著者
辻 澄子 藤原 香里 柿内 雅 柴田 正 内堀(長谷) 幸子 古山 みゆき 兼田 登 尾田 美子 藤原 一也 鈴木 宏 伊藤 誉志男
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.303-313_1, 1993-08-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1 3

生鮮及び加工食品合計213種類 (864検体) について, 呈色陽性物質を除去して亜硫酸量 (SO2として) を算出する改良ランキン-比色法を用いて, 亜硫酸の天然由来含有量を測定した. 生鮮食品中の亜硫酸の天然由来含有量が多いものの大部分は含硫化合物を含有する食品であり, 10mg/kg以上含んでいるものはワケギ, 小玉ネギ, 白ネギ, 青ネギ, 玉ネギであった. それ以外のものは, いずれも5.0mg/kg以下であった. 加工食品中の亜硫酸の天然由来含有量は生鮮食品に比べて低く, すべて10mg/kg以下であった.
著者
石橋 正博 山田 傑 北村 尚男 真島 裕子 一色 賢司 伊藤 誉志男
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.93-96, 1996-03-29
被引用文献数
1

縮合リン酸塩のピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸の1日摂取量をマーケットバスケット方式で調査した。加工食品約340品目を(1)調味嗜好飲料、(2)穀類、(3)イモ類・豆類・種実類、(4)魚介類・肉類、(5)油脂類・乳類、(6)佐藤類・菓子類、(7)果実類・野菜類・海草類の7群に分け、それぞれの群の縮合リン酸含有量を測定し、各群ことの喫食量をかけて摂取量とした。(1)縮合リン酸の1日摂取量は、15.8mgでピロリン酸が7.2mg、ポリリン酸が3.8mg、メタリン酸が5.0mgであった。(2)摂取量の多いのは、5群の6.0mgと4群の5.1mgで、主な摂取源は、5群のチーズと4群の魚介類・食肉類であった。特に、チーズの種類と喫食量は摂取量に大きく寄与することが分かった。(3)地区別の比較では、東部地区と西部地区がやや多かった。東部地区の5群が特に多かったのは、チーズの種類による影響と思われる。(4)昭和58年度、昭和62年度、平成3年度、平成6年度の調査結果より、縮合リン酸の摂取量は増加傾向にある。(5)世代別の摂取量の比較では、高齢者、学童が成人に比べ多くなった。4群は各世代に摂取量の違いはあまりなかったが、5群はチーズの種類の影響でかなりばらつきがあった。その他、学童の6群と7群も他の世代に比べやや摂取量が多かった。
著者
河村 太郎 堺 敬一 宮沢 文雄 和田 裕 伊藤 誉志男 谷村 顕雄
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.12, no.5, pp.394-398, 1971-10-05 (Released:2010-03-01)
参考文献数
3
被引用文献数
6 6

Secondary amines are known as one of the precursors of nitrosamines which are potent carcinogenic compounds for human being and animals. Distribution and the contents of secondary amines in commercial foods, several kinds of meat, meat products and dairy products were described. Comparing the amounts of secondary amines in raw oods with the amounts in cooked or processed foods, it was proved that the contents of secondary amines in the cooked or processed foods increased markedly. So far as meats were concerned, whale meat showed the highest content of dimethylamine, while the meats of mutton, chicken, pork and beef contained less amount of dimethylamine with trace of diethylamine. Sausage showed larger amounts of dimethylamine than the contents in bacon and ham, because the materials of sausage consisted of pork, whale, mutton and tuna. In dairy products, modified powdered milk showed about five times as much dimethylamine as milk, while the contents in butter and processed cheese were trace. In the case of mackerel and cuttlefish, it was observed that boiled, roasted, canned or dried samples contained more amount of secondary amines than raw samples.
著者
辻 澄子 柴田 正 小原 一雄 岡田 直子 伊藤 誉志男
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.504-512_1, 1991-12-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
31
被引用文献数
11 19

コーヒー中の過酸化水素 (H2O2) をTLCで確認し, 酸素電極法及び改良4-アミノアンチピリン法を用いて定量することにより, その生成要因を検討した. コーヒー浸出液からはH2O2を検出したが, 生コーヒー豆からはH2O2を検出しなかった. ドリップ式ろ過器で浸出あるいは溶解したものはコーヒーメーカーで浸出あるいは溶解したものに比較してH2O2含量は高かった. また, コーヒー豆のばい煎度が深くなるに伴いH2O2の生成量が増加した. 焙り豆中のH2O2の生成は光及び温度の影響を受けた. コーヒー豆の成分であるショ糖, クロロゲン酸, グリシン, カフェイン, コーヒー酸及びキナ酸からH2O2は検出されなかった. また, これらの成分を混合し, コーヒー豆と同様に, ばい煎して浸出した液からH2O2が検出された. 特にばい煎したコーヒー酸からのH2O2の生成率が他の成分よりも高かった.
著者
吉川 典子 高 智美 扇間 昌規 西島 基弘 伊藤 誉志男
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.102-105, 1996-03-29 (Released:2017-12-01)
参考文献数
1

