著者
ACHARYA Chakra Pani LEON-GONZALEZ Roberto
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.18-01, 2018-05

We examine the impact of remittances on economic growth using panel data (1975-2014) for 18 countries in Asia and Sub-Saharan Africa (SSA) that are similar in size and development level. We allow for heterogeneous production functions across countries and calculate the average marginal effects of remittances using the panel dynamic ordinary least squares estimator. The estimation results show that remittances increase growth significantly, especially through investments in human capital. In addition we find that: (i) remittances have a modest impact on growth when controlling for physical and human capital channels through which remittances potentially affect output growth; (ii) when we do not control for human capital the effect is larger regardless of the sub-samples considered − the elasticity of output with respect to remittances is 7.3 percent in the full sample, and 18.6 percent among Asian countries; (iii) remittances have a significant positive long-run effect on human capital formation regardless of the sub-samples considered but the effect on physical capital accumulation is significant only among middle income and Asian countries. The findings suggest that channeling the remittances towards investments in physical capital and adoption of new knowledge, skills and technology is crucial for high economic growth in low income countries.
著者
良峯 徳和
出版者
多摩大学グローバルスタディーズ学部グローバルスタディーズ学科
雑誌
紀要 = Bulletin (ISSN:18838480)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.125-143, 2014-03-01

虚構存在をめぐる哲学上の議論を概観すると、その議論の多くが、虚構に関する知識フレームのあり方を問うたものであり、虚構のパラドキシカルな性質の多くは、指示対象としての存在者とそれに関する知識フレームを混同したことに起因することがわかる。こうした考察に基づき、知識フレームの概念を用いて、コンピュータ上に意味ネットワークを構築することで、現実世界と虚構世界を混同することなく、虚構テキストの内容を理解する擬似的なシステムの構築を試みた。In this paper, I reviewed the recent philosophical discussions on fiction. I found most of them are on the ontological status of knowledge frames about fictitious existence and that the presumed paradoxical properties of fictitious existence arise from the confusion between the referents of fictitious expressions and the knowledge frames about them. Based on the consideration, I tried to implement a computer simulation program whereby both the information from fictional text and that from common-sense are integrated into the semantic network without being mixed up.
著者
堀尾 強 Tsuyoshi HORIO
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.13, pp.115-123, 2012-03-31

過去嫌いであった食品の嗜好変化について410名の大学生を対象に調べた。過去嫌いであった食品の嗜好が変わった人が88%いた。嗜好が変わった食品はピーマン,納豆,ナス,シイタケ,ニンジン,トマト,レバー,カキ,セロリなどであった。食品群分類別では野菜類が41%と大きく占めた。嗜好が変化した時期は小学校高学年から中学校,高校にかけて,16%,27%,35%と徐々に増加し,大学生になっても14%と嗜好が変化している。その理由は「久しぶりに食べてみたら食べることができた」,「たまたま食べたものがおいしかった」というように時間を置きその間の経験が食品の嗜好変化に大きな影響を与えることが示唆された。「無理やり食べているうちに食べられるようになった」,「栄養があり体に良いと知って」と食べる努力の結果として食べられるようになった者も多かった。以上のように,過去嫌いであった食品の嗜好がポジティブに変わる経験をしている人が大変多く,その間の食経験が嗜好変化に大きな影響を与えることが示唆された。
著者
藤原 正光 番場 梨彩
出版者
文教大学
雑誌
教育学部紀要 = Annual Report of the Faculty of Education (ISSN:03882144)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.113-125, 2014-12-01

幼児期に嫌いであった食物の種類とその理由及びその克服時期と方法を,大学生の幼児期の回想法による調査を行った.同時に,家庭と保育所・幼稚園での食事指導の違いを調査した.結果の分析に際し,性差を考慮した.調査対象者は大学生166名(男性58名,女性108名)であった。主な結果は次の通りである.1)幼児期に嫌いな食べ物は,レバー,セロリ,ピーマン,なす,にんじん等であり,その理由は,味,食感,におい等であった.2)克服時期は、中学時代が最も多くその後減少していたが,女性は男性に比べ大学生になってから克服率が有意に増加していた.3)克服方法は,「食べてみたら美味しかった」「調理法の工夫」「食べる機会の増加」「家族の影響」などが上位を占めていた.幼児期に受けた食育を家庭と保育所・幼稚園を比較しながら検討した.因子分析の結果,いずれの質問項目にも「注意及び指導」と「食べさせる工夫」の因子が抽出された.4)家庭での食育指導の方が有意に高い平均値であり,男児に「注意及び指導」が有意に高く,「食べさせる工夫」については,家庭と保健所・幼稚園の間にも性差にも有意差は示されなかった.
著者
龐 遠豊 伊藤 毅志
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.1286-1294, 2018-04-15

