著者
平川 学
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.111-111, 2008

ブロードバンド環境の普及によりインターネット人口は爆発的に増加し、これに伴い大容量・高品質のデジタルコンテンツの利用が拡大している。デジタルコンテンツは複製を行っても品質が劣化せず、取り扱いが簡単等の特徴がある。一方で品質が劣化しないという特徴から、容易に不正複製されてしまうというリスクを背負っている。デジタル技術の進化に伴うコンテンツを取り巻く問題は、通信や新聞業界におけるデジタルコンテンツビジネスの事業化に際して障害の一つとなっており、著作権侵害等の被害が拡大している。これらの背景より、問題点を解決する為の手段を検証し、コンテンツビジネスの健全な発展を目的としたシステムソリューションを構築する必要がある。本研究では、コア要素に電子透かし技術を用いたシステムを構築し、著作権保護ソリューションによるその有効性を検証した。
著者
坂下 拓治
出版者
三田史学会
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.135(135)-170(170), 2016-06

論文四 ロバート一世の王璽の研究 印璽間の役割分担 王璽の役割 王権と印璽結
著者
坂下 拓治
出版者
三田史学会
雑誌
史學 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.693-734, 2016-02

論文序 : 問題の所在一 ロバート一世の歴史叙述 英雄としてのロバート 近年の評価二 史料 登録文書 発給文書三 印章と「記録への信頼」 中世ヨーロッパにおける背景 イングランドの国璽と王璽 中世スコットランドの印章 ロバート一世の王璽
著者
和田 忍
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
no.85, pp.125-153, 2016

アングロ・サクソン期のイングランドにおけるゲルマン民族の民族的特徴を示す証拠は数少なく,詳細な記述はほぼない。ブリテン島が政治的にキリスト教化されたのは6世紀末になってからといわれているが,そこへ侵略してきたアングロ・サクソン人や,その後のデーン人が,ブリテン島に定着してからすぐに完全にキリスト教化したとは考え難い。そのため,デーン人がブリテン島を侵略した9世紀から11世紀半ばまでのデーンローに関する資料を用いてゲルマン民族的異教信仰の痕跡を調査することで,当時のイングランドにおけるゲルマン民族の特徴を考察した。今回は調査資料を限定して,グズルム(Guthrum)がアルフレッド大王(Alfred the Great)およびエドワード(King Edward)と取り交わした条約(ウェドモアの条約,the Treaty of Wedmore)と,クヌート(Cnut)がイングランド王として制定した世俗法(第2クヌート法典,II Cnut)の2点を中心に扱った。これらの資料を考察した結果,そこで述べられているゲルマン民族的異教信仰および元来のゲルマン民族による慣習は古アイスランド語文献で述べられている内容とほぼ一致した。このことからアングロ・サクソン期のイングランドにも,ゲルマン民族的異教信仰やゲルマン民族的な慣習が少なからず行われていたことはわかるが,その程度までは測れないという考えに至った。アングロ・サクソン期の末期までにイングランド国民がゲルマン民族的な慣習をすべてなくしてしまったと結論付けられるが,キリスト教に対峙する内容のものが消え去り,地名や曜日の名称など,キリスト教社会に容認された内容が残っていることは興味深い。