著者
北山 大輔 宮本 節子 角谷 和俊
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.65-81, 2010-12-21

近年,オンライン地図をはじめとする地図サービスが多く提供されるようになってきている.ユーザはこれらの地図サービスを用いて,旅行先や飲食店を探すなど,興味がある地理オブジェクトを探索する.しかしながら,これらの地図サービスにおいて地理オブジェクトの表示様式は,地図の提供者により決定されている.一方,地図を利用する目的はユーザにより異なり,すべてのユーザが同じ情報を求めているわけではない.そのため,状況に適合し,かつ,ユーザの意図に沿った表示オブジェクトを呈示する手法が必要とされる.そこで,本研究では,地図上の表示オブジェクトをカスタマイズする手法を提案する.本手法では,オンライン地図のユーザ操作と表示オブジェクトの出現パターンによりユーザの意図を抽出し,ユーザの意図に沿った表示オブジェクトを決定する.すなわち,ユーザの地図上での目的オブジェクトの発見支援を行うために表示オブジェクトをカスタマイズした地図を呈示する.本稿では提案手法に基づきプロトタイプを作成し,評価実験を行った.
著者
吉田 年雄
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.1394-1401, 2010-08-15

本論文では,$x M^{2}_{u}(x)=x\{J_{u}^{2}(x)+Y_{u}^{2}(x)\}$について,変数$x$が大きい場合の能率的な計算法を提案している.ここで,$J_{u}(x)$および$Y_{u}(x)$はベッセル関数である.$xM_{u}^{2}(x)$は$xM_{u}^{2}(x)=(1/\sqrt{t})M_{u}^{2}(1/\sqrt{t})=f_{u}(t)$のように書くことができ,$f_{u}(t)$は,微分方程式$8t^{3}f_{u}'''(t)+36t^{2}f_{u}''(t)+\{(26-8u^{2})t+8\}f_{u}'(t)-(4u^{2}-1)f_{u}(t)=0$を満足する.上式に$\tau$法を適用すると,$f_{u}(t)$の近似式が求められ,式の変形や工夫を行うことより,能率的な計算式が得られる.
著者
倉門 浩二 大石 哲也 長谷川 隆三 藤田 博 越村 三幸
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2010-DBS-150, no.12, pp.1-8, 2010-07-28

近年,インターネットの普及に伴って,膨大な文書を閲覧することが可能となり,適切な文書を探すために検索エンジンを利用する機会が多くなっている.しかし,検索エンジンを利用しても,求める情報を得ることが難しい場合も多い.本研究は,Wikipedia のリンク情報やカテゴリ構造を解析することで,検索クエリの関連語を抽出し,検索結果の適切なリランキングを行うことを目的としている.
著者
高久 雅生 江草 由佳
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2010-DBS-150, no.14, pp.1-6, 2010-07-28

学術論文との出会いを促すツール 「ふわっと関連検索」 を提案する.国立情報学研究所が提供する論文データベース CiNii API を対象とした検索ツールを通じて,その有効性を示す.本手法の特長は,類似文書検索機能をもたない従来型の論文データベースに対して,特徴ベクトル抽出と検索クエリ発行方法を工夫することにより,簡易的な類似文書検索を実現する点にある.本稿では,新聞記事サイトに対する評価実験と検索結果例の分析を示し,論文との新たな出会いを得るための検索ツールの可能性を示す.
著者
カンウィパーラートサムルアイパン 中村 聡史 渡辺 知恵美
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2010-DBS-150, no.15, pp.1-8, 2010-07-28

日本では料理や味覚を擬音語,擬態語を表すオノマトペを用いて 「ふわふわケーキ」 のように表現することが多い.そこで我々は,オノマトペを利用した料理レシピ推薦システムの開発をしている.これまで,オノマトペとレシピ用語の一対一の関連を求めてオノマトペをキーワードにしてレシピを検索するシステムを開発した.今後は,複数の用語やオノマトペと用語の組合せでも検索できるようにすべきである.そこで,本研究はオノマトペと用語の集合の関連を求め,これらの結果に基づいた検索システムのインターフェースを提案する.
著者
竹内郁雄
雑誌
情報処理学会研究報告プログラミング(PRO)
巻号頁・発行日
vol.1978, no.16(1978-PRO-005), pp.1-28, 1978-08-21
著者
小林加織里 北山大輔 角谷和俊
雑誌
平成22年度情報処理学会関西支部支部大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, 2010-09-22

本研究ではストリートビューを再利用するための編集システムを提案する.システムでは,ストリートビュー操作からユーザ意図を抽出することにより,ユーザが重点を置いている箇所を特定し編集を行う.
著者
溝渕 正剛 坪川 宏
雑誌
研究報告知能システム(ICS)
巻号頁・発行日
vol.2010-ICS-161, no.3, pp.1-6, 2010-11-15

ユーザが着目したキーワードを用いて収集した情報から形態素解析,共起頻度などの情報を利用しキーワードの抽出を行い,それらの関係性を利用してグループを生成する.ユーザは作成されたグループの中に分類されたキーワードから気になる語を選択する.システムはユーザが選択した気になるキーワードを中心に情報の再抽出を行い,着目したキーワードとつながりがあるが埋もれていた語の抽出を行う.
著者
後藤 清豪 高田 秀志
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2010-DBS-151, no.41, pp.1-8, 2010-11-05

