著者
竹内 聖悟 林 芳樹 金子 知適 川合 慧
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2006論文集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.56-63, 2006-11-10

本稿では、勝率と評価値の歪みに基づいた評価関数の調整法を提案し、将棋を例題に、本手法の有効性を示す。評価関数の調整は強いプログラムの作成に不可欠であるが、どこに問題があるか発見することや評価値を適切にあたえることはゲームの知識が必要であり困難が多い。本研究では、評価関数に問題がある局面では勝ち易さを適切に評価できず、勝率と評価関数との関係に歪みが生じていることに着目し、条件毎に勝率と評価値のグラフを描くことにより評価関数の問題点をを発見することを提案する。本手法を将棋において先手と後手の進行度差がある局面に対して用い、プレイヤ毎の進行度を評価しない評価関数には問題があることを示した。さらに、その問題を解決するため、進行度差を評価に含めた評価関数を設計し、値の自動的な調整を行った。そして、自己対戦によって調整後のプログラムの棋力の向上を確認し、本手法の有効性を示した。
著者
堀口祐耶 市川尚 窪田諭 阿部昭博
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.715-717, 2013-03-06

近年地震などの災害により, 被災地だけでなく被災地周辺の観光地においても風評被害を受けている. 東日本大震災では,多くの観光地において風評被害の影響を受けた. しかし, 風評被害に対する活動を報告するするサイトは多く見られたが, これらの活動についてまとめているサイトや風評被害に関する研究は少ない.そこで, 筆者らは観光提供側を対象に過去に発生した観光への風評被害の事例を紹介し, 風評被害の理解を深めてもらうことを目的としたポータルサイトの研究を行ってきた. 本稿では, 新聞データベースの分析を通して, 観光風評被害事例データの分類・収集方法およびメタデータの再構築について考察を行う.
著者
島村 徹平 井元 清哉 宮野 悟 Shimamura Teppei Imoto Seiya Miyano Satoru
雑誌
データマイニングと統計数理研究会(第 7 回)

Statistical modeling based on vector autoregressive model has been considered as a promising tool to reconstruct large-scale gene networks from time course microarray data. However, it remains a challenging problem due to the small sample size and the high-dimensionality of time course microarray data. We present a novel regression-based modeling strategy with a new class of regularization, called recursive elastic net. Numerical simulations and real data analysis show that the proposed method outperforms other traditional methods.
著者
福田賢一郎 濱崎雅弘 福原知宏 藤井亮嗣 堀田美晴 西村拓一
雑誌
研究報告知能システム(ICS)
巻号頁・発行日
vol.2014-ICS-176, no.9, pp.1-6, 2014-07-15

介護の現場では記録作成業務の負荷が高いことが指摘されおり,特に被介護者の家族からの依頼や従業員の気付きなどサービス品質向上に不可欠な 「申し送り」 がノートなど紙面で行われている.我々は実践コミュニティからの要望に基づきながら,実践コミュニティ主体での申し送り業務支援システムの開発をしている.本発表では我々の提案システムが介護現場へ本格導入された事例を報告するとともに,従来のノートを用いた紙面による申し送りをすべて廃止し提案システムだけで運用した申し送り業務のデータと従来の紙面によるものとを比較した結果を考察する.
著者
渡辺 治
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.494-496, 2010-05-15
著者
佐藤 佳州 高橋 大介
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.6, pp.135-142, 2011-10-28

近年,ゲームプログラミングの分野において機械学習は急速に発展しており,評価関数の重みの決定,探索深さの調整,モンテカルロシミュレーションにおける指し手の予測など,幅広い課題に対して有効であることが示されている.現在のゲームプログラミングにおける機械学習は,あらかじめ評価項目(特徴)を用意し,プロの棋譜などを基にその重みを学習するというものが主流である.このような手法は,人間では調整できないような膨大な数の特徴に対しても,自動的に適切な重みを算出できるという利点がある.一方で,学習に用いる特徴自体は人間が手動で設計する必要があり,性能を決定する大きな要因となっている.現在,特徴の設計に関しては,人手による試行錯誤的な調整が行われているが,機械学習に有効な特徴を手動で生成することは一般的に非常に困難な問題である.本論文では,この問題を解決するため,特徴の自動生成と機械学習の重み付けを組み合わせることにより,有効な特徴を生成する手法を提案する.具体的には,機械学習の反復計算の過程に特徴の生成を組み込むことで,性能の向上を目指す.実験の結果,提案手法が現在ゲームプログラミングの分野で用いられている各学習手法において有効であることを示した.
著者
佐藤 真史 穴田 浩一 堤 正義
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2013論文集
巻号頁・発行日
pp.110-113, 2013-11-01

