著者
西田 知博 植原 啓介 角谷 良彦 鈴木 貢 中山 泰一 香西 省治 高橋 尚子 中西 通雄 松浦 敏雄 増澤 利光 萩谷 昌己 萩原 兼一
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.28, pp.182-187, 2017-08-10

我々は,文部科学省委託事業 「情報学的アプローチによる 「情報科」 大学入学者選抜における評価手法の研究開発」 の中で,これまで情報入試研究会として実施してきた大学情報入試全国模擬試験を出発点とし,「思考力 ・ 判断力 ・ 表現力」 を評価するという視点も加えて 「情報科」 大学入学者選抜を CBT システム化するためにはどのような機能が必要かを検討している.ここではその検討経過と,今年度実施する試行試験用システムおよび,新しい出題フレームワークなど現在検討している出題方式を紹介する.
著者
中野 由章 久野 靖 佐久間 拓也 谷 聖一 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
第57回プログラミング・シンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.155-169, 2016-01-08 (Released:2016-12-22)

わが国の初等中等教育における情報教育は多くの問題を抱えているが,その中に「どのような評価を行うのがよいかの合意がない」「大学入学試験において情報の内容が出題されることが少ない」という点が挙げられる.筆者らは情報入試研究会として2012 年からこの問題に取り組み,シンポジウムなどを通じて各大学に情報の出題を促すとともに,望ましい情報入試の問題について探究し,公開模擬試験を通じてデータを収集してきた.本発表では,情報入試研究会の活動について紹介するとともに,作題に関する考え方,公開模擬試験で使用した問題や試験結果について紹介し,望ましい情報入試のあり方について議論する.
著者
中野 由章 谷 聖一 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 久野 靖 佐久間 拓也 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
情報教育シンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.2, pp.11-17, 2014-08-17 (Released:2015-02-03)

情報入試研究会と,情報処理学会情報入試ワーキンググループは,2013 年と2014 年に「大学情報入試全国模擬試験」を実施した。2014 年に試行した試験は,920 人が受験し,その内容について分析した。その結果,全体としてみれば,得点分布,解答時間,問題数などは極めて良好であり,出題範囲や難易度についても問題はなかった。ただ,「情報の科学」領域,とりわけプログラミングについては,問題点が明らかになった。これはすなわち,大学側が求める内容と,高校側で行なわれている内容の乖離を意味する可能性がある。入試問題という狭い範囲ではなく,教育内容まで含めて,今後,総合的に検討を要する内容である。 The working group in IPSJ and the study group for “exam for university entrance on information study” carried out nationwide trials of “exam for university entrance on information study” in 2012 and 2013. 920 senior high school students, most of who were the 1st graders participated in these trials and the authors analyzed the result. As a result, the score distribution, answering time and the number of questions in the trials were all so appropriate, and no problems were seen on the degree of difficulty or the range of the questions actually set. However, some issues about its contents have been revealed; especially the theme of programming skills in “scientific understanding of information” is judged to have a problem. That is, there may be the perception gap between the university side and the high school side; the contents a university requires this subject don’t meet with those high school students are to learn in class of information study. This is not the issue only the exam for university entrance on information study involves, but that we have to deal with after considering “educational contents” comprehensively, high school through university, and from various angles.
著者
谷 聖一 佐久間 拓也 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介;中野由章 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 久野 靖 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
情報教育シンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.7-14, 2016-08-15 (Released:2016-08-05)