囲碁の認識や学習において,囲碁用語が果たしている役割は大きい.しかし初学者が囲碁用語を覚えるのには大きな負担がかかる.本研究では,局面に対応する囲碁用語を自動表示するシステムを提案する.囲碁用語には,石の「形」だけでなく,石の「勢い」を含む局面解析との組合せが必要なものもある.我々は,囲碁プログラム“Ray”の協力を得て,これらも実装した.先行研究を参考に比較的利用頻度の高い囲碁用語を自動的に視覚的表示するシステムを実現した.その性能をプロ棋士に評価してもらったところ,プロ棋士の判断と90%を超える高い一致率を示した.
著者
Ammour-Mayeur Olivier
出版者
国際基督教大学キリスト教と文化研究所
雑誌
人文科学研究(キリスト教と文化) = Humanities: Christianity and Culture (ISSN:00733938)
巻号頁・発行日
no.49, pp.ii-v, 159-186, 2017-12-15

Si l’on fait le bilan, en 2017 encore, la photographie de paysage reste la mal aimée de l’analyse esthétique. Bien que les monographies, individuelles ou collectives, d’une grande qualité se soient multipliées du côté des ouvrages portant sur les photographes de paysages, les études théoriques sur le genre, elles, restent rares. À moins qu’il ne s’agisse de livres portant sur les techniques photographiques paysagères. Un peu comme si le paysage nécessitait un apprentissage particulier, sans pour autant atteindre à une esthétique singulière digne d’attention. En s’intéressant aux œuvres de Sophie de Roumanie, cet article entend porter un regard critique et théorique sur la question du paysage en photographie, en montrant en quoi ce genre, jusqu’à présent plutôt négligé, n’a rien d’un plat « exercice de style » pour photographe amateur, ni d’un simple succédané de la peinture de paysage qui dominait avant l’apparition de l’appareil photographique. S’il est établi depuis plusieurs décennies maintenant que la photographie représente bien un art en soi, il convient maintenant de regarder le genre paysager au plus près, afin d’en analyser les tenants esthétiques et poétiques.
著者
吉賀 夏子 只木 進一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.257-266, 2018-02-15

Web上には,江戸時代以前の書籍である古典籍の書誌および画像データが多数公開されている.これらのデータの活用には,古典籍を構成する序や跋などの情報を含めて,Linked Data形式などへ構造化することが有効である.古典籍の書誌データは専門用語が多く,構造化のためには,一般には専門家の手作業が必要であった.本稿では,形態素解析と注記の記述様式に特化したスクリプトを活用することで,半自動でこうした作業を実施する方法を提案する.また,具体的なコレクションへの適用を通じて,手法の有効性を検証する.提案手法は,コレクションごとに軽微な調整で適用できる手法であり,古典籍の書誌データを構造化するために有効である.
著者
西浦 生成 崔 銀惠 水野 修
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.1215-1224, 2018-04-15

不具合組合せ特定とは,組合せテストの各テストケースの実行結果の成否から,バグを含むと思われるパラメータ値の組合せを特定する問題である.本研究では,機械学習を用いて不具合組合せを自動分類するための手法を提案し,その評価を行う.提案手法では,まず,組合せテストケースに含まれるパラメータ値の組合せとテスト結果の成否を学習モデルとしたロジスティック回帰分析を行い,それによって得られる回帰係数値から,各パラメータ値の組合せが不具合組合せである疑わしさを決定する.次に,各パラメータ値の組合せの疑わしさから,その組合せが不具合組合せであるか否かを自動分類するために,閾値決定法および最大距離分割法の2つのクラスタリング手法を適用する.最後に,実際にバグを含むオープンソースプロジェクトのプログラムflex,grep,makeのテストスイートに対して提案手法を適用した比較評価実験を行うことで,提案手法の有効性を示す.