著者
早川 知道 伊美 裕麻 伊藤 孝行
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.317-326, 2016

日本のOpenStreetMap(OSM) は活発な活動により多くの成果物が作成されているが, 持続可能なコミュニティとなり多くの社会活動に成果物を活用するためには, 様々な課題がある. 本稿では, 日本のOSMの現状分析を行い, 今後の課題を明確にし, 日本のコミュニティに問題提起するための検証をした. 最初に, 成果物数と貢献者数について日本とOSM先進地域で比較調査分析し, 日本のOSMの現状と課題を明確にした. 次に, OSMの品質の要素である, 成果物の粒度について調査した. 調査の結果, 貢献者をいかに定着させるか, さらには, 新たな貢献者をいかに増やすのか, が日本のOSMコミュニティの課題となった.
著者
西川 智佳 伊藤 孝行 永井 明彦 丸山 智美
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

今日,投稿型レシピサイトが普及しているが,これらは詳細な栄養量情報が記載されていないことが多い.よって,ユーザは自身で栄養を考慮しなければいけない.そこで,ユーザの身体情報やアレルギー食材を元に,様々な栄養素を考慮した献立表推薦システムを提案する.また,ユーザは実際に食べる食品を入力でき,その食品のエネルギー量を元に献立表が再調整される.また,栄養士の評価を受け,本システムの妥当性を確認した.
著者
伊藤 孝行
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.20-32, 2008-10-28
参考文献数
63
被引用文献数
3

計算論的メカニズムデザインは,分散された個人情報を持つ自律的意思決定主体(エージェント)の社会的決定と,計算量や通信コストといった計算機科学の概念を同時に扱う新しい分野である.ミクロ経済学やゲーム理論の概念及び知識と,マルチエージェントシステムや計算機科学の概念及び知識が必要となる.さらに,計算論的メカニズムデザインは,理論からダイレクトに応用が可能な分野の一つである.本解説では,古典的メカニズムデザインの基本概念を概説した後,組合せオークションなどの計算論的メカニズムデザインの基本問題を解説する.その後,現在,計算論的メカニズムデザインの分野で注目されている課題やテーマについて紹介する.
著者
坪井 辰之助 大塚 孝信 伊藤 孝行
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

現在日本では急速な高齢化に伴い介護が必要な高齢者数も増えている.また介護を受けながら一人暮らしをしている高齢者も大幅に増えている.介護を受けている独居高齢者の増加は介護従事者の負担を増やしている. 我々は人感センサを搭載した複数のセンサユニットを用いて,SVMや相対密度による手法を用いた異常状態を検知する手法の提案及び検証を行った.
著者
岩上 将史 伊藤 孝行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.104, pp.33-40, 2008-10-23

SNS を利用して個人間でお金の貸し借りをするソーシャルレンディングでは,返済不履行のリスクが個人の貸し手に委ねられる.ソーシャルレンディングは比較的新しい分野であるため,仕組み自体は経験的に設計されていることが多い.本論文では特に利率の決定方法を提案する.本手法では,借り手が所属する複数のグループの返済遅延の確率分布を考慮した,尤度によるベイズ推定を用いて利率の調整を行う.そして,本手法での利率決定による影響について,エージェントを用いて実験的に解析を行う.本手法により,借り手の返済履歴が多くなるほどバラつきの少ない利率決定が可能となる.その結果,リスク(利率毎の返済遅延率の分散)が少ないことを望む貸し手に対しては取引成立数を増やすことが可能となる.In social lending, in which an individual lends or borrows money using an SNS network, a person who lends money must take a risk that the money won't be returned. Since social lending is a comparatively new field, very few studies have been made. Therefore, we present an experimental assessment of the influence of the updating of an interest rate using Bayesian estimation, which takes into consideration the influence of groups with agents. Our method decreases dispersions of the delay of the borrower in payment with the increasing loan history of the borrower. As a result, when the lenders are risk-averse (risk means the dispersions of the delay of the borrower at each interest rate), the number of transactions increases. Therefore, our method is effective because it can cause the transactions of lenders who are risk-averse to increase.
著者
岩上 将史 伊藤 孝行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.208, pp.39-44, 2008-09-09