The use of sodium chlorite, permitted so far only as a breaching agent for cherry, coltsfoot, grape and peach, was recently expanded to a fungicide of the peels of citrus fruits for confectionery, vegetable, and egg shells. Remainder of chlorite in these foods after dipping into the agent was determined by ion chromatography (IC). The remaining chlorite in the vegetables and that on the egg shells were 40-130 ppm and 10 ppm, respectively. However, these remaining chlorites were completely removed by washing with water. Furthermore, the permeability of the agent through the egg shell was studied. It was found that no agent did permeate into the shell within 12 hours after the use at even ten fold excess of permitted dose.
著者
中村 優美子 外海 泰秀 辻 澄子 伊藤 誉志男
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.251-260_1, 1987

ラットを用いて, クエン酸及びそのナトリウム塩, カルシウム塩, カリウム塩の代謝を調べた. 伊藤らによって算出されたクエン酸の日本人の一日摂取量37.78mg/kgを基準として投与量を設定した. クエン酸及びその塩類の<sup>14</sup>Cでラベルされたものあるいはされていないものをラットに経口投与して, 尿中へのクエン酸排泄量, 呼気中の<sup>14</sup>C放射活性及び血中の<sup>14</sup>C放射活性の経時変化を調べた. その結果, 投与されたクエン酸及びその塩類は, いずれも体内へ吸収された後ほとんどが代謝されて体内へは蓄積せずに, 主として呼気中にCO<sub>2</sub>として排泄されることがわかった. また, 塩の違いによる差は顕著ではなかった.
著者
辻 澄子 柴田 正 江崎 真澄 伊藤 勝彦 佐瀬 勝利 伊藤 誉志男
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.161-167_1, 1993
被引用文献数
4

野菜, 牛肉及びそれらの加工食品中の硝酸根 (NO<sub>3</sub><sup>-</sup>) 及び亜硝酸根 (NO<sub>2</sub><sup>-</sup>) を紫外部吸収検出器付きサップレッサー型イオンクロマトグラフィー (IC) 並びにジアゾ化反応に基づく比色法により定量するための試料溶液の同時調製法を検討した. NO<sub>3</sub><sup>-</sup>及びNO<sub>2</sub><sup>-</sup>は80°のホウ酸ナトリウム溶液で同時抽出し, 冷却した後, モルカットIIで限外ろ過した. NO<sub>3</sub><sup>-</sup>はIC, NO<sub>2</sub><sup>-</sup>は比色法により測定した. 3%以上の塩化ナトリウムを含む食品中のNO<sub>3</sub><sup>-</sup>はオンガードAgカートリッジにて処理した. 種々の食品にNO<sub>3</sub><sup>-</sup>を5~1,000μg/g及びNO<sub>2</sub><sup>-</sup>を5~50μg/g添加したときの回収率は84.2%~102.0%であった.
著者
慶田 雅洋 伊藤 誉志男 小川 俊次郎
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.31, no.10, pp.T86-T90, 1982 (Released:2010-02-16)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

輸入品の酢酸ビニル樹脂製ふうせんペースト(幼児用おもちゃ)について,衛生的な安全性確保の目的でペースト中の有機溶剤のガスクロマトグラフィー(GC)及びマススペクトロメトリー(MS)による定性,定量法を検討した.試料をN,N-ジメチルホルムアミドに溶かし,GC(FID付き)条件を検討したところ,輸入者が自主検査で用いたPEG 20Mカラムではペーストより五つのピークが認められたが,分離が良くなかった.新たにChromosorb 101カラムを用いた条件を設定したところ,七つのピークを得,GC/MSにより主ピークはエタノールと酢酸エチル,微量ピークはメタノール,アセトアルデヒド,アセトン,酢酸メチル及び酢酸ビニルモノマーと同定できた.本条件を用い輸入品12検体の実態調査を行ったところ,エタノールが主成分{(15.4~19.8)%}のものと酢酸エチルが主成分{(24.9~28.3)%}のものがあり,又,メタノール含有量には大きな変動(3%~N.D.)が認められた.
著者
辻 澄子 小川 俊次郎 柴田 正 伊藤 誉志男
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.14-18_1, 1989-02-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