囲碁の局面評価には様々な種類があり,そのために用いる特徴も同様である.一局を通して利用できる評価関数の構築には,それらを同じ形式で表せる必要がある.本論文で提案する評価写像の一般形のモデルである戦術写像は,xy 座標表現や石同士の相対位置,また連のダメ数など多岐にわたる特徴をグラフ理論の価数などを用いることで同一の演算で表現する.さらに,そのモデルの応用の一つとして,特徴の自動生成アルゴリズムを構築し,その有用性を検証する.
著者
東中 竜一郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.904-907, 2014-08-15
著者
鈴木 理沙 深澤 彩 岡田 謙一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.1909-1917, 2014-08-15

人間の五感の1つである嗅覚を通して得られる情報は,情動や記憶へ直接作用するといわれている.そのため,映像に香りを付加することにより臨場感を高める効果が期待され,映画館などで香りによる演出が施されることがある.映像に香りを付加する場合,視聴側では映像の再生と香りの提示を同期させる必要がある.また,制作側では映像の内容に合致した香りを付加する必要がある.視聴側に関しては,字幕放送を利用する方法など映像と香りを同期させる手法が提案されている.一方で,制作側に関してはあまり着目されていない.そこで,本研究では香りが付加された映像を制作する側に焦点を当てる.制作側は,シーンに合わせて変化する動的な香りを「デザイン」する必要がある.そのため,我々は映像と同期させる香りをデザインするためのツールを構築し,容易に香りが付加された映像の制作を可能にする.テレビの映像にも対応させ,家庭のテレビにおいて香りの付加された映像の視聴が可能になることをめざす.そして,視覚や聴覚だけでなく嗅覚を用いた映像の演出を実現し,家庭などで身近に映像とともに香りを楽しむことが可能になることを期待する.
著者
竹中 姫子 古宮 嘉那子 小谷 善行
雑誌
研究報告情報基礎とアクセス技術(IFAT)
巻号頁・発行日
vol.2011-IFAT-102, no.1, pp.1-6, 2011-03-21

Twitter ではハッシュタグという,自分の投稿 (ツイート) に則した内容のインデックスをつける機能が提供されている.本研究ではハッシュタグのついていないツイートにたいしてハッシュタグを推定することを目的とする.そこでハッシュタグのついたツイートを学習し,そしてあるツイートがどのハッシュタグに属するかの推定を行った.分類器としてベイジアンフィルターを使用し,それぞれのタグについて 2 値分類を行い,複数のハッシュタグの推定を行った.実験では 50 種類のハッシュタグのつきの約 4 万件のツイートを学習データとして使用した.ツイート文にベイジアンフィルターを適用する場合は既知語に限定して処理を行うことで良い結果が得られるとわかった.
著者
宇都宮 奈美 濱田 初幸
出版者
九州地区国立大学間の連携に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
研究論文集-教育系・文系の九州地区国立大学間連携論文集- (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, 2009-03

2001 年より講道館・全日本柔道連盟の合同プロジェクトとして,「柔道ルネッサンス」が立ち上げられた。これは柔道の原点に戻り,人間教育に重点をおいたプロジェクトである。その小委員会のひとつに「障害者との交流・支援」というものがある。これにはパラリンピックの支援や,障害者柔道の発展が含まれている。しかしパラリンピックでは視覚障害者のみを対象にしているのが現状である。某地域の2 つの施設では知的発達障害者を対象に,柔道稽古を行っている。その柔道稽古の結果,柔道の稽古により知的発達障害者は,挨拶,礼儀,他人を思いやる心等の,社会生活に必要な態度や能力など発達を助長することが明らかになった。また柔道という感動体験から生まれる柔道詩からも,言語力・観察力等の教育的・療法的効果が窺えることが示唆された。
著者
高槻 成紀 宇根 有美
出版者
麻布大学
雑誌
麻布大学雑誌 = Journal of Azabu University (ISSN:13465880)
巻号頁・発行日
vol.21/22, pp.117-122, 2011-03-31

An exhibition entitled as “Hands and legs of mammals: the morphology and variations” was held at Azabu University from June to September, 2010. Bones were chosen from many specimens preserved at the specimen store at Azabu University. At the introduction corner, a cat specimen was exhibited in order to explain the principle of mammal body morphology. At the “hindleg corner”, hindlegs of six terrestrial mammals were exhibited. The visitors could compare the “lifting heels” and simplification of the legs in “running” mammals. At the “foreleg corner”, forelegs of a dolphin and a Japanese macaque, whole body of a bat, a flying squirrel, and a mole were exhibited. This corner showed how the mammal forelegs are modified according to the differences in life styles of the animals. At the “femur corner”, femurs of six species of terrestrial mammals were exhibited. This corner told the femurs of larger mammals are more robust than those of smaller mammals, which is explained by physical reasons. At the last corner, forelegs of a giraffe, an elephant, and a horse were exhibited to emphasize the differences of the size and shape as “long”, “gigantic”, and “simple” bones. All the specimens were arranged on boards of deep blue backgrounds which are contrastive to whitish bones, and Chinese kanji letters to symbolize the functions of the bones were laid out.