著者
上田 大貴 川端 祐一郎 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.78, no.6, pp.II_668-II_676, 2022 (Released:2022-04-20)
参考文献数
24

2020年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は,健康被害のみならず,感染症対策のための社会活動制限を通じて,経済にも大きな損失をもたらした.本研究では,2020年第2・第3四半期において,新型コロナウイルス感染症対策のための行動制限が各国のGDPに与えた影響を44ヵ国のデータを用いて検討し,行動制限がGDPを大きく低下させることを確認する.また,データの比較が可能なG7各国について,労働者の賃金に対する政府補償の充実度合いが行動制限及びその緩和に与える影響についての実証研究を行った.その結果,政府による補償の充実は感染拡大を抑止するための行動制限を促進する効果とともに,制限の解除時においては経済活性化の促進効果を持つことが示唆された.
著者
上田 大志
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012

本年度は、昨年度同様、注視している固視点を数百ミリ秒前に消すことにより、周辺視野に呈示される視覚刺激への運動反応が促進されるギャップ効果と呼ばれる現象を使い、「意識にのぼらない視覚刺激が行動に及ぼす影響」について検証した。昨年度の研究では、アモーダル補完による「物理的には消失するものの主観的には維持される固視点」を使用することで、ギャップ効果による運動反応促進には固視点の主観的消失が必要不可欠であることを明らかにした。そこで本年度は、昨年度の「見えていないのに在ると思う」に合わせ、「見えていないのに実際には在る」視覚刺激を使用し、ギャップ効果による運動反応促進における固視点の物理的消失の必要性を検証した。実験では、視覚刺激の物理的入力が維持された状態で意識に上らなくさせる連続フラッシュ抑制と呼ばれる知覚現象を利用し、「主観的には消失しているものの物理的には維持される固視点」を使用した。結果、眼球運動では、通常のギャップ効果の条件に比べ反応促進効果が減少し、固視点の物理的消失が必要不可欠であることが示された。一方、手の運動では、通常条件と同程度の反応促進効果が見られ、固視点の主観的消失の有無のみ影響することが示された(Experimental Brain Research誌掲載)。また本年度は、これまでの「知覚と運動」に、「高次認知機能」を加えたより一般的な視覚運動変換の理解を目指し、自分に対する視線の出現・消失による注視刺激の「意味的」変化によるその後の運動反応への影響についても検証した。結果、従来のような低次知覚によるギャップ効果が生じない条件であっても、顔・視線認知に関連する高次機能がその後の眼球運動反応に影響を与えることを明らかにした。このことは、顔・視線認知同様、ギャップ効果による眼球運動の反応促進が、潜在的かつ自動的なプロセスによって生じていることを示唆している(Attention, Perception, & Psychophysics誌掲載)。
著者
岩田 幸雄 惠良 勝治 山﨑 浩介 貝嶋 誠 河野 憲治 岩下 裕孝 樫尾 朋宏 岩木 昌三 上田 大一朗
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.736-742, 2020 (Released:2020-06-26)
参考文献数
3

FM補完放送の開始にあたり従来は困難とされていたFM同期放送による放送網の実現を目的として,最新のディジタル回路設計技術を用いた高精度のディジタル型のFM変調器を開発し取り組んだ.新局を順次開局しながら同期放送の各種課題をフィールドで調査しその解決策をシステムに取り入れて改良しながら検証を進めた.2018年12月に周防大島局を開局し当初予定した13局の中継局の設置を完了した.FM補完放送の構築においては県内の瀬戸内海側の8局をすべて92.3 MHzで,日本海側の5局を86.4 MHzで構成した同期放送ネットワークにより従来にないエリア確保と良好なサービス品質を提供している.
著者
尾崎 文代 上田 大輔
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.79, pp.35-42, 2007-03

<p>広島大学では,2006年4月に機関リポジトリである広島大学学術情報リポジトリ(HiR)を立ち上げ,2006年12月6日現在で1,945件の教育研究コンテンツを公開している。本稿では,私たちが行った研究者への個別訪問による初期コンテンツの収集について,また,学内刊行物の収集やデータベースを用いた最新論文の提供依頼,機関リポジトリ活用のための工夫などによって継続的にコンテンツを収集し,機関リポジトリを育て続けていくための戦略について述べる。</p>