著者
樋髙 想士 山之上 卓 小田 謙太郎 下園 幸一
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.3, pp.1-5, 2014-02-20

携帯端末利用者のための会議・授業の支援システム,ポータブルクラウド,について述べる.これは持ち運び可能なケースにコンピュータクラスタと無線 LAN アクセスポイントとネットワーク機器などのハードウェアを組み込み,これに,ルータ,ファイル共有システム,実時間画面共有システム,双方向実時間スライド共有システムなどのソフトウェアを導入したものである.本システムを研究会や勉強会や我々のゼミで半年以上運用し,改良を続けている.
著者
原田 真喜子 渡邉 英徳
雑誌
じんもんこん2012論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.7, pp.199-204, 2012-11-10

Web集合知を介して誰でも情報の発信・受信・検索が可能になった.しかしWeb集合知の性質は各プラットフォームの性質に依存し,検索結果が言葉の全貌を示しているとは言い難い.また,言葉は日々変化するものであり,Web集合知或いは辞書においても過去の言葉の使われ方を調べることは難しい.本研究では,言葉の俯瞰的な認識と新たな知見の提供を目的に,SNS,サーチエンジン,Web百科事典の性質を客観的/当事者的に分類し,その検索結果を一様に閲覧可能な,言葉アーカイブコンテンツの制作を行った.
著者
藤岡 純一
出版者
国立社会保障・人口問題研究所
雑誌
海外社会保障研究 (ISSN:13443062)
巻号頁・発行日
no.184, pp.4-15, 2013-09

スウェーデンにおいて家族などのインフォーマル介護が見直されてきたのは1990年代であった。1998年、コミューン(市)の介護者支援を奨励する規程が社会サービス法に追加された。介護者協会などのボランティア組織と協働しながら、国の補助金によって介護者支援が促進されてきた。ホーム(家庭における)レスパイトやショートステイ、介護者出会いセンターやグループ活動などである。2009年7月に、社会サービス法のその条項は、奨励からコミューンの義務に変わった。しかし、問題点も残されている。障害または長期疾病の子どもを介護する者への支援でコミューンの取り組みが遅れている。週11時間以上介護・援助・支援をしている「非常に濃密な介護者」は、健康、就労、生活の質において問題が残っている。介護者支援について知らない介護者がまだ多い。これらの問題点を解決するとともに、非常に濃密な介護者には、要介護者への社会サービスをさらに充実することが、負担の軽減に繋がる。
著者
宮本 洋文 平川 正人
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2010-HCI-136, no.7, pp.1-6, 2010-01-15

近年,情報化社会の構築に伴い Web の世界は飛躍的な成長を続けている.現代の Web データは個性的な特徴を持つようになっている.しかし,従来の Web 検索のほとんどがキーワードに頼っている.個性的な特徴を持つ Web データの特徴をキーワードだけで表現することが困難であることは Web 検索における課題の一つである.本研究では,レイアウト及び色彩の情報を検索キーとして,類似する Web ページを抽出する新しい Web 検索システムを提案する.提案システムはソーシャル・ブックマーク・サービスのシステム上に構築しており,Web ページには,ユーザによりレイアウトと色彩情報が付与される.ユーザは,情報付与時と同様の方法により条件付けして関連ページの検索を行うことができる.
著者
野村 恭彦 筧 大日朗
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.148-154, 2014-01-15

サービスシステムのデザインは,サービスそのもののデザインのみならず,そのサービスを取り囲む多様なステークホルダーの社会的行動をデザインすることを意味する.既存の枠組みでは解決できなくなった複雑な問題に対し,多様なステークホルダーを招き入れ,アイディアと社会的ムーブメントを同時に生み出すフューチャーセッション・アプローチは,この目的にきわめて合致した手法である.欧州で広がったフューチャーセンター,日本で広がりつつあるフューチャーセッションの最先端動向を鳥瞰し,よりよいサービスシステムのデザインを行うための洞察を示す.
著者
若井一樹 岡田泰輔 鎌田祐輔 佐々木良一
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.865-872, 2013-07-03

インターネットの普及に伴いWebサービスはその数を増やし,現在では様々な種類のサービスが人々に利用されている.世界中の人々とコミュニケーションが可能となった現代において,ソーシャルメディアは発達し注目されるようになった.例としてTwitterやFacebookなどがあり,現在でも利用者は急激に増えている.一方でソーシャルメディアを利用した迷惑行為も増えている.その一つとしてスパム行為が挙げられる.スパム行為とは本人の許諾を得ず,一方的に営利目的の情報を送る行為である.スパム行為によってソーシャルメディア利用者は必要としない情報が大量に送られ,本来知りたい情報が埋もれてしまう.そこで,著者らはスパム行為に悩まされることなくソーシャルメディアを活用し,世界中の人々とコミュニケーションを楽しむことを可能とするため,スパム行為を検知する手法およびその機能を持ち合わせたアプリケーションの開発を考案した.本稿では,スパム行為を検知する手法の提案と評価結果を報告するとともに,これらのスパム検知機能に表示系を発展させることによりスパム発見を容易とするように実装したアプリケーションの開発について述べる.
著者
安蔵 靖志
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.301-301, 2012-02-15

