著者
高橋 保 Tamotsu Takahashi
出版者
創価大学法学会
雑誌
創価法学 (ISSN:03883019)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.1-22, 2011-03-20
著者
小林 甫
出版者
北海道大学教育学部教育社会学研究室
雑誌
『調査と社会理論』・研究報告書
巻号頁・発行日
vol.5, pp.67-84, 1985

倉敷市/倉敷,児島,玉島,水島 地域産業変動と住民諸階層の生産・労働-生活様式の変質,分析シリーズ1
著者
下川 瑞貴 江頭 孝幸 野口 大介
出版者
日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 = JSSE Research Report (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.127-130, 2023-02-23

「炭酸アンモニウム」は不安定な物質であり,市販品は炭酸水素アンモニウムとカルバミン酸アンモニウムの混合物とされる.炭酸水素アンモニウムとカルバミン酸アンモニウムには結晶構造が知られており,最近では炭酸アンモニウムについても一水和物の結晶構造が報告された.こうした結晶構造データを効果的に用いれば,高校化学の無機物質分野におけるより魅力的な授業を展開できるかもしれない.すなわち,簡易型アンモニアソーダ法の生徒実験を湯煎および氷冷による二通りで実施すれば,高温と低温で生じる違いを事前に予想させつつ,観察に目的意識を持たせることができる.そして反応温度により生成物が異なることに気づかせ,思考を深めさせることも期待できる.結晶構造を立体的に表示すれば,視覚的理解に基づくさらに発展的な学習も可能だろう.
著者
田中 愼一
出版者
北海道大学大学院経済学研究科
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.153-173, 2012-03-08

2010年1月に満63歳となったため北海道大学の定めにより同年3月31日に停年退職することになった北海道大学大学院経済学研究科・経済学部教授の田中愼一が同年3月16日におこなった最終講義の記録である。当日配布した口述原稿を元に, 講義中に入れたad lib や大幅に加筆した註を加えて成稿となったものである。 大学入学以来, 著者が直接に薫陶や高誼を受けた先学(掲名順。松田智雄先生, 下村先生, 石井寛治先生, 安良城盛昭先生, 武田幸男先生, 長岡新吉先生, 大石嘉一郎先生, 岡田与好先生, 坂本忠次先生, 神立春樹先生, 石坂昭雄先生)や厚誼を得た韓国人学者(延世大学尹起重教授, ソウル大学安秉直教授)の思い出をまじえながら, 著者の1966年4月からの学部時代, 1970年5月からの大学院時代, 1975年4月からの社研助手時代, 1979年1月からの北大教員時代を変遷していきつつ, いくつかの研究課題を設定したことの背景, それらの研究対象を選択した理由, そうした研究対象に対して模索した研究方法, それらの成果としての諸論文の因果連関を論述しようとすることで, 一小学究としての説明責任を開陳せんと試みたものである。
著者
佐々木 憲介
出版者
北海道大学經濟學部
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.82-98, 1995-03
著者
中村 建
出版者
北海道大学大学院文学院
雑誌
研究論集 (ISSN:24352799)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.111-123, 2023-01-31

有島武郎の戯曲「死と其前後」は従来、作者自身及び病死した作者の妻に関する伝記的事実に大きく傾斜した研究が多くを占めている。また、この作品の解釈も前述の事実を踏まえた上で死に対する夫婦の愛の勝利といった見方が主流であり、テクストに即した研究が不足していると言わざるを得ない。そこで本稿では、特に同時代においてなされた夫婦の「愛の勝利」という解釈が、近代日本におけるメーテルリンク受容と関わりのあったものであることを示すとともに、テクストに即して「愛の勝利」の内実を明らかにする。後年、「メーテルリンクの季節」と呼ばれた当時、三角関係を題材とした『アグラヴェーヌとセリセット』がしばしば話題され、有島も小説に引用し、「死と其前後」への評価でも引き合いに出されるほどであった。しかし当時の受容は、難解な戯曲の内実を深く理解していたものというよりも、戯曲というジャンルが運命や人の内面を直感的に表現できるという一種の神秘主義的なものであり、そのような文脈の中で「死と其前後」も受容されたのであった。次に、夫婦の愛について戯曲のテクストに即して分析を試みる。この戯曲は「愛の勝利」として評価されてきた一方、その愛について否定的な評価も根強い。筆者はこれを愛を相対化する回路として評価しつつ、有島の「恋愛の多角性」の主張との関連から考察を試みる。有島は晩年、同時に複数の人物に恋愛するという「恋愛の多角性」を唱えていた。劇中、何人もの女性に誘惑を感じてきたことを告白する夫は、そのような有島の後年の主張を予期させるものである。また、夫からの愛を疑う瀕死の妻へのそのような夫の告白は、妻との愛を確認しつつもその愛の不可能性を露呈するものである。以上の内容から、「死と其前後」における愛の勝利と不可能性は、有島が自己と他者の同化を唱えた一方で認識を自己批判するような晩年への変遷を予見させるものであると言える。