著者
小山 聡子 大江 篤 近藤 瑞木 斎藤 英喜 水口 幹記 竹下 悦子 山田 雄司 北條 勝貴 赤澤 春彦 佐々木 聡
出版者
二松學舍大學
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-10-21

本研究では、前近代日本の病気治療と呪術の変遷について、各自の専門とする時代を中心に史料調査などを行なった。1年に2回から3回の研究会を開き、各自の調査および研究成果を報告し、議論してきた。本研究では、日本についても、東アジア全体で考えていくべきであるとする認識を持ち、海外の研究者とも連絡を密にしてきました。2018年8月には、中国の浙江工商大学を会場に、国際シンポジウム「東アジアの歴史における病気治療と呪術」を主催した。本研究の成果は、前近代日本の病気治療と呪術に関して、各自の専門分野から論じた論集を2019年度末までに出版する予定となっており、現在、準備中である。
著者
本山 達男 尾川 貴洋 田村 裕昭 古江 幸博 永芳 郁文 川嶌 眞之 佐々木 聡明 渡邊 裕介 小杉 健二 川嶌 眞人
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.254-257, 2015-03-25 (Released:2015-05-22)
参考文献数
7

膝外傷後の痛みで,単純X線で異常なくてもMRIで骨挫傷を認めることが散見される.靭帯損傷を伴わない骨挫傷単独例を,受傷機転,骨挫傷部位,疼痛が消失した時期,スポーツ復帰で検討した.対象と方法)対象は2011年11月より2013年12月まで,MRIで膝の骨挫傷単独例と診断し当院で加療を行った13例,13膝で平均年齢は19.6歳(13-36歳),男性10例,女性3例で,後ろ向きに調査を行った.結果)受傷機転はスポーツ中のもの6例,交通事故5例,子供のバットが当たったもの1例,不明1例であった.受傷部位は大腿骨内側顆10膝,大腿骨外側顆2膝,脛骨内側顆4膝,膝蓋骨1膝であった.疼痛の消失時期は受傷後より約3-7週で平均4.2週であった.考察)膝の単独の骨挫傷は診断にはMRIが必須で,予後は良好であるが,骨の外傷であり歩行時痛が消失するのは3週以上かかることが多く,スポーツ復帰は5週以上要した.
著者
水口 幹記 洲脇 武志 喜多 藍 名和 敏光 佐々木 聡 高橋 あやの 清水 浩子 藤井 誠子 松浦 史子 田中 良明
出版者
藤女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本年度は、ベトナムと中国を中心対象地域に設定し、研究を進めていった。1、研究検討会の開催:国内において、計三回の研究検討会を開催した。特に第二回には、立教大学日本学研究所と「前近代東アジアにおける術数文化の伝播・展開―日本とベトナムを中心として―」と題した大規模検討会を共催した。ここでは、ベトナム(ハノイ国家大学)からファム・レ・フイ氏を招きご報告を頂いたほか、外部スピーカーもお招きし、広く意見交換を行い、一般聴衆へも本研究課題の意義を伝えることができた。この概要は『立教日本学研究所年報』に掲載予定である。2、『天地瑞祥志』研究会への参加・翻刻校注の刊行:毎月一度開催される『天地瑞祥志』研究会に参加し、本資料の輪読・校注作業が進展した。本年度は、本書第十六・第十七の翻刻校注が刊行でき、研究作業が大いに進展した。3、国内外調査:複数の研究班メンバーが共同でベトナム調査を敢行した。多くの漢籍を所蔵するハノイの漢喃研究院を中心に文献調査、史跡調査を行った。調査先は、漢喃研究院のほか、国会議事堂地下展示室・タンロン王城遺跡・ベトナム国立歴史博物館・文廟(以上ハノイ)・バクニン省博物館・陶おう廟碑・延応寺(以上バクニン省)などであった。特に、漢喃研究院の院長や研究員と懇談し、今後の協力を取り付けたこと、また、国宝に指定されている隋代の仁寿舎利塔銘を実見・調査できたことは、今後のベトナムの歴史と術数との関連を考える上で大きな収穫であった。また、現地の道教研究者とも意見交換を行うことができ、今後の研究の足がかりを得ることができた。その他、各研究班により、各地の資料館・図書館・文庫での調査が行われた。4、関連論文の翻訳:ベトナム語の論文としては、グエン・コン・ヴィエット「漢喃暦法の文献における二十八宿に関する概要」を日本語に翻訳することができ、研究班メンバー全員での共通認識形成に役立った。
著者
長友 拓憲 川平 和美 弓場 裕之 佐々木 聡 伊藤 可奈子 長谷場 純仁
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.149, 2006

