著者
朝野 維起
出版者
首都大学東京
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2016-04-01

昆虫の外骨格はキチン及びキチン結合性タンパク質を主成分とするマトリクスである。脱皮に伴ってつくられる新しい外骨格が硬化する際、ラッカーゼと呼ばれる酵素が重要であることがこれまでの研究で示されている。ラッカーゼは脱皮前にほとんど活性のない前駆体として新しい外骨格に蓄積し、その後活性化されることで外骨格硬化が開始される。ラッカーゼ前駆体の存在及び発生過程おけるラッカーゼ活性化に関して、代表者が所属する機関からの研究報告が世界で唯一であるものの既に40年以上の歴史がある。ラッカーゼ活性化にタンパク質性の因子が関与する可能性が考えられてきたが、近年、伝統的な生化学的手法によって分離に成功した。組換えタンパク質を利用した解析では、前駆体の活性化が確認されている。新規に合成される外骨格が硬化する過程において、ラッカーゼ活性化のタイミングが時間及び部位特異的にプログラムされている可能性が示唆されている。これは、例えば大顎の先や関節部分など強度が要求され歪みが避けられる場所の硬化が先行することを想像させるものである。そのほか、羽化時に翅の形が決まる過程でも、「伸展した翅が硬化する」といった単純なプロセスではなく、部位特異的な硬化を経て、ハードポイントが逐次形成されることで初めて正常な形状をとれること、などを示唆する観察がある。甲虫類の解析では、ラッカーゼ活性が部位特異的に出現することを示唆する観察ができた。また、ラッカーゼ活性化因子の発現が抑制されることで、現時点では若干であるが翅形態に影響することが観察できた。そもそも、本研究の主たる対象である活性化因子は、代表者が所属する機関以外の研究がない状況などから、生体内で本当に機能していることも正確には示されていない段階である。そのため、生物学的に基礎的な知見の収集も同時に進めている。
著者
金本 龍之介
出版者
首都大学東京
巻号頁・発行日
pp.1-68, 2019-03-25

首都大学東京, 2019-03-25, 修士(工学)
著者
山崎 晴雄 田村 糸子
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

黒滝不整合は房総半島で鮮新・更新統上総層群の基底に認められる不整合である。その成因に関しては,構造運動説や海底地すべり説など様々な見解が検討されてきたが明確な答えは得られていない。本研究では不整合を覆う上総層群中の広域テフラの対比・編年を通じて、各地の不整合形成時期を明らかにした。その結果、房総の上総層群基底の堆積時期は3.2Ma ~ 1.9Maに及び、三浦半島には不整合が存在しないことが分かった。これから、黒滝不整合は,2.3~1.9Ma頃に局地的な海底地すべりが、順次発生した結果と考える。
著者
玉野 和志
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

都市の成長ないし衰退の状況を分析するための基礎的な統計単位として,どこからどこまでの地理的範囲を当該の都市地域と設定するかについての方法論的な検討を行った.1㎞四方の範囲に含まれる人口量を示した国勢調査のメッシュデータを用いて,5000人以上の人口を有するメッシュ地域の集積を基本に,都市地域の設定を試みることで,従来の人口集中地区にほぼ相当する基礎統計単位の設定に成功した.この方法を太平洋ベルト地帯を中心とした地域に適用して19の都市地域を区分に,それにもとづく分析を行うことで,三大都市圏を中心とした都市の現状を把握することができた.
著者
天野 晶子
出版者
首都大学東京
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

Senescence marker protein(SMP30)は加齢に伴い肝臓で減少する。SMP30は、多くの哺乳類の体内でビタミンC合成に必須の酵素グルコノラクトナーゼである。ヒトと同様に、SMP30遺伝子を破壊(ノックアウト)したマウス(SMP30-KOマウス)はビタミンCを生合成しない。SMP30-KOマウスはビタミンCの長期的な不足で寿命が短縮する。ヒトでは、血中ビタミンCが加齢で減少する。従って、老化とビタミンCの不足には、密接な関係が窺える。ビタミンCは、カテコールアミン(ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン)の生合成酵素、チロシンヒドロキシラーゼ(TH)及びドーパミン-β-ヒドロキシラーゼ(DBH)の活性化に補因子として必要とされる。ビタミンCの加齢に伴う減少により、カテコールアミンも減少する可能性が考えられる。カテコールアミンは脳や副腎で合成され、神経伝達物質やホルモンとして重要な役割を担うとされる。しかしながら、ビタミンCの生体内におけるカテコールアミン合成系への役割は不明な点が多い。そこで本年度は、ビタミンC欠乏状態のSMP30-KOマウスにおけるカテコールアミン濃度およびカテコールアミン生合成酵素の遺伝子発現の変化を調べた。結果、ビタミンCの欠乏した副腎においてアドレナリン、ノルアドレナリン濃度が減少した。従って、ビタミンCは生体内で確かにDBHの活性化に必要であることを明らかにした。本成果はEuropean Journal of Nutritionに投稿、受理された。更に、カテコールアミンが加齢依存的に生体内で減少するかを明らかにするため、野生型マウス副腎におけるカテコールアミン濃度、および合成酵素の遺伝子発現の加齢に伴う変動を調べた。本研究により、マウス副腎でカテコールアミン濃度およびアドレナリン合成酵素のフェニルエタノールアミンNメチルトランスフェラーゼの発現が加齢で減少することがわかった。本成果は、Geriatrics & Gerontology Internationa1に掲載された。
著者
中村 洋仁
出版者
首都大学東京
巻号頁・発行日
pp.1-84, 2017-03-25

