著者
日比野 慶子
出版者
日本作業療法士協会
巻号頁・発行日
pp.282-289, 1992-08-15

要旨:25歳で発病し,3年5ヵ月の入院を経て退院した精神分裂病の症例に,2年2カ月余り作業療法を実施した.激しく多彩な強迫症状のために他者とのトラブルが絶えず,どこにも居場所のない症例であったが,現在は退院してデイ・ケア通所が続いている. 作業療法の経過の中で,症例とOTRの患者—治療者関係,すなわち対象関係の発展がみられ,それをMahler, M.の分離—個体化理論を治療仮説として考察した.また,症例にとっての活動の意義も考察した. 作業療法の原点は“活動を媒介とする患者—治療者関係の確立にある.”ということを改めて考えさせる症例であった.
著者
大西 季実 吉田 裕美 藤井 美代子 鈴木 まさ代 伊東 美緒 高橋 龍太郎
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.101-107, 2010-01-15

はじめに 精神科では、自殺・事故防止の観点から、入院生活に何らかの制限が設けられていることが多い。病棟内に持ち込む日常生活用品を制限することもその1つである。制限される物品としては刃物やガラス製品、ベルト、電化製品のコード、耳かき、爪楊枝、毛抜き、割り箸など多岐にわたる。刃物など明らかに危険な物品については、マニュアルなどに明文化され対応が統一されていることが多いが、危険度が必ずしも高いとはいえない耳かき、毛抜き、爪楊枝、割り箸などの取り扱いについては、病院・病棟により規定が異なる上、看護者の判断によっても対応に違いが存在するのではないだろうか。 縊死に関連した日常生活用品の持ち込み制限に関する田辺らの調査においても、コード、ネクタイ、針金ハンガーなどは持ち込みを許可する病棟と許可しない病棟がそれぞれ半数ずつであり、看護者が異なる視点で判断している可能性を示唆している*1。病棟内においても看護者間の考え方や対応の相違により混乱が生じることは多々あり、特に精神科の臨床では日常的に遭遇する体験であるという*2。病棟内の看護者間において価値観そして実際の対応方法が異なる場合、患者に混乱をもたらし、そこで働く看護者を悩ませる要因にもなりうる。 過度な物品管理、不必要な制限は患者の依存や退行を引き起こし、自立の妨げになる可能性があり、病棟生活を送る患者の生活の質(QOL)に影響を与えることが示唆されている*1。QOLや人権に配慮しすぎると事故の危険が高まる*3ものの、事故防止を優先しすぎると日常生活を送る上で不都合が生じる。看護師が事故防止を優先するのか、QOLを優先するのかによって日常生活用品の持ち込みの判断に影響が生じると予測される。 そこでこの研究では、①病棟内への日常生活用品の持ち込み制限と優先傾向(事故防止・QOLのどちらを優先するのか)との間には関連があるのか、②看護者のバックグラウンドと優先傾向との間に関連があるのかの2点を明らかにすることを試みた。
著者
吉新 通康
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.49-54, 2001-01-01

わが国におけるへき地医療対策の流れ 過疎対策法,離島振興法,山村振興法などの法律の適応される地域を一般的に「へき地」と呼ぶ.「へき地」は差別用語だとして,「地域」と呼ぶような向きもあるが,やはり「へき地」のほうがわかりやすい.日本には数多くの島々,そして急峻な山々が多い,これらの作り出す厳しい地形で地域が数多く分断され,集落が散在している.一方,急速な工業化により,これらの集落から若者が流出し,高齢化,過疎化が進行し,バスの便数が減り買い物や医療で不便を強いられ,さらに人口減が進むと,ますますへき地となる. わが国は国民皆保険制度で,自由開業制,出来高払いが特徴である.1,000名を割るような人口で,少子高齢化が進んでいて,受け持ち範囲が広く,しかも交通が不便な「へき地」では,事業リスクが高く,開業する医師はまずいない.一方,皆保険という医療制度上,サービスを受けられる体制を整備する必要があり,都市部に医師や医療機関が集中する中,市町村は山間へき地離島にも保健医療機関を設置する.が,医師たちはあまり行きたがらない.へき地の生活の不便さ,教育,文化施設などいろいろと不便だということもある.
著者
浅田 成也
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.423-428, 1958-06-01