現状のウェブでは検索エンジンや推薦アルゴリズムの発達により,求める情報を容易に得ることが可能である.しかし,明確に求めているわけではないが,与えられれば好奇心が刺激されるような情報である「意外な情報」を得る手段として確立されたものはない.一方で,日常生活においては,人との交流や会話などから「意外な情報」を偶然得られることがある.そこで本研究では,ソーシャルメディアにおいて,意外な情報の提供者になり得る人物を推薦する手法を考える.その一つとして,ソーシャルメディア上のユーザの行動から,被推薦者にとって意外な情報の提供者となり得る人物を推薦する手法を提案する.また,本手法をTwitterを対象として実装し,推薦した人物が被推薦者にとって意外な情報の提供者になり得るかどうかを,他の人物推薦システムと比較して検証する.
著者
田代 祐一 大石 哲也 越村 三幸 藤田 博 長谷川 隆三
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2010-DBS-151, no.40, pp.1-6, 2010-11-05

Web上の情報が増大するにつれ,ユーザが望む情報を推薦したり,フィルタリングしてくれるような技術の必要性が高まっている.近年,普及しているソーシャルメディアのひとつにソーシャルブックマークがあるが,このソーシャルブックマークにおけるあるユーザのブックマーク情報はユーザの嗜好に基づいてフィルタリングされた情報とみなすことができる.そこで,本研究では特定のトピックについて有用な情報を多くブックマークしているユーザを発見し,推薦する手法を提案する.
著者
北山 大輔 李 龍 角谷 和俊
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2010-DBS-151, no.35, pp.1-8, 2010-11-05

ある目的地への行き方を調べるなど旅行の計画を立てる時に,デフォルメ地図は頻繁に利用される.しかしながらデフォルメ地図は過剰な編集や誤った編集によって,ユーザに誤解や誤情報を与えることがある.そのため,地図の信憑性を分析し,デフォルメを評価する手法が必要となる.デフォルメ地図の種類によって,許容される編集と許容されない編集があると考えられる.例えば,道案内をするための地図であれば,参考として書かれている周辺のオブジェクトの位置関係は誤っていても許容されるが,経路上のオブジェクトの位置関係は正確でなければならない.このように,デフォルメの評価はデフォルメの種類ごとに異なると考えられる.そこで本研究では,デフォルメ地図に記載されているオブジェクトの空間的な配置の特性と,表示されているオブジェクト間の意味的な関係に基づきデフォルメ地図を分析する手法を提案する.
著者
岡田 崇 湯本 高行 新居 学 高橋 豐
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2010-DBS-151, no.33, pp.1-8, 2010-11-05

本論文では,Web 上での概念間の共通性に基づいた比較可能性の判定を行う手法を提案する.比較可能性とは概念が持つ重要な特徴が共通しているかどうかを表すものであり,似ているかどうかを表す指標である類似性とは異なる.概念は一般的な言葉を複数用いて説明できる語であり,その説明には他の概念や説明語を用いて表現される.説明語とは一般的に用いられる言葉のことで,それ以上の説明が不要な語である.本研究で扱う概念は商品や機能などに限定している.比較可能性の判定には,概念と説明語から生成した重み付き有向グラフを用いて行う.具体的には,概念の持つ特徴などを説明している文から重要な語を抽出し,それらの集合の関係から判定を行う.提案手法の有用性を評価するために,評価実験を行った.実験により,比較可能な概念間において,共通する重要な特徴が抽出できていることがわかった.
著者
本村 徹太郎 清水 敏之 吉川 正俊
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2010-DBS-151, no.29, pp.1-8, 2010-11-05

近年,多くの XML データが蓄積されるにつれ,XML キーワード検索が重要になっている.有用な結果を得るためには,効果的な検索結果を効率的に求めることだけでなく,検索結果を理解できるような情報を付加することが望ましい.我々は,検索結果の理解支援のために,検索結果と同じ結果を返す代替問合せを取得する方法を提案する.代替問合せは検索結果の異なる側面を表しているため,利用者は検索結果の隠れた関係を推測することで検索結果を深く理解する,あるいは利用者自身の問合せを洗練することなどが可能となる.
著者
押野 泰平 浅野 泰仁 吉川 正俊
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2010-DBS-151, no.27, pp.1-8, 2010-11-05

Web の構造的特徴に基づくグラフパターンは,web 解析や情報検索に重要な役割を果たしている.我々は web の構造情報だけでなく時間情報をも用いた新たなグラフパターンとして,時間グラフパターンというものを提案し研究を行ってきた.これまでの研究では,頻出グラフパターンを列挙することによってサンプルグラフ集合から時間グラフパターンをマイニングする手法を提案した.本稿ではマイニングされたパターンを用いた web 解析として,web サイトを話題の盛り上がり時における三つの役割として一次情報源,盛り上げ役,まとめ役に分類することを試みる.新たなグラフマイニング手法を用いることで,これまで達成できなかった三つの分類が可能になったことを示す.
著者
見市 高一 川越 恭二
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2010-DBS-151, no.25, pp.1-7, 2010-11-05

Yahoo! 知恵袋や教えて! goo などの QA サイトで質問回答の検索を行う利用者 (以下,検索利用者と呼ぶ) が多数存在し,日常の疑問の解決や情報交換が行われている.QA サイト内において過去に質問を行った質問者の質問意図と,検索利用者の検索意図との間に差が生じるため,求める回答にも差が生じ,結果的に検索利用者の意図した回答が取得できないという問題が存在する.そこで,検索利用者の検索意図が複数存在することに着目し,これらを入力することでシステムがその意図を反映し,検索利用者の意図した回答の検索が行うことが可能であると考えた.本研究では,この複数存在する検索意図のことを S 項目と定義する.評価実験の結果,Yahoo! 知恵袋の検索結果と比較して,S 項目を用いた回答検索手法の検索精度が向上した.