著者
三冨 敬太 佐藤 優介 阿部 菜々子 佐藤 尋宣 藤井 賢二 安藤 昭太 山田 悠平
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第68回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.276, 2021 (Released:2022-02-23)

インクルーシブデザインは重要度が増しているが、障害のある人とない人が共感を得ながらコミュニケーションを進めることは簡単ではない。現状のインクルーシブデザインのデザインプロセスでは、コミュニケーションの齟齬が発生する可能性を残している。そのため、本研究では、障害のある人とない人が共感を得て円滑なコミュニケーションを行うことができる介入を加えた、デザインプロセスを提示した。具体的には、インクルーシブデザインのデザインプロセスをベースに、共創型対話のアプローチを組み込んだ、Valuable Designプロセスを提示する。また、本デザインプロセスをもとにデザインしたコンセプトの提示を行いフィードバックを得た結果、本デザインプロセスを通じて、障害の有無を超えたメンバーで新規性の高い価値を顕在化できる可能性が示唆されたと考えられる。
著者
熊崎 祐介 多木 俊裕 小谷 淳二 尾崎 史朗 新井田 佳孝 美濃浦 優一 西森 理人 岡本 直哉 佐藤 優 中村 哲一 渡部 慶二
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J104-C, no.12, pp.352-359, 2021-12-01

本論文では,高効率なGaN基板上GaN HEMTのデバイス開発と動作実証を行った.GaN基板の利用により結晶欠陥を大幅に低減し,電流コラプス現象が抑制できることを確認した.また,結晶成長前にウェットケミカル処理を施すことで,基板表面のコンタミを除去し,結晶成長後の基板/エピ界面のSi不純物を低減することに成功した.Si不純物の低減により寄生損失を抑制し,2.45 GHzにおいて効率82.8%と極めて高い値を達成した.これは,同周波数帯にて報告されている異種基板上GaN HEMTの効率と比較して高い値であり,GaN基板上GaN HEMTの優れたポテンシャルを示す結果であるといえる.
著者
佐藤 優也 前原 孝亮 上野 歩 中村 亮太 上林 憲行
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.937-938, 2015-03-17

近年,動画共有サイトにおいてユーザーが商品等を紹介する商品レビュー動画が人気を呼んでいる.本研究ではプレゼンターの訴求力を向上させることが可能な台本作成支援ツールを開発するために,商品レビューやビブリオバトル等のプレゼンテーション動画から適切な時間配分とポジティブ・ネガティブな発言の頻度について分析を行った.アンケート調査の結果,プレゼンターはツールを用いた方が台本を作成しやすいと回答した.また,本ツールを用いた場合と用いていない場合のプレゼンテーションを比較した結果,用いた場合の方が視聴者の満足度が高かった.以上のことから,プレゼンターの訴求力向上に貢献したと示唆された.
著者
谷村 信彦 御領 政信 佐藤 優 星野 富男 鴻巣 泰 片岡 稔雄 渡邊 紀之 小谷 猛夫 渡邊 理
出版者
鶏病研究会
雑誌
鶏病研究会報 (ISSN:0285709X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.125-135, 2002-11-25
参考文献数
81
被引用文献数
2

近年の養鶏産業においては、規模拡大と飼育密度の増大に伴う飼育環境の悪化によって日和見感染症や複合感染症あるいは非感染性疾病が増加する傾向にあり、これはブロイラーの皮膚疾病にも当てはまる。皮膚病変を有する鶏は食鳥検査時にと体の品質の格下げ、部分廃棄または全廃棄処分となるため、皮膚病変による廃棄率を低減することはブロイラー産業にとって重要な課題である。また、皮膚病変部に付随する微生物が食鳥処理場に持ち込まれると鶏肉の安全性を損なう可能性があり、食鳥処理場における微生物制御の観点からもブロイラー農場で皮膚疾病の発生を抑える衛生対策が必要である。ブロイラーの皮膚疾病は、病原微生物および宿主要因、環境要因などが複合して発症に関与し、病変も多様である。対策は各々の疾病の原因に基づいて選択しなければならないが、原因や発病機序が未解明の疾病もある。これらの諸問題を整理し、農場における衛生管理および食鳥検査時の疾病摘発に資するため、食鳥検査で廃棄原因となり得る主要な皮膚疾病について病変の特徴および病因、対策を概説する。
著者
佐藤 優太郎 齋藤 五大 小鷹 研理
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.1E2OS201, 2021 (Released:2021-06-14)

自他の指の腹同士が隣接する状態で, 両者の指の背面を自ら同時にストロークすると麻痺感覚(numbness)が生じることが知られている. また, 本研究室は昨年, 自分の指の延長線上に他人の指を配置し, 自他の指の近傍二点を同期的にタップすることで, 他人の指への接触をもセルフタッチに感じられる自己誘導型の錯覚を考案し, その一般性を確認している. 以上の二つの錯覚を統一的な視点で捉えるとき, ダブルタッチの状況で, 自他の指を張り合わせている状態から180度開くことで, numbnessからセルフタッチ錯覚に転じている. すなわち, numbnessとセルフタッチ錯覚の間にトレードオフ性が存在すると推察される. 本研究は, 上記の仮説を検証するべく, 自他の指のなす角度を要因として, numbnessとセルフタッチ錯覚への影響を調べる被験者実験を実施した. 結果は予想に反し, トレードオフ性は確認されなかった. 一方で, 双方の感覚は, 自他の指の角度が90度の際に極小化し, 0度および180度のときに極大化するU字型の特性を持つこと, さらに相互に強力な正の相関がみられることがわかった.
著者
中牟田 麻弥 佐藤 優
出版者
一般社団法人 芸術工学会
雑誌
芸術工学会誌 (ISSN:13423061)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.34-41, 2017 (Released:2019-02-01)