I.緒言 私は広島静養院に在つて,院長松岡龍三郎博士の元に精神病患者に対するクロール・プロマジン(以下C.P.と略記)の治療経験を持つた当時,多くの例に於て,その副作用としてパルキンソン様症候並に松岡氏症候と称せられ,松岡博士が後にTorsionsdystonieと指摘した症候に屡々遭遇するに及んで,果してかかる症候を持つ疾患にC.P.を施行した場合には,如何なる現象が窺われるであろうかと云うことに関心を抱いた。当時既に,同じくフエノチアジン誘導体のデイパルコールが,抗パルキンソンニスムス剤として使用されていたことから,C.P.にはそのような作用が期待されていたが,精神病者に使用した経験からは,むしろ上記のような逆の現象を得たが,然しパルキンソンニスムス(以下パと略記)に対するC.P.の効果は或は何等かの改善を斉らしうるかも知れないとも期待した。
著者
小島 亜有子 久保田 敏昭 森田 啓文 田原 昭彦
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1519-1522, 2008-09-15

要約 目的:ステロイドレスポンダーの臨床的特徴の報告。対象と方法:副腎皮質ステロイドの点眼または内服で眼圧が5mmHg以上上昇し,かつ25mmHg以上になった17症例をステロイドレスポンダーと定義した。7例は全身投与,10例では点眼が原因であった。男性9例,女性8例で,年齢は15~82歳(平均49歳)であった。診療録の記述からその特徴を検索した。結果:屈折は右眼-3.58±2.72D,左眼-3.50±2.58Dであった。ステロイド投与開始から最高眼圧に達するまでの期間は,全身投与群では9.8±13.5か月,点眼群では10.5±12.7か月であった。最高眼圧は全身投与群31.7±5.3mmHg,点眼群40.6±13.7mmHgであった。眼圧の上昇率は全身投与群143.0±103.1%,点眼群154.1±100.9%であった。すべての項目で投与方法による有意差はなかった。全身投与群では両眼の眼圧が上昇し,点眼群では点眼側の眼圧だけが上昇した。結論:ステロイド投与では,点眼だけでなく全身投与でも眼圧が上昇することがあり,かつ長期の経過観察が必要である。
著者
佐藤 正之
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1370-1377, 2011-12-01

はじめに 音楽は聞くヒトに癒しや安らぎ,興奮を与える。行進曲やラジオ体操にみられるように,音楽が加わると運動の効率が高まることは,誰もが経験したことであろう。音楽を病気の治療に利用する試みは,これらの日常体験での印象を背景に持つ。さまざまな疾患や症状に対する音楽療法が試され報告されているが,エビデンス足り得る研究は少ない。本稿ではまず,音楽療法の歴史と定義について簡単に述べ,次にこれまでに報告されている高次脳機能障害ならびに認知症に対する音楽療法の取り組みを紹介する。なお,本稿で用いる“高次脳機能障害”は医学的な定義を意味しており,具体的には失語や失認,失行,健忘,注意障害,判断障害を指す。高次脳機能障害という用語をめぐる混乱と医学,行政上の各定義については,岩田1)の総説を参照されたい。
著者
川口 浩太郎
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.227, 2008-03-15

エンドフィールとは,関節を他動的に動かした時に最終域で感じられる抵抗感である.エンドフィールは正常関節でも感じられるものと,痛みや関節可動域制限に関連した異常なものに分けられる.この概念はイギリスの整形外科医Cyriax1)により軟部組織損傷の診断手技の1つとして紹介され,その後,徒手療法を行う理学療法士によりいくつかの分類がなされている2).本稿ではMageeによる分類3)に従って解説する.
著者
原 萃子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.76-85, 1988-02-25

ここ数年来,学術研究の国際交流が学術審議会の答申1)などの影響もあってか,従来の一方交通的かつ先進国志向の交流のみならず,国際協力という意図を強化した交流のあり方が考慮されるようになってきたと身近なところで感ずる. 新潟大学医療技術短期大学部(本学)は,1986年の年の瀬もおしせまった12月24日,私たちにとっては正に近くて遠い国であった大韓民国々立清州専門大学(〒310忠清北道清州市司倉洞山53番地)と姉妹校関係の調印式を行い,主として看護学の領域で交流を深めていくことになった.
著者
芦原 義弘
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.97-98, 1990-01-15

臨床検査に用いられるアルカリホスファターゼの基質としては,従来より比色測定用のp-ニトロフェニルリン酸(PNP)が知られている.また,高感度基質としては4-メチルウンベリフェリルリン酸(4MUP)が一般的である.これらは臨床検査の分野では生化学のみならず,免疫血清でのEIAの標識酵素であるアルカリホスファターゼの基質として利用されている.一方,EIAにおける迅速,高感度化にともない,化学発光あるいは生物発光法が注目されている.本稿では,最近報告されたアルカリホスファターゼの新規な化学発光基質(AMPPD)の反応原理,その特徴,応用について述べる. 1988年,米国のDr.Bronsteinらは,アルカリホスファターゼの安定な化学発光基質3-(2'-spiroadamantane)4-methoxy-4-(3"-phosphoryloxy)phenyl-1,2-dioxetane(AMPPD)を合成した1).その構造は図1の(Ⅰ)に示すように,ジオキセタンに結合するフェニルリン酸とジオキセタン骨格を立体的に安定化させるアダマンチル基よりなる.このAMPPDは酵素により加水分解されて,比較的不安定な中間体(Ⅱ)となる.この化合物はアルカリ溶液中でジオキセタン骨格が開裂して,1重項励起状態のm-ヒドロキシ安息香酸メチルエステル(Ⅲ)とアダマンタノンになる.この励起化合物(Ⅲ)は波長470nmの光を発して基底状態に戻る.この反応は酵素で励起化合物の生成をくり返すため,酵素反応時間20分~30分で発光量がプラトーになる増幅型となっている.アルカリホスファターゼのこの基質に対するKm値は2×10-4mol/lであってPNPや4MUPと類似しており,基質の親和性にアダマンチル基は影響していない.
著者
島田 信宏
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.631, 1976-10-25