【はじめに】<BR> 転落によりTh12からL2(L1粉砕骨折)の損傷による脊髄損傷患者に対し、両側KAFOの膝継手として、Spring assisted extension knee joint:伸展補助装置付膝継手(以下SPEX:アドバンフィット社製)を処方し、歩行の実用性に改善がみられたため報告する。SPEXの特性として、筋力に応じた膝伸展補助装置機能があり、伸展位固定でも軽度の屈伸の可動性が得られ、膝折れを予防する効果がある。そのため立脚初期に軽度の膝屈曲が出現し、二重膝作用が働き正常に近いスムーズな交互歩行が可能となる。リングロック固定式にも使用でき、無段階の可動域調整が可能である。また屈曲拘縮の矯正が0°から60°の範囲で一定のトルク負荷が可能であり、コイルスプリングをスチールロッドと交換し屈曲制限及び固定として使用可能である。適応は、脳卒中片麻痺、脊髄損傷、大腿四頭筋筋力低下、膝及び肘関節拘縮、進行性筋ジストロフィーに用いられる。<BR>【症例・理学療法経過】<BR>50才女性。転落によるTh12からL2(L1粉砕骨折)の損傷。胸腰椎骨折固定術施行。入院時評価:American Spinal Injury Association(以下ASIA)は運動C、感覚C。下肢は不全麻痺が両側に残存し、MMTにて股関節外転右2+、左2+、膝関節右伸展4左3+であった。歩行に関しては、膝折れが見られ、平行棒内軽介助レベルにて可能。ADLに関しては、移乗は軽介助レベル、寝返り・起き上がりは自立、座位保持は長座位自立、端座位は自立。立位は両上肢支持にて自立レベル。随意的な膝関節の屈伸運動が可能であるため、SPEXを用い下肢筋力増強、屋内歩行動作獲得を目標に用いた。約2ヶ月間理学療法を施行した。下肢の筋力増強プログラムと併用し、歩行期間に関しては約1ヶ月平行棒内、歩行器での歩行練習をコイルスプリングによる伸展補助力を微調整しながら施行した。退院時評価:ASIAは変化なし。下肢筋力が股関節外転右3+、左3+、膝関節右伸展4、左4に改善した。ADLは、車椅子への移乗が自立レベルに改善した。歩行に関しては、SPEX使用にて平行棒内歩行自立レベル、屋内歩行を歩行器にて監視レベルにて可能となった。<BR>【考察】<BR>今回はSPEXのコイルスプリングによる伸展補助力の微調整と足継手(ダブルクレンザック)の調整を行っていきながら歩行練習を行っていき、膝関節の屈伸運動を可能とし、随意的な収縮がみられたため、また自主練習にて平行棒内歩行練習を加え、通常のプログラムによる筋力増強運動も併用し、股関節・膝関節周囲筋の筋力増強がより効果的になり、歩行の実用性につながったと示唆される。<BR>【終わりに】<BR>今回はSPEXのコイルスプリングによる伸展補助力の微調整と足継手(ダブルクレンザック)の微調整をしながら、歩行練習を行ったが、下肢伸展筋力の個人差に対して、コイルスプリングの強度調整が困難であった。また歩行のアライメント調整のため、膝継手と足継手で通常は約2:1の割合で角度調整が求められるが、患者自身の能力、歩行練習中での問診、分析に応じて調整が求められる。今後症例を重ねて客観的な有効性を検討していく。
著者
佐々木 聡
出版者
静岡県立大学
雑誌
経営と情報 : 静岡県立大学・経営情報学部/学報 (ISSN:09188215)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.101-115, 1996-03-31

The aim of the paper is to examine the historical significance of the productivity-improvement movements in Japan afer World War II by investigating the procss in which the movements arose and results of sending study teams overseas, an activity that was most favored by Japan Productivity Center, the driving force behind the movements. This study found the following: Firstly, those who had had previous backgrounds in introducing the scientific management methods in Japan shouldered guiding roles in the introduction of American-style management during the time of productivity movement of 1950s-60s. Secondly, the American-style management methods were introduced upon the foundation of managerial capability of the individuals, a superstructure of shared and accumulated organizational capability within companies. Thirdly, oraganizations of productivity-improvement movements in Japan, in the long time perspectives, are characterized as a mutual complementary system of the government, business representatives and related organizations. That is, the central body of the movements was newly established every time to meet the new needs of the time through active support by government and business associations. Though former central bodies came to assume supporting role, the whole system became stronger and expanded as time went by.
著者
佐々木 聡
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

