著者
瀬畑 源
出版者
朝陽会 ; 1953-
雑誌
時の法令 (ISSN:04934067)
巻号頁・発行日
no.2002, pp.69-72, 2016-05-30
著者
江戸 孝昭 松原 仁
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.I_279-I_289, 2016

格子メッシュ等を用いない数値解析手法のひとつにMaterial Point Method(MPM)と呼ばれる手法がある.本手法は境界条件等を設定する際に曖昧な定義が無く,大変形問題への適用も容易であることから,近年,地盤分野において積極的に適用されている.しかしながら,動的解析を実施した場合,得られる弾性エネルギーが振動する等の問題が指摘されており,今後,地震応答解析等への適用を行う場合,大きな欠陥となるため,その振動を抑制する新たな手法の開発が求められている.そこで,本研究では,MPMで定義される粒子のひずみ増分値を移動最小自乗法によって補間することで,弾性エネルギーの振動を抑える手法を提案する。本論文では,いくつかの既存手法との比較解析例を示すことによって本手法の妥当性について検討する.
著者
當山 裕子 桃原 のりか 小笹 美子 宇座 美代子
出版者
一般社団法人 日本公衆衛生看護学会
雑誌
日本公衆衛生看護学会誌 (ISSN:21877122)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.21-28, 2016

目的:本研究の目的は,学童期の発達障がい児支援の必要性について保健師の認識を明らかにすることである.方法:市町村保健師を対象とした自記式質問紙調査を実施した.「保健師による学童期の発達障がい児の支援は必要だと思いますか」という問いに「はい」と回答し,その理由を記載していた85名の自由記述を,質的帰納的研究法で分析した.結果:発達障がい児の学童期支援が必要と思う保健師は,支援が必要となる背景として,『学童期に新たなニードが現れることがある』『学校外の支援者が必要である』『多職種が連携した支援が必要である』と認識していた.そして発達障がい児の『親・家族支援によって児の発達を助ける』ことや,『地域での育ちを保障する』ことを支援の目的と保健師は認識していた.結論:発達障がいを持つ児の地域での育ちを保障するという長期的な視点で保健師による発達障がい児への学童期支援の必要性が示唆された.
著者
大城 あずさ 仲村 貞郎 玉城 邦人 藤原 一男
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.199-203, 2016

症例は10歳男児. 3週間続く弛張熱, 虫垂炎罹患の後, 両眼の高度視力低下, 歩行障害が出現し, MRIで両側視神経・視交叉・小脳・皮質下白質・脊髄にT2高信号病変を認めた. 視神経脊髄炎 (neuromyelitis optica ; NMO) あるいはNMO spectrum disorders (NMOSD) と考え, ステロイドパルス療法を2クール施行した. 歩行障害は改善したが中心視力の改善が乏しいため, 血漿交換療法を追加し, 視力は両側1.0に改善した. 血清抗aquaporin (AQP) 4抗体は陰性で, 抗myelin oligodendrocyte glycoprotein (MOG) 抗体が1,024倍であった. 急性期以後はprednisoloneおよびazathioprineの内服を行ったが, 血清抗MOG抗体は経時的に低下し, 治療漸減にて症状再燃を認めないため発症11カ月で治療を中止した. 近年, 抗AQP4抗体陰性のNMO/NMOSDの中で, 抗MOG抗体陽性例の報告がみられる. 抗AQP4抗体陽性例と異なりステロイドパルス療法のみで軽快する例が多いが, 本例のようにステロイドの効果が不十分で血漿交換が有効な症例もある. 今後さらなる症例蓄積による検討が必要である.
著者
米村 敏朗
出版者
啓正社
雑誌
季刊現代警察 (ISSN:03884325)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.23-26, 2016
著者
近江 愛子
出版者
立花書房
雑誌
Keisatsu koron
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.32-37, 2016-02
著者
高埜 利彦
出版者
学習院大学大学院人文科学研究科アーカイブズ学専攻
雑誌
GCAS report = 学習院大学大学院人文科学研究科アーカイブズ学専攻研究年報 (ISSN:21868778)
巻号頁・発行日
no.2, pp.24-34, 2013

2011年3月11日の東日本大震災は甚大な人的・物的被害とともに、公文書や歴史資料の被災を生んだ。その救出は数多くのボランティア活動によって支えられている。1987年に「公文書館法」が公布されたが、日本のアーカイブズ制度は遅れた状態のままである。その原因を歴史的に考えれば、日本の近代国家のあり方に求めることができる。「公文書管理法」が2011年4月に施行されてもなお、「国民のため」という発想を持てない政治家や官僚を頂く私たちは、しかしながら諦めてはいない。社会にはアーカイブズが必要であるという世界の常識を、日本の教育システムの中で伝えなくてはならない。学習院大学アーカイブズ学専攻では、アーキビストとして活躍できる人材の他に、教育制度の中でアーカイブズ学を教授できる人材の養成にも取り組んでいる。また、日本アーカイブズ学会は、学会の認定するアーキビスト資格制度を発足させた。これらの資格取得者が、これからの日本のアーカイブズ制度の充実に力を発揮していくものと期待している。The Great East Japan Earthquake on March 11,2011 destroyed and damaged a great number of public documents and historical records.Rescue operations for damaged documents and records were undertaken by volunteers.Since the promulgation of the Public Archives Act in 1987,the archival system in Japan has not developed as quickly as expected.The cause of this delay can be historically traced to the birth of Japan as a modern nation state.Even after the enactment of the Public Records and Archives Management Act in April 2011,we are determined to teach,within the Japanese educational system,the necessity of archives within a society.The Graduate Course in Archival Science in the Graduate School of Humanities Gakushuin University is committed to producing not only talented professional archivists,but also dedicated archival educators.In addition,the Japan Society for Archival Science recently launched its program for registered archivists. I hope that qualified registered archivists will make a significant contribution to the development of the Japanese archival system in the years to come.
著者
桂 研一郎 須田 智 戸田 諭補 金丸 拓也 太田 成男 片山 泰朗
出版者
The Japan Stroke Society
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.147-149, 2014