SNSを利用して個人間でお金の貸し借りをするソーシャルレンディングでは,債務不履行のリスクが個人の貸し手に委ねられる.ソーシャルレンディングは比較的新しい分野であるため,仕組み自体は経験的に設計されていることが多い.本論文では特に利率の決定メカニズムを提案する.そして借り手が所属するグループの返済確率分布を尤度に加えたベイズ推定を用いた利率の更新による影響について,エージェントを用いて実験的に解析を行う.また,借り手をグループに所属させることによる返済遅延率への影響についても考察する.本手法により,借り手の返済履歴が多くなるほどバラつきの少ない利率決定が可能となる.その結果,リスク(利率毎の返済遅延率の分散)が少ないことを望む貸し手に対しては取引成立数を増やすことが可能となる.一般的には貸し手はリスクを避ける傾向があるため,リスク回避型の貸し手の取引成立数を増やせる本手法は有効であると考えられる.
著者
水谷 信泰 藤田 桂英 伊藤 孝行
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

マルチエージェントシステムの分野において,各論点が相互依存関係にある複雑な交渉問題が注目されている.しかし,既存の手法では論点数やエージェント数の増加に対するスケーラビリティが不十分であった.本論文では,論点の依存関係に基づくグループ分けを行い、グループごとに遺伝的アルゴリズムを用いて合意形成を行う手法を提案する.さらに,シミュレーション実験により提案手法が,既存手法より優れていることを示す.
著者
小林 真雄 伊藤 孝行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.211, pp.1-6, 2009-09-18

昨今,インターネットにおける商取引が盛んに行われている.特にインターネットオークションは大きな市場の一つである.現在多くのオークションサイトで用いられているユーザ評価システムには,取引の情報を反映しきれない等の問題点がある.そこで,本研究ではインターネットオークションにおけるユーザ間の関係性を考慮したユーザ評価システムの提案を行う.本論文では本システムにおけるユーザの評価手法を述べ,またユーザ間の関係性を実取引データを用いて検証を行った.らその結果,既存の評価システムとのユーザランキングにおける比較で高い相関を示し,また既存の評価指標よりも提案する関係性値はユーザを低く評価する傾向にあることが分かった.
著者
伊藤 孝行 横尾 真 松原 繁夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.602, pp.15-22, 2002-01-18

インターネット上のオークションでは, 不特定多数の人間が商品(財)を販売しており, 商品の質を正確に見極めるのは困難である.例えば, 骨董品が売られていたとしても, その骨董品が本物であるか偽物であるかを見極めることは難しい.もし買い手が, 偽物の骨董品を高い値段で購入してしまった場合, 買い手は, このオークションによって損害を被る.骨董品の質を見極めることができる専門家は, このオークションによって利益を得ることができてしまう.これは, オークションプロトコルが, 財の効率的な配分に失敗していることを意味する.そこで, 本論文では, 専門家に, 自然の選択に関する情報を正しく申告させることによって, パレート効率的な配分を実現し, かつ, 合理的な参加者が損害を被らないようなオークションプロトコルを設計する.本論文で提案するオークションプロトコルは以下の4つの特長を持つ.(1)専門家にとって真の申告をすることが支配戦略である.(2)専門家の人数に関する仮定の下で, 素人にとっても, 真の申告をすることが支配戦略となり, 反復支配戦略均衡を得られる.(3)反復支配戦略均衡のもとでパレート効率な割り当てを実現する.(4)非合理的なプレイヤが存在しても, その数がある閾値以下ならば, 合理的なプレイヤは損をしない.
著者
伊藤 孝行 横尾 真 松原 繁夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.614, pp.11-16, 2003-01-23

インターネット上のオークションでは,不特定多数の人間が商品(財)を販売しており,商品の質を正確に見極めるのは困難である.例えば,骨董品が売られていたとしても,その骨董品が本物であるか偽物であるかを見極めることは難しい.そこで筆者らは過去に,買い手が財の質(例えば本物か偽物か)について正確に判断ができない場合,条件付きの入札が可能なオークションプロトコルを提案した.ここでは,専門家に,自然の選択に関する情報を正しく申告させることによって,合理的な参加者が損害を被らないようなオークションプロトコルの設計に成功した.本論文では,上のような状況において,複数財の組合せに対して入札が可能なオークションを設計する.ここで,専門家が単一の財に関して専門知識を持つ場合と複数の財に専門知識を持つ場合が考えられる.前者の場合でも複雑な問題であるが,後者はより複雑な問題になっている.そこで,本論文では,まず前者の場合のオークションプロトコルを設計する.すなわち,単一の財に関して専門知識と興味を持つ専門家に自然の選択に関する情報を正しく申告させ,素人にとって,真の申告をすることが最適反応戦略になるプロトコルを設計する.
著者
伊藤 孝行 横尾 真 松原 繁夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.8, pp.69-74, 2003-01-29

