著者
北原 淳
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

タイのミャンマーとの国境県の広域調査をふまえて、ミャンマー労働者が集中するターク県を対象に選び、各業種におけるミャンマー労働者の移動、労働、生活状態についての調査を行った。先行調査研究は繊維関係の工場労働者に集中しているので、これ以外の業種として、農業、建設、商業等を選んで、それらの分野の労働者についても調査研究を行った。手法として調査票とフリー・インタビューを併用した。産業構造の点では、ターク県はタイでは有数の繊維産業の集積地であるが、これは、ミャンマーから流入する低賃金労働者を求めて、外国、タイの工場がバンコク周辺からこの国境県に移転したためである。基本的には、賃金支払い制度は出来高払いである。労働条件が相対的に良いのは工業省への登録工場であるが、現地には工業省への未登録の工場・作業所も多く、そこでは労働者の労働条件はより厳しい事例が多いもようである。国境県の農業は、平地水田、山地畑地ともに、ミャンマー人、カレン人が農作業を行い、彼らは農地の中の掘立住宅に住み、タイ人農民は自らは全く農作業はせず、彼らの労働の統制・監視役に徹する。建設労働、商店、等の労働もほぼ同様の状況にあり、タイ人労働者は統制・監督役である。ミャンマー人労働者の法的立場は、入局管理法の上では不法であり、パスポートも持たないが、労働法の上では、タイ政府の特別措置によって半合法的であり、特定年月によって異なる各種の労働許可証を所持する。
著者
北原 淳平 坂本 慎太郎
出版者
日経BP ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.475, pp.22-25, 2021-09

坂 日経平均が2月16日に付けた年初来高値(3万467円75銭)を更新することはないとみています。企業の業績回復が遅れる見込みだからです。さらに、20年に目いっぱい買った投資家が多いので、買いが膨らまない。
著者
北原 淳
出版者
地域農林経済学会
雑誌
農林業問題研究 (ISSN:03888525)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.146-151, 1996-12-25 (Released:2011-09-05)
参考文献数
12
著者
北原 淳 田坂 敏雄 滝沢 秀樹
出版者
神戸大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1988

1.韓国経済について次の分析がなされた。(1)外から、上からの工業化が本来的都市化を伴わず両者が相克している。都市化は都市非公式部門を肥大化させている。(2)農業部門は70年代末不作と保護政策後退によって緑の革命も後退し全般的落層化が生じている。(3)農村から都市への人口移動は工業化のテンポを上まわった。(4)民主化を担う主体は労働者、雑業層等の民衆である。2.韓国資本主義論争を検討した。かつての民族経済論は現在国独資論にひきつがれて従属理論と相対立する形となっている。国独資論反対論者の一部はその前身である民族経済論をも批判しているが、本来内包的自立的工業化をめざす民族経済論は従属理論の立場からみても正しく評価されるべきである。3.タイ農村の地域労働市場の展開と就業構造について検討した。(1)大都市周辺農村は通勤形態による兼業が一般化し、農村内部では兼業化と緑の革命により急速な階層分化が進んでいる。(2)その中で上層界の脱農化は顕著ではないので中農標準化傾向はあらわれていない。(3)辺境農村では全階層的な遠隔地出稼労働が盛んである。4.NICS的発展の特徴を論じるシンポジウムを、山口博一,劉進慶、駒井洋、加納弘勝、大倉秀介、スリチャイ・ワンケオ各氏の参加のもとに開催し、次のような諸点を議論した。(1)NICS一般を論じるだけでなく国別にきめ細く見てゆくべきである。韓国はナショナリズムが強いのに台湾は弱く外国投資にも積極的である等のちがいがある。(2)NICS的発展は第三世界の不均等発展や日米関係にもとづいた特殊な発展形態であり、必ずしも一般化できない。(3)都市化、工業化は新中間層、労働者、都市雑業層を増加させており、民主化は上下どの階層の利害を代表するかで性格が異なりうる。
著者
藤井 勝 佐々木 衞 首藤 明和 小林 和美 魯 ゼウォン 奥井 亜紗子 高井 康弘 福田 恵 竹内 隆夫 橋本 泰子 樫永 真佐夫 長坂 格 日下 渉 黒柳 晴夫 北原 淳 橋本 卓 油井 清光 白鳥 義彦
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、東アジアの地方社会を「地方的世界」という観点から、地方社会の形成の論理、現代的な変化の特質、そして今後の発展の可能性や課題を明らかにした。東アジアの地方社会では村落と都市(町)は対立しているのではなく、歴史的文化的伝統の上に成り立つ両者の有機的な関係が形成されてきた。そして、それに立脚して「地方的世界」が存在してきた。したがって村落はもとより、地方都市(町)、そして両者の関係の繁栄や再生こそ、地方社会、延いては東アジア自身の豊かな発展に不可欠であることを明らかにした。