前回までは3回にわたり,CPDの診断までの過程を解説してきました。その妊産婦が完全にCPDであると診断されたような場合,帝王切開術が唯一の分娩様式となります。しかし実際には,このような症例よりもCPDかどうか判定に苦しむ症例,たとえば,児頭計測値は9.5cm,TCの値は10.4cmで,その差0.9cmといったような場合は,ほんとうにCPDといって,帝切のみがこの症例の唯一の分娩様式といい切れるのかどうか,誰でも疑問に思えてくることでしょう。 そこでこのような場合CPDと明確に判定できないという理由で,borderline caseとして,一応経腟分娩を試みてみる。そしてそれが駄目なら帝切にするという方式をとります。このような分娩形式を試験分娩test of laborといいます。もしそれが不可能ならいつでも帝切にきりかえられるように,その準備も同時にしておかなくてはなりませんので,経腟分娩,帝切と2つの異なった分娩様式のセットを同時に作らなくてはならなくなります。この両者同時の準備をdouble set-upと呼び,試験分娩を行なう時は,いつでもこの体制でのぞまなくてはならないとされています。
著者
佐藤 謙伍 小林 聡幸 齋藤 暢是 佐藤 勇人 須田 史朗
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.339-345, 2019-03-15

抄録 高齢化社会の現在,精神科病院での看取りが増えている。本稿では栃木県内の精神科病院(282床)の20年間(1996年1月〜2015年12月)の計251名の死亡診断書を調査し,器質性精神障害(F0圏)と統合失調症(F2圏)の入院患者の死因について比較した。精神科的診断はICD-10分類でF0圏が115名,F2圏が79名,その他が23名,記載がないのが34例であった。F0圏の患者の死因では呼吸器感染症が63%と最多であった。F2圏の患者では呼吸器感染症が39%と最多で,悪性腫瘍,消化器疾患,突然死がそれに続いた。死亡時年齢はF0圏に比してF2圏では約10歳若かった。F2圏では抗精神病薬の長期使用や,患者など種々の因子が患者の予後に影響していることが他研究から推察されるため,さらなる研究が望まれる。
著者
松田 睦史 岡林 剛史 中川 健 長谷川 博俊 鶴田 雅士 北川 雄光
出版者
日本内視鏡外科学会
巻号頁・発行日
pp.275-281, 2016-05-15

◆要旨:患者は60歳代,男性.便潜血陽性を主訴に近医を受診し,大腸内視鏡検査で直腸癌(Ra, cT1b, N0, M0, cStageⅠ)を認めた.また,PSA高値のため行った針生検では,前立腺癌(T2c, N0, M0, StageⅡ)も合併していた.低侵襲性を考慮し,根治術を同時に施行する方針となった.手術はまず,後腹膜アプローチで前立腺全摘および両側閉鎖リンパ節郭清を行った.その後,腹腔内アプローチで低位前方切除,D3リンパ節郭清を行い,回腸人工肛門を造設した.術後経過は良好であり,第11病日に退院となった.直腸癌,前立腺癌の同時性重複癌に対し,同時に腹腔鏡下手術を施行した報告は少ない.自験例は腹腔鏡下に手術を行うことで患者に負担が少なく,低侵襲に同時根治切除を施行することができた.
著者
阿部 和夫
出版者
南江堂
巻号頁・発行日
pp.730-732, 2010-04-01

30歳女性。患者は閃輝暗点と失語性言語障害後に頭痛が出現し受診となった。これまで10歳代より数回の発話困難が出現したが、頭痛や片麻痺などの神経症状は認めなかった。今回、受診時、神経学的所見や頭部MRI、MRAでは異常所見は認められず、失語性言語障害が「頭痛のない片頭痛」に伴う前兆であったと診断された。
著者
杉谷 繁樹 野口 耕司 松下 睦 下地 昭昌 柴田 博次 赤星 義彦
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.987-989, 1989-08-25