食品中のホウ酸を直接, 2-エチル-1,3-ヘキサンジオール (EHD) でキレート抽出した後, 非水条件下でクルクミン発色によるホウ酸の簡易迅速定量法を確立した. 試料中のホウ酸は酸性下で5%EHD含有のヘキサン-酢酸ブチル (4:1) 溶液で抽出した. 抽出液の一定容量にクルクミン氷酢酸溶液及び濃硫酸を加えて発色させた後, 過剰のプロトン化クルクミンを水で分解し, アセトンで希釈して比色定量を行った. 殻付き冷凍えび, 塩蔵くらげ, 寒天, 牛乳, 豆乳及びワインにホウ酸を10,100及び500μg/g添加したときの回収率はいずれも97.0%以上であった. 検出限界は0.3μg/gであった.
著者
石橋 正博 山田 傑 北村 尚男 真島 裕子 一色 賢司 伊藤 誉志男
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.93-96, 1996-03-29 (Released:2017-12-01)
参考文献数
6

縮合リン酸塩のピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸の1日摂取量をマーケットバスケット方式で調査した。加工食品約340品目を(1)調味嗜好飲料、(2)穀類、(3)イモ類・豆類・種実類、(4)魚介類・肉類、(5)油脂類・乳類、(6)佐藤類・菓子類、(7)果実類・野菜類・海草類の7群に分け、それぞれの群の縮合リン酸含有量を測定し、各群ことの喫食量をかけて摂取量とした。(1)縮合リン酸の1日摂取量は、15.8mgでピロリン酸が7.2mg、ポリリン酸が3.8mg、メタリン酸が5.0mgであった。(2)摂取量の多いのは、5群の6.0mgと4群の5.1mgで、主な摂取源は、5群のチーズと4群の魚介類・食肉類であった。特に、チーズの種類と喫食量は摂取量に大きく寄与することが分かった。(3)地区別の比較では、東部地区と西部地区がやや多かった。東部地区の5群が特に多かったのは、チーズの種類による影響と思われる。(4)昭和58年度、昭和62年度、平成3年度、平成6年度の調査結果より、縮合リン酸の摂取量は増加傾向にある。(5)世代別の摂取量の比較では、高齢者、学童が成人に比べ多くなった。4群は各世代に摂取量の違いはあまりなかったが、5群はチーズの種類の影響でかなりばらつきがあった。その他、学童の6群と7群も他の世代に比べやや摂取量が多かった。
著者
長谷川 ゆかり 中村 優美子 外海 泰秀 大島 辰之 伊藤 誉志男
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.261-265, 1990-06-05 (Released:2010-03-01)
参考文献数
9
被引用文献数
7 8

The antimicrobial and preservative effects of sodium chlorite on fish and vegetable were compared with those of sodium hypochlorite. Raw whole sardine, sliced mackerel or shredded cabbage were soaked in solutions of sodium chlorite or sodium hypochlorite at 5°C for 1 hour, and then stored for 1 or 2 weeks at 5°C. Then bacterial counts for all samples and K values of fish were determined. Browning of cabbage was observed continuously.The antimicrobial effect of sodium chlorite was as strong as that of sodium hypochlorite for fish. The two compounds were not effective to keep fish fresh (checked by K value), but sodium chlorite suppressed the growth of bacteria on vegetable better than sodium hypochlorite did, and it also protected cabbage from browning very effectively.
著者
辻 澄子 中村 優美子 外海 泰秀 柴田 正 内堀 伸健 川田 誠 小林 建夫 鈴木 宏 室井 順子 鈴木 由記子 兼田 登 鈴木 英樹 宮本 文夫 伊藤 誉志男
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.111-123, 1990
被引用文献数
2 6

