著者
大野 航平 武田 龍 中野 幹生 ニコルズ エリック 駒谷 和範
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

我々は,暗黙的確認により対話システムの知識にない単語(未知語)の獲得を行う手法の開発に取り組んできた.システムは未知語のクラスを含めた暗黙的確認要求をユーザに対して行い,ユーザの応答からその内容が正しいとわかった場合に,そのクラスを獲得する.本論文では,ユーザの応答などに基づいて正しい確認要求を抽出する手法と,同じ確認要求に対する複数の抽出結果を用いてより確実に知識を獲得する手法とについて述べる.
著者
ペパー エリック Shumay Dianne M. Moss Donald Sztembis Rafal 竹林 直紀
出版者
日本バイオフィードバック学会
雑誌
バイオフィードバック研究
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.69-76, 2014

健康信念モデル(Health Belief Model)の理論においては,医学的治療や患者のセルフケアを計画する場合には,クライアントの病気への考え方を考慮する必要があると考えられている.クライアントと医療者の病気の原因に対する考え方(原因帰属)が一致した時に,勧められた医学的治療やセルフケア計画を本人が受け入れ易くなる.この論文では,疾病の原因帰属における自己コントロールと他者コントロールの視点から述べてみたい.クライアントが,病気は自分で治すことはできず外科手術や薬物療法のような他者による治療だけが有効と信じている場合,自己コントロールや行動変容が求められる生活指導や自己養生法などのアプローチを受け入れることは難しい.医療専門家が患者の価値観や病気への考え方を考慮せず,一方的に病状や治療について説明した場合,病気への不安を高めてしまい病状を悪化させてしまうことも起こりうる.他方,希望を持てるような言葉で医師から説明を受けると,プラシーボ効果により治癒過程が促進される.著者は,バイオフィードバックとソマティックフィードバックの体験が,疾病の原因帰属の認知を変え,思考と感情が身体の生理反応に影響するということへの気づきを促すための効果的な方法となりうると考えている.この臨床実践レクチャーでは実際の症例を2つ提示し,ソマティックフィードバックの具体的な方法についても紹介したい.
著者
エリス ロッド
出版者
国立国語研究所
雑誌
国語研プロジェクトレビュー (ISSN:21850119)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.3-22, 2010-07

本論は,明示的教授法が第二言語習得にどのような効果をもたらすのかについて検証する。まず暗示的教授法と明示的教授法の違いを明確にする必要性について論じ,さらに能動的・受動的,帰納的・演繹的という観点から幾つかの異なるタイプの明示的教授法を区別する必要性を述べる。また,学習者が第二言語として得る知識の種類(暗示的知識と明示的知識)という観点から明示的教授の効果を検討することも重要である。明示的・暗示的という2種類の教授法の効果を調査した従来の研究は,学習者が獲得する暗示的知識の妥当な測定方法を示していないために,その結論も概して中途半端なものになっている。しかしながら,これらの研究によって,明示的知識の発達には明示的教授の方が優れている場合が多いことが立証されていることは確かである。たとえ明示的教授が明示的知識の獲得だけに終わるとしても,(1)明示的知識は言語運用力に不可欠な要素であり,(2)明示的知識は暗示的知識の発達をつかさどる過程の切っ掛けとなるという点において明示的教授法は意義があるといえよう。本論の最後では,能動的演繹的教授法と帰納的明示的教授法の相対的な長所を検討し,明示的知識を教える際に学習者の意識を高めるタスク(コンシャスネス・レイジングタスク,能動的帰納的明示的教授法の一種)を多く使うほうが有効であることを主張する。
著者
原田 恵理子 ハラダ エリコ Eriko Harada
雑誌
東京情報大学研究論集
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.9-18, 2013-09-30

本研究では、高校生のネットいじめの実態について調べ、ネットいじめの実態に応じた支援のあり方を検討した。高校生325名を対象にした質問紙調査を行い、パソコンと携帯電話によるネットの使用、伝統的いじめとネットいじめの併存、傍観者の経験、ネットいじめに対する支援のニーズを検討した。その結果、伝統的いじめとネットいじめの併存は1%、傍観した経験は7%であった。また、多くの生徒がネットいじめに対する教育を希望し、学校及び学級に対する心理教育の重要性が明らかとなった。
著者
増山 栄一 エリック
出版者
広島国際学院大学現代社会学部
雑誌
現代社会学 (ISSN:13453289)
巻号頁・発行日
no.10, pp.115-131, 2009

It has often been criticized that Walt Disney's "They lived happily ever after" storiessuch as Sleeping Beauty and Snow White do not represent the real U.S. society. Inorder to wipe off this criticism, Walt Disney Pictures released Enchanted in whichGiselle the heroine is sent to New York City by evil Queen Narcissa from a fairytaleland, Andalasia where she was supposed to get married with Prince Edward to livehappily ever after. The movie appears to be a success because Walt Disney Picturesintroduces the traditional plots that they have valued for a long time and cleverlyintertwines them with the contemporary alternatives, or the facts of life, some ofwhich should have been mentioned in Disney's works in order to let children knowthat "living happily ever after" cannot always happen in our real lives. When Ichecked people's criticism on this successful movie in Japan and the U.S. written onthe internet, I found interesting differences in their comments and opinions in thesetwo countries. Why do these differences exist? How differently do people in thesetwo countries perceive "They lived happily ever after"? And why? In this paper, Iwill conduct a socio-cultural analysis on this Walt Disney movie, Enchanted, in order to answer these questions. 「ウォルト・ディズニーの『眠れる森の美女』や『白雪姫』等に見る『2人はその後幸せに暮らしました。』はアメリカの現実社会を適切に表していない。」とたびたび批評されてきたが、そのような批評を消し去る為に、ウォルト・ディズニーピクチャーズは『魔法にかけられて』を制作した。この映画では、ヒロインであるジゼルは悪女王ナリッサによっておとぎの国、アンダレージアから現代のニューヨークの町に送られてしまう。ゼジルはアンダレーシアで結婚して、エドワード王子と2人でその後幸せに暮らすはずであった。この映画は成功を収めたが、その理由はディズニーが長い間大切にしてきた伝統的なストーリーラインを、『魔法にかけられて』に盛り込みながらも、それを、ディズニーがもっと前に紹介すべきであった現代的な考え方、言い換えれば日常生活の現実と一緒に映画の中に組み込むことで、「2人はその後幸せに暮らしました。」は必ずしも実際の生活の中では起きるとは限らないと示唆したからである。この成功を果たした映画に対する日本とアメリカの人たちの映画批評をインターネットで読んだ時、国の違いで批評がかなり相違していることに気が付いた。なぜこのような相違が存在するのか。「2人はその後幸せに暮らしました。」は日本とアメリカでいかに相違して受け止められているか。そして、その理由は。私は、この論文でウォルト・ディズニー映画『魔法にかけられて』に関する社会文化的な分析を行い、これらの質問に答えていきたい。
著者
大久保 敬 カーナス エリザベス セスラー ジョナサン・エル ケイディッシュ カール・エム 福住 俊一
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.3P75-3P75, 2011

シクロ[8]ピロールとピレンカルボキシレートはアセトニトリル中で超分子錯体を形成することを見いだした。UV-vis滴定より求めた錯形成定数は2.6 x 105 M-1と決定され、非常に強く錯形成することが分かった。この超分子錯体の溶液にナノ秒レーザーフラッシュフォトリシスを行うと、電荷分離状態に由来する過渡吸収帯が観測された。電荷分離寿命は300マイクロ秒であった。