著者
大坂 正明 板橋 建 柴田 昌人
出版者
宮城県農業・園芸総合研究所
巻号頁・発行日
no.86, pp.1-5, 2018 (Released:2019-04-01)

本県においてイチジクは明治以降から薬用植物として栽培され,現在では生食用や甘露煮用として県内全域で栽培されている。しかし,栽培されているイチジクの品種名は明らかにされておらず,多くが在来種として扱われている。そこで,SSRマーカーを利用したイチジク品種識別法を確立し,SSRマーカーと形態的特徴により在来イチジクの品種同定を行った。その結果,7種のSSRマーカーを用いることで既存のイチジク12品種の識別が可能であった。これらのSSRマーカーおよび形態的特徴をもとに県内14か所で栽培されている在来イチジクの品種同定を行ったところ,「ブルンスウィック」であることが明らかとなった。
著者
山口 仁美
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.108, no.10, pp.716-723, 2013 (Released:2014-04-25)
著者
市川 後英 上田 恭一郎
出版者
香川大学農学部
巻号頁・発行日
vol.62, pp.39-58, 2010 (Released:2011-03-28)

落葉性コナラ属植物樹幹の剥皮箇所から長期間に亘って滲出する樹液の滲出要因を明らかにするため、香川大学農学部(34°16′35″N、134°7′29″E)から15km以内に位置する11地点の雑木林で胸高直径5cm以上の落葉性コナラ属植物を調査した。7〜9月の調査で4樹種が確認され、それらの中でクヌギQuercus acutissima764本中の35本、アベマキQ. variabilis462本中の5本、コナラQ. serrata371本中の1本およびナラガシワQ. aliena3本中の0本で樹液滲出が確認された。少数のナラガシワを除く3樹種で樹液滲出木の調査を進めた結果、樹液滲出木中、調査可能な樹高2m以下に樹液滲出箇所(剥皮箇所)のあった35本(クヌギ29本、アベマキ5本、コナラ1本)中の26本で、ボクトウガ科の幼虫とその孔道が、7本で孔道のみが発見された。このため、その他3地点も含めて3樹種の樹液滲出箇所でこの幼虫を採集し、羽化成虫の分類学的調査を行なった結果、10個体(雄2個体、雌8個体)すべてが四国未記録種のボクトウガCossus jezoensis (Matsumura)であることを確認した。上記35本中の11本(クヌギ10本、アベマキ1本)で、樹液滲出箇所数の時期的変化およびボクトウガ幼虫の行動を2年間(1999、2000年)、4月から12月まで月2、3回の間隔で日中に調査した。その結果、樹液は概略5月中旬から11月上旬まで滲出することがわかった。また、剥皮箇所周縁部に孔道を作ったボクトウガ幼虫は、孔道開口部から体の一部を出して静止していたり、隣接孔道内に生息する幼虫と発音を伴う闘争をしたり、孔道から外へ出て樹幹表面を歩行したりすることに加えて、孔道関口部から体の一部を出して場所を少しずつ変えながら剥皮箇所の表面を削るようにかじること(切削行動)が明らかになった。さらに、樹液が滲出する孔道開口部周辺に集まってきた樹液食昆虫を大顎で捕獲して孔道内に引き込もうとする行動も観察された。このようなボクトウガ幼虫の行動をさらに多く観察するために別の随時調査(1998〜2002年)も行なった結果、樹液中で発生して増殖する日本未記録のAlgophagidae科の新種クヌギジュエキダニHericia sanukiensis Fashing and Okabeを捕食するとともに、上記の通り、孔道開口部に集まってきた樹液食昆虫の捕食行動も示し、それらの中のわずか2例であったが、アリとハエを捕食した。6月から11月に亘って観察されたボクトウガ幼虫の捕食行動は上記の樹液滲出期間とほぼ一致していた。このような一致とボクトウガ幼虫が示す切削行動および樹液がボクトウガ幼虫の孔道とその周辺から流下していることを考え合せると、落葉性コナラ属植物の長期間に亘る樹液滲出は、ボクトウガ幼虫が、捕食するためのクヌギジュエキダニを増殖させるとともに、樹液食昆虫をおびき寄せるために、能動的に滲出させているものと考えられる。
著者
金子 ひろみ
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.105, no.7, pp.447-454, 2010 (Released:2011-05-27)
著者
中村 禎子 田辺 賢一 中山 敏幸 奥 恒行
出版者
日本応用糖質科学会
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.124-128, 2018 (Released:2018-08-22)

