著者
越智 貢 岡野 治子 山内 廣隆 松井 富美男 後藤 弘志 衛藤 吉則 畠中 和生 濱井 潤也 野村 卓史 石崎 嘉彦 石田 三千雄 硲 智樹 手代木 陽 眞嶋 俊造
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究の目的は、平和実現のための実践的で総合的な理論モデルを提示することである。とりわけ、その特徴は、「平和」の問題を、現実生活の諸相が織りなす「和解」の問題として再構成する点にある。研究期間を通じて、応用倫理学(生命、環境、教育、政治、社会)的アプローチによって上記の課題を追求した。本研究の結果、異質な者に対する排他性、闘争性とその連鎖という根源的な問題に、「和解」のプロセスを示すことができた。
著者
山内 廣隆
出版者
政治哲学研究会
雑誌
政治哲学 (ISSN:24324337)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.116-119, 2017
著者
山内 廣隆
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

研究成果は『ヘーゲルから考える私たちの居場所』(晃洋書房)に凝縮されている。この本は昨年十一月に出版された。この研究の成果は以下のようにまとめられる。(1)国家と宗教の関係のあるべき姿を提示できた。(2)現代アメリカの新自由主義批判のための、理論的根拠を構築できた。以上の二つの成果を、私はドイツ実践哲学の代表者ルートヴィヒ・ジープのヘーゲル解釈に依拠しながら、導き出すことができた。
著者
石崎 嘉彦 飯島 昇藏 山内 廣隆 柴田 寿子 川出 良枝 中金 聡 太田 義器 柘植 尚則
出版者
摂南大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

この研究が目指したことは、大きく分けて以下の四点の纏め上げることができる。いずれの点でも十分な成果をあげることができた。第一は、シュトラウス文献の読解である。日本語版『リベラリズム 古代と近代』(ナカニシヤ出版、2006年),『僭主政治について』(上・下、現代思潮新社、2006-07年)を刊行するとともに、Persecution and the Art of Writing, The City and Man, Thought on Machiavelli, What Is Political Philosophy?などの翻訳を進め、その中で、啓蒙の弁証法、哲学の歴史的研究、市民社会と共同性、自然権、ユダヤ思想、僭主政治、哲人統治、アルキビアデス問題などの諸問題に考察を加え、そこからシュトラウス政治哲学の解釈を試みた。第二は、シュトラウスの秘教的教説と著述技法の問題を明らかにし、ポストモダン的哲学の試みとしてシュトラウスの哲学を理解することに努め、またその観点から、現代社会の諸問題に対処するために、哲学の歴史についての研究と哲学的思考の復権させることの重要性を明らかにすることができた。第三は、シュトラウスとシュトラウス学派の思想の世界的広がりとその影響力についての研究であったが、この方面の研究では北米、ドイツ、フランス、中国でのシュトラウス政治哲学の受容とシュトラウス研究の進展、シュトラウスの読解法による古典研究の進展、シュトラウスの思想と現代思想の関わりについての研究の進展を確認することができた。第四は、シュトラウス的哲学の現代のグローバル世界の中での意味についての研究であったが、この問題に対しても、共著書の形でわれわれの研究成果の一部を公表する機会を得た。研究成果のいくつかは、時間的制約もあってまだ公表されていないものもあるが、それらもこれから順次公表されていくはずである。
著者
盛永 審一郎 加藤 尚武 秋葉 悦子 磯部 哲 今井 道夫 香川 知晶 忽那 敬三 蔵田 伸雄 小出 泰士 児玉 聡 小林 真紀 坂井 昭宏 品川 哲彦 松田 純 山内 廣隆 山本 達 飯田 亘之 水野 俊誠
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

1)20世紀に外延的に同値された神学的-哲学的概念としての「尊厳」と政治的概念としての「権利」は内包的に同一ではないということ。また、「価値」は比較考量可能であるのに対し、「尊厳」は比較考量不可であるということ。2)倫理的に中立であるとされたiPS細胞研究も結局は共犯可能性を逃れ得ないこと、学際的学問としてのバイオエシックスは、生命技術を押し進める装置でしかなかったということ。3)20世紀末に登場した「身体の倫理」と「生-資本主義」の精神の間には何らかの選択的親和関係があるということ。
著者
加藤 泰史 青山 治城 入江 幸男 大橋 容一郎 篠澤 和久 直江 清隆 舟場 保之 別所 良美 松井 佳子 松田 純 宮島 光志 村松 聡 山内 廣隆 山田 秀 高田 純 RIESSLAND Andreas
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究の研究成果としては、(1)現代価値論の観点から「尊厳」概念を絶対的価値として基礎づけることの可能性と重要性が明らかになったこと、(2)ドイツの「人間の尊厳」理解として義務論的なハーバマスにせよ(人間の尊厳/人間の生命の尊厳)、功利主義的なビルンバッハーにしても(規範的に強い意味での尊厳/規範的に弱い意味での尊厳)、「尊厳」概念は二重構造を持っており、それが一般的に妥当性を持つとして広く受け入れられていること、しかしまた同時に(3)ドイツの「尊厳」理解において身体性を重視する議論が新たに提示され始めており、この点で従来のパラダイムが転換する可能性があること、それに対して(4)日本の「尊厳」概念史がほとんど研究されていないことが判明し、本研究でも研究の一環としてそれに取り組み、一定程度明らかになったが、その根柢には「生命の尊厳」という理解が成立しており、それはきわめて密接に身体性と関連していて、この点で(3)の論点と哲学的に関連づけることが可能であり今後の重要な哲学的課題になること、(5)「人間の尊厳」概念から「人権」概念を基礎づけることの重要性が明らかになったこと、(6)近代ヨーロッパの「尊厳」概念成立に際してヨーロッパの外部からの影響が考えられうることなどを指摘できる。これらの研究成果は、まずは『ドイツ応用倫理学研究』に掲載して公表したが(第2号まで公刊済み)、第一年度の平成19年度以降各年度に開催されたワークショップやシンポジウムの研究発表をもとにして論文集を編纂して差しあたりドイツで公刊予定(たとえば、その内のひとつとして、Gerhard Schonrich/Yasushi Kato (Hgg.), Wurde als Wert, mentis Verlagが編集作業中である)である。そして、これらの論文集の翻訳は日本でも刊行を予定している。また、特に(4)に関しては、加藤/松井がこの研究プロジェクトを代表してドイツのビーレフェルト大学で開催されたワークショップ「尊厳-経験的・文化的・規範的次元」において「Bioethics in modern Japan: The case for “Dignity of life"」というテーマで研究発表した。さらに研究成果の一部は最終年度の平成22年度の終わりにNHK文化センター名古屋教室の協力を得て市民講座「現代倫理・「人間の尊厳」を考える」で江湖に還元することもできた。