情報入試研究会と,情報処理学会情報入試ワーキンググループは,2013年と2014年に引き続き,2015年と2016年に「大学情報入試全国模擬試験」を実施した.「大学情報入試全国模擬試験」の目的は,「どのような試験方法、どのような範囲・内容・水準の問題が適切であるかについて意見を交換し、その成果として具体的な入試問題の試作を行い世の中に公開すること」ことであった.2015年実施の模試には約2000名の高校生が,また,2016年実施の模試には約750名の高校生が参加した.本報告では,その実施概要と結果について報告する.適切な範囲・内容・水準を確立するためのの議論の素材となりうる具体的な入試問題を提示したという点で,目的をある程度達成できたといえる. The working group in IPSJ and the study group for "exam for university entrance on information study" held nationwide trials of "University entrance examination on information study" in 2015 and 2016. The number of senior high school student participants in the trial in 2015 is about 2000, and the number in 2016 is about 750. We report the outline of implementation of the trials.
著者
神原 啓介
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、オノマトペを用いた新しいヒューマンコンピュータインタラクション手法を提案し、それを実現する複数のシステムを作成、評価、発表した。オノマトペとは「ざわざわ」「ぐるぐる」といった擬音語・擬態語のことで、日常的な会話や文章の中で多く用いられている。オノマトペは、ものの様子や動き、感覚、感情を活き活きと表現できることや、柔らかく親しみやすい表現といったことが特徴となっている。このオノマトペをインタフェースに採り入れることで、コンピュータが苦手としてきた「感覚的」で「親しみやすい」インタフェースを実現することが本研究の目的である。そこで本研究では「オノマトペを声に出しながらポインティングすることで、そのオノマトペに応じた操作を行える」というマルチモーダルインタラクション手法を提案し、具体的な応用として、ペイントシステムとゲーム操作に本提案手法を適用した。また、これらのシステムをユーザテストによって評価した後、国内および国際学会で発表した。
著者
佐藤 雅明 石田 剛朗 堀口 良太 清水 克正 春田 仁 和田 光示 植原 啓介 村井 純
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.253-264, 2008-01-15
参考文献数
11
被引用文献数
3

センタレスプローブ情報システムは,車車間通信と車両自体の移動によってプローブ情報の生成と伝達を行う.車両の存在する周辺の道路交通情報や,安全に関する情報等の即時性が求められる情報等に有効であると考えられている.本論文では,センタレスプローブ情報システムの有用性を活用する手法として,センタレスプローブ通信基盤を利用する渋滞に関する道路交通情報生成アルゴリズムの提案を行った.また,提案した道路交通情報生成アルゴリズムとセンタレスプローブ通信基盤を,実車両で動作する車載システムとして設計と実装を行い,テストコース内で5 台の車両を用いた実証実験を行った.この実験で,実装した車載システムによるプローブ情報の生成と統合が可能であることが分かった.さらに,実車環境においてセンタレスプローブ情報システムが有効に動作することが確認された.Decentralized Probe Vehicle System transmits information by the communication between vehicles, and movement of vehicles. Decentralized Probe Vehicle System is effective in the sensor data depending on a geography position, and the sensor data contributed safely which needs a real-time processing. In this paper, road traffic information generation algorithm was proposed. The design and implementation about algorithm and communication platform for Decentralized Probe Vehicle System was performed. Then, field test was conducted by five vehicles in the test course. As a result, it turned out that generation and integration of probe information are possible using implementation system. Further, it was checked that a system operates effectively in real vehicle environment.
著者
神原 啓介 塚田 浩二
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.2_172-2_182, 2011-04-26 (Released:2011-05-26)

ブログやSNS,ソーシャルブックマークなどのソーシャルウェブサイトの利用が進み,Web上で人とつながりを持ちコミュニケーションをすることが増えた.Web上での人とのつながりやコミュニケーションが増えると,優先的に見たい人の発言が他の人の発言に埋もれてしまう問題や,複数のウェブサイトに発言が分散してしまう問題,タイムラインのようなリストでは特定の人物を見つけにくいといった問題が起こる.そこで本研究では複数のソーシャルウェブサイトを横断しながら,優先的に見たい人がタイムラインに埋もれてしまうことなく,特定の人物を一目で見つけることのできるインタフェース「ソーシャル顔アイコン」を提案・試作した.ソーシャルウェブサイトの中にいる人をアイコンとしてデスクトップに置くことで人に対してより直接的にアクセスできるインタフェースを備えており,使い慣れたアイコンと同じように操作できる点や,発言の新鮮度や発言頻度といった時間軸情報を視覚的に分かりやすく表示する点が特徴である.
著者
澤田 暖 佐藤 雅明 植原 啓介 村井 純
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.9, pp.1-8, 2011-03-02

