著者
井上 順雄 中山 孝
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

新規培養法を確立し、ヒトES細胞を一方向的に神経系細胞へ分化誘導し、均質な神経幹細胞を大量に調製することができた。この神経幹細胞は、選択的に神経細胞(主にドーパミン作動性神経細胞)に、あるいは、アストロサイトに分化誘導することが可能であった。さらに、その培養法の基本的な培養条件をわずかに変えることによって、ヒトES細胞を脳の領域が異なる様々な種類の神経系細胞に分化誘導できる可能性を開いた。
著者
稲葉 昭英 石原 邦雄 嶋崎 尚子 渡辺 秀樹 永井 暁子 西野 理子 石原 邦雄 嶋崎 尚子 渡辺 秀樹 田中 重人 藤見 純子 永井 暁子 西村 純子 神原 文子 保田 時男 澤口 恵一 福田 亘孝 田渕 六郎
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、1999年と2004年に行われた全国家族調査に引き続く第3回調査(NFRJ08)を計画・実施し、公共利用データを作り上げることを目的とする。2008年11月~12月に、日本の全国(島嶼部を除く)に居住する28歳から72歳までの男女を対象に9,400人を層化二段無作為抽出によって抽出、2009年1月~2月に訪問留め置き法に実査を行い、5,203名から回収票を得た(回収率55.4%)。
著者
福本 義憲 園田 みどり 中居 実 古屋 裕一 黒子 康弘
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

ドイツ語圏における第一次大戦期から第二次大戦後にいたる社会文化的なディスクルスの形成と再生産のプロセスを解明するために、研究実施計画に示された枠組みにしたがって、福本、古屋、黒子は社会文化的ディスクルスの形成における「認知的・道具的合理性」および「道徳的・実践的合理性」レベルについての理論的・個別的研究に従事し、中居、園田は「美的・実践的合理性」レベルでの諸現象の研究を行った。研究素材は、1910年から1960年までのほぼ50年間の、ドイツ語圏の各種メディア(新聞・雑誌・文学を含む文字メディア、さらに演劇・歌謡・美術などの芸術メディア、映画・ラジオ・TVなどの技術メディア)に広く渉猟し、その中で上記の理論的枠組みに照らして重要でありかつ時代と地域的特徴をよく表していると思われるものを取り上げて、各人が詳しく分析を試みた。福本は、社会文化的事象のディスクルス分析の理論的考察(「テクスト・ディスクルス・ディスクルス分析」)を行うとともに、第一次大戦前後の権力(Macht)をめぐるディスクルスの形成と再生産の過程を解明するため、特にチューリッヒ・ダダの反市民的ディスクルスの特徴を体現しているヴァルター・ゼルナーを取り上げ具体的かつ詳しく論じた。中居はウィーンのリートの特徴分析を行い、民衆歌謡における社会文化的ディスクルスの形成とその再生産の事情を明らかにした。園田は劇作家カール・ツックマイアーの『ケーペニクの大尉』を取り上げ、「制服」のディスクルス装置を第二帝政期ヴィルヘルム二世統治下のベルリンの時代と地域性と照らし合わせて詳しく論じた。黒子は、メディア現象のエコノミー、自然科学の文化主義的理解、技術的装置と言語の関係などについて、ハーバーマス=スローターダイク論争に即して論じた。その際、黒子は、20世紀の科学技術およびそれをめぐるディスクルスを、ローマ時代に淵源を持つフマニスムスにつながる問題として問い直すとともに、このフマニスムスの問いを発展させ、ゲーテに始まる「世界文学」ディスクルスのもつ社会・経済・文化史的な射程を、マルクス、ブレヒトにおける再編成を通して究明した。古屋は、ベンヤミンのメディア概念の現代的射程をめぐって考察するとともに、マルクス・バウアー『伝達のただ中-ヴァルター・ベンヤミンのメディア概念-』翻訳と注解を行うことで、ベンヤミン研究に貢献を果たした
著者
鐘ヶ江 健
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

ホウライシダで発見された新規光受容体PHY3は、植物青色光受容体であるフォトトロピンに赤色光受容体フィトクロムの光受容部位が融合した構造をしている。その構造から、PHY3はフォトトロピンと同様の分子機構で、受容した光シグナルをプロセシングしていることが予想された。本研究の結果、PHY3はフォトトロピンの機能に重要なアミノ酸を置換してもその機能に大きな影響を受けなかった事から、PHY3独自の光シグナルプロセシング機構が存在することが明らかになった。
著者
片山 薫
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

大規模グラフ集合を効率的に検索するため, 数値的方法と組み合わせ的方法による部分グラフ同型性判定(あるグラフが別のグラフに含まれるかどうか判定すること)手法を開発した.行列の固有値に関するInterlace 定理に基づいたグラフ索引手法とグラフフィルタリング手法を提案すると共に, Messmer らの提案したグラフ分解に基づく部分グラフ同型探索アルゴリズムの改良を行った.これらの提案手法について人工的に生成したデータや実際のデータを利用して評価実験を行い, その有効性を検証した
著者
亀井 源太郎
出版者
首都大学東京
雑誌
法学会雑誌 (ISSN:03868745)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.237-267, 2007-12
著者
一木 重夫 海津 ゆりえ
出版者
首都大学東京
雑誌
小笠原研究年報 (ISSN:03879844)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.37-51, 2006-03-31

本研究は、地域全体で取り組むエコツアーが持続的に運営されるために求められる条件を明らかにすることを目的に、東京都が実施した小笠原諸島におけるエコツアーへの参加者(以下、エコツーリストと呼ぶ)をモニターにしたアンケート結果に基づき、エコツアーの満足度を評価したものである。その結果、ガイドのコミュニケーション・エンターテイメント能力(以下、CE能力と呼ぶ)がエコツーリストの満足度に最も影響を及ぼすことが示唆された。一方で、エコツーリストは、ガイドのCE能力を高く評価しているにも関わらずさらなる改善を求めていること、及びガイドにさらなる知識力を強く求めていることが示唆された。また、ガイドのプログラムの企画力をより向上させることは、緊急性の高い課題であることが示唆された。満足度は、エコツアーを実施する地域の間で格差があり、男性よりも女性の方が、若干満足度が高くなることが示唆された。また、年代が上がるに連れて満足度が減少することが示唆された。