著者
山口 武志 影山 和也 中原 忠男 岡崎 正和 前田 一誠
出版者
全国数学教育学会
雑誌
数学教育学研究 : 全国数学教育学会誌 (ISSN:13412620)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.1-20, 2017-01-27 (Released:2019-01-17)
参考文献数
20

It is still very difficult for children to understand the meaning of division although various efforts for the improvement of teaching division have been implemented. Therefore overall researches which both capture difficulties and misconceptions of various kinds of division systematically and propose better way of teaching and learning of it to overcome them are required. From this perspective, as the first step of our research, we developed six sets of test of division, for fifth and sixth graders in the elementary school and first graders in the junior high school, which could reveal difficulties of understanding the meaning of division systematically. In six sets of test, various factors of story problems of division which will be expected to affect the percentage of correct answers, such as effect of the order or value of the dividend and the divisor, effect of figures, number lines, word expressions, key words and so on, were taken into account. It is the main reason for us to develop new tests why most of previous test or studies of division only focused on specific grade or specific kind of division such as division with fractions which children have difficulties. We conducted the longitudinal and cross-sectional survey with six tests for children at both elementary schools and junior high schools located in three prefectures: Okayama, Hiroshima and Kagoshima. This article reported results of children’s performance of solving problems of “partitive division and the extension of its meaning”, and analyzed children’s difficulties and misconceptions of them in terms of various factors of story problems of division.
著者
前田 一雄
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
BME (ISSN:09137556)
巻号頁・発行日
vol.2, no.5, pp.322-327, 1988-05-10 (Released:2011-09-21)
参考文献数
21

超音波診断装置の安全性は厚生省研究班, JIS, 日本超音波医学会見解に示されているとおりである. 新しい血流計測ドプラ法では, やや高出力のロングパルスを用い, 米国FDAは1976年当時の出力を基準とした規制を行っている. 超音波の作用閾値は種々の生体作用実験により検討されているが, 診断装置の進歩に伴い新しく計測パラメータと計測方法がIECやWFUMBなどで検討されており, 今後急速に進展をみるものと期待される.
著者
三上 泰正 高舘 正男 横山 裕正 川村 陽一 小林 渡 舘山 元春 前田 一春 工藤 龍一 中堀 登示光 小山田 善三 工藤 哲夫
出版者
青森県農林総合研究センター
雑誌
青森県農林総合研究センター研究報告 (ISSN:03887650)
巻号頁・発行日
no.41, pp.45-62, 2007-03

水稲新品種'恋ほのか'は、青森県農業試験場(現青森県農林総合研究センター)において、全量炊飯型香り米の育成を目標に、'関東154号'(後の'サリークイーン')と'ハツコガネ'のF3個体を母とし、'ふ系143号'(後の'ヤマウタ')を父として人工交配を行い、その後代から育成された香り米の粳種である。2000年から'青系香144号'の系統名で「あおもり米優良品種の選定試験(水稲奨励品種決定、基本調査)」に供試され、栽培特性と利用方法の両面から検討を行った結果、従来の米と異なる新たな需要が期待されることから、2004年2月に青森県の第1種認定品種に指定された。'恋ほのか'の出穂期及び成熟期は'むつほまれ'より遅く、熟期は'つがるロマン'並の「中生の中」に属する。草型は「偏穂数型」で、稈長は「短稈」であるが、倒伏抵抗性は「中」である。障害型耐冷性及びいもち病抵抗性は「強」である。玄米の形はやや細長く、'むつほまれ'より玄米品質はまさり、玄米千粒重は軽く、収量性は低い。炊飯米はポップコーンのような香りがあり、白飯のほかに、ピラフ、パエリア、リゾット等の各種調理飯に利用できる。
著者
山口 慎也 魏 秀復 宇野 淳二 伊飼 美明 古賀 広道 伊野波 諭 甲斐 康稔 藤本 基秋 前田 一史 長岡 慎太郎 西尾 俊嗣
出版者
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
雑誌
脳卒中の外科 (ISSN:09145508)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.30-34, 2009 (Released:2009-09-29)
参考文献数
13

We report 5 cases of remote cerebellar hemorrhage (RCH), which occurs rarely after supratentorial aneurysmal clipping. Among 501 consecutive cases, who were operated on for their supratentorial cerebral aneurysms (unruptured 174 cases; ruptured 327 cases) in our facility between 2002 and 2007, 5 (unruptured 4; ruptured 1) were found to have RCH. RCH was not found on the first CT scan taken within an hour after surgery but was detected between 4 hours and 8 days after surgery. Postoperative epidural drainage in RCH cases amounted to more than 200 ml per 4 hours. While several risk factors for this hemorrhage have been reported, hemorrhage along the cerebellar folia and delayed occurrence suggested that the disturbed cerebellar venous drainage caused by excessive CSF drainage during the perioperative period was the cause of this hemorrhage. While the pathogenesis of RCH has not fully been elucidated, excessive CSF drainage should be avoided during supratentorial aneurysm surgery.
著者
美和 千尋 島崎 博也 出口 晃 森 康則 前田 一範 水谷 真康 浜口 均
出版者
The Japanese Society of Balneology, Climatology and Physical Medicine
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.78-85, 2019-05-31 (Released:2019-06-19)
参考文献数
23

