著者
栗原 裕基
出版者
金原一郎記念医学医療振興財団
巻号頁・発行日
pp.146-150, 2021-04-15

神経堤(あるいは神経冠)(neural crest)は,脊椎動物の胚発生において神経外胚葉と表皮外胚葉の境界に生ずる幹細胞集団である1)。神経堤細胞は,神経板から神経管が形成される過程で,その辺縁から上皮間葉転換(epithelial to mesenchymal transition;EMT)を経て遊走し,知覚および交感神経細胞やグリア細胞,副腎髄質細胞,色素細胞のほか,頭部では骨,軟骨,歯牙,血管平滑筋など間葉系組織の構成細胞に分化する。神経堤は間葉系細胞への分化の有無により,前後(頭尾)軸に沿って頭部(cranial)神経堤と体幹部(trunk)神経堤の2つの領域に大きく分けられる。ニワトリ胚ではその境界は第3-4体節間に相当する。この境界前後(第1-7体節)と最後尾(第28体節以降)の領域からは腸管神経叢を形成する迷走神経が派生し,それぞれ迷走(vagal)・仙骨(sacral)神経堤として区別されることもある(図1)。神経堤の発生異常は,頭部顔面形成異常やヒルシュスプルング病,先天性中枢性低換気症候群などの先天性疾患を来すことが知られており,神経堤細胞に起源を有する神経芽腫や神経線維腫症などの腫瘍性疾患も含めて,神経堤症(neurocristopathy)と総称されている2)。
著者
秦野 悦子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.p160-168, 1979-09

3歳から6∼7歳のいわゆる就学前後期の言語獲得途上における子どもについて,提題助詞「は」,および主格助詞「が」の使用と文中での意味理解を,模倣完成課題を用いて研究した。 聴覚刺激として雑音挿入の不完全文(18文)と,操作を加えていない完全文(10文)を用い,課題解決の手掛りとして,補助的に絵カード(9枚)を提示した。被験者に文の直後模倣再生を求めた。 主な結果は次のようなものである。 1,「が」は「は」より早期に習得され,「は」の正しい使用は就学後の子どもに認められる。 2,6才以上の子どもは,旧情報や,人の感情とか情緒が加わる判断の記述,また,一般に固定した観念の描写の際に,「は」使用を行う。 3,4才以上の子どもは,新情報や,現象の記述,また,眼前描写の際に「が」使用を行う。 4,「は」「が」の習得水準として,次のような段階が示唆される。 水準1:課題文の意味をまったく理解しない段階,つまり,無発話だったり,課題文と無関係な発話をしたり,課題文中の一部の要素を取り出して発話する段階である。 水準2:完全文課題が与えられた場合「が」使用はできるが,その他の場合,助詞欠如,乱用をする段階である。 水準3:完全文課題が与えられた場合,「は」「が」の使用はできるが,不完全文課題では,助詞欠如,乱用,をする段階である。 水準4:2つの助詞を一貫した使い分け基準により使用できる段階である。またこれは,成人の使い分け基準と一致している。 5,「名詞(句)+は+名詞(句)+が+述部」型文は子どもにとっても日常生活で習慣的に使われている型だと認められた。また,旧情報を伝える時,「名詞(句)+は」の省略傾向は,子どもにおいても認められた。
著者
岡本 仁
出版者
金原一郎記念医学医療振興財団
巻号頁・発行日
pp.43-47, 2019-02-15

脳は経験に基づき内部モデルを構築し,外界の現状と未来を予測する(予測符号化)。認知が脳内の階層的回路を可塑的に変化させて,トップダウンな予測をボトムアップな外部感覚入力と一致させる過程であるのに対して,目的達成行動は自身が行為を加えて外界を変化させることによって,ボトムアップな感覚入力を人為的に変化させ,トップダウンな予測情報に一致させる過程である(能動的推論)。内部モデルの構築とその役割を解明することは,多岐にわたる高次脳機能の作動原理を解明するうえで最も重要な課題である。 この総説は,筆者が執筆に加わった「日本学術会議提言,脳科学における国際連携体制の構築—国際脳科学フロンティア計画と国際脳科学ステーションの創設—」1)のなかで筆者が執筆した内容と一部重複する。本総説が,読者の皆さんがこの提言の全体を広く読んでいただく契機ともなれば幸いである。
著者
高橋健自著
出版者
大岡山書店
巻号頁・発行日
1927
著者
高橋健自著
出版者
聚精堂
巻号頁・発行日
1925
著者
高橋健自著
出版者
思文閣
巻号頁・発行日
1975
著者
高橋健自 石田茂作共著
出版者
雄山閣
巻号頁・発行日
1927
著者
高橋健自著
出版者
大鐙閣
巻号頁・発行日
1927
著者
高橋健自著
出版者
冨山房
巻号頁・発行日
1911

1 0 0 0 高橋健自集

著者
坂詰秀一編
出版者
築地書館
巻号頁・発行日
1971

1 0 0 0 鏡と劔と玉

著者
高橋健自著
出版者
冨山房
巻号頁・発行日
1931