本研究では,三菱重工名古屋航空機製作所で生産された100式司令部偵察機の生産システムの全体像と,そのシステム設計の構想過程,およびシステムの戦後への連続的側面の可能性を明らかにすることが目的であった。この目的を達成するために,旧三菱名古屋航空機製作所のOBや関係者へのヒヤリング調査と所蔵資料の調査を実施するとともに,名古屋・東京の三菱重工での調査,国会図書館・日本経営史研究所・東京商工会議所図書館で,所蔵文献・資料の調査を実施した。調査と分析の結果,明らかにされた主な成果の概要は,次の通りである。まず生産システムの全体像についてみると,とくに内製部品工程と組立部品工程との連動について,当時,かなりの創意と工夫が施された経過が明らかにされた。いわゆるカンバン方式への方向性をもったシステム観があったことが確認できた。次に,そのシステムの構想と具体化の過程においては,当時の日本能率協会を中心とする科学的管理の運動とのつながりや,技術者と職人的技能者との連携があったことも,部分的ながら知ることができた。いわゆるJモード型の情報交換システムの潮流を確認できたといえる。第3に,戦後との連続・非連続との面については,具体的な方法論での連続面を析出するにはいたらなかったが,戦後の自動車生産などへ人材面での連続性があったことも部分的ながら確認できた。今後の成果発表については,以上の成果をとりまとめて,さらに追跡調査をもって補い,学会誌などへの投稿を考えている。
著者
佐々木 聡
出版者
東北大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

前年度から引き続き、優秀若手研究者海外派遣事業による助成を受け、中国・復旦大学古籍整理研究所にて本研究に従事した(2010年2月~本年1月)。派遣中は、陳正宏教授(書誌学)・余欣副教授(敦煌学)らの指導を受け、特に資料の基礎的検討に力を入れて本研究を遂行した。先ず、前年度の『白澤圖』の研究を受け、関連資料である敦煌本『白澤精怪圖』の資料的性格を明らかにするため、6月にフランス国家図書館にて原本の実見調査を行った。この調査により、従来知られていなかった複雑な来歴や書名の問題点などを指摘し、資料的性格の解明に繋げた。その成果については、復旦大古代史研究班ワークショップでの報告(11月3日)を経て、海外学術誌に投稿した(「法蔵『白澤精怪圖』(P.2682)考」、審査中)。また、平行して本研究遂行上重要な資料である唐・瞿曇悉達『開元占經』についても、書誌的調査を行った。本書は、先行研究では海外所蔵資料の調査が不十分であったが、報告者は日本・中国・台湾の各研究機関が所蔵する抄本の大部分を調査し、抄本の流布系統を明らかにした。中でも、復旦大所蔵の明憲宗御製序本の発見は、従来不明であった写本系統の解明に繋がるだけでなく、本書のテキスト校訂研究にも裨益する重要な成果と言える。派遣終了後、日本中国学会若手シンポジウム「中国学の新局面」(3月26日、東京大学)にて、本研究の総括的な成果を報告した(「『白澤圖』をめぐる辟邪文化の広がりとその鬼神観」)。本報告では、『白澤圖』を一例に、神仙道の志向性の強い辟邪書が、時代が下るにつれ、形式を変え、人々の基層文化の中に浸透してゆく過程と鬼神観の変遷を明らかにした。また、前年度に行った初期道教経典に見える鬼神観及び辟邪文化と対比・比較しうる視点も提示した。
著者
村上 英樹 木股 三善 下田 右 伊藤 英司 佐々木 聡
出版者
日本岩石鉱物鉱床学会
雑誌
岩鉱 (ISSN:09149783)
巻号頁・発行日
vol.87, no.12, pp.491-509, 1992-12-05 (Released:2008-03-18)
参考文献数
37
被引用文献数
2 8

合成された純粋な灰長石,それぞれMgO, SiO2に富んだ灰長石を, EPMAと四軸自動X線回折装置を用いて化学組成と格子定数の測定を行い,三宅島産灰長石との比較を行った。複合イオン置換に基づく検討から,天然及び合成の灰長石は, MgをCaMgSi3O8, 過剰のSiは ?? Si4O8端成分として,固溶する可能性が指摘された。さらにMgに対するこの端成分を確認するため, EPMAによるMgの化学シフトを解析した。その結果,合成灰長石に固溶されるMgは,オケルマナイト(Ca2MgSi2O7) 中のMgと同じ四配位席を占有することが示唆された。また, X線単結晶回折法からは, Mgの固溶量が増加するに従って,単位格子の体積が増加する傾向が明らかになった。以上のことから灰長石におけるMgの固溶は,雲母,角閃石,輝石に認められる通常のTschermak置換, Mg+Si ?? ;2Al, とは異なり,四配位席だけでのTschermak置換が,メリライトと同様に灰長石においても成立することを明示している。