インターネット上のオークションでは,不特定多数の人間が商品(財)を販売しており,商品の質を正確に見極めることは困難である.例えば,骨董品が本物であるか偽者であるかを見極めることは難しい.そこで筆者らは過去に,買い手が財の質(例えば本物か偽者か)について正確に判断ができない場合,条件付きの入札が可能なオークションプロトコルを提案した.ここでは,専門家に,自然の選択に関する情報を正しく申告させることによって,合理的な参加者が損害を被らないようなオークションプロトコルの設計に成功した.本論文では,上のような状況において,複数財の組合せに対して入札が可能なオークションを設計する.ここで,専門家が単一の財に関して専門知識を持つ場合と複数の財に専門知識を持つ場合が考えられる.前者の場合でも複雑な問題であるが,後者はより複雑な問題となっている.そこで,本論文では,まず前者の場合のオークションプロトコルを設計する.すなわち,単一の財に関して専門知識と興味を持つ専門家に自然の選択に関する情報を正しく申告させ,素人にとって,真の申告をすることが最適反応戦略になるプロトコルを設計する.Auctions have recently commanded a great deal of attention in the field of multi-agent systems. Correctly judging the quality of auctioned goods is often difficult for amateurs, on the Internet auctions. We have formalized such a situation so that Nature selects the quality of the auctioned good. Experts can observe Nature's selection(i.e., the quality of the good) correctly, while amateurs, including the auctioneer, cannot. In often words, the information on Nature's selection is asymmetric between experts and amateurs. In this situation, it is difficult to attain an efficient allocation, since experts have a clear advantage over amateurs, and they would not reveal their valuable information without some reward. Thus, we have succeeded in developing a single unit auction protocol in which truth-telling is a dominant strategy for each expert. In this paper, we focus on a combinatorial auction protocol under asymmetric information on Nature's selection. Experts may have an interest in, and expert knowledge on, Nature's selection for several goods, i.e., experts are versatile. However, the case of versatile experts is very complicated. Thus, as a first step, we assume experts to have an interest in, and expert knowledge on, a single good. That is, experts are single-skilled. Under these assumptions, we develop an auction protocol in which the dominant strategy for experts is truth-telling. Also, for amateurs, truth-telling is the best response when experts tell the truth. By making experts to elicit their information on the quality of the goods, the protocol can achieve a socially desirable, i.e., Pareto efficient allocation, if certain assumptions are satisfied.
著者
伊藤 孝行 横尾 真 松原 繁夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.87, no.10, pp.920-930, 2004-10-01
被引用文献数
2

インターネット上のオークションでは,不特定多数の人間が商品(財)を販売しており,商品の質を正確に見極めるのは困難である.例えば,骨董品が売られていたとしても,その骨董品が本物であるか偽物であるかを見極めることは難しい.商品の質が正確に見極められないことによって,商品の質に関する素人が,商品の質に見合わない価格で商品を購入してしまうという問題がある.そこで筆者らは過去に,買い手が財の質(例えば本物か偽物か)について正確に判断ができない場合に,条件付きの入札が可能なオークションプロトコルを提案した.ここでは,専門家に,自然の選択に関する情報を正しく申告させることによって,合理的なプレイヤが損害を被らないようなオークションプロトコルの設計した.本論文では,上記のような状況において,複数財の組合せに対して入札が可能なオークションを設計する.ここで,専門家が単一の財に関して専門知識をもつ場合と複数の財に専門知識をもつ場合が考えられる.前者の場合でも複雑な問題であるが,後者はより複雑な問題になっている.そこで,本論文では,まず単一の財に関して,専門知識と興味をもつ専門家に商品の質に関する情報を正しく申告させ,素人にとって,真の申告をすることが最適反応戦略になるプロトコルを設計する.本オークションプロトコルの特長は,以下の四つである.(1)専門家にとって,真の申告をすることが支配戦略である.(2)素人にとって,他の素人がどのような申告をするかにかかわらず,専門家が支配戦略をとると仮定した上で真の申告をすることが最良の戦略となる.(3)パレート効率的な割当を実現する.(4)非合理的なプレイヤが存在したとしても,その数が1人ならば,合理的なプレイヤの効用が負になることはない.