抄録:22歳男子で両側性に長母趾屈筋腱腱鞘炎があり,右側は狭窄性腱鞘炎が著明で疼痛を伴った弾撥現象及びlockingを生じたため腰麻下に腱鞘切開術を施行して良好な結果を得られた.手術時所見は他の報告例のほとんどが示すように,踵骨載距突起下の線維性pulley内で腱は著明に変性して紡錘状に肥大しており,これが弾撥現象の原因と推察された.また変性部位には比較的新しいと思われる縦断裂を認めた.この弾撥現象は14歳頃に発現しており,この発生機転には明らかにスポーツの関与(短距離走)が考えられ,長母趾屈筋腱が繰り返しbowstringの作用を受けたため腱の変性を生じたものと推察される.主にクラシックバレエによる障害として同様の報告が散見されるが,他のスポーツを含めて一種のスポーツ障害として本障害を念頭に置く必要があろう.
著者
今村 明 金替 伸治 山本 直毅 船本 優子 田山 達之 山口 尚宏 黒滝 直弘 小澤 寛樹
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.679-686, 2017-07-01

近年,統合失調症をはじめとしたpsychosis への移行が危ぶまれる状態を,「精神病リスク状態at︲risk mental state( ARMS)」と呼ぶことが増えており,それについて盛んに研究報告がなされている.ARMS は「脆弱性グループ」「減弱精神病グループ」「短期間間欠型精神病症状グループ」の₃ つのグループで構成される.ARMS は,必ずしもpsychosis へと移行していくものではないことがわかってきており(移行は₃₀〜₄₀%程度),それ自体に対応を必要とする状態像の一つとして考えられている.ARMS に対しては,まずは心理社会的治療が推奨されるが,早期に薬物療法を開始する場合もある.
著者
山田 純生
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1399-1410, 2012-11-10

はじめに 心臓リハビリテーションは,これまで急性心筋梗塞(acute myocardial infarction;AMI),あるいは急性冠症候群(acute coronary syndrome;ACS)や心臓血管外科術後患者が主な対象とされ,特にAMIに対する運動リハビリテーション介入はほぼ確立されたプログラムとして臨床に普及が進みつつある.一方で,最近,心臓リハビリテーション対象に加わった慢性心不全(chronic heart failure;CHF)は,病態が多岐にわたる分,詳細な病態評価に基づき介入を個別化することが求められるが,その具体的な方法論は示されておらず,運動リハビリテーション介入をCHFの管理方策として位置づけする障壁ともなっている. そこで,本稿では,AMIについては長期予後を改善する考え方を述べるにとどめ,主にCHFの運動リハビリテーション介入による予後改善効果の基本的考え方を,心肺運動負荷試験(cardiopulmonary exercise testing;CPX)の予後指標と関連づけて解説したいと思う.
著者
蓮沼 直子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.627-631, 2020-05-15

医師としては非典型的なキャリアを歩んできたと自覚している。初めての出産・子育てを留学先の米国で行い、帰国後は出産・子育てによる数年間の離職後にフルタイム復帰、そして仕事の主軸を「皮膚科医」から「医学教育」へとキャリアシフトした(表1)。現在は、医学教育を中心に、縮小はしているが皮膚科医としての臨床も継続しており、いわゆる“パラレルキャリア”なのかなと思う。医師のキャリアとしてはあまり参考にならないかもしれないが、私自身がターニングポイントにどのように向き合ってきたのか、振り返ってみたい。少しでも読者の先生方の参考になれば幸いです。
著者
田辺 有理子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.282-285, 2020-05-15

患者ミーティングでの出来事 Aさんは40代の女性。パーソナリティ障害の診断を受けていました。入院となった背景には人間関係のトラブルなどもあり、なかなか退院の見通しがつかずに数か月が経っていました。医療者に対して無茶な要求をしてきたり、要求が通らないと癇癪を起こしたりして、年齢のわりに考え方や行動が幼く、実のところ何かと厄介な患者さんという印象でした。 この病棟では、定期的に患者ミーティングを行っています。患者さんからの要望などを聞く、あるいは患者さんの入院生活の困り事を一緒に考えるという取り組みです。現状は、患者さんの中での病院に対する不満や改善の要望を出す場という感じで、患者さんにとっては、「ご意見箱」に書くほどでもないことも手軽に話せる場として受け取られていたかもしれません。少しずつ定期的に開催されるミーティングが定着しつつある頃でした。
著者
和田 耕治
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.288-292, 2020-05-15

【ポイント】◆2020年東京オリンピック・パラリンピック(東京2020)に関する主な健康リスクは感染症と熱中症であり,医療体制の整備が求められる.◆大会の開催地だけでなく,ホストタウンやキャンプ地も含めた全国的な対策が求められる.◆大会を乗り越えるだけでなく,その後にもレガシー(遺産)として残るような取り組みが求められる.