のために,WINNERIIやITU-R P.1238-6などの伝搬モデルが提案されているが,例えば,WINNERIIモデルでは,マクロ-フェムトセル間の屋外伝搬特性が見通し外の場合は厳密に評価できない場合がある.そこで,本論文では,ヘテロジーニアスネットワークで想定されるセルサイズが300m以内における屋外-屋外間,屋外-屋内間,屋内-屋内間の電界強度測定を実施する.得られた測定結果より,伝搬損,屋内侵入損/屋内区間における伝搬損,短区間中央値の標準偏差について,WINNERII(屋外,屋外-屋内)/ITU-R P.1238-6(屋内)モデルとの比較を行い,WINNERII/ITU-R P.1238-6モデルと測定結果を用いて,干渉量評価に関するケーススタディを行う.マクロ-フェムトセル間における干渉量として,Signal to Interference plus Noise power Ratio(SINR)特性を評価する.従来モデルに実験で得られた結果を組み合せることで,従来モデルで厳密にカバーできない範囲である,フェムト-マクロセル間の屋外見通し外伝搬特性及び屋内侵入伝搬損を評価できるとともに,これらのパラメータがSINR特性に与える影響が大きいことを明かにする.
著者
大倉 鉄郎 大倉 俊介 松岡 俊匡 谷口 研二
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.95, no.10, pp.235-239, 2012-10-01
参考文献数
4

マージド・キャパシタ・スイッチング法を用いたパイプラインA-DコンバータについてMDACセグメント内のキャパシタミスマッチに関する解析を行った.MDAC回路に用いるキャパシタのセグメント内差動ミスマッチによってDNLが悪化し,また差動間グラウンド電圧にコード欠け発生確率が依存することを明らかにした.A pipelined ADC with merged capacitor switching technique is analyzed taking account of differential capacitor mismatch in a segment of MDAC. Our analysis revealed that the differential non-linearity (DNL) degrades as the differential capacitor mismatch increases. It is also revealed that the probability of missing code is reduced by setting the common reference voltage to the center of refference voltages.
著者
藤原 敬記 伊藤 敏彦 荒木 健治 甲斐 充彦 小西 達裕 伊東 幸宏
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.89, no.7, pp.1493-1503, 2006-07-01
参考文献数
24
被引用文献数
9

実環境での音声対話システムの使用において,誤認識を回避することは難しい.誤認識が起きると,システムはユーザの期待する応答とかけ離れた応答を行い,対話がスムーズに進まなくなることも多い.そこで本研究では,音声認識器が誤認識した場合でも,認識信頼度と対話履歴を用いることで正しくユーザの意図を推定することができる音声言語理解手法を提案する.これは,音声認識器が誤認識した場合でも多くの場合,複数候補(N-best)中に正解が含まれていること,システムが誤認識した場合にはユーザは大体訂正反応を示すこと,タスク指向対話には強い一貫性がありユーザは基本的に意味的・文脈的に関係した内容以外を発話しないことを利用する.また,提案手法ではあらかじめすべての認識可能単語を理解候補として保持し,言語理解部の対話戦略において音声認識結果中の単語との意味的関連性などを考慮している.これにより音声認識結果のN-best中に正解の一部が含まれていない場合でも,複数のユーザ発話の認識結果に基づくことで正しい意図を推定することが可能となっている.評価データにおいて,提案手法における対話単位での理解率は72.2%(21,430/29,670対話),単語単位での理解率は87.1%(77,544/89,010単語)であり,従来手法の最新認識結果の上位候補を優先するシステムの57.9% (17,178/29,670対話),75.4%(67,084/89,010単語)と比較しても有効である.
著者
清水 新策 松岡 俊匡 谷口 研二
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.86, no.8, pp.878-885, 2003-08-01
参考文献数
5
被引用文献数
1

VLSI システムにおけるパラレルバスに Code-Division Multiple Access (CDMA) 技術を用い,低消費電力の Parallel-CDMA (P-CDMA) インタフェースを提案した.P-CDMA はデータを複数の信号線に拡散させるため,局所的なノイズに強い.また論理"H","L",そして"M"の 3 値で伝送するため高速転送が可能であり,パワー遅延積は従来の小振幅及びフルスイングインタフェースに比べてそれぞれ 22%,70% 削減できた.また 0.35 μm CMOS ルールで 15 bit 3.9Gbit/s の Parallel-CDMA インタフェースを設計し,回路シミュレーションにより正常動作を確認した.