人は環境の温度変化に対して,身体の外部や内部から熱の出し入れをして調節する.身体の内部からの熱の出し入れの一つに温度の異なる水を飲むことが挙げられる.しかし,温度の異なる飲水に伴う人体作用の変化の詳細は明らかになっていない.そこで,この研究では,異なる温度の水を飲むことで,どのような体温応答があるのかを明らかにする.健常な若年男性13名(平均年齢21.3±0.8歳)を対象とし,3℃,室温,60℃Cの水を飲んだときと水を飲まないときの体温応答について検討した.測定項目は鼓膜温,皮膚血流量,発汗量,平均皮膚温である.鼓膜温はサーミスターにより,皮膚血流量はレーザードップラー血流計で,発汗量はカプセル換気法で測定した.平均皮膚温は,身体の7点をサーミスターで測定し,算出した.鼓膜温は水温3℃と60℃の飲水時に他の条件と比べ有意に変化した.皮膚血流量は水温60℃と3℃の間で,発汗量は水温60℃と他の条件の間で,平均皮膚温は水温3°Cと他の条件の間で有意差が認められた.飲水初期の変化は,飲水時の温度による温度受容器の反応で起こり,その後は飲んだ水の温度が持つ熱エネルギーが関与していると考えられた.
著者
前田 一男
出版者
横浜市
巻号頁・発行日
1990-04

市史研究「よこはま」第4号抜刷
著者
前田 一馬 谷端 郷 中谷 友樹 板谷 直子 平岡 善浩
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015

Ⅰ.問題の所在<br>2011年3月に発生した東日本大震災から4年の歳月が経とうとしている。被災地域の復旧・復興のプロセスにおいては、まず災害に耐えうるまちづくりが課題とされ、講じられる復興策として、被災地域の建造環境の再構築が重要視されてきた。しかし、地域が培ってきた祭礼や文化活動の復興も同様に重要性を持っていることが、阪神淡路大震災の被災地域における研究で指摘されている(相澤2005)。そこでは祭礼に関わる住民の取り組みを取り結ぶ媒介として「記憶」が重要な役割をはたしてきた。 <br>本研究では、東日本大震災による被災地域である宮城県南三陸町志津川地区を対象として、震災後において変化を迫られ、消滅の危機さえある地域で行われてきた祭礼や年中行事にまつわる「記憶」を抽出した。さらに、そこで得られた情報を記録した「記憶地図」が、地域文化の継承に配慮した復興まちづくりに貢献する可能性を検討した。<br><br>Ⅱ.調査概要・研究方法 <br>対象地域において、古くから祭礼の運営や地域信仰の中心的な役割を担ってきた五つの神社(上山八幡宮・保呂羽神社・荒島神社・西宮神社・古峯神社)を取り上げ、それぞれの神社の関係者である禰宜・別当・世話人・氏子の計8名に対して聞取り調査を実施した。主な質問項目は、東日本大震災被災前の、①祭礼や年中行事の運営方法、祭礼における行列のルートの記憶、②祭礼とともにある場所・風景の「記憶」、③氏子の居住地区などコミュニティの広がり、④祭礼や神社と地域とのつながり、また、⑤震災後における祭礼の実態や神社と人々との関わりについてである。これら聞取り調査の結果得られた情報はGISを利用して地図上に記録し、祭礼にまつわる「記憶地図」を作成した。<br> また、聞取り調査における関係者の発話は音声データとして記録を行ない、それらは可能な限り文字データ化し、「記憶地図」と併せて利用した。なお、南三陸町における聞取り調査は、2014年8月26日から8月31日にかけて実施したものである。<br><br>Ⅲ.「記憶地図」が語るもの <br>志津川地区内の五つの神社は、五社会という組織を形成しており、上山八幡宮の宮司がすべての神社の宮司を兼任している。まずは、中心的な存在である上山八幡宮への聞取り調査の結果から作成した「記憶地図」(第1図)を検討した。秋の例大祭における稚児行列のルートをみると、この祭礼が子供の成長を地域社会にお披露目するという意味を持つことから、多数の氏子が居住する地区を取り囲むようなルートが、街をあげてさまざまな視点から調整されていた。例えば、志津川病院移転後には病室から稚児がみえるようにと、ルートを変更しており、地域社会の動向をふまえた柔軟性に富む運営が行われていた。また、上山八幡宮のルーツは保呂羽山と密接な関係があり、保呂羽山山頂、旧上山八幡神社の所在地と現上山八幡宮を結ぶ一直線のライン(祈りのライン)は由緒を確認する象徴的な景観上のしかけとなっている。 <br>以上のように、「記憶地図」は今まであまり可視化されることのなかった、地域で行われてきた祭礼の実態や意味づけされた場所の視覚的把握を可能とする。復興計画では、居住地の移転が計画されているが、神社へのアクセスは考慮されておらず、上山八幡宮の禰宜は、地域文化を継承する計画上の仕組みの必要性を主張している。すなわち、復興という建造環境を再構築する中で、祭礼に関わる人々の取り組みを取り結び、意味づけされた場所を新たに創り出すための装置が求められている。「記憶地図」は、これまでの祭礼で取り結ばれていた人々の想いを住民が自らの手で確認し、まちづくりの方向性を考えるための一つのツールになり得ると考えられる。<br><br>参考文献 &nbsp; <br>相澤亮太郎 2005. 阪神淡路大震災被災地における地蔵祭祀――場所の構築と記憶. 人文地理57-4: 62-75. <br><br>&nbsp;[付記] <br>本研究は、科学研究費・基盤研究C(25420659)「地域の文化遺産が被災後の復興に果たす役割に関する研究」(研究代表者:板谷直子)の助成を受けたものである。
著者
田中 英紀 都井 裕 前田 一成 酒井 貴洋
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第54回理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
pp.117, 2005 (Released:2005-04-08)

