著者
本間 清一 大町 睦子 田村 敦子 イシャク エリ 藤巻 正生
出版者
財団法人 学会誌刊行センター
雑誌
Journal of Nutritional Science and Vitaminology (ISSN:03014800)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.375-380, 1983
被引用文献数
2 7

The lipids were extracted from the winged bean (<i>Psophocarpus tetragonolobus</i>) seed with water-saturated <i>n</i>-butanol. Lipids were separated into groups by preparative TLC on silica gel G. The amount of each lipid type was determined by analysis of the fatty acid constituents in each lipid type.<br> Glyceride was the major lipid accounting for 89.6% of the total, followed by an unknown lipid 4%, free fatty acid of 2.3%, 1, 3-diglyceride, 1, 2diglyceride and steryl ester as 1% each and finally a polar lipid as 0.2%. The results show that winged bean oil should be suitable for edible purposes. Triglycerides showed a similar profile of fatty acids to those of whole lipid: the major fatty acids were palmitic (10.9%), stearic (4.5%), oleic (37.1%), linoleic (19.0%), eicosenoic (3.6%), behenic (18.5%) and lignoceric (4.2%) acids. Compared to soybean oil, winged bean oil contained long chain fatty acids and a fairly small amount of linolenic acid which is favorable regarding oil stability against autoxidation.
著者
トロック はるか ロザンヌ グラニエリ
出版者
Japan Society for Medical Education
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.191-195, 2009

1) 米国では臨床教育のプロフェッショナルであるClinician Educatorに対するニーズが高まり,より高いスタンダードが期待されるようになった.<br>2) Clinician Educatorを育成するプログラムには様々な形態が存在するが,米国には,修士課程を含む継続的,また包括的な指導医養成プログラムがいくつか存在する.<br>3) ピッツバーグ大学医学部のClinician Educator Training Programは1,2年間の継続的なプログラムを通じて医学教育のリーダーを育成し,医学教育を学問として発展させることを目的としたプログラムである.
著者
定延 利之 キャンベル ニック 森 庸子 エリクソン ドナ 金田 純平 坂井 康子 匂坂 芳典 朱 春躍 砂川 有里子 友定 賢治 林 良子 森山 卓郎 大和 知史 犬飼 隆 杉藤 美代子 藤村 靖
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本プロジェクトは、書きことば研究に比べて立ち遅れの目立つ、日本語の話しことば(韻律を含む)の研究を進めるものである。「人物像」を重視した前研究(基盤A(H19-22))において、日本語の主な話し手像(発話キャラクタ)を分析したように、本プロジェクトでは日本語話しことばに見られる主な「状況」を考察し、「状況」に基づく話しことばの姿を分析する。特定の「状況」において「どのような立場の者が、どのような立場の者に対して、どのような発話の権利を持つのか」を明らかにし、それを活かした資料を作成する。
著者
エリス 俊子 OTOMO RIO
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

1.金原ひとみに関して書いた論文に推敲を重ね、「少女を読む少女」(青山とも子編Routledge社)の一章として2008年の出版を予定している。この論文は1995年以降に登場した村上春樹以降の若手作家に現れる傾向を探りつつ、女性、文体、近代的主体の行方を追った研究の一環である。2.その後村上作品に戻って、脱ジェンダーが実は女性性を隠蔽するシステムとなっている点を分析し、最近の作品「アフターダーク」における日常と非日常の空間の表象を考察した。この研究は「少女、身体、そして国家」、「文学と言語における空間と時間」という二つの学会に向けて書かれ、共に、単行本の一章として出版が予定されている。3.さらに、「やおいマンガの語りと欲望の消費」という小論文を書き、マンガやライトノベルのジャンルの語りに現れる日常性にも目を向け、現在出版に向けて推敲中である。4.ウェブ・ジャーナル「日本近代文学:フェミニズム文学批評」の立ち上げは、若干の遅れはあるものの進行中で、来年9月にタスマニア大学(豪州)にて「日本研究科で文学を教えるためのワークショップ」を開催し、その際同時にこれを立ち上げる予定。
著者
堤 浩之 ラモス ノエリナ ペレス ジェフリー
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2009年度日本地理学会秋季学術大会
巻号頁・発行日
pp.28, 2009 (Released:2009-12-11)