農産物39種類195試料,水産物23種類115試料及び畜産物8種類40試料の生鮮食品合計70種類350試料並びに農産加工品58種類331試料,水産加工品38種類323試料,畜産加工品19種類147試料,菓子類18種類90試料,嗜好飲料31種類250試料,油脂・砂糖・調味料など15種類75試料及び調理加工食品11種類55試料の加工食品合計180種類1271試料中のH<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB>を酸素電極法により測定した. <BR>生鮮食品70種類中,H<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB>を含有していない食品は56種類であり,平均値として1mg/kg未満のものが9種類であり,1mg/kg以上のものはピーナッッ(乾)(3.3mg/kg),カレイ(1.7mg/kg),ホタテ貝(4.0mg/kg),ホタルイカ(3.4mg/kg),及びカニ(1.2mg/kg)の5種類であった. <BR>一方,加工食品188種類中,H<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB>を含有していない食品は47種類であり,平均値として1mg/kg未満が82種類,1~5mg/kgの範囲の食品が41種類であり,5mg/kg(以下単位省略)以上の食品としては甘らっきょう(5.7),干ししいたけ(7.4),いかなご佃煮(9.1),焼のり(8.9),ひとえぐさ佃煮(7.8),乾燥ひじき(8,5),玉露(葉)(6.7),煎茶(葉)(6.2),玄米茶(葉)(6.4),番茶(葉)(6.4),ほうじ茶(葉)(30.4),紅茶(葉)(18.0),ウーロン茶(葉)(35.3),麦茶(45.0),コーヒーいり豆(140.3),インスタントコーヒー粉末(368.5),ココア(62.8),こいくちしょうゆ(7.6)の18種類であった.茶類及びコーヒー類は飲用状態ではいずれも5mg/kg以下となった. <BR>調理による食品中のH2O2含有量に対する影響について,加熱調理では,H<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB>量の増加傾向が,水もどし調理では,干ししいたけ以外はH2O2量の減少傾向が示された. <BR>従って,H<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB>含有量は調理方法により大きく変化することが判明した. <BR>更に,干ししいたけのように,水もどしすることにより,H<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB>量が増加傾向を示し,ばらっきも大きいことから,しいたけ成分からのH<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB>生成の可能性が示唆された.
著者
小畠 満子 外海 泰秀 小林 加代子 伊藤 誉志男
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.19-29_1, 1987
被引用文献数
1

魚介類から分離した酵母 <i>C. sake</i>, <i>C. lipolytica</i>, <i>Cr. laurentii</i>, <i>Tr. cutaneum</i>, <i>Tr. pullulans</i> と細菌 <i>Alcaligenes</i> sp., <i>B. subtilis</i>, <i>P. fluorescens</i>, <i>S. epidermidis</i> を滅菌サバ, エビ, イカの各々に単独接種し, 5°, 15°25°で2週間培養した場合の腐敗過程を観察し, pH及び揮発性塩基窒素を測定した. 供試酵母菌株の中では <i>C. lipolytica</i> による腐敗作用が最も強く, 25°培養では2日目から軟化し始め, 7日目にはアンモニア臭とネトが発生した. pHは著しく上昇し, VBNも極めて高い値を示した. 他の4菌種の酵母にも程度の差はあったが, 供試細菌菌株と同様な腐敗現象が認められた. <i>C. lipolytica</i> と <i>P. fluorescens</i> の腐敗力は類似していた.
著者
豊田 正武 伊藤 誉志男 一色 賢司 大西 和夫 加藤 丈夫 神蔵 美枝子 白石 美子 原田 行雄 深澤 喜延 横山 剛 米田 孟弘 平山 佳伸 山本 芳子 藤井 正美 慶田 雅洋
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.489-497, 1983 (Released:2009-11-16)
参考文献数
13
被引用文献数
3 4

1) 1982年11月上旬~中旬に, 厚生省の食品添加物1日摂取量調査方式 (マーケットバスケット方式) に従い, 各種食品を, 東京で大手スーパーより, 東京, 大阪で中堅スーパーより, 仙台, 和歌山, 北九州で中小スーパーより, 札幌, 山梨, 長野, 島根で地元小売店より購入し, 1人1日喫食量に相当する試料量を採取し, 8食品群ごとに集め, 各種食品添加物含量を分析し, 1日摂取量を求めた。2) 48品目の各種食品添加物の10機関の平均1日総摂取量は119.8mgであり, 個々の食品添加物の平均1日摂取量は, プロピレングリコール43mg, ソルビン酸36.3mg, 硝酸35.5mg, 安息香酸1.44mg, グリチルリチン酸1.39mg, サッカリンナトリウム0.91mg, プロピオン酸0.60mg, パラオキシ安息香酸エステル類0.23mg, デヒドロ酢酸0.19mg, 合成着色料0.096mg, 亜硫酸0.073mg, BHT0.023mg, 亜硝酸0.018mg, BHA0.001mgであった。3) 各種食品添加物の1日摂取量のADIに対する割合は, 天然由来も含む硝酸以外0~3%の範囲内にあり, 購入先の規模別では, 地元小売店の食品で保存料, 甘味料が多く, 中堅スーパーでは添加物含量が若干低い傾向が見られた。