首都大学東京, 2017-03-25, 修士(理学)
著者
久保原 大
出版者
首都大学東京
巻号頁・発行日
pp.1-224, 2019-03-25

首都大学東京, 2019-03-25, 博士(社会学), 甲第827号
著者
加藤 英寿 菅原 敬 可知 直毅
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

小笠原諸島南硫黄島は国内で最も謎に満ちた地であり、山頂部を含めた学術調査は過去2回実施されただけである。そこで2007年6月に東京都との合同で南硫黄島自然環境調査を25年ぶりに実施し、生物多様性の現状を把握すると共に、植物の集団遺伝学的・分子系統学的解析に基づく種分化過程の推定などを試みた。その結果、小笠原諸島に広く分布する種の場合、南硫黄島個体群は遺伝的に大きく分化していることなどが明らかとなった。
著者
古永 真一
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本申請研究では、これまでの申請者の研究成果をふまえつつ、バンド・デシネがフランス語圏においてどのように研究されてきたのかという問題について、記号論やナラトロジー、映画学、精神分析、社会学、さらにはアダプテーションやホロコーストといった重要なテーマによるバンド・デシネ研究を調査してその要諦を明らかにし、バンド・デシネ理論の多様な変遷を再構成することによって、マンガ研究やフランス文学研究におけるバンド・デシネ研究の意義を明らかにすべく調査を行った。具体的には、「ホロコーストとマンガ表現」、「バンド・デシネとアダプテーション」と題した二本の論文を執筆して発表した。
著者
石井 由香理
出版者
首都大学東京
巻号頁・発行日
2015-02-19

首都大学東京, 2015-02-19, 博士(社会学)
著者
小方 浩明
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

"Models for circular data from time series spectra"のプロジェクトでは、方向統計学で広く知られている密度関数の多くが、時系列解析におけるスペクトル密度関数によって表現できることを指摘し、また、ARMA(p,q)型のスペクトル密度関数から方向統計学におけるかなり一般的な密度関数を提言することを行った。論文は学術雑誌に投稿され、査読者から指摘された実データ解析を行った。具体的には、アメリカの風向データに対して、提案した複数のモデルを当てはめ、AICの意味でベストなものを示した。また、当初はARMA(p,q)の次数がp+q<=2の場合のスペクトル密度関数から方向統計学の密度関数を提案していたが、留数定理を用いることでp+q>2の場合でも正規化定数を計算でき、方向統計学の密度関数を与えることができた。"Frechet-Hoeffding copula bounds for circular data"のプロジェクトでは、二変量周期確率ベクトルのコピュラを考え、その上限(M_a)と下限(W_a)の形を与えているが、当初は「周期確率ベクトルのサポートが2π周期の意味でnondecreasing (nonincreasing) setになっているときにM_a(W_a)を達成する」という流れで証明を書いており、これでは確率変数が連続型の場合のみしか扱えていなかった。そこを、「周期確率ベクトルにおけるコピュラの同値類」という概念を作り、「circularにおけるコピュラ上限(下限)の同値類はM_a(W_a)で与えられる」という流れにすることによって、連続型、離散型を問わず議論することに成功した。
著者
菅間 敦
出版者
首都大学東京
巻号頁・発行日
pp.1-97, 2014-03-25

首都大学東京, 2014-03-25, 博士(工学), 甲第448号
著者
Aoki Kenji
出版者
首都大学東京
巻号頁・発行日
pp.1-83, 2019-03-25

首都大学東京, 2019-03-25, 博士(理学), 甲第846号
著者
森 雄矢
出版者
首都大学東京
巻号頁・発行日
pp.1-102, 2014-03-25

首都大学東京, 2014-03-25, 修士(工学)