1.はじめに フィリピン海プレートの西縁には,北から南海トラフ・琉球海溝・マニラ海溝・フィリピン海溝などの沈み込み帯が連続する.このうち,マニラ海溝およびフィリピン海溝では,過去400年間にM8クラスの海溝型巨大地震は発生していない(Bautista and Oike, 2000).また,完新世海成段丘の調査もほとんど行われておらず,これらの沈み込み帯の巨大地震発生ポテンシャルは不明である.しかし,例えばマニラ海溝で巨大地震および津波が発生すれば,マニラ大都市圏をはじめとするフィリピン沿岸部はもとより,南シナ海周辺諸国にも大きな被害がおよぶ可能性が高い.我々は,マニラ海溝に面するルソン島西端のボリナオ(Bolinao)地域,およびフィリピン海溝に面するミンダナオ島東端のマナイ(Manay)地域の海岸地形調査を行い,有史以前の海溝型巨大地震に伴って隆起したと考えられる数段のサンゴ礁段丘を確認したので報告する. 2.ボリナオ地域のサンゴ礁段丘 マニラ海溝はルソン弧の西側に位置し,そこでユーラシアプレートが東へ沈み込んでいる.ルソン島北西部のパンガシナン州ボリナオ市周辺は,マニラ海溝に最も近接した地域であり,隆起サンゴ礁からなる海成段丘が高度160m以下に発達している(Maemoku and Paladio, 1992).ボリナオ沖でのプレートの収束速度は6~7cm/yr程度と見積もられている(Rangin et al., 1999).海岸部には,高度10m以下に,少なくとも3段の隆起ベンチが確認される.海側へ緩く傾斜するそれぞれの隆起ベンチは,比高数mの急な段丘崖で隔てられ,段丘崖の基部にはノッチが観察される.このような地形的特徴は,間歇的地震隆起に起因する世界各地の海岸段丘地形に類似しており,マニラ海溝でも数mの海岸隆起をもたらすような巨大地震が,過去に繰り返し発生してきたことを示唆する.これらの隆起波食地形の旧汀線高度を求めるために,レーザー測距器を用いた地形断面測量を約20地点で行った.高度の基準は海面とし,測量後に潮位補正を行った.最低位の段丘(I面)の旧汀線高度は,海溝軸に最も近いレナ岬(Rena Point)で4.5m程度であり,そこから東へ海溝軸から離れるにつれて低くなり,約15km東方では2m以下となる.II面やIII面の旧汀線高度分布も同様な傾向を示す.これらの段丘の離水年代を求めるために,現地性のサンゴの化石を採取した.試料から不純物を除去し,X線回折分析により試料がカルサイト化していないことを確認した上で,14C年代測定を順次行っている.これまでに,II面の旧汀線付近のマイクロアトール外縁部から2000±20yBPの年代値が得られている. 3.マナイ地域のサンゴ礁段丘 フィリピン海溝はルソン弧の東側に位置し,そこでフィリピン海プレートがフィリピン諸島の下に東から沈み込んでいる.ミンダナオ島南東部のダバオオリエンタル州マナイ市周辺は,フィリピン海溝に最も近接しており,隆起サンゴ礁からなる海成段丘が高度200m以下に発達している.マナイ沖でのプレートの収束速度は4cm/yr程度と見積もられている(Rangin et al., 1999).本地域の海岸沿いでも,高度15m以下に4段のサンゴ礁段丘を確認した.これらの段丘は,比高2~4_m_の明瞭な段丘崖で隔てられている.本地域では,現時点で3地点の測量データしかないが,各面の旧汀線高度は,I面:2~3m,II面:5~6.5m,III面:7~10m,IV面:9m以上となる.これらのデータは,海岸部を2~4m程度隆起させるような地震が,フィリピン海溝沿いに繰り返し発生してきたことを示唆する.このうちII面とIII面から採取されたサンゴ化石から,それぞれ4155±25yBPと6525±25yBPの年代値が得られた.これらの年代から,マナイ地域の海岸部を縁取るサンゴ礁段丘は完新世に形成された可能性が高いと考えられる. 現在,追加の年代測定を行っており,今後これらのデータも含めてマニラ海溝・フィリピン海溝の巨大地震の時期や周期について検討する予定である.また調査範囲を拡大して,海岸の隆起パターンを明らかにし,隆起をもたらした地震の震源断層モデルの構築を行う予定である.
著者
伊藤 清彦 ローズ エリザベス L. 趙 殷範
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.4-13, 2011-06-20 (Released:2022-08-20)
参考文献数
32
被引用文献数
1

企業固有の優位性,先発者の優位性,規模の経済の概念に基づいて,企業の国内競争力と多国籍度との関係を調査した.大手企業は経営資源を多く持つため,多国籍度が高いと思われる.しかし日本企業のデータの分析結果からは,企業規模と国際経験をコントロールすると,日本国内市場のリーダー企業は競合他社に比べて,多国籍度が低くなりがちであり,多国籍度に関してはリーダーが後続企業のあとを追っている状況がうかがえる.