著者
鳥海 基樹
出版者
首都大学東京
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は既に2002-2004年度の交付を受けた科研費研究の延長線上にあるが,我国で2004年6月に景観法が制定されたこと,また2005年度にいわゆる「まちづくり2法」の成立を見たことから,フランスに於ける景観街づくりと中心市街地(再)活性化の連関を,主に制度面から明らかに,それを如何にして我国の都市問題に応用してゆくかを考察した。成果として,フランスの学会で2度の発表できたことは,本研究が国内のみならず海外でも関心を引き通用するものであることを証明する。また,政策形成支援として国土交通省都市、地域整備局主催の景観評価委員会(委員長:浅見泰司東大教授)に於いて景観の費用便益分析に取り組んだ成果が報告書として刊行されただけではなく,新聞にもそのエッセンスを寄稿できた。これらの成果は,ふたつの発展を見せている。一方は,これまで保全に力点を置いてきた研究に再開発の景観街づくりを視点を導入しつつある点であり,他方は,屋外広告パネルを財源としたレンタサイクルの研究に拡がりを持たせている点である。
著者
新井 清美
出版者
首都大学東京
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は、プレアルコホリックを早期発見し、早期介入するためのアセスメントツールを作成することであった。この目的に沿って、平成24年度にはアルコール依存症者とその家族に行ったインタビュー調査から、プレアルコホリックに該当すると考えられる質問項目を抽出し、質問紙を作成した。この質問紙を用いて平成25年度には医療機関に所属する者、平成26年度にはアルコール依存症者とその家族の自助グループである断酒会に所属する者に対して質問紙調査を行った。これらの調査によりプレアルコホリックの段階を明らかとし、飲酒のリスクに応じた支援の在り方について検討を行った。
著者
石川 知広 大久保 康明 小川 定義 藤原 真実
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009-04-01

自己言及性は近年さまざまな分野で注目を集める概念であるが、これを方法として文学研究に応用する試みはこれまで殆どなかった。本課題においては、主にフランス近世文学に軸足を置きながら、モンテーニュ、パスカル、18世紀匿名出版文学などの分析を行い、本概念が有する豊かな可能性を浮き彫りにしようと努めた。具体的に言うなら、自己言及性の審級は、作者とテクストの関係のみならず、テクストのそれ自体への関係においても根源的なものであること、さらには、同時代の他のテクストとの間テクスト性も、テクストに内在する自己言及性によってはじめて可能になるのではないか、という見通しを立てることが可能になった。
著者
高桑 史子
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は、島嶼・沿岸・山村部に立地する過疎高齢社会において議論されている「脆弱性」の克服、自律性を維持するための戦略などの言説の検討と、実践されている自主防災組織や環境保全活動において、住民と多様な文化的・社会的属性をもつ「外部者」による働きかけの相互行為によって生成されてきた脱境界的・超境界的な共同体が創成される過程を明らかにすることを目的とした。実際に当該社会からの文化発信や地域の歴史・自然などの特色を生かした地域おこしの企画が内部者と外部者双方からの相互行為により行政も巻き込んで実践され、そこから強固な地域社会(共同体)が生成される過程が明らかになった。
著者
赤坂 文弥
出版者
首都大学東京
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

本研究の目的は、サービスに関する設計知識の再利用に基づきサービス設計支援を行う計算機環境の構築であった。初年度は、サービス機能の実体化に関する知識ベースを構築し、本知識べースを用いて設計支援を行うための方法を提案した。第二年度では、設計されたサービスをシミュレーションにより評価するための手法を開発した。本年度では、サービスをモデル化するための手法を新たに提案し、シミュレーション結果を用いて設計改善を行うことを支援可能とした。また、これら提案手法を設計プロセスとしてまとめ、設計方法論を構築した。本研究では、最終的に、以下の三点を明らかにした。(1)サービスを多様な利害関係者から成るシステムとしてモデル化する手法サービスを多様な利害関係者から成るシステムとして表現・モデル化するための手法を提案した。加えて、このモデルを用いて設計を進めるためのモデル操作方法を明らかにした。ここでは、初年度で提案した知識ベースによる設計者支援を適用することも可能である。(2)多様な利害関係者が受け取る価値を評価するためのシミュレーション手法多様な利害関係者が受け取る価値を評価するためのシミュレーション手法を提案した。本研究では、System Dynamicsを用いたシミュレーションにより、利害関係者間の相互作用を考慮した価値評価を実現した。(3)多様な利害関係者が高い価値を享受可能な実現構造を設計するためのサービスの設計プロセス多様な利害関係者が高い価値を享受可能なサービスの実現構造を設計するための「設計プロセス」を提案した。ここでは、サービスに係わる利害関係者が受け取る価値を、設計者が確認をしながら最終的な設計解を導出するための設計プロセスを構築した。また本研究では、提案した設計プロセスを複数の事例に適用し、その結果をもとに、提案した方法論の有効性を明らかにした。
著者
馬場 哲晃
出版者
首都大学東京
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

3年間の研究活動を通じ,論文誌5件,学会発表61件,知的財産5件の成果を残した.身体接触インタフェースでは,商品化4件を通じて,研究成果の周知浸透が実現できた他,福祉施設や教育施設における利用を実践した.
著者
権藤 智之
出版者
首都大学東京
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30