コンクリートの損傷破壊挙動に対し、Drucker-Pragerの降伏条件を用いた弾塑性損傷構成式を定式化し、2次元有限要素解析プログラムにインプリメントした。コンクリートの材料試験結果から構成式中のパラメータを決定し、コンクリート構造要素の破壊挙動の有限要素解析を実施した。さらに、解析結果と実験結果の対応について考察した。
著者
島崎 博也 水野 圭祐 水谷 真康 中村 毅 前田 一範 出口 晃 川村 直人 鈴村 恵理 美和 千尋 森 康則
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.63-69, 2018-08-31 (Released:2018-09-26)
参考文献数
15

【背景と目的】温泉の効果の一つに温熱作用がある.この効果は体温を上昇させ,体温調節機能が作動し,血流量の増大を引き起こす.今回,これらの変化が,浴槽の大きさ,温泉の泉質によるものかを検討した.  【方法】成人健常男性10名(平均年齢25.2歳)を対象として10分間42℃の入浴を実施した.実施は,大浴槽(約1700L:アルカリ性単純温泉)と家庭浴槽(約300L:温水,0.1%人工塩化物泉)を用いた.測定項目は,深部体温「深部温モニターコアテンプ CM-210」と最高動脈血流速度「超音波血流計スマートドップ45」とし,それぞれの値を入浴中10分目,後安静10分目,20分目,30分目で比較し,さらに各条件で前安静値からの変化を求めた.  【結果】入浴10分目で深部体温と最高動脈血流速度の上昇値は,大浴槽の温泉が家庭浴槽での値に比べ,有意な高値を示した.また,大浴槽の温泉の深部体温は入浴3分目から有意に上昇した.後安静での深部体温は,大浴槽の温泉は15分間,家庭浴槽の人工塩化物泉は16分間,温水は13分間有意な上昇が維持された.  【考察】温泉大浴槽の方が家庭浴槽に比べて,深部体温上昇,最高動脈血流速度が大きかったのは,大浴槽では豊富な湯量により湯温の下降を妨げ,家庭用浴槽での深部体温上昇が継続されたのは,人工塩化物泉が体温上昇を維持させたと考える.
著者
鈴村 恵理 出口 晃 島崎 博也 前田 一範 浜口 均 川村 直人 川村 憲市 川村 陽一
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.87-94, 2012-02-29 (Released:2013-10-18)
参考文献数
7

背景:鼻閉はわずらわしい症状である。今回、鼻腔通気度計を利用して温泉入浴(41°Cから42°C)の鼻閉に対する効果を調べた。方法:10人の健常成人ボランティア(男性 10名、平均年齢 27.8±4.4才)に 10分間の温泉入浴をさせた。鼻腔通気度計(HI-801)を利用し、入浴前と後に鼻腔抵抗値を測定した。鼻腔通気度検査方法はアクティブ・アンテリオール法で行った。両側鼻腔抵抗は、左右片側抵抗値よりオームの法則の計算式(1/T=1/R+1/L、T:両側抵抗、R:右側抵抗、L;左側抵抗)に従って算出する。評価には ΔP100Pa 点の抵抗値を適用した。結果:左右別に測定した鼻腔抵抗値は、入浴前鼻腔抵抗値が0.75 Pa/cm3/s以上の群にて有意に入浴後低下した(吸気 P=0.0117、呼気 P=0.0277;Wilcoxon T-test)。入浴前鼻腔抵抗値が 0.75 未満の群では有意な変化は認められなかった。 入浴後両側鼻腔抵抗値は、入浴前鼻腔抵抗値が 0.5Pa/cm3/s以上の群で有意に低下を認めた(P=0.0115;Wilcoxon T-test)。結果:鼻閉は温泉入浴後改善することが示された。温泉入浴により鼻閉症状は改善すると考えられる。