著者
村上 陽一郎
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.179-183, 1988-03-25 (Released:2009-07-23)

本稿では, 他の寄稿者の方々の論稿がシンポジウムでの提題をもとにしているということを考慮して, 体系的な論述ではなく, 進化を巡って, 自分のなかに解決されずにわだかまっている幾つかの間題を, 断片的に提出してみたい。それらは単なる問題提起に止どまる。それは勿論筆者の日頃の怠慢から来るものではあるが, しかしまた, 問題を定式化することが, その解決への道であると考えるからでもある。
著者
木原 弘二
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.173-177, 1988-03-25 (Released:2009-07-23)
参考文献数
5
著者
西脇 与作
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.191-198, 1988-03-25 (Released:2010-01-20)
参考文献数
28
著者
松永 俊男
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.185-190, 1988-03-25 (Released:2009-07-23)
参考文献数
11

進化論に関する内外の議論を見ていると, 進化論の歴史や現代生物学の進化論について間違った前提を基になされているものが目につく。そうした誤解のうち, ここでは進化論史に関するものを5項目取り上げてみたい。最初の2つはダーウィン自身の進化論についてのもの, 次はダーウィン以降の進化論の歴史についてのもの, 最後の2つはダーウィンの進化論と現代進化論の関係についての誤解である。
著者
下岡 良典 牧口 展子 成田 浩二 福澤 純 鶴巻 文生 菅原 寛之 長谷部 直幸
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.284-291, 2017-03-15 (Released:2018-03-15)
参考文献数
17

無症候の60歳代男性.健診で高血圧と心雑音を指摘され,2010年10月に当院を初診した.聴診で拡張期雑音を聴取し,経胸壁心エコー検査で中程度の大動脈弁逆流症と大動脈四尖弁を認め,精査目的で当科へ入院となった.入院時の左室駆出率は62%であった.経食道心エコー検査,心臓CT検査から2つのlarger cuspと2つのsmaller cuspから構成される大動脈四尖弁を認めた.自覚症状がなく,左室拡張末期径も60 mm以下であったことから経過観察の方針とし,高血圧に対する内服治療を開始し退院となった.初診から5年間の経過観察期間内で明らかな臨床症状は出現しなかった.降圧管理と利尿薬の内服により,経胸壁心エコー検査では大動脈弁逆流症の進行もみられず,左室拡張末期径,左室駆出率の増悪はみられなかった.また大動脈径や弁基部の拡大も認めなかった.大動脈四尖弁は稀な疾患であり,臨床経過についてはほとんど報告がない.これまでの報告から四尖弁に起因する大動脈弁逆流症は比較的早期に外科的修復を要することが多いとされる.われわれの経験した症例から無症候性の大動脈弁逆流症と診断された症例においては,早期に内科的管理を行うことで外科的修復を回避ないし延期することの可能性が示唆され,修復時期の延期は修復方法の選択肢を広げ得る可能性も期待できる.
著者
和田 和行
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.123-128, 1987-12-25 (Released:2009-07-23)
参考文献数
9

様相論理学, 或は哲学においては, 事態 (proposition), 個体概念 (individual concept), 可能的世界 (possible world) というような概念が問題とされる。通常の公理体系, 或はモデル理論においては, これらの概念, 特に事態や可能的世界は, 基本的 (primitive) なものとして扱われる。しかしこのような方法をとらずに, 他の概念を基本的なものと考え, それらに基づいて上記の概念に関する理論を構成すること, つまり, これらの概念を定義し, それから導かれる定理をのべることも, これらの概念の解明に役立つと思われる。そこでこの論文においては, 以下に述べる (公理的) 性質論PTCEにおいて, 性質, 必然性等の様相的概念を基本的なものとして, 事態, 完全個体概念についての理論を構成する。 (可能的世界に関しては, 別の論文に譲る。) なお, この論文における完全個体概念の定義は, 可能的世界のそれと同様, ライプニッツの考えに基づいている。従ってこれらに関する理論は, ライプニッツ哲学の再構成と見なすこともできるだろう。
著者
森岡 正博
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.135-140, 1987-12-25 (Released:2009-07-23)
参考文献数
4