屋外広告物による景観の悪化を阻止する方法のひとつとして規制や誘導が進んでいるが、派手に突出する屋外広告物は後を絶たない。さらに、屋外広告物の規制を受けた店舗では、規制対象外ののぼり旗や貼り紙等を大量に掲出するなど新たな課題も生じている。このような状況の要因として、景観を視点とした屋外広告物の表示や色彩、大きさ等の視覚効果による規制や誘導に限界があるのではないか。また、広告主の広告媒体としての屋外広告物に対する認識や景観に対する理解が不足しているのではないかと考えた。 そこで、受け手が期待する受容効果に着目し、広告効果が高い屋外広告物のデザイン要素を明らかにすることで、広告主の自主的な屋外広告物の改善につながるのではないかと仮説をたて、本研究において、見る人が期待する屋外広告物のデザイン要素を明らかにし、広告主にとっての屋外広告物のデザインのあり方をまとめる。 本論文は、見る人が期待する屋外広告物のデザイン要素を明らかにすることを目的としている。研究の方法としては、 屋外広告物を見る人が期待する屋外広告物のデザイン要素の抽出を目的として、SD 法による印象評価を行った。まず、見る人に受け入れられる広告要素を分析し、受け入れられる広告の要素を抽出した。次いで、抽出された要素について、イラストや写真等の絵や文字、色彩、面積量等のデザイン要素を分析し、最終的に調査を通して明らかになった見る人が屋外広告物に期待するデザイン要素の考察を行った。 その結果、見る人は「上品で趣があり、興味を引かれる面白さ=interest」のイメージを持つ広告で、モノトーンや寒色系の落ち着いた色彩、文字は控えめでありながら独自性が高いものを期待していることが分かった。一方、「楽しくユーモアがある面白さ= fun」のイメージを持つ広告で、安全や安心、親しみやすさを伝える緑や、元気さや楽しさを伝えるオレンジ、可愛さを伝える黄色などの明るい色彩を、単色画法に限り使用することは好まれ、立体的な表現や、広告物形態に個性がある広告を期待することが確認できた。反対に、情報過多で一瞬では焦点が定まらない広告や、業態や商品以外を表現した曖昧な絵などの表示は期待していない。店主の絵の掲載は、見る人に不快な印象を与える可能性が高いことが確認できた。
著者
髙橋 悠太 廣瀬 茂輝 佐藤 優太郎 中村 克朗
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.16-21, 2020-01-05 (Released:2020-07-13)
参考文献数
7

約138億年前,宇宙はビッグバンにより始まった.その後,宇宙膨張に伴ってエネルギー密度すなわち温度は下がっていき,現在の宇宙は2.7 K(~10-4 eV)まで冷えている.この極低温宇宙に住む私たちが,まだ灼熱だった頃の宇宙について理解するには,粒子加速器を使って宇宙初期の状況を再現し,万物の「素」となる素粒子の性質や相互作用について調べることが重要となる.得られた知見は素粒子標準理論としてまとめられ,宇宙開闢からおよそ10-10秒後,温度にして1,000兆度(~100 GeV)までさかのぼって宇宙の歴史を理解するに至った.ところが,ニュートリノ振動や暗黒物質の存在など,標準理論では説明できない事象も多く,標準理論は低いエネルギー領域での近似理論であって,より高いエネルギー領域には未知の物理法則が存在するという見方が確実視されている.この新物理の尻尾をつかむことが,我々素粒子物理学者に課された使命である.新物理の探索手法には様々あるが,有力なものとしてB中間子を使う手法がある.B中間子は加速器で大量に生成可能であり,多様な崩壊過程を精密測定することで多角的な新物理検証が可能となる.たとえばm=1 TeVの質量をもった未知の粒子が存在したとしよう.するとB中間子の崩壊において,Δt~ħ /m=10-27秒の間だけ仮想的に存在することができる.もしB中間子が,この仮想状態を経由して特定の崩壊をすると,B中間子の崩壊パターンが僅かに標準理論からずれるはずで,これを検出しようというわけである.興味深いことに,近年,B中間子のいくつかの崩壊パターンで標準理論からの系統的な差異が報告され,“Bアノマリー”と呼ばれている.中でも特に注目したいのが,レプトンフレーバー普遍性の破れに関するものである.日本のBelle実験をはじめとするB中間子の精密測定において,B中間子が異なるフレーバーに崩壊するパターンを詳しく調べてみると,3σ以上の統計的有意度で標準理論の予想値とは異なる結果が得られた.これは,レプトンフレーバー普遍性を破る新物理の存在を強く示唆している.Bアノマリーが新物理によって引き起こされているとすれば,その大きさや性質からO(1)TeVのレプトクォークが新粒子として有力視される.これを受けて,世界最高の衝突エネルギー13 TeVを誇る陽子陽子衝突型加速器LHCを利用したATLASおよびCMS実験にて,新粒子を直接生成し,探索する試みが進められている.両実験におけるレプトクォーク探索は,現状でおよそ1 TeVの質量領域に到達している.まだ直接観測には至ってはいないものの,Bアノマリーから予言される新物理のエネルギー領域に手が届きつつある.以上のように,Bアノマリーに関する実験的研究は,B中間子崩壊の精密測定による“間接探索”と世界最高エネルギーの加速器を用いた“直接探索”の両輪によって,近年急速に進展してきた.今後,Belle実験から測定精度を大きく向上させたBelle II実験や,LHC加速器を用いて行われているLHCb実験とでBアノマリーの検証を継続していく.またATLASやCMS実験でも加速器性能の向上により感度が良くなっていく.今後10年内に,Bアノマリーの是非に対して,決着がつくだろう.
著者
佐藤 優
出版者
創出版
雑誌
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.66-69, 2019-04