本稿では,車載が容易なスマートフォンを用いて構築された,車両間アドホックネットワークにおいて,位置情報に即した情報の流布を行うプラットフォームである 「iDANS」 を構築した.iDANS は特定エリア内の車両同士で,迅速かつ多くの情報を共有することを目的としている.目的を達成するために,iDANS は走行中の場所に応じて,最も流布すべき情報を優先的に流布する機構を備えている.また,位置情報を正確に取得出来ない端末を中継ノードとして有効利用することも可能としている.iPhone を用いた iDANS の実機動作検証とシミュレーションによる効果測定の結果,iDANS は特定エリア内の車両間で多くの情報を迅速に流布する上で有効であることを確認できた.In this paper, iDANS, which is a location based information dissemination platform for smartphones in vehiclar ad-hoc networks (VANETs), is proposed and evaluated. The primary objective of iDANS is to disseminate and share information swiftly between vehicles within a designated area. In order to meet the demands, iDANS disseminates the information most relevant to the current location on a priority basis. It also makes use of devices which can't acquire the current location accurately as relay nodes. As a result of operation tests and simulations, iDANS was verified that it is effective in disseminating information swiftly among vehicles within a designated area.
著者
植原 啓介 湧川隆次 佐藤 雅明 渡辺 恭人 砂原 秀樹 寺岡 文男 村井 純
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.286-296, 2001-02-15
被引用文献数
6

現在の自動車の情報システムは,サービスごとにセンタシステムや通信基盤を含んだ独立したシステムとして構築されており,新たなサービスを始めるためのコストが高い.そこで我々は,安価にサービスを実現するための基盤として,通信部分をサービスから分離したインターネット自動車システムを提案している.本稿では,インターネットを利用した自動車用通信システムを設計・実装した.このシステムは,高速移動する自動車に安定したInternet Protocol(IP)通信環境を提供するため,インタフェース切替え等の新技術を導入している.車載コンピュータのハードウェアおよびインターネット自動車システムを基盤としたアプリケーションソフトウェアを開発し,実走行環境での実験を行った.実験では,複数の無線通信媒体が切り替わる環境において,連続的に安定したIP通信機能が実現できることが分かった.この結果,今回構築したシステムが自動車の情報化に十分利用できることが検証された.In current information systems for automobiles, each service is an independent system including its own communication system.For this reason it is costly to start a new service.In this paper, to realize an afordable service, we propose a new information system called InternetCAR.In this system the communication system and the service has been seperated.This paper describes the design and implementation of a automobilar communication system which utilized the Internet.The system makes use of interface switching and other new technologies to provide stable IP connectivity for automobiles moving at high speeds.On-board hardware and application software based on the InternetCAR system have been implemented and evaluated in an actual situation environment on board a moving car.The experiments proved that it was possible to provide stable IP connectivity in an environment where different wireless communication mediums are constantly being switched.As a result,it can be said that this system has the ability to safely and reliably connect automobiles to the Internet.
著者
原 史明 沼田 雅美 植原 啓介 砂原 秀樹 寺岡 文男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.12, pp.3112-3123, 2006-12-15
被引用文献数
7

ユーザの位置情報に基づき,インターネットを利用した様々な位置情報サービスが実用化されている.しかし,より利便性の高い位置情報サービスを提供するためには,多様な位置測位デバイスに対応することに加えて,多様な位置の表現形式(空間参照系)に対応する必要がある.そこで本論文はインターネット上で汎用的に位置情報を取り扱う機構であるUniversal Location Platform(ULP)を設計・実装する.ULP は位置情報取得・管理機能,空間参照系変換機能,位置情報提供機能を持ち,それぞれの機能ごとに分散化することで規模拡張性を確保する.汎用的に位置情報を記述するため,XML を利用して位置情報を取り扱う.また,多様な位置測位デバイスに対応し空間参照系変換機能によって指定した空間参照系により応答する.さらに,位置測位デバイスを抽象化した位置情報提供インタフェースを実現し,プライバシルールを利用したプライバシ保護機構を持つ.評価として位置情報検索処理時間の測定,位置情報基盤の必要要件に基づく考察を行い,ULP の実用性を検証した.In this paper, we present the design and implementation of Universal Location Platform (ULP). ULP is a location information platform, that has the location collection, location management, and location transform function. ULP separates each functions, and decentralizes on the Internet. ULP realizes the provision of locations that has variety location representations by location transform function, and privacy protection function by access control with privacy rules and the modification of location resolution. In evaluation, we did performance evaluation and verificated the practicality of ULP.