要旨:近年,急性期血栓溶解療法,機械的血栓除去術などにより急性期再灌流療法の進歩は著しい.しかしながらその恩恵を受けられるのは限られた患者であり,依然としてより効果のある脳保護療法の登場がまたれている.我々が今回紹介するのは新しい観点からの脳保護療法の試みである.第一は治療効果が高い脳保護的な蛋白質に,蛋白細胞導入ドメインを融合させることにより,静脈内への1 回投与で神経細胞にまで到達させ脳保護的に働かせる方法である.次に全く新しい方法として,低濃度の水素ガスを吸入させると,脳梗塞体積が減少する結果を報告してきた.水素ガスには軽微なフリーラジカルスカベンジ作用があり,最も毒性の強いhydroxyl radical を選択的に消去することがわかってきている.さらに,すでに臨床で使用されている薬物を脳梗塞急性期治療に応用する方法として,抗てんかん薬であるバルプロ酸の急性期脳保護効果についても紹介する.
著者
津村 文彦
出版者
京都大学大学院人間・環境学研究科 文化人類学分野
雑誌
コンタクト・ゾーン = Contact zone (ISSN:21885974)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.167-191, 2015-03-31

呪術がいかにしてリアリティを獲得するかを考える際に、呪術の効果をめぐる議論は避けて通れない。特に治療に関する呪術は、苦痛や不調を抱える病者の身体に直接働きかけるため、その効果が議論の対象になりやすい。たとえば医療人類学での「疾患(disease)」と「病い(sickness)」という有名な区分は、生物医学は「疾患」を対象とし、呪術などの伝統医療は「病い」に対処するもので、呪術には生理学的な効果は認められないという前提のもとに成立している。しかし、呪術が心理面に作用し、生物医学は身体に作用するという「効果」の想定は適切なものであろうか。現在も継続している呪術的な伝統医療について、「信じるからこそ効く」と説明するだけでは呪術のリアリティを十分に考察したとはいえない。いかにしてそれが「効く」と捉えられるのかを考察する必要があるだろう。 本論文では、東北タイの二種の民間医療師を俎上に載せる。一つは、近代科学の象徴たる「注射」を駆使しながらも、〈非科学的〉な治療を提供してきた「注射医」で、もう一つは近代医学が対処を得意とする毒蛇咬傷などの症例を主たる対象とする「モーパオ」という呪文の吹きかけを行う呪医である。東北タイでは、1960 年代より1980 年代にかけて注射医が治療行為を行っていたが、近隣に病院や保健センターなどができて近代医療へのアクセスが高まったのち、注射医は姿を消した。一方、現在では近代医療を容易に利用することができるにもかかわらず、モーパオのような呪医はなおも活動を行っている。両者の治療行為は対照的に見えるが、治療において直接身体に感受することのできる感覚(痛みと吹きかけ)こそが、治療によってもたらされる「効果」として人びとに受け入れられている点で共通する。こうした治療行為のなかで、病者が受け取る感覚こそが呪術の効果であり、モーパオを存続させている力といえるだろう
著者
飯田 淳子
出版者
京都大学大学院人間・環境学研究科 文化人類学分野
雑誌
コンタクト・ゾーン = Contact zone (ISSN:21885974)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.192-210, 2015-03-31

本稿では、北タイの農村、病院、学校における語りと実践を検討することを通じ、呪術の効果の多様な指標の影響関係において、感覚的経験がどのような役割を果たすのかを考察する。感覚的経験は、病因とされる「毒」の可視化などを通じ、呪術の効果に説得力を与える。一方、不可視なものは不確定であるだけに、何らかの出来事を通じて恐怖感を顕在化させることもある。科学的知識の体現者であるはずの医療従事者や教師たちは、科学的にその意義を説明できる限りにおいて呪術を容認する言説を紡ぎ出す。しかしそれとは裏腹に、彼らは科学で説明できないにもかかわらず、何らかの事象に対し呪術を疑い、それに対処しようとすることがある。例えば医師はレントゲン写真に写ったものを呪術によるものではないかと疑い、教師は精霊憑依を目撃した、あるいは誰もいないはずの理科室で足音を聞いたと感じて除霊や慰霊を行う。感覚的経験は、このように言葉と反する行為の基盤にもなっている。各種のメディアも感覚に訴えて村人の知識や治療法の選択に影響を与えており、呪術の効果もそうした社会的文脈の中に位置づけられている。病院医療や学校教育、マスメディアなどの近代的とされる現象を経由することにより、呪術の感覚的経験はむしろ増幅され、その効果は強化された形で人々に認識されている側面があることが明らかになった。
著者
荒井 文昭
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育學研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.80, no.2, pp.210-221, 2013-06-30

本論では、教育と政治の結節点として校長人事の決定過程をとらえることにより、(1)東京都を事例にした校長人事をめぐる教育委員会制度に残された課題を検討し、(2)校長人事の決定過程における地域住民の位置をめぐる課題について、学校運営協議会の導入をめぐる中央教育審議会での審議過程に対する検討をおこなった。そして、校長人事の決められ方に現れる教育統治のかたちと、教育実践のあり方との相互関係を調査研究していくことが、教育学としての教育政治研究の、これからの課題として設定されうることを論じた。