1 0 0 0 OA 質問について

著者
奥田 栄
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.129-134, 1987-12-25 (Released:2009-07-23)
参考文献数
6
著者
北川 敏男
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.141-148, 1987-12-25 (Released:2009-07-23)
参考文献数
14
著者
八杉 龍一
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.159-165, 1988-03-25 (Released:2009-07-23)
参考文献数
15

最初にのべたことにも含まれるように, 進化に関連する生物学の領域は多くかつ広く, それぞれの領域での問題をあげていけば, きりがない。だがわれわれの世界観の中で大きく進化の全体像がどう見えるかといえば, それは以上の記述からすでに浮かんできていると, いえるであろう。自動制御システムすなわち自律性をそなえた存在の地上での成り立ち, その存在の階層構造への分化と各レベルの自律性の保持, また諸レベルの自律性を中心としたレベル間のフィードバックのしくみがどう発展してきたかが, 進化像としてまず注目されることである。そしてその実際の機構の解明において, 下位レベルへの可能なかぎりの還元が試ろみられるべきであることも, さきにのべた。このような進化での適応の成り立ちといった問題には, もはや立ち返る餘裕はない。ただ, 偶然の進化的役割, それの世界観的意義のさらに進んだ考察が, 問題として残されるべきであることを, いっておきたい。進化あるいはそれと比較される観念の古代文明での発生 (ギリシア, ヒンズー, 中国) を顧ると, いずれも人間の問題が中心課題として現われていることが知られる。人間はいかにして生じ, したがっていかなる本性をもつものかということである。その課題は, われわれにおいて一層重大なものになっているといえる。それにかんする私の若干の意見は, 本誌での前論文の内容になっているので, 本稿では反復しなかった。端的にいえば, 人間の発生は (テイヤール・ド・シャルダン的表現ということになるかもしれないが) この世界を'視る'主体が成り立ったという意味をもつ。このことは人間の本質という問題であるだけでなく, この世界の目的論的見方という問題にもかかわりをもってくると思われる。目的論と機械論の対立を解いていくために, それは1つの方向づけを与えるものとはなりえないだろうか。進化論の議論は, つねにダーウィンから出発する。この稿でもそうであった。では, そのダーウィンはどこにいってしまったのかが, 改めて問われる。いろいろの新しい学説や観念がダーウィンを痛撃するものになっていることを, 初めのほうでのべた。しかしそれから後の記述で見られたように, ダーウィンの選択や適応の概念は, そのままではないがなお生きており, 新たな学説に動機を与えてもいる。世界観や人間観にかんしても, 同様のことがいえるであろう。ダーウィンの現代的意義を, そこに認めることができると思う。

1 0 0 0 OA 書評

著者
西脇 与作
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.109-110, 1987-03-25 (Released:2009-07-23)
著者
植村 恒一郎
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.89-95, 1987-03-25 (Released:2010-01-20)
参考文献数
12

伝統的な知覚表象説 (the representative theory of perception) は, バークリーによるロック批判にみられるように, しばしばその理論的難点を指摘されてきた。それにもかかわらず, その理論的難点は, バークリー等の知覚一元論の立場とは違った方向で解決されるべきものであるように思われる。その理由は, たしかに知覚の場面では対象=表象という二元的対置を維持することが難しく, 知覚一元論の主張に分があるように見えるにしても, しかし人間の認識一般を問題にするためには, 物質=意識という対置概念が不可欠であり, この対置概念を原理的に廃棄する知覚一元論では問題の究極の解決にはならないと考えられるからである。小論では, 知覚表象説の難点の一つである, 知覚表象の空間的時間的位置の問題を取りあげ, 知覚の物質的過程と知覚経験の関係を, 空間的時間的構造という観点から考察してみたい。それは, 知覚表象説の難点を知覚一元論によらないで解決するための重要な論点の一つと思われるからである。

1 0 0 0 OA 超越論的身体

著者
中島 義道
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.97-102, 1987-03-25 (Released:2010-01-20)
参考文献数
19
著者
小澤 正直
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.35-43, 1986-12-25 (Released:2009-07-23)
参考文献数
12
被引用文献数
2 2