著者
佐藤 健一
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.96, no.3, pp.220-232, 2013-03-01
参考文献数
63

インターネットのトラヒック量が増加するとともに,ハイパージャイアントコンテンツホルダの出現により,ネットワークのトラヒックの流れが大きく変わりつつある.一方,半導体の性能の進展速度が低下するとともに,消費電力のボトルネックが顕在化しつつある.将来の大容量トラヒックを扱うためには,スループット当りの消費電力が極めて小さい光ルーチング技術の重要性が増加する.しかしながら光の特性を最大限に生かしたネットワークの実現にはノード技術の革新が必要である.今後の光ネットワーク技術の開発方向を議論する.Relentless Internet traffic increase and the recent advent of hyper giant content holders are changing traditional Internet paradigm. Limitation of silicon-based technologies is becoming more and more tangible, which stems from ever increasing LSI power dissipation. Exploiting optical technologies is the way to resolve the problems, however, their introduction remains limited. The barriers mostly exist in the node technologies. The next steps to proceed in removing them are presented with some state-of-the-art technical development.
著者
野村 恵里 木竜 徹 中村 亨弥 飯島 淳彦 板東 武彦
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.89, no.3, pp.576-583, 2006-03-01
参考文献数
17
被引用文献数
14

映像技術が目覚しく発展する一方で,映像酔い等,生体への影響が懸念されており,原因の解明と評価手法の確立が望まれている.本研究では生体影響の中でも特に映像酔いに注目し,生体情報と映像情報との関係から生体に影響を与えていると予想される特徴を動きベクトルで定量的に評価することを目的とした.まず生体信号から,設定した条件に当てはまる生体影響区間を定め,影響を受けたと想定されるトリガ時刻を定義した.その後,トリガ時刻近傍における映像の動きベクトルの時間周波数構造を調べ,単純類似度による評価を行った.更に,動きベクトルからシミュレーション映像(ランダムドットパターン)を制作し,実写映像との比較を行った.その結果,トリガ時刻での時間周波数構造は特定の成分をもち,0.3〜2.5Hzの周波数帯域に0.5以上の規格化パワーをもつ動きベクトルが生体に影響を与えている可能性が示唆された.
著者
芥子 育雄 鈴木 優 吉野 幸一郎 Graham Neubig 大原 一人 向井 理朗 中村 哲
出版者
電子情報通信学会
巻号頁・発行日
2017-04-01

LeとMikolovは,文書の分散表現を単語と同様にニューラルネットワークで学習できるパラグラフベクトルのモデルを提案し,極性分析ベンチマークを用いて最高水準の分類精度を示した.パラグラフベクトルを用いたツイートの極性分析における実用上の課題は,単語のスパース性を解消するパラグラフベクトルの構築のために大規模文書が必要なことである.本研究では,Twitterの文に対して評判情報抽出を適用する際,その出現単語のスパース性に由来する性能低下を解決するため,人手により構築された単語意味ベクトルを導入する.意味ベクトルとして,各次元が266種類の特徴単語に対応し,約2万語に付与されている単語意味ベクトル辞書を使用する.この辞書を用いて単語拡張したツイートをパラグラフベクトルのモデルで学習するという,単語意味ベクトルとパラグラフベクトルの統合化手法を提案する.これにより,単語がスパースでも特定分野の文脈情報を学習できることが期待される.この評価のため,クラウドソーシングを利用してスマートフォン製品ブランドに関する極性分析ベンチマークを作成した.評価実験の結果,約1万2千ツイートから構成される特定のスマートフォン製品ブランドのベンチマークにおいて,提案手法は,ポジティブ,ニュートラル,ネガティブの3クラス分類におけるポジティブ予測とネガティブ予測のマクロ平均F値71.9を示した.提案手法は従来手法であるパラグラフベクトルによるマクロ平均F値を3.2ポイント上回った.