俳優の細川茂樹氏の呼びかけによって,情報処理学会とのコラボレーションによるスマートフォンアプリ共同開発プロジェクトがスタートした.「家電取説アプリ」の開発で合意.ユーザインタフェースや技術面などを検討した結果,キーワードやカテゴリでの検索からダウンロードまで実現するベータ版を制作し,オープンソースとして多くの開発メンバを募ることとなった.
著者
多田 由美 杉本 真理子 泉 政文 綱島 夢美 萩原 こまき Yumi TADA Mariko SUGIMOTO Masafumi IZUMI Yumi TSUNASHIMA Komaki HAGIWARA
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2013
巻号頁・発行日
2013-11-25

まんが表現における作画技術教育の前提として必要なのは、まんが表現史的な視点である。手塚治虫系のキャラクター表現に関しては、田河水泡とディズニーの作画方法を構成主義的に解釈した「ミッキーの書式」に基づくことが指摘されているが、本報告では少女まんが領域における「ミュシャの書式」(すなわちヨーロッパの19世紀末から、アール・ヌーヴォー、アール・デコなどの挿絵や広告画の援用・解釈に基づく「書式」)の所在について仮説的に述べる。1901年、与謝野晶子『みだれ髪』の表紙に藤島武二がミュシャふうの意匠を採用し、近代女性文学における「私」と「ミュシャ」的表象が結びつく。そして1970年代に少女まんが領域で「内面の発見」がなされた時、それを主導したいわゆる「24年組」によって再度「ミュシャの書式」が再受容された。「ミュシャの書式」は一見、キャラクター的、非歴史的に見えながら、日本近代の少女まんがを含む女性表現では近代的自我や身体性、政治性を包摂しうる表象として出発し、「24年組」の背後にある近代史的文脈を理解することはまんが教育として重要である。
著者
小林功介 辻本拓也 安本匡佑 羽田久一 太田高志
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.207-209, 2013-03-06

2012年10月の就職内定率が6割を切り、就職難と叫ばれて久しい。多くの就職活動生(以下就活生)は、いくつもの企業の選考を受けてもなお内定を獲得することができず、その代わりに数多の「不採用通知メール(通称 お祈りメール)」を受け取っている。 本研究では、お祈りメールが就活生に与える虚しさに着目し、これを題材にしたインタラクティブコンテンツを開発することで、就職難という昨今の世相の皮肉的な表現を試みている。神社の参拝を模したお祈りのジェスチャーに反応して、映像と音楽に併せて加工したお祈りメールの文面を提示する作品である。 なお、このコンテンツは今年10月30日から1週間に渡って開催された東京デザイナーズウィーク2012に出展され、閲覧者の好意的な反応を多数得た。
著者
橋本 高志良 堀場 匠一朗 江藤 正通 津邑 公暁 松尾 啓志
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.58-71, 2013-10-30

マルチコア環境では,一般的にロックを用いて共有変数へのアクセスを調停する.しかし,ロックには並列性の低下やデッドロックの発生などの問題があるため,これに代わる並行性制御機構としてトランザクショナル・メモリが提案されている.この機構においては,アクセス競合が発生しない限りトランザクションが投機的に実行されるため,一般にロックよりも並列性が向上する.しかし,Read-after-Readアクセスが発生した際に投機実行を継続した場合,その後に発生するストールが完全に無駄となる場合がある.本稿では,このような問題を引き起こすRead-after-Readアクセスを検出し,それに関与するトランザクションをあえて逐次実行することで,全体性能を向上させる手法を提案する.シミュレーションによる評価の結果,提案手法により16スレッド並列実行時において最大53.6%,平均15.6%の高速化が得られることを確認した.
著者
坂本真貴人 藤井昭宏 田中輝雄
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2013-HPC-138, no.6, pp.1-7, 2013-02-14

行列行列積を計算する DGEMM の性能は,さまざまな科学技術計算において重要である.DGEMM の高速化の手法の 1 つに Strassen のアルゴリズムがある.これは再帰的アルゴリズムであり,適用する回数を増やすことで計算量を O(N3) から O(Nlog7) まで削減することができる.しかし,計算機や行列サイズに合わせた適切な回数を選択しないと高速化できない.本研究では,Strassen のアルゴリズムを,自動チューニング機能付きの線形代数ライブラリである ATLAS をベースにして組み合わせた.そして,最適な適用回数を自動的に選択する機能をもつ行列行列積計算ライブラリを試作し,計算性能の評価を行った.実験の結果,さまざまな行列サイズで ATLAS 単体より高い性能を引き出すことができた.また,通常の方法に比べて誤差がどの程度になるか確認した.
著者
于 文龍 榎原 博之 松崎 頼人 ラガワン ベンカテッシュ
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2013-UBI-37, no.35, pp.1-6, 2013-03-07

日本は地震災害が多発する世界有数の地震国である.日本で震災が起こると多くの帰宅困難者が発生する.帰宅困難者の多くは移動端末を所持しているが,通信障害のため利用できない可能性が高い.本研究では,移動端末の GPS と無線 LAN 機能を用いて,リアルタイムで通行可能な道路地図を作成するシステムを提案する.本システムは地震災害時における帰宅困難者の支援に応用することを目指している.性能評価として,大阪府大阪市阿倍野区,神奈川県横浜市旭区の地図情報を基にシステムをモデル化してシミュレーション実験を行う.その結果から,神奈川県横浜市旭区の場合は移動端末数が 1000 台あれば,1 分以内に完成度ほぼ 100% の地図を作成することができる.