中国で萌芽期にある木造住宅生産の調査を行った。まず、中国の木造住宅生産の現状について木造建築技術応用研究報告(2013年)を翻訳し、推定される木造建築建設量や住民の意識を整理した。次に、木造建築教育施設3施設に対してインタビューを行い、1施設では木造建築を専門とした教育が行われていることを明らかにした。最後に、中国で木造住宅施工経験のある施工会社4社に対するインタビューを行い、中国の2社からは注文住宅を主とする住宅生産の特徴や技能者教育に対するカナダからの支援、日本の2社からは部品調達や技能者教育等での課題を明らかにした。
著者
松本 淳 久保田 尚之 藤部 文昭 林 泰一 山本 晴彦 財城 真寿美 寺尾 徹 村田 文絵 高橋 幸弘 山下 幸三 赤坂 郁美 遠藤 伸彦 森 修一 釜堀 弘隆 高橋 洋 山根 悠介 大塚 道子 遠藤 洋和
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-11-18

日本を含むアジア諸国における紙媒体や画像での日降水量データや台風経路等をデジタル化したデータセットを作成し、モンスーンアジア域における降雨強度の長期変化を解析した。その結果、日本では1930年以降、東北日本を中心に降雨強度が大きくなっていた。フィリピンでは1950年以降の夏季には強雨の増加傾向が、冬季には西海岸で乾燥の強化傾向がみられた。1940年代以前の傾向はこれらとは異なり、近年の変化傾向は数十年スケールでの変動の一部とみられる事、エルニーニョと地球温暖化の影響の両方の影響を受けている可能性が高い事がわかった。中部ベトナムでも近年の傾向と1940年以前の傾向に違いがみられた。
著者
石川 陽子 西郡 仁朗 安達 久美子 三枝 令子 成瀬 和子
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

EPA(経済連携協定)により来日したインドネシア人、フィリピン人を対象とした学習支援から、日本の看護師国家試験合格に向けた学習、異文化適応にかかる課題を明らかにした。英国におけるONP(外国人看護師研修)の視察から、教育機関と外国人看護師受入れ先の医療機関が連携して人材育成を行うシステムの日本への適用について検討した。
著者
長瀬 勝彦
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

われわれは,トロッコ問題として知られる「多数の人の命を救うために手を下して,その結果として少数の人の命を犠牲にすることは妥当かどうか」を問う問題における選択と回答者のパーソナリティーとの関係を調べた.測ったパーソナリティーは「自己受容」「自己実現的態度」「充実感」「自己閉鎖性・人間不信」「自己表明・対人的積極性」「被評価意識・対人緊張」,「ローカス・オブ・コントロール」,「認知的熟慮性/衝動性」,「楽観主義・悲観主義」である.結果についてスピアマンの順位相関係数を求めたところ,いずれの尺度とも5%水準で有意な相関は得られなかった.ただし,比較的強い相関を示したのは,「自己閉鎖性・人間不信(rs=0.43)」「ローカス・オブ・コントロール(rs=0.37)」「認知的熟慮性(rs=0.31)」の3つであった.自己閉鎖性・人間不信が高いほど,ローカス・オブ・コントロールが強いほど,また知的熟慮性が高いほど,功利主義的な傾向があるということになる.
著者
橋本 美芽 石橋 裕
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、都市部に居住する高齢者を対象に、「外出行動の特性」および「外出頻度に影響を与える住環境やまちづくり等の物理的環境因子」の抽出を目的とする。東京都荒川区に居住する高齢者を対象に郵送調査とヒアリングを行った。その結果、1)外出頻度への影響は、物理的環境因子よりも主観的健康感が強く、バリアフリー整備のみでは外出頻度の低下防止に効果を得にくい、2)外出頻度低下者は地域社会との交流が減少し日常生活の行動範囲が狭小化している、3)都市整備には、トイレの増設と分散配置、ベンチと休憩場所の増設が必要である、等が明らかになった。
著者
磯野 真由
出版者
首都大学東京
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

平成24年度は、昨年度に引き続き、マイクロビーム照射実験では、増殖期の神経幹細胞における細胞核へのプロトン照射粒子数に対する生存率について、結果の精度向上を図り、線量依存性を示唆する結果が得られた。また、照射粒子数100個を細胞核へ照射した際の、DNA損傷の修復およびアポトーシスの誘発率について評価した。DNA損傷の修復は経時的な損傷修復が見られ、アポトーシスの誘発率は非照射細胞と比べて有意な上昇が見られた。よって、マイクロビーム照射実験のDNA損傷およびアポトーシス誘発率については、線量依存性についてそれぞれの検討を行い、昨年度に得られたブロードビームX線照射実験の結果と比較することによって、細胞核または一細胞という標的の違いによる放射線感受性の違いについて明らかに出来るという方向性が見えた。X線照射実験については、今年度より、分化誘導条件で神経幹細胞を培養し、異なる分化段階でマイクロビーム照射実験と同等の照射線量で放射線照射を行い、分化効率への影響について検討を行った。異なる分化段階での照射によって、神経細胞への分化効率の違いが示唆された。細胞分化の際には主に細胞核DNAが関与しており、X線で示唆された分化段階の違いによる分化効率の違いは、DNA損傷の修復機構および修復関連因子、細胞周期制御因子に対する放射線の影響が関与していると考えられる。今後、マイクロビーム照射を用い分化誘導条件で細胞核照射を行い、DNA損傷修復に伴う関連因子と分化関連因子との相関の有無について検討していきたい。これは分化の程度、すなわち発生段階における放射線感受性の違いを解明する一つの手がかりとなり得る。
著者
小林 良二
出版者
首都大学東京
雑誌
人文学報 (ISSN:03868729)
巻号頁・発行日
vol.261, pp.115-131, 1995-03-20
著者
星野 信也
出版者
首都大学東京
雑誌
人文学報. 社会福祉学 (ISSN:03868729)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-31, 1990-10-31