我々は,腸内細菌が難消化吸収性糖質から産生する水素ガスに着目し,腸内細菌由来水素ガスは,吸入などによる水素ガスと同様の抗酸化作用があり,疾病の発症遅延や重症化予防に寄与するという仮説をたて,実験動物を用いて検証してきた。老化促進モデルマウスを難消化吸収性糖質含有飼料で長期間飼育し,学習・記憶障害を発症するSAMP8特有の症状発症と重症化の遅延を観察した。Passive avoidance testの結果では,フラクトオリゴ糖(FOS)5%含有飼料群の成績が対照飼料群に比較して有意に良好で,学習・記憶障害の発症が遅延した。FOS群では水素ガス体外排出が有意に高く,老化度得点,酸化ストレスや炎症の関連指標は有意に低値を示した。また,鉄過剰投与による肝障害モデルラットをFOS含有飼料で飼育した実験では,血液中のALTならびに酸化度は有意に低値を示し,肝障害の改善や発症遅延が観察された。以上の結果より,難消化吸収性糖質継続的摂取は,生体内水素ガス濃度をある程度高く維持し,疾病予防や重症化遅延に寄与している可能性がある。しかし,その機序については,今後の検討が必要である。
著者
橋本 彩子 神戸 大朋
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.107, no.11, pp.836-841, 2012 (Released:2013-10-08)
著者
安藤 萬寿男
出版者
水利科学研究所
巻号頁・発行日
no.115, pp.1-15, 1977 (Released:2011-03-05)
著者
石井 哲
出版者
岡山県林業試験場
巻号頁・発行日
no.25, pp.13-32, 2009 (Released:2011-03-28)

省力的で効果的な竹林の拡大防止策と利用方法を検討するため、竹林の現状を把握するとともに時期別伐採試験、薬剤施用試験、食塩施用試験、早期伐採試験及び重量変化試験等を行った。モウソウチクを時期別(3月、6月、9月及び12月)に伐採したところ9月及び12月に伐採した場合、3月及び6月に伐採した場合に比べ、伐採1年後及び2年後とも新竹の発生本数が少なかった。伐採後に成長してくる矮性化した再生竹は、3月及び6月に伐採した場合にみられ、特に6月に伐採した場合に多くみられた。モウソウチクに対し、薬剤(除草剤)を1年生の新竹と2年生以上の古竹に区分し、施用時期や施用量等の諸条件を変え施用したところ、新竹、古竹とも、施用翌年の6月までには全て枯死していた。食塩施用試験では、モウソウチクは施用翌年の発生抑制効果がみられなかったが、マダケ及びハチクについては、翌年の新竹発生量が激減しており、施用効果について今後再確認する必要があると思われた。伐採・放置された竹が竹林内への侵入を阻害し、新たな発生・拡大の要因となる伐採竹問題に対処するため、新竹の発生1年以内に伐採する早期伐採を行ったところ、6月中旬までに伐採すれば年内に腐朽したが、7月以降の伐採では稈が硬化し、竹林内に残存する結果となった。9月にモウソウチクを伐採・玉切りし、竹林内で自然乾燥させたところ、重量は10〜12ヶ月後には安定し、竹炭製造に適した15〜20%の含水率となっていた。
著者
弘中 満太郎 針山 孝彦
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.93-109, 